☆一輪の白い花   作:モン太

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運命の再会

「………その声、マダラとやり合ってた奴か。…………オレに何しに来た?」

 

ベッドから起き上がって、警戒してくるサスケ君。

 

当然だね。マダラの敵なら、サスケ君にとっても敵の可能性が高いのだから。

 

「そう警戒しないでください。別に貴方に危害を加えるつもりはありません。………まずは自己紹介から……といっても以前に名乗ってはいますね。」

 

見えていないであろうけど、一応仮面を外す。

 

「私は雪藍。暁ではコンと呼ばれてます。3年ぶり、波の国以来ですね。」

 

「……あの時の………それにコンは確か大蛇丸が言ってた氷遁遣いか。」

 

それは一体どんな内容の話を聞かされてたんだろうか。まあ、今はそこは本題じゃない。

 

「さて、何しに来たか気になりますよね。………少しお話ししようと思いまして。」

 

「……マダラみたいな事を言う。…………胡散臭いな。……それともお前もナルトみたいに説教でもしにきたか?…何度でも言ってやる。オレは変わらねェ!!オレはイタチとうちはを否定する全てを破壊し尽くすッ!!」

 

そう。今のサスケ君の性質状態では、頭ごなしに説教しても通じない。ナルト君みたいに軽々しく、他人の気持ちが理解できるなんて、傲慢な事も言えない。

 

それでもこのままサスケ君を放置しておく事は、イタチの想いを継いだ私にはできない。

 

きっとイタチはサスケ君に甘いから、どんな道に進もうが、サスケ君がやりたいようにやるのが、一番だと考えてる。だけど、このまま木ノ葉の敵のうちはサスケと英雄うちはサスケなら、後者の方が本心では嬉しい筈。

 

私は所詮、うちは関係の部外者でしかない。そしてサスケ君は今、拒絶モード。だから、話す内容は予め決めていた。下手に暴れられても困るし、長話もできない。

 

「………今日はイタチの遺言を伝えに来ました。」

 

ピクッとサスケ君が反応した。

 

「……何故、お前がイタチのことを知っている?………イタチの生き様を知って、兄が他人にそれを漏らす事は無いという事をわかってる。他人のお前が知ってる筈が無い!……お前の嘘に付き合うつもりは無い!!」

 

相当混乱してるね。それを私に向かって言ってしまってる時点で、半ば可能性を考慮してる証拠。…まあ、そんな揚げ足取りしてる暇はない。

 

「……ええ。ですから、これは私が一方的に貴方に遺言を伝えるだけ。信じる信じないは貴方次第です。」

 

あえて、声色を低くして、興奮しているサスケ君を宥める。

 

「………いいだろう。話せ。」

 

「わかりました。イタチからサスケ君への遺言はシンプルです。『サスケ君には生きてほしい。そしていつか、新しいうちはの形を作り上げてほしい。人々から利用され、恐れられ、切り捨てられるのではない。大切な物を守れる強い存在。必要とされる存在。すべての垣根を越え、平和へと人々を導くそんな存在になってほしい。闇を生きたイタチとは違う、闇を照らす存在となってほしい。』これが、イタチの遺言です。」

 

「…………」

 

「今は時間がありませんが、機会があればイタチが貴方の事をどう思っていたのか。暁にいた頃はどう思っていたのか。あの事件の夜のイタチの心情。貴方への期待等。それらを話せる日が来るのを楽しみにしてます。」

 

「…………」

 

「サスケ君、覚えていますか?」

 

「……何だ?」

 

「貴方にとって兄弟とは何ですか?」

 

「…………」

 

「答えが出せたら、聞かせてください。では、マダラもこちらに気が付いたようなので、帰らせていただきます。」

 

私は時間凍結ですぐさまアジトから去った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

アジトから離れて走る。

 

加速度的に気配が増えていく。

 

これはカブトの穢土転生か。マダラはカブトと手を組んだらしい。

 

それと大量の白ゼツかな。同一の気配から見てそうだろう。

 

穢土転生なら、強力な忍が口寄せされてるだろう。忍連合が苦戦してしまうのは必至。

 

数を減らす手伝いは必要だろうね。ただ、その前に挨拶しておかないといけない人に会おう。

 

氷翼を使って空を飛んで急ぐ。

 

彼方此方で戦闘の気配がわかる。

 

戦争が始まった。

 

今までと変わらない。規模は大きなっても、暁の任務で受けてた戦争と同じだ。死傷者を抑える戦い方が大切。

 

相手が穢土転生と白ゼツだから、普通の人間がいない点はいいのかもしれない。まあ、不謹慎だからやめておこう。

 

目標についた。

 

着地する。

 

戦場の真っ只中。穢土転生達と連合軍が睨み合っている。

 

氷翼を消す。砕けた氷が太陽の光を浴びて光の粒子となって、空気に溶けていく。

 

「暁!!」

 

「こいつは!!」

 

「敵の増援か!」

 

私を取り囲むように忍が集まり、武器が構えられる。

 

だけど、私の視線はその先に向く。

 

4体の穢土転生が連合軍と鍔迫り合いをしていた。

 

穢土転生体に見覚えのある人が一人いる。

 

あれはパクラさん。

 

「あの子供は!」

 

ただ今回は目当てではない。

 

カカシさんがこちら見てくる。

 

「お前は暁の…」

 

「…カカシさん。少しそこの二人を私に譲ってくれませんか?」

 

するとカカシさんと鍔迫り合いをしている穢土転生体が口を開く。

 

「………藍か。」

 

「…何!?」

 

「え!?」

 

カカシさんとサクラさんが驚きの声をあげる。

 

「いつまでその胡散臭い面を付けてる。さっさと外せ。」

 

「…………」

 

催促されたので、仮面を外す。

 

この二人を前に顔を隠す訳にはいかない。

 

 

 

 

「ええ。お久しぶりです、再不斬さん…………兄さん。」

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