何かサクサク書けました。
と言っても本編進んでいませんが。
あと、どうでもいい呟きですが、マクロスシリーズの小説を書きたいと思う今日このごろです。
では本編どうぞ
『To:お父さん
Sub:今日の晩御飯
本文:戦車道の友達と今日の晩御飯を一緒に食べることになりました。それで、よければお父さんたちも一緒にどうかなと思ってメールします』
受け取った人生初の娘からのメールはそんな内容であった。
大洗に来てから、必要になると思い購入した携帯電話に着信メールがあり、タカシが内容を読み上げてくれる。
「娘さんがメールを送ってくるのは、珍しいですね」
「今日は一応古い友人と会う事を言っていたから、みほなりに気遣ったのかな?」
そんな会話をしつつ、晩御飯の事を考える。
流石に自分に慣れていない娘の友達と一緒に食卓を囲むのは、お互いに気を遣うかなと考える彼。そして、年頃の娘がやっとできた友人と気兼ねなく喋るのであれば、親である自分はお邪魔になるかな、とも考える。
幾分か考えた末に、彼は未だに携帯を持っているタカシに返信をお願いした。
『To:みほ
Sub:代筆担当、タカシ
本文:気遣ってくれてありがとう。お誘いは嬉しいのですが、友人に夕食をお呼ばれしたので、そちらでお世話になります。みほはみほで、友達と夕食を楽しんでください。それと、友人の人数が多いのであれば、ウチを利用するのは構いませんが、仕事場には通さないでください』
そんな内容の返信を送ると、すぐに娘から了承のメールが届く。
それを確認し、車椅子の収納スペースに携帯をしまってもらうと、彼は取り敢えず一言口にした。
「さて……タカシ君、夕飯をどうしましょうか?」
見た目年若い男二人が、道端で途方にくれる姿はどこか間抜けであった。
「今更、大洗に戻るのは……悪いですよね?」
「あ~……学園長は自分の車の処理もあるでしょうね、きっと」
数時間前に聞いた、鉄のひしゃげた音を思い出しつつ、彼は考える。
一般的な飲食店で、彼が食べられる物を出すお店は少ない。そして、陸であればともかく、若者向けのお店の多い学園艦では、そういったお店は本当にまれであったりする。
どうしたものかと首をひねる二人。
だが、その悩みは意外な解決を見せた。
「あら、この間の?」
第三者の介入である。
「その声は……秋山さんですか?」
聞いたことはあるが、聞き慣れているわけではない声に彼はそう返した。
「そうです。以前はサインありがとうございました」
「こちらこそ、散髪ありがとうございます」
「いやですよ、それが仕事なんですから」
どこか井戸端会議のようになりつつある空気に、タカシは居心地の悪さを覚える。そして、その感覚を覚えるということは自分がまだ若いと、よくわからない再確認をしていたりしたが、それは本当に余談である。
「ところで、お二人はこんなところでどうかしたのかしら?」
二人がいた場所は、近くに店や目立った建造物のないただの住宅街だ。そんな場所で立ち止まっていれば、他人の気を引くには十分である。
「実は――」
それまで黙っていたタカシが口を開く。その事に少しだけ驚きながら、彼はタカシに説明を任せることになる。
「あら、それならウチで食べますか?」
「え、それは――」
「もしご迷惑でなければ、お言葉に甘えさせてもらえますか?」
「ええ、ちょうどウチの娘も友達の家で晩御飯を済ませるみたいなので、食材があまるのよ。うちの人も喜ぶわ。あの人、娘がいないと寂しがるから」
寂しがると言う言葉にぴくりと反応しながらも、彼を置いてきぼりにしつつ話は進んでいく。
「これから少しだけ買い物をしてから店の方に戻るので、先にお店の方に向かってもらえますか?」
「分かりました。先生の食事は自分も用意しますので、料理はお手伝いします」
「あら、頼もしい」
そして、二人は秋山理髪店に、一人は近くのスーパーに向かって分かれる。
お互いの姿が見えなくなってから、これまで沈黙していた彼は自身の車椅子を押す青年に対して口を開いた。
「タカシくん?」
その声はどこか問い詰めるような声音である。
「言いたいことは分かりますよ。でも、知り合いで頼ることができる人がいるのであれば、貴方の場合は頼るべきです」
