☆一輪の白い花   作:モン太

68 / 72
真数千手

サスケ君のスサノオがナルト君ナルト九尾に纏われる。

 

「かつてマダラがやったのも…こんな感じか。」

 

うん!……いいコンビだ!

 

「今更何をしようと変わらんぞ。………上を見てみろ……この天井の穴から何が見える?月だ。月夜の夢の世界へ向かう時は近付いている。大きく開いた地獄の穴を月の夢が埋めてくれる。やってその時がやってきたのだ!」

 

そういうとオビトは螺旋状の剣を掲げた。

 

「この剣は六道仙人の神剣、ぬのぼこの剣だ。もう貴様らはオレに勝てん…その想いの強さが剣に宿る…心の剣だ…仙人はこの剣でこの世界を創造した。」

 

九尾の尾に螺旋丸が作られる。

 

「サスケ…オレ達は一撃に集中する。ほんの小さなスキしかできねーだろう…見逃すなよ。」

 

「フン……」

 

「そしてオレがこの剣でこの世界を消す!」

 

ナルト君の同期の木ノ葉の忍達が螺旋状を構える。

 

オビトの黒い盾が螺旋丸に破壊される。

 

「はっ!!」

 

スサノオの剣とぬのぼこの剣がぶつかる。

 

よしっ!

 

想いが強さに乗る剣ならば、ナルト君の想いほど強いものはない!

 

剣同士ならナルト君とサスケ君が有利!!

 

予想通りにナルト君達の力がオビトを上回る。

 

ぬのぼこの剣が砕け、腹を裂かれるオビト。

 

オビトの体から尾獣のチャクラが漏れ出す。

 

そのチャクラをナルト君が掴む。

 

四代目様がチャクラを伸ばして、全員に掴ませる。

 

ようはこれを引っ張ればいいのね。

 

皆の動きが一瞬止まる。

 

何かしら?……また精神的なパスでも繋がったのかしら?

 

まあ、モロにオビトのチャクラと繋がってるから、オビトの思念体でも見えたのかもしれない。

 

「よっしゃあー!!皆ァ!!一斉にセーのォでいくってばよ!!」

 

剣気を使えば、おそらく神性が高い尾獣達を殺してしまう。

 

全力で引っ張る。剣気を使えない純粋な力のみで引っ張るのはしんどい。

 

「セーのォ!!!!」

 

でもだからこそ、皆と一緒に戦ってる気持ちになれる。

 

きっと今の光景こそが兄さんが、イタチが夢見た姿だから……

 

そして、オビトから尾獣が引き抜かれた。

 

「抜けたァー!!!」

 

抜け出たチャクラが尾獣になる。

 

オビトはそのまま地面に落下する。

 

四尾がナルト君に声をかける。

 

「約束を守ったな…!うずまきナルト。オレ達を本当に助けやがるとはな!」

 

「オッス!孫!!」

 

「へへ…」

 

「おっ…!おい!」

 

サスケ君が走り出す。

 

オビトにトドメを刺すつもりね。

 

「待てサスケ!!」

 

「奴は!?」

 

「奴はどうなった!?」

 

「あっちだ!まだ生きてる!」

 

するとカカシさんが突然現れて、オビトに馬乗りになる。

 

カカシさんも時空間移動ができるのか。…というより、あの空間の移動する感じからして、オビトとカカシさんの写輪眼は同一の物と見た方が良さそうね。

 

「カカシ…」

 

「サスケ、積もる話は後だ。急に出て来てすまないが、かつて…同期で友だったオレにこいつのケジメを付けさせてくれ。」

 

「カカシ先生!そいつは今…!」

 

カカシさんがクナイを振りかぶる。

 

それを飛雷神の術で現れた四代目火影様が止める。

 

凄い早い。…いや、早いというよりはシンジと同じで瞬間移動の類い…口寄せのような時空間忍術だろうね。…いくら瞬身が速い私でもアレに速度では敵わないだろうね。常に気配感知を最大に時間凍結も使わないといけないね。

 

「父ちゃん!」

 

