サスケ君の八尾の捕獲には失敗したらしい。身代わりの術で成り代わっていたそうだ。
やはり、八尾の人柱力はかなりのやり手だそう。
今は鬼鮫さんが八尾の捜索をしているそうだ。
それから、ユキウサギから情報を得て知った事。長門と小南相手にナルト君が勝利した事だ。
長門が死亡。小南が暁を抜けた。
そうか。……なら、私の取る選択も決まったね。
マダラは今、鉄の国に向かってた筈。
私も鉄の国へ行こう。
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鉄の国は猛吹雪だった。この国は侍が統治している国だ。どうもここにサスケ君を案内する為にマダラが来ているらしい。
なんでも五影会談を行うらしい。
そうして潜り込んだ先では、激しい戦闘があったのか、どこもかしこも侍が慌しく走り回っており、瓦礫なども散乱していた。
気配を消して、中を進めば五影とマダラが睨み合っていた。
私は通路の影に身を潜め、気配を消す。
そして、マダラの口から出た『月の眼計画』の全容。
これが長門や小南が言っていた全ての人間に幻術をかけるって言う真相な訳ね。
はあ……
思わず胸中で溜息が出る。
暁は平和を目指す為の組織。そう聞いて加入した。
……その暁が全世界に宣戦布告なんて、本末転倒もいい所だ。
それに今や、その想いで勧誘した小南も弥彦もいない。
本当に遣る瀬無い気持ちになる。
私はこんな事の為に戦ってきたのか……
こんな事の為にイタチやデイダラ、サソリは死んでしまったのか……
ただただ哀しい……
残ってる鬼鮫さんはどう思ってるんだろうか……
今は八尾を捜索してるようだけど、これを聴いたらどう思うのか……
とりあえず、去ってしまったマダラを追いかけよう。サスケ君の狙いは恐らくダンゾウ。マダラがわざわざサスケ君を案内したのなら、ダンゾウを追いかけている筈。
ダンゾウの気配はまだ感じれる。それを追う事にしよう。
「そこの物陰に誰か隠れてる!!」
あれは確か、シーさん。
成程、感知タイプだから気付かれたか。
次の瞬間、砂の弾丸が飛んできた。
跳んで回避する。
不味いな……
火影以外の四影に囲まれてる。プラスそれらの護衛達か。
まともにやり合えると思わない方がいいだろう。
今の砂の攻撃は風影様の攻撃か。
「此奴も暁か!!」
「……次から次へと」
「此奴は!?」
「貴様!!」
雷影様と土影様が睨みつけてくる。水影様も表情は険しい。風影様は無表情。
「知っているのですか?土影様、雷影様。」
「知っておるも何も、こいつに五尾を取られたんじゃぜ。」
「ワシの部下もこいつに殺された!!」
いや……雷影様の部下は殺してないよ。
言っても信じてはくれないだろうけど。
「若い男は好きだけど、女は邪魔なのよね。……それにその面をつけて水影の前に立とうだなんていい度胸してるわね。」
「今のうちにでも暁は一人でも多く減らしておくべきだ。」
特に注意すべきは勿論四人だけど、それ以外のサポート特化の存在も厄介だ。
そういえば、誰か忘れているような。
背後に殺気を感じた。
右手に氷剣を生成。振り向きながら剣を振り抜く。
バチンッと刀とぶつかる。
この人は侍のリーダーのミフネさん。
背後から斬りかかってくるとはね。油断してたかしら。
鍔迫り合いから、一瞬剣を引く事でミフネさんの体重を崩す。
崩れた所を氷剣で刀を絡めてミフネさんの手から刀を弾き飛ばす。そのまま体を回して斬りつける。
だけど、氷剣の斬撃が浅く、剣先に少量の血を垂らすだけとなる。
即座にミフネさんから意識を変える。
眼前には既に雷影様の拳が迫ってくる。
ジャンプして回避。そのまま雷影様の背後に着地。
あまり懐に入るような回避の仕方は危険だ。雷影様の雷遁瞬身は、伝説の飛雷神の術とも張り合える速度。幾ら、私の瞬身が速いって言っても、通常の瞬身では雷遁瞬身には敵わない。
それと、あの頑丈な肉体も脅威だ。膂力の低い私では体術でダメージを与える事は絶望的。更には雷遁チャクラの鎧までも纏ってる。風遁チャクラ流しで氷剣を強化しても厳しいだろう。
土影様の原界剥離の術は簡単に相殺できるから問題はない。
風影様の砂の攻撃はタイマン勝負であれば、相性は最悪。範囲攻撃に対しては速度も体術でも回避ができないからね。幸い、周りを巻き込む攻撃はできないだろうから、そうなると速度の遅い砂は脅威じゃない。
水影様も同様だ。沸遁が私にとっての有効打になるけど、他人を巻き込む性質上使わない。溶遁の術は速度が遅いから回避可能だ。
結果、一番の脅威は雷影様になるな。
「図に乗るなぁ!!」
雷影様の裏拳がくる。
首を下げて回避。ガラ空きの脇腹に風遁で強化した氷剣を叩き込むけど、案の定氷剣が砕けた。
即座に後方へ瞬身。
どう考えても、このまま雷影様と接近戦をしても勝てない。速度は勝てないし、力はもう比較すらできない。当たれば一撃で勝負がつくレベル差だ。
だけど、既に眼前に迫ってくる雷影様。
逃すつもりはないってことね。
咄嗟に千本を投げる。
「小賢しいわ!!」
顔面に投げたのに、全く避ける素振りは無しか……
幾らダメージは負わないとわかっても、顔に来たら本能的に避けそうなものなのに、大した胆力だ。
それだけ、影と言う存在を甘く見てはいけないってことね。
千本は雷影様の額に当たり弾かれる。
「
巨大な肘鉄がくる。
その腕に乗るように回避し、雷影様の後頭部に蹴りを入れる。だが、ダメージは無く逆に蹴りを放った私が押し出される。
問題はない。距離を離したいから、寧ろ好都合。
「連弾砂時雨!!」
「塵遁・原界剥離の術!」
少し距離が離れた瞬間に、遠距離技がくる。
普通の砂だと弱いから、速度の速い物で来たか。
「氷遁・万華氷」
こちらも万華氷で対抗。
「氷遁・崩壊凍結」
塵遁も相殺する。
「チョロチョロと大人しくセイッ!!」
やっぱり雷影様が速い。
そして、私にとって一番都合が悪いのが掴み技。
私の細い身体では、掴まれたら握力だけで、手足が潰れる。それで地面や壁に叩きつけられたら即死。良くて重症。
掴まれてしまったら、接触凍結で対抗するしかない。
「風遁・烈風掌」
掴もうとする腕に風遁を叩きつけて、無理やり離脱する。
これ以上は、この人達に構ってられないな。ダンゾウの気配がかなり遠くまで行ってしまってる。
本当は使いたくないけど、忍術だけではここからの逃走はできそうもない。
「時間凍結」
空間を漂っていた砂も、天井から落ちてくる瓦礫も、吹き荒れていた風も、全てが停止する。
私はダンゾウが逃げて行ったであろう壁の穴から外に出た。