Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~ 作:ぼっち
お時間がなくてですね、まったく更新出来ませんでした・・・。
本当にごめんなさい><
今回は、岩沢さんが消えてしまったあとのお話です。
今後、ガルデモがどうなっていくのか・・・
そして尾形の正体とは・・・
今後の伏線がちょいちょいある回です!どうぞお見逃しなく~
そしてですね!
なんとここで第一章完結でございます!
次回から第二章に突入しますので・・・よろしくお願いします!
ここはどこだ―――。
俺は椅子に座っていた。
目の前には一台のパソコンが置かれている。
夢を見ているのだろうか。
「尾形さん」
ふと名を呼ばれる。
そちらへと振り向く。
目の前には死んだ世界戦線の制服を着た好青年がいる。
非常に穏やかそうな人物であった。
「やっと貴方とコンタクトが取れました。どうです?何か思い出しましたか?」
「誰だアンタ・・・?」
「嫌だなぁ。本当に忘れてしまうなんて。」
青年は微笑む。
俺はこの人と親しかったのだろうか・・・。
「もうすぐですよ」
「何が?」
青年が言う一言一言に主語や目的語が抜けている。
いちいち聞き返すのがメンドクサイ。
「貴方の理想とする楽園の創立です。」
楽園・・・?
どういうことだ?
俺は・・・何を・・・
「この永遠の日々に終止符を打てるのです、ようやく―――」
終止符・・・だと?
俺はこの日々に終わりなど来てほしくない・・・!
「それではまたお会いしましょう。近いうちに。」
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あれからどのくらいの時間が経っただろうか。
体育館全ての楽器は没収され、あの場にいた生徒は全員罰則を食らうことになった。
もちろん、ガルデモメンバーも。
ゆり達実行犯はどうにかバレなかったみたいだが。
体育館は今や誰もいなくなり、シーンとしていた。
俺、ガルデモメンバーは明日の朝一番に集結することとなった。
明日全てを使って反省室に閉じ込められることになる。
これからどうなるのだろうか。
俺の大好きなガルデモは・・・終わりを告げてしまうのだろうか。
そして。
岩沢は何処へ行ってしまったのだろうか。
先ほど俺の前に現れた奴もいきなり姿を消した。
それと同じ仕組みなのか?
でもなんで岩沢がいきなり姿を消してしまったのだろうか。
吐き気が襲ってくる。
嗚呼・・・。
またこの感覚か・・・。
神を失った時と同じ。
喪失感。
もう二度と味わいたくなくないものだった。
ずっと幸せが続くと思っていたのに。
幸せは気が緩んだ瞬間、崩れ去っていく。
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ガルデモの練習場所であった空き教室へと向かう。
入江、関根、ひさ子にどうしても会いたくなった。
この喪失感を誰かと共有したい。
共有することで、少しでも傷が癒えたらどれだけいいだろう。
神の時は一人で抱え込むしかなかった。
そんなのはもう耐えられない。
今は・・・仲間がいる。
それだけが頼みの綱だった。
空き教室には入江と関根がいた。
入江は涙を流し、蹲っていた。
関根はその肩に手を添え、彼女もまた泣いていた。
当たり前だ。
それほど岩沢の存在は、彼女らにとって大きいものなのだから。
「おがっち・・・」
関根の嗚咽を混じえながらの声。
その一言で全てを理解した気がする。
ひさ子だ。
あいつが一番岩沢の存在を身近に感じていたはずだ。
今までの全ての記憶が蘇る。
あいつと話す時は、いつも岩沢の名がでていたほどだ。
また、岩沢もひさ子を信頼している関係性だった。
俺はひさ子のもとへ駆けつけなければ・・・。
「ひさ子は何処にいる・・・?!」
「大階段だよ・・・」
入江がか細い声で告げる。
何を返す訳でもなく、入江の頭を撫で、俺は空き教室を後にした。
階段を駆け下り、学習棟から飛び出す。
完全に夜は更け、満点の星空が俺らを見下ろしていた。
急いで大階段へと向かう。
ひさ子と岩沢の始まりの地へ。
そして、俺とガルデモの始まりの地へ。
大階段の一番上、ど真ん中にひさ子は座っていた。
ひさ子のポニーテールが上を向いている。
泣いているのだろうか・・・?