「奴にトドメを刺す時だ!!」

 

「行くぞ!!」

 

「待て!」

 

綱手様が止める。

 

「オビト…チャクラを引っ張り合った時、君の心の中を見せてもらったよ。」

 

どんな心境だったんだろう。私には見えない物だ。

 

「随分息子がガミガミ説教したみたいだけど…どうやらそういうとこは母親譲りみたいだね。」

 

「……父ちゃん。」

 

「…でも本来それをやるのは君の役目だ。オビトを本当に理解し、何かを言えるとしたら…友達の君だと思うよ、カカシ。」

 

「……」

 

「そうだろ、ナルト。」

 

「………」

 

「ナルト、お前達と連合は初代様のサポートへ行ってくれ。マダラを封印するんだ。」

 

「あっ!そっか!あいつがまだだ!行くぞ、サスケ!!」

 

私がフォローする必要は無さそうね。オビトの事はカカシさんに任せよう。

 

遠くでナルト君の螺旋手裏剣の爆発が見えた。

 

「ナルトが投げたって事はあそこだ!あそこにマダラが居るぞ!!」

 

全員でマダラの方へ向かう。

 

だが、突如目の前に木造の巨大な千手観音が現れる。

 

今度は何!?

 

「おお〜、連合がいっぱい!!」

 

なんだあれは?……オビトが付けていたような面に似た何かが千手観音の上に立ってる。

 

「これはお祖父様の真数千手!!!……奥の手だ!!」

 

初代様の奥義?……何でこんな奴が使えるの?

 

「ねぇー!みんなに聞いていい?……うんこするときって、どんな感じ?」

 

……なんだ、この頭の悪い生物は?

 

だけど、発言とは裏腹に威圧感は凄まじい。

 

皆、足が止まってしまってる。

 

ただ、中身の気配からしてヤマトさんか?

 

取り込まれて、力を吸われてるのかしら……そもそもあのよくわからない生物も木でできてるし、間違いなさそうね。……つまり、白ゼツに近い生き物……

 

「木遁・挿し木の術〜!」

 

大量の槍のような木が降り注いできた。

 

貫かれた忍の身体を枝分かれする様にして木が貫く。

 

まるで私の氷槍の能力と同じ………

 

「ここから先へは通さないぞ!」

 

このままじゃ全滅だ。

 

なら、全て迎撃してやる………

 

「氷遁・万華氷剣」

 

空中に数十億の氷剣を作る。空を埋め尽くす氷剣の葬列。それを音速で射出する事に変わりはないが、今回は向こうが射出している挿し木をピンポイントで迎撃しないといけない。

 

「時間遅延」

 

世界の時間の流れを遅くして、しっかり一本一本撃ち落としていく。

 

大量の木片と氷の破片が連合の頭上から降り注ぐ。

 

「アイツは暁の!!」

 

「全部、撃ち落としてるのか!?」

 

「……す……すげー…」

 

「…オレ達、場違いだな…」

 

連合の皆の顔を確認する。

 

顔色悪いね。…もう皆チャクラ無くなってきてる。穢土転生の三代目様ぐらいしか元気ないね。

 

「やるね!藍ちゃん!!」

 

「……私を知ってるの?」

 

「そりゃあね!ボクもゼツの一部だから。」

 

こいつもゼツ………

 

そもそもゼツって一体何なんだろう?

 

相方だったのに結局、今になるまでわからないままだ。

 

「…ねぇ、あの暁って……」

 

「ああ、間違いない。あの三尾の時の暁だろう。」

 

「……ボク達、あんなのに戦いを挑んでたなんて…」

 

「…やっぱり、暁は出鱈目だな。……いつも逃げに徹する……そうじゃなくて、単に見逃されただけってオチだ。」

 

「安心してください。シカマル君、イノさん、チョウジ君。今は私も味方です。」

 

「五影会談で盗み聴きしていた小娘か。…多少は使えるようじゃぜ。」

 

「フン…!」

 

大量の弾幕の応酬の中、私に狙いを定めたのか、弾幕が集中し始める。

 