ピシャリと言われ、それ以上は反論のしようがなかった。ハッキリとした物言いをしてくれる人であったタカシという人物に感謝しつつ、彼は似たような事を若い頃に言われたなと、柔和な声を出す一人の女性を思い出す。
そんなやり取りをしつつ、時間は過ぎていく。
それからの経験は彼にとって、真新しいことや懐かしいことに溢れていた。
理髪店に到着してから食事の準備ができるまで、親の散髪が終わるのを待っている子供に歌を聞かせて、若い頃に病院でも似たような事をしていたと懐かしむ。
秋山理髪店の主人である秋山淳五郎と娘談義をしたりもした。
そして、タカシ監修のもと作られた秋山好子作の食事を食べる時には、家族以外の人との団欒という彼にとっては珍しい体験もした。
その騒がしくも心がいっぱいになる日常を送る中で、彼の中で様々な音が幾つもの歌となっていく。
音と音が絡み合い、解け、そしてまた束ねられていく。
その瞬間一つ一つを、彼は残したくて堪らない気持ちになっていく。
早く、速く、疾く、紙面にこの生まれた音を残したい。
そんな逸る気持ちを抑えつつ、彼はタカシと共に秋山夫妻に別れを告げるために、食事の片付けの手伝いを終え、家の玄関にいた。
「それでは、お世話になりました。晩御飯も美味しかったです。ご馳走様でした」
「また来てくださいね。今度はお互いに娘がいればいいのだけど……って、アナタ?」
笑顔で別れの挨拶をしている好子の後ろで、何故か涙ぐむ淳五郎の姿がそこにはあった。
「くぅ!娘と同じ学校の生徒の親御さんとこんな親密な関係を築けるなんてっ!」
「ほらほら、泣き虫なんだから。ごめんなさいね、うちの人こう見えて繊細なのよ」
感極まっている夫をあやしつつ、そんなことを言ってくる妻の言葉に苦笑いを返すタカシと、何故か同意するようにうんうんと頷く彼であった。
その頃の西住家(大洗)
「え、じゃあみほのお父さん今いないの?」
「うん、お友達と晩御飯食べてくるって」
「それは気を使わせてしまったのでは?」
「大丈夫ですよ。タカシさんも付いているので」
「お手伝いの人だっけ?」
「正確にはマネージャーかな」
「マネージャー……今更ですけど、みほさんのお父様の職業って」
「あぁ、えっと」
「…………西住殿、もしかして作曲の仕事ではないですか?」
「優香里さん、知ってたの?」
「いえ、その、以前うちの店に来ていたみたいで」
「……そう言えば、今大洗には作曲家の『弥栄縁』が来ているらしい」
「え、それってあの有名な?」
「映画とかCMとかドラマとかで、よく聞く歌を作ってるあの?それ本当なの、麻子?」
「真偽は知らん。あくまで噂だ。何でも道を歩いている時に歌を歌っているとか聞いたが」
(…………お父さんだ)
その頃の西住家(本家)
「……それで奥様は今日も旦那様の部屋で寝泊りを?」
「はい…………あの、菊代さん?お手伝いの一人である私が言うことではないかもしれませんが、奥様にせめて旦那様がどこにいるのかくらいは…………」
「言いたいことは分かりますが、今そんなことをすれば奥様は全てを捨てて行っていしまいますよ?それは旦那様の望むところではありません」
「しかし……」
「大丈夫です。まだもちますよ、奥様は…………あと一週間くらい?」
その頃の黒森峰
「最近、隊長の様子どこかおかしくない?」
「あ、それは私も思った。何か落ち着きがないって言うか」
「そう言えば、近頃よく音楽を聞いているみたいだよ。イヤホンをよくしているの」
「音楽?…………そう言えば、隊長のお父さんって」
「あ、作曲家の……あれ、確か今は」
「しっ!それ以上はここではタブーよ」
「……今ので思い出した。最近、別の学園艦で変わった音楽家が出没するらしいよ」
「音楽家?ストリートミュージシャンってこと?」
「ううん。何か道を移動しながら歌うんだって」
「何それ?」
「後は、店の中で流れているBGMを変化させるとか何とか」
「いや、だからなによそれ?」
「さぁ?あくまでネット上の噂だから」
「その話詳しく聞かせてもらおう」
はい、今回はここまでです。
今回一番悩んだのが、主人公のペンネームでした。
食事会の時系列とか色々と違う部分もありますが、話の構成上こうなりました。
さて、これからどうなるのか自分にもわかりません(笑)
大まかには決めているのですが、肉付けとか文章とかどうしようと思ってます。
では次回も更新頑張ります。