Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~   作:ぼっち

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どうも
お久しぶりです・・・テスト期間長い・・・笑

今回のお話は、がっつり尾形の過去に触れています。
尾形の過去には触れたことがなかったので楽しんで頂けるかなと思います!

果たして尾形は何者なんでしょうか―――。
今回は短編的に終わらせていますが、いずれ過去編をやるつもりです。
よろしくお願いします!

それでは、尾形の過去・・・そして全てが始まる"たった一つの誓い"。
どうぞお楽しみください。


#12 Too Heavy Crime

あれからどのくらい時間が経った?

 

此処はどこ?

 

これは・・・夢?

 

 

俺がいる。

目の前に俺らしいき人物がいる。

でも、俺とは断定しづらい姿だった。

俺、いや彼は車椅子に座っていた。

 

彼は俺の事は見えないのか?

此処は病室らしき場所だった。

大きな白いベッドが一つある。

その脇に彼がいた。

そして、一人の女性が俺の傍に立っている。

 

「相ちゃん―――」

 

この女性は誰だ?

優しそうな女性だ。

 

「母さん」

 

母さん!?

俺の母親なのか。

この女性が―――。

身長は153センチ程度。

ポニーテールで髪を縛り、微笑みが美しい人。

 

「相ちゃん、美咲ちゃんがもうそろそろ来るわよ」

「本当!やった・・・」

「ちゃんと好意があるなら伝えるべきよ、男の子なんだから」

「う、うるせーなぁ」

彼はそっと頬を赤らめる。

そこで勢いよく病室の戸が開いた。

「こんにちはっ!!」

若い女の子が病室に入ってくる。

この子が美咲って子か。

髪はロングヘア―。

どことなく入江に雰囲気が似ている気がした。

髪色が違うのであんまりって感じだが・・・。

 

「よっ!