ストライク・ザ・ブラッド 真祖の妹の妹 旧   作:桐響 蒼歌

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第六話 嘆きの剣巫 2

「やっぱり南宮先生は知っていたんですね」

「まあな…その人形、残してきたのは失敗だったな」

「いえ。そうではなくて。昨晩、わたしたちが戦った相手のことです」

「え?あのオイスタッハとかいうオッサンのことか?」

「はい。それにあの人工生命体の女の子も…彼らが魔族狩りのようなことをしていたのを、警察は前から知ってたということですよね」

「ああ…だろうな。市内の登録魔族に警告が出てるようなことも言ってたし」

「ですが、彼らの素性までは、まだ把握していないのだと思います」

「素性?」

「犯人がロタリンギアの殲教師だということです」

「そうか…襲われた連中は、意識不明の重態だとか言ってたな…」

「はい。今のところ、彼らと直接戦って無事だったのは、わたしたちだけですから」

「どうしてさっき那月ちゃんにそのことを言わなかったんだ?ああ見えても、あの人は攻魔師資格保持者だぜ。警察にも顔が効くみたいだし」

「先輩…本気で言ってるんですか?」

「え?」

「攻魔師資格ならわたしだって持ってますよ。どうして獅子王機関の人間が、警察に泣きつかなければならないんですか」

「いや、どうしてってことはないんだけど」

「ただの通り魔事件なら警察の仕事ですけど、ロタリンギア正教、それも殲教師クラスの人間が絡んでるとなると、これは立派な国際魔導犯罪です。獅子王機関の管轄ですよ」

「そ、そうなのか。ただの縄張り意識とかじゃないんだな」

「で、昨日のことですけど、先輩は「今はまだ」と言われていましたが、最悪先輩も狙われるかも知れません」

「はあ⁉︎狙われるって」

「はい。昨日の殲教師の人工生命体がやっていたことですが、魔力を食べていました。そしてそれは、南宮先生が言っていた通り先輩も狙われるかも知れません」

「ですので、一応調べたほうがいいかと思い、この島にある西欧協会の施設の一覧です。見ますか?」

「この中の何処かに、協力者と一緒に潜伏している可能性が高いです」

「…そうなのかな」

「なにか間違ってましたか?」

「いや、そんな単純でいいのかって気が」

「は?」

「いや、いくらロタリンギアって情報を知らなくても、オッサン達の外見くらいわかってるんじゃないかと思ったんだが。あと、オッサンが法衣を着てたことも」

「そうですね…そうかも知れません…」

「だったら、警察が真っ先に西欧協会を調べるんじゃないか?」

「あ…」

「で、でも、だとしたら彼らは今どこに?」

「そうだな…えーと、外資系企業とか?」

「はい?」

「いや、殲教師だからって、協会以外の場所にいたらまずいってことはないだろ。そもそもあのオッサンが本当に殲教師なのかどうか。勝手に名乗ってるだけかも知れないしな」

「な、なるほど」

…ここまで式神を付けて聞いてたけど、このままじゃあの殲教師に会ってしまうかも知れない。

…あれ、お兄ちゃん達がいない。

___________________________________

「_____ロタリンギア国籍の企業?どうしてそんなことが知りたいわけ?」

「いや、どうして…と言われても、そんなにたいしたようじゃないんだが」

「まさか、あんた…あの姫柊って子に頼まれたんじゃないでしょうね?」

「え?いや、まさかそんなバカな。いやいや」

「……」

「本当に違うって。そう、夏休みの宿題の自由研究で調べてるんだよ。ロタリンギアについて」

「は?自由研究?」

「仕方がないわねぇ。はいはい、調べてあげるわよ」

「ああ。ありがとう、浅葱」

「だから感謝は形で示せってのよ。ロタリンギアの企業ね…ないわよ、そんなの。島内には」

「ない?一社もか?」

「ロタリンギアの企業と取引したり、代理店契約を結んでいる会社はいくつかあるけど、働いてるのはみんな日本人。だいたいヨーロッパ系の企業が絃神島に支社を置く理由はないでしょ。魔族特区は欧州にもあるし、最近の円高でほとんど撤退しちゃったんじゃない?」

「…撤退?」

「そうか…浅葱、撤退済みの会社は調べられないか?できれば閉鎖した事務所がそのまま残ってるようなやつがいい」

「うーん、確か過去五年だったら、記録が残ってたような気がしたけど…」

___________________________________

「見つけた。あれは…クラスメイトかなぁ?多分さっき式神が聞いてたこと、殲教師がいる場所を探してるんだろうな」

「式神が見てる限りだと…アイランド・ノースの第二層のB区画?…あっお兄ちゃんが出て行っちゃった」

「私も行かなきゃ。その前に目の血拭いて行こう」

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