何をするわけでもなく、俺はひさ子の隣へと座る。
「アンタか」
「あぁ、邪魔するな」
「悪いけど、今は一人にしてくれないか?」
突き放される。
いや、今は本当に一人になりたい気分なのだろう。
でも一人になったところで何も解決しない。
俺がそうだった。
ただ失ってしまった喪失感を、馬鹿みたいに一人でしょいこんで。
それの何が正しいってんだ。
それがどれだけ辛い道か、痛いほど知っている。
だから俺が傍にいてやる。
立ち直れるまで。
「無理だ。ここにいさせてくれ。」
「どうして?あたしがそんな弱い人間に見えるか?」
「・・・見えるよ」
「乗り越えてみせるさ」
ふと顔を上げるひさ子。
その頬には一筋の涙が伝っていた。
「その・・・岩沢は消えてしまったのか・・・?」
「それ以外ないだろ。もともと誰がいつ消えてもおかしくない世界だ。覚悟は出来てたよ。」
「いつ誰が消えてもおかしくない世界・・・」
この世界は平凡そうに見えて、実は残酷なんだ。
「前にも言ったと思うけど、ここは岩沢と初めてライブした場所なんだ。」
「あぁ」
「あたしにとってここは特別な場所だ。」
「あぁ」
「岩沢はさ・・・とにかくスゲーんだ。"伝えよう"って心がさ。あいつが絵を描いていたとしても、やっぱスゲーもんを描いていたと思う」
「・・・・・・」
無言で聞き続ける。
返す言葉が見当たらなかった。
ひさ子が溢れ出る涙を拭うこともせず、話し続けているのだから。
「そうしたら陽動は絵画展になっていたかもな。そうしたらあたしはBGM代わりにギターでも弾いてやってさ・・・」
「あたしがギターを弾いていられて、岩沢が傍にいてくれたら・・・」
「そんくらいさ・・・なんでも良かったんだ」
「そんくらいさ・・・岩沢のことが大好きだったんだ・・・」
「何でだよ・・・何で・・・岩沢・・・」
そっとひさ子を抱き締める。
熱い涙が制服を通して感じることができる。
そんなものは気にしない。
とにかく強く強く、抱き締めた。
どれだけの時間が経っただろうか。
ひさ子をそっと離す。
もう彼女は泣いてなどいなかった。
「どうしてだろうな。」
ふと言葉を漏らす。
「誰がこんな世界なんて創ったんだ。こんな残酷な世界・・・」
「神じゃないのかい?」
ひさ子は苦笑しながら告げる。
神。
存在するか否か。
それは誰にも分らない。
「どうして死後の世界でも尚、俺達は引き裂かれなきゃいけないんだ・・・。どうして―――」
「楽しく過ごせていればそれでいいのにな。」
「でも・・・それじゃ生前の悔いは一生晴れないだろうけどな」
「矛盾してるね」
会話が途切れる。
「尾形。」
ひさ子は俯きながら話しかけてくる。
その声はやけに凛をしていた。
「尾形。アンタ、あたしを"正常"だと思うなよ―――?」
ひさ子の瞳の奥に宿る闇。
尾形がかつ垣間見た闇。
それに直面している。
正常・・・それはどういう意味だろう。
「言ったろ?あたしは生前、精神を病んでいたんだ。それも重度に。一人で病室から自由に出れない程に―――」
それは初耳だ。
そこまで酷いものだなんて思わなかった。
正常じゃないというのはそういうことなのだろうか・・・?
「岩沢がいなければ、あたしはこの世界でもおかしくなっていたと思う―――」
「それを繋ぎ止めてくれたのは、岩沢だ―――」
その岩沢が消えてしまった今・・・ひさ子はどうなってしまうのだろう。
俺には予想もつかない。
「あたしは明日から平然と毅然と暮らしていくよ。」
強気な表情で、彼女は告げる。
俺は何を返していいのか、まったく分らなかった。
「誰もあたしがおかしくなっただなんて、気付かないだろうな。」
「そんな・・・」
「でも精神はイカれちまってる。何をしでかすか・・・自分でも分らない。」
「俺を頼れ、いつでも力になる!!」
「そう簡単にはいかないさ。岩沢と尾形じゃ過ごしてきた時間が違う」
「そんな―――」
「しばらくはバンドの練習も辞める事にするよ。」
「そんな・・・ひさ子、それは逃げじゃないのか!?」
「逃げ・・・だろうな。なんとでも言ってくれ。あたしはもう限界だ。それに・・・やっと解放されたしな」
「解放された?」
「岩沢と初めて会ってから、ずっと―――。岩沢の背後には・・・斬崎の亡霊が立ってんだよ・・・。"ここで歌うのは俺だ"って言わんばかりにな―――。」
斬崎。
その名は知っている。
生前、ひさ子を重度の精神疾患までに陥れた張本人だ。
そいつはこの世界にはいないはずだ。
でも、ひさ子には見えるという。
しかも、岩沢の後ろに・・・。
ずっと苛まているといっていたのは・・・この事だったんだ。
しかし岩沢が消えた事により、それから解放されたと・・・?
本当の意味で、ひさ子が解放されたと言えるのか・・・?
分からない。
ひさ子がそう言うのだから、そうなのだろう。
でも―――。
「でもさ、ひさ子。俺らしか・・・岩沢の事を覚えてあげられる奴は、いないんだ―――。」
その言葉にやけに反応する。
その通りだ。
岩沢がこの世界に来てもう何十年という月日が経っているだろう。
現実世界はもう何年経っているかなど、到底分からない。
だから、この死後の世界において、岩沢の事を思ってやれるのは・・・俺らしかいない。
「だからずっと忘れない。何があっても。ずっと。永遠に。」
「・・・だな」
ひさ子はそれだけ告げると、立ち上がり、どこかへと向かってしまった。
かつて岩沢と出会い、繋ぎ止められた場所を離れ、彼女は何処へ行くというのだろう―――。
どこへ・・・。
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「岩沢雅美、消去」
「尾形さん。お疲れ様でした。」
俺が岩沢の事を覚えているのは。
今日で最後になる、という事など。
誰も知る由もなかった―――。
次回予告
「どうしてだろうな。」
「ひさこ先輩・・・どこに行ったんだろう」
「天使・・・立華の事だったのかよ―――!!」
「そんなに暗い顔して・・・何かあったのか?」
「関根!!!!」
「ギルド降下作戦に俺も行きたい」
「俺・・・なんか悪い事でも言った?」
「アンタ・・・本気で言ってんのか・・・?」
「・・・?"イワサワ"って誰だ?」
#10 《Guild》