Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~   作:ぼっち

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どうもこんばんは!
大変お待たせしました・・・。

今回から第二章突入ということでですね!
新しい展開を迎える事となります!
一体、何が尾形達を襲うのか・・・お楽しみに~!

それではお楽しみください!!


Episode2 《Under Cover Of Darkness》
#10 Guild


それは遠い記憶。

 

 

「あのさ・・・―――。此処に残らないか―――?」

 

 

それは唐突の一言だった。

何を言われているのか、分からない。

 

「俺はさ・・・その皆と違って"記憶"がないからさ・・・その・・・神への憎しみとかさ・・・分からないんだけど」

記憶。

彼の生前の記憶。

それが存在しないであろう、という事は薄々は気付いていた。

でも、今更そんな事を改めて言ってくるというのは―――。

「なんかさ・・・いきなり思いついちまった。」

彼は何か言いたげだった。

大事な何かを言いたげだった。

「またアイツ等のようにさ、報われない人生を送ってさ、此処に来てしまう奴がいるってことじゃん?」

「そうだね」

とうあえず相打ちを打っておく。

言っていることは正論だからだ。

「そしたらさ、またアイツ等のように此処居着いちまいかねない。此処でさ、ずっと苦しんで、生きることに抗い続けてしまうかもしれない。」

「そうだね」

「でもさ・・・俺達が残っていたらさ、今回のようにさ、生きることの良さを伝えてさ、"卒業"させてやる事が出来る。」

卒業―――。

私はそう思う。

この世界に残り続ける事より、意義のあること。

「もしかしたら・・・そういう役目の為に・・・俺はこの世界で目覚めたのかもしれない―――!」

「・・・・・」

 

 

「だからさ・・・。一緒に残らないか―――?」

 

 

彼の眼は真剣だった。

真っ直ぐな眼差しが、私の心に突き刺さる。

 

「―――が居てくれたらさ、こんな世界でも・・・俺は寂しくないから・・・!」

 

「前にも言ったかもしれない。俺はお前と一緒に居たい。この先もずっと一緒に。」

 

「だって俺は・・・―――の事がこんなにも・・・好きだからっ!」

 

そっと抱き締められる。

そして強く。

二度と手放さない、そう言わんばかりに―――。

 

「好きだ―――」

 

永遠に続くその時間。

この世界では年を取るという概念はない。

永遠にこの年のまま。

でも季節は移ろい、花は枯れ、埃は積もる。

私の中の時は止まってるのに。

この世界の時間は、私を置いていく。

 

本当にそれでいいのだろうか。

確かに私は彼が好き。

この上なく、どうしようもなく好き。

でも。

彼と永遠に居続ける事が、真の幸せなの?

彼と永遠の楽園を築き上げることが、幸せなの?

 

 

 

私は―――。

 

 

 

 

*****************************************

 

気持ちの良い目覚めだった。

今まで見ていた夢、を除けばの話だが。

それは誰の記憶だろうか。

とても胸の奥がムズムズする。

 

今日も朝はいつも通りだった。

いつもと変わらぬ朝だった。

二段ベッドの上。

今日も神はいない。

 

神のベッドにある一冊の謎の本が目に入る。

題名は"Angel Player"。

分厚い本だ。

あれから何ページかペラペラ読んでいるが、さっぱり分からない。

ただ一つ分かるのは、これは何かのソフトウェアのマニュアルという事だった。

説明書感が伝わってくる。

 

なんとなく、神が用いていた自室のパソコンを起動させてみる。

いつもは俺は性能が良いパソコン室のパソコンを使っているのだが、神が用いていたのは、いつもこのパソコンだった。

何かあるかもしれない。

何十年もいじっていないが、点くのだろうか?

そっと電源ボタンを押す。

ピィィンと甲高い音が鳴り、パソコンが起動し始めた。

赤、黄色、などのお馴染みのマークが表示される。

ホーム画面が映った。

沢山のアイコンの中から、Angel Playerを探す。

 

・・・見つけた!!!

 

画面の右上に隠されるように、アイコンが置いてある。

カーソルを合わせ、ダブルクリックし、ソフトを起動させた。

 

画面に現れたのは、この世界の見取り図のような絵だった。

やはり周りは樹海で囲まれている。

上には今日の日付と時間、気候、温度まで書いてある。

適当に色々な場所は探索してみる。

晴れマーク、雨マークのような記号があったり、"SUMMER"、"Spring"など英単語が羅列していたり・・・。

とりあえず、適当に雪マークのボタンを押してみる。

「雪と言ったら・・・冬だよな」

"Winter"のボタンを押す。

そして右上にあるOKを押すと、先ほどのこの世界の見取り図に画面が戻った。

先ほどは晴れていた気候が曇り、雪が降っている。

あちこちに雪が積もり、あたり一面銀世界であった。

気になるのは日付が12月になっていた事だ。

冬のボタンを押したからであろうか?