全体攻撃を継続しつつ、私の集中力を削ぎにきたか。

 

「氷剣」

 

氷剣を2本作り、両手に持つ。

 

「皆さん、私から離れていてください。」

 

氷剣の弾幕を超えてきた挿し木が私を狙って飛んでくる。

 

一本目を右手の氷剣で叩き落とし、2本目を左手の氷剣で打ち上げる。

 

「うわァッ!!」

 

弾かれた挿し木が連合の忍の近くに落ちる。

 

離れてって言ったのに………

 

仕方ない。

 

3本目は弾かずに私が大きく後方へ、人が少ない場所に跳んで回避する。

 

着地して再び、挿し木を弾きまくる。

 

「……アイツ、実は人柱力でしたとかないよな……」

 

「……正直、初代様やマダラクラスはあるんじゃないのか?」

 

「…流石にそれはないだろ……」

 

流石に数が多すぎるな。

 

手を止めて氷剣を消し、左手を翳す。

 

剣気を放てば、私に向かってきた挿し木は一瞬で全て凍って粉々に散った。

 

「ああ!また、手加減してたんだ!!」

 

「……手加減?」

 

何を言ってるのかしら?

 

「いつもさぁ、必死な顔してさ!互角を演じつつ、限界かなって思ったら、平気でこういう事してくるなんて、性格悪いと思うよ。」

 

「逆に聞くけど、何で自分の底を敵に見せる必要があるの?…それを悟らせたらだめでしょ?」

 

それにシンジにも言ったけど、相手によって出力は変えても、本気で戦ってるつもりだ。

 

「確かにそうだ。じゃあ、ボクも次行くよ!…木龍の術!!」

 

巨大な樹木でできた龍が襲いかかってくる。

 

「あれもお祖父様の術だ!チャクラを吸収して相手を縛り上げる木龍だ!!」

 

神樹に性質が似てるのね。

 

「氷遁・白氷龍」

 

とりあえず、こちらも龍で対抗する。

 

手間取るわけにはいかない。向こうの木龍の10倍の大きさの白氷龍を3体出して攻撃する。

 

一瞬で木龍を飲み込んだ3体の白氷龍が千手観音に殺到する。

 

「樹界降誕!!……からの頂上化仏!!!」

 

広範囲の森林が発生し、白氷龍の動きが一瞬鈍った瞬間に、無数の拳が白氷龍を粉々に砕いた。

 

目の前に広がる森林。普通じゃ考えられない速度で成長するそれは、まるで津波のよう。

 

氷剣山で迎撃したいけど、連合の皆を巻き込んじゃう………

 

「塵遁・原界剥離の術!!!」

 

「溶遁・溶怪の術!!!」

 

「雷虐水平千代舞!!!」

 

五影様方が前に出て、樹海を相殺してくださった。

 

「小娘ばかりに働かせては、五影の名が泣く!」

 

「子供は後方で大人しくしていなさい!」

 

「調子に乗るんじゃないぞ、暁!!!」

 

「……樹界降誕はこの戦争で飽きる程に見た!今更対処できん術ではない!!」

 

「なら、簡単に対応できない術ならどうだい?」

 

千手観音の額にある5つの顔から5属性のチャクラが迸る。

 

「五つの属性、全てを同時……!」

 

「ワシも忘れてもらっては困るのう!!五遁・大連弾の術!!!」

 

五大性質変化を一人で……!

 

「一度に同じ術を出して相殺させちゃうとはね…」

 

「フー…助かった……」

 

「へへ…三代目様を舐めるなってんだ!」

 

睨み合ってると、風影様が綱手様の所へ砂に乗って飛んできた。

 

「ゆっくり話をしてる暇は無い!火影、お前も来い!道中、ナルトを少しでも回復するんだ。」

 

「私にはもう医療忍術を使うチャクラはない。サクラを連れて行け…サクラならまだ少しは」

 

「何でナルトが…こんな!?」

 

話の様子を聞くに、ナルト君が重症のようね。

 

マダラにやられたか?

