ストライク・ザ・ブラッド 真祖の妹の妹 旧   作:桐響 蒼歌

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第七話 聖者の右腕

「先輩…どうして…そんな…いや…あああああああっ…!

雪菜の手の中から、槍が落ちた。首だけとなった古城を、両手で必死に抱きしめる。しかし、古城からの返事はない。

オイスタッハはその光景を無表情に眺めて、戦斧を下ろした。

雪菜にはもう戦闘を続ける力はないと判断したのだろう。神格振動波駆動術式が完成した今となっては、オイスタッハにあえて雪菜と戦う理由はない。

「行きますよ、アスタルテ…我らが至宝を奪還するのです」

「____命令受諾」

 

 

 

 

 

…お兄ちゃんが…お兄ちゃんが!

許さない…殲教師も、私も!

だから、とりあえずお兄ちゃんの所に行かなきゃ!

___________________________________

「…雪菜(・・)ちゃん少しこれ使うよ」

「えっ⁉︎…綾花さん。これって?」

「これ」

そう言って私は雪霞狼を持ち上げた。

「だっだめです!それは…私が」

「でも、もう使わないでしょ。先輩、死んじゃったし」

「…」

「ちゃんと返すよ。私が死ぬか彼等を倒せたら」

「じゃあ、もう行くね。雪菜ちゃん」

そう言って私は飛び出した。

___________________________________

「____命令完了。機密隔壁の封印を破壊しました」

「行きなさい、アスタルテ。私たちが求めているものは、この先にあるのです」

「命令受諾」

___________________________________

「命令完了。目標を目視にて確認しました」

「…………」

「お…おお…」

「ロタリンギアの聖堂より簒奪されし不朽体…我ら信徒の手に取り戻す日を待ちわびたぞ!アスタルテ!もはや我らの行く手を阻むものはなし。あの忌々しき楔を引き抜き、退廃の島に裁きを下しなさい!」

「その前に、私の用事を済まさせてもらえますか?」

「なに?」

そこには目の周りを真っ赤に染め、雪霞狼を持った綾花がいた。

「ねぇ、先輩を(お兄ちゃんを)殺したのはあなたですか?」

「…先ほど第四真祖なら殺しましたが、なにか?」

「そうですか。では、あなたたちを倒します」

「ほう、そうですか。ですが、邪魔立てするというならば実力を持って排除するまで____アスタルテ!」

「命令受諾。執行せよ"薔薇の指先"____」

「…許さない」

私はまず、アスタルテ、人工生命体の方へ駆け出した。

まず、右から右腕、左から左腕。

左に飛んで左腕を足場に右腕に飛び、眷獣を飛び越えた。

「アスタルテ!」

「獅子の巫女たる高神の剣巫が願い奉る

破魔の曙光 雪霞の神狼 鋼の神威をもちて

我に悪神百鬼を撃たせ給え!」

私は祝詞を唱えつつ、結界を抜ける為にある物を取り出した。

途中で倒れていた特区警備隊が持っていた閃光手榴弾だ。

「くっ!」

「雪霞狼!」

貫く為に力を一点に集中させた雪霞狼は"薔薇の指先"の結界を抜け、後ろにいる、オイスタッハの所まで抜けた。

そして私は入り口の方へ雪霞狼を投げ、そのままオイスタッハに攻撃した。

「鳴雷!」

だが、私の攻撃は戦斧で止められてしまう。

防がれた私は、その戦斧をそのまま蹴り離れた。

「とりあえず、これで」

私は背中に背負った銃、サブマシンガンをオイスタッハに向けて撃った。

だが、

「アスタルテ。やりなさい」

私が撃った銃弾は全て弾かれ、人工生命体の少女が少しずつ近ずいてきた。

そして、弾が切れた。

残りの武装は、式神とエンチャントしたナイフ、これでどうにかしなければ。

「…どうしよう」

「なら、人に頼ればいいじゃねえか」

「えっ?」

綾花が、入り口の方へ視線を向けると、そこには古城、お兄ちゃんが立っていた。

その横には彼女、雪菜が雪霞狼を持っていた。

「そうですね。綾花さん、少しは人に頼ってもいいと思います」

「…うん」

そしてお兄ちゃんは

「なあ、オッサン。俺はあんたに胴体をぶった切られた借りがあるんだ。とりあえず、そんなもの(聖遺物)なんかよりも先にその決着を先につけようか」

「貴様…その能力は…」

お兄ちゃんの全身に稲妻が包む。

「さあ、始めようか、オッサン____ここから先は、第四真祖(オレ)戦争(ケンカ)だ」

「いいえ、先輩。わたしたちの(、、、、、)聖戦(ケンカ)、です__!」

「…わたしたちの(、、、、、)聖戦(ケンカ)…」

そう言い雪菜は、雪霞狼を構え、閃光のような速度でアスタルテへと向かった。

そしてお兄ちゃんは、青白い稲妻を撒き散らしながら、オイスタッハへ殴りかかった。

「…お兄ちゃんと雪菜の援護をしなきゃ」

「確かに凄まじい魔力ですが、そのような無様な攻撃で私に触れることはできませんよ。まるで浅はかな素人同然ですね、第四真祖!」

「同然じゃなくて、本当に素人同然なんだよ!」

「じゃあ、素人の動きじゃなければ当たるんですね」

私はオイスタッハの後ろへ回り込み、式神を使ってお兄ちゃんの方へ注意を向けた。

「!前ですか」

「残念。後ろだよ!」

「何!”要塞の衣(アルカサバ)”!」

「きゃっ!」

「汚ェぞオッサン__そんな切り札をまだ隠し持ってやがったのかよ!」

「先輩……!?」

私は未来視に従って見た未来を本当にしないように避けてゆく。

「そういうことなら、こちらも遠慮なく使わせてもらうぜ。死ぬなよ、オッサン!」

「ぬ……!?」

「"焔光の夜伯"の血脈を継ぎし者、暁古城が、汝の枷を解き放つ____!」

「疾く在れ、五番目の眷獣、"獅子の黄金"____!」

お兄ちゃんが、なにか言葉を言い、雷光の獅子、お兄ちゃんの眷獣が現れた。

「…先輩、気をつけてください」

「これが貴方の眷獣か…!これほどの力をこの密閉された空間で使うとは、無謀な!」

雷の獅子の前足がオイスタッハに目がけて振り下ろされる。

その攻撃はオイスタッハにかすめただけだった。

だが、それだけでオイスタッハの巨体が数メートルは跳ね飛ばされていた。

「アスタルテ____!」

殲教師がアスタルテを呼んだ。

そして雷の獅子がアスタルテに向かって攻撃を仕掛けた。

神格振動波の防御結界が、古城の眷獣の攻撃を受け止め反射する。

「きゃっ!」

私の頭に、瓦礫が当たった。

未来視で未来も見ていたが、疲労で動けなかった。

そして意識が薄れて私は気絶してしまった。

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