 

まぁいい。

結局、バーチャルで遊ぶソフトウェアだという事が判明した。

なるほど。

この世界と瓜二つのネットの世界を自由にコントロールし、神になったような気分になれるゲームの様なものか。

こんなもので神は遊んでいたのか。

それにしても説明書が分厚い。

よほど、入れ込んで遊べるゲームなのだろう。

俺はAngel Playerを閉じると、パソコンをシャットダウンさせた。

 

さぁ、今日もガルデモに会いに行こう。

 

*****************************************

 

少し肌寒い。

なんとなくそう感じる。

学生寮と校舎を繋ぐ、階段をゆっくりと降りていく。

いつもと変わらず、NPCの連中とすれ違っていく。

何度も見た光景。

 

ここは死後の世界。

それを知ったのは最近のことだ。

俺は・・・死んだらしい。

だが、その記憶がない。

生前の記憶というものが・・・ない。

 

ゆりっぺこと仲村ゆりが率いる"死んだ世界戦線"の入団する事になった。

生前、理不尽な人生を強いた神に復讐するのが目的だという。

そしてこの世界を手に入れ、永遠に此処に居続ける。

それが彼女らの目的。

・・・本当に神などいればの話だが。

 

いつの間にか、ガルデモの練習教室の前へと辿り着く。

ガラガラと教室の戸を開けた。

「よう」

中には入江だけがいた。

「入江だけか?」

「そうだね」

入江はどこを見る訳でもなく、ドラムの椅子に座りながら返答してくる。

なんというか・・・元気が無さげだった。

体調でも悪いのだろうか?

 

「大丈夫か?」

「えっ、あぁ・・・うん。今日はしおりんも練習お休みするって。」

「あいつもか。しょーがない奴らだなぁ・・・」

小さくため息を吐くと、入江と向き合った。

案外、入江と二人っきりで話すのは最初に出会った時以来かもしれない。

最初に出会った時の衝撃は物凄かったものだ。

俺と神以外に人間など存在するのか、と思い知った瞬間だった。

 

「本部はギルド降下作戦に出たみたいだね」

ふと入江は口を開いた。

ぎるど・・・こうか作戦?

「なんだ?そのなんとか作戦ってのは」

「ギルドだよ。地下にギルドっていう私達の武器補充する場所があるの。そこに幹部の皆さんが向かってるの」

「地下!?この学園に地下なんてあったのか!知らなかったぜ」

「意外とこの世界について何も知らないよね、おがっちって。」

「・・・それは言うな」

何十年も同じ生活を送っていただけなのだから、まぁ当たり前っちゃ当たり前か。

「ふーん。そのギルドってのはどうやって行くんだ?」

「大体育館から行けるよ」

「そんな所に入り口が!?」

「行ってみる?」

「ああ!」

なんとなく、好奇心が沸いた。

俺が知らない世界があったなんて―――!

ぜひ足を踏み入れたいものだ。

俺は入江につられ、体育館へとむかった。

 

*****************************************

 

大体育館まで向かう途中の話だ。

入江と二人で並んで歩いていく。

やはりどこか入江の表情には雲がかかっていた。

何かがあった事には間違いなかった。

「・・・やっぱ何かあったろ?」

「まぁ・・・そりゃあ・・・ね―――」

入江は言葉を詰まらせる。

やはり何かあったのだ。

力になってあげたい。

「まさかあんな事になるなんて・・・ひさ子先輩大丈夫なのかなぁ・・・。」

「・・・何かあったのか?」

「え、おがっち。何言ってるの?」

目を丸く見開き、俺を見つめる。

信じられないとでも言わんばかりの表情であった。

「え?」

「一昨日の事だよ?その事だよ?」

「一昨日・・・。」

昨日・・・?

「あぁ。ライブの事な?教師達の邪魔が入ったことだろ?楽器は結局返してくれたんだろ?そんな気にする事でもないだろうに。」

「い、いや・・・そうだけど―――。」

「次のライブはどうするのかな?当分は陽動はなしなのかな~。ひさ子も練習は当分休みにするって言ってたし・・・」

ふと入江の姿が視界から消えた。

どうやら足を止めたらしい。

入江は目に涙を浮かべながら、俺にゆっくり告げた。

 

 

 

「岩沢さんの事だよ―――?」

 

 

 

刹那。

俺の頭は真っ白となった。

「岩沢さんが消えちゃった・・・多分天使に消されたんだろ思う・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・?"イワサワ"って誰だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ―――?」

聞き覚えのない単語。

誰かの苗字だろう。

だが、全くもって記憶がない。

彼女らが知っている人物なのだろうか?