 

まずいわね……このままじゃ………

 

「うずまきナルト。うずまき一族だから粘りはするだろうけど…もうその子に何をしても、無理だよ。人柱力が尾獣を抜かれたら死ぬ…」

 

「それは絶対のルールだからね。」

 

白ゼツが現れる。

 

じゃあ、九尾は………

 

今度はマダラが六道仙人化する!

 

ナルト君がまだ粘れるなら、私は諦めるつもりはないよ。

 

焦ったらだめだ!

 

冷静に今的確に出来る事をやろう………

 

兄さん、イタチ………私はまだ戦える。

 

思考が冷えていく。

 

今、敵はこちらが敗北したと油断している。

 

白ゼツがノコノコ現れたのが、いい証拠だ。

 

時間遅延

 

今の油断してる奴らなら、一瞬で懐に入る事も出来る。此方を見てすらないのだから。

 

瞬身で接近し、氷剣で白ゼツの首を刎ねた。

 

そのまま、ヤマトさんに取り憑いてる奴に斬りかかる。

 

ヤマトさんが中に入ってるから、あまり深くは踏み込めない。

 

薄皮を剥ぐように斬らないと……

 

「ちょっ!痛い痛い痛い!!!」

 

右手部分を剥ぐ。

 

「痛覚はあるんだ。」

 

左手に槍のような物を作って、私を突き刺してくる。

 

さっきの挿し木の術かな。

 

左腕に左足を絡めて、そのまま顔面を蹴り抜く。

 

「痛い!」

 

絡めた足を解いて、相手が仰け反ってる隙に左手部分も剥ぎ取る。

 

「藍の氷の剣って切れ味良すぎない!?」

 

木遁なんて神性の高い術ばかりに頼ってるからよ。……私を倒したいのなら、写輪眼や木遁、尾獣などの神性に頼らない力で戦えばいいのよ。

 

……私の弱点は通常の仙術と八門遁甲あたりだろう。

 

カブトは色々継ぎ足した所為で神性が上がってたけど、おそらく自来也様の仙術とかなら私に刺さる。

 

八門遁甲も神性由来ではなく、人間の肉体に宿る力。第六の景門の戦いを昔、ゼツから映像を見せて貰った事がある。それでも凄まじい力だった。なのに神性は一切感じなかった。八門遁甲の陣なんかは五影を上回る力だ。元々体術は得意だけどそんなもの、八門遁甲の陣の体術相手じゃ何の意味もない。

 

この二つが私にとって相性が最悪だろう。この二つが相手じゃ剣気の特性が発揮されない。剣気無しの忍術のみの私は、上忍に食らい付いていける程度の力しかない。特に八門遁甲の陣は逃げに徹しても、生き残れるか怪しい。

 

「花樹界降臨!!!」

 

「うわぁ!!」

 

「こっちに来やがった!!!」

 

足元の連合に向かって、大量の木の幹や根が襲いかかる。

 

「チッ……」

 

私にじゃなくて、連合の方に攻撃した…!

 

「皆んなを助けなくていいの?」

 

「…クソッ!」

 

私は真数千手から降りて、樹界の中に降りる。

 

空間凍結をつかい、樹界を覆う。

 

「氷遁・絶死凍結」

 

一瞬で全ての樹木が凍りついた。

 

空間凍結も解く。

 

「さ…寒い……!」

 

「す、スゲェ…」

 

「氷遁・氷剣山」

 

凍りついた樹界を氷剣山で粉々にする。ほっといても、勝手に砕け散ってはいくけど、今は邪魔だ。

 

「中々のお手並み。だけど、花粉を吸ったら、痺れて動けないよ!……だから、これから逃げることもできない。頂上化仏!!!」

 

花粉?

 

まあ気にしない。どうせ効かないから。

 

振り返れば、空を覆い尽くす程の真数千手から放たれる拳。最早、数えるのも馬鹿らしい。

 

これ避けようと動けば、連合に飛んでくるでしょうね……

 

そのまま私は真数千手の拳の中に消えていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告