「さっきから思ってたんだけどさ、イワサワ?って人。どうかしたの?」

 

「悪い冗談ならやめて。」

 

入江の表情はどこか怒りの影が見えた。

入江がこんな表情をするのを見たのは、俺が初めてであろう。

俺がただ単に忘れている?

いや、待て。

たかだか一昨日の話だ。

忘れているわけがない。

どこかで紹介されたとか?

いや、その程度で入江がこんなに起こるのは考えにくい。

・・・どういう事だ?

今は何て返すべきだろう。

俺が悪いのは明らかだ。

とりあえず話を合わせておこう・・・。

「あ、あぁ・・・。悪い―――」

「辛い事だけどさ、無かった事にするのは凄くズルい事だと思う」

「・・・ごめん。本当にごめん。俺が悪かった―――」

「・・・おがっちも辛いんだよね。私こそごめん―――。分かってあげれなくて。」

辛い?

何が?

俺には分からない。

イワサワって人物が関連していることには間違いないが・・・。

とりあえず今はやり過ごそう。

 

 

今は―――。

 

*****************************************

 

大体育館の中へと入る。

相変わらず馬鹿でかい体育館だ。

今は誰も利用しておらず、ステージ前にパイプ椅子が数多く置いてあった。

誰かが体育館下にあったものを出したのだろうか?

「あの中だよ」

入江はそっと指さす。

それはステージの下。

さっきまでパイプ椅子があった場所だ。

「あの中に入り口が?」

「そう!凄いよね・・・」

「中に入ってみようぜ!」

「だ、ダメだよ・・・!実行班の人たちに怒られちゃうよ・・・!」

「大丈夫だって!バレねーようにするからさ!入江も中気になるだろ?」

「まぁ確かに行ったことはないけど・・・」

「よし決まり!善は急げ!行くぞ!」

「善じゃない気がするけど・・・」

入江は諦めたのか、首を振っている。

俺は入江の手首を掴み、ズルズルと引っ張っていく。

 

 

「入江さん、尾形さん。此処で何をされているのですか?」

 

 

心臓が飛び出るかと思った。

いきなり背後から声を掛けられる。

目の前に居たのは・・・遊佐であった。

確か通信使だったような。

「うっわぁ!吃驚したな!脅かすなよ!」

「脅かしてなどいません。ちゃんと居ました」

「嘘つけ!ほら、入江が石化しちゃったじゃねーか!」

戻ってこい!入江!

「それより、こんな所で何をされているのですか?」

「・・・ギルドに入ってみたいんだよ」

「それは無理です。ゆりっぺさんから他の者は入れるなと言われておりますので。」

「そこをなんとか!」

「無理です」

「どうしてもか?」

「はい」

力ずく・・・って訳にもいかないよな。

大人しく帰るか・・・。

俺は入江の目を覚まし、二人で入口へと向かう。

入り口の目の前まできたところで、入り口のドアが何者かによって開かれた。

 

 

 

「貴方達、此処で何をしてるの?」

 

 

 

言うまでもなく、生徒会長。

立華奏が現れる。

「ひぃぃ!天使!!」

!!???

今の入江の一言で俺の中の全てが繋がった気がする。

かつて立華は神の行方を聞いた際、知らないと言っていた。

だが待て。

神らしき男子生徒は天使に消されたと、ゆりは言っていた。

天使・・・。

立華・・・奏・・・。

俺の中で蠢くドス黒い感情が沸々と湧き上がってくる。

抑えきれない・・・!!

「天使・・・立華の事だったのかよ―――!!」

憎しみだけが俺の心を支配する。

誰の言葉も届かない。

 

 

「こんの・・・・・」

 

 

 

 

 

「裏切り者がぁぁぁああぁぁぁあぁ!!!!」




次回予告

「逃げ・・・てくだ・・・さい」
「此処がギルド・・・」
「もう止めようよぅ―――」
「そんなに暗い顔して・・・何かあったのか?」
「入江!!!!」
「誰の記憶だ・・・何だこれは・・・!」
「やっぱりだ。何処か見覚えがある―――!」
「入江に何をした!返答次第じゃ・・・ぶっ殺すぞッ!!」


「お久し振りです。約・・・350年振りですね。尾形さん。」

#10 《Dark Of Dark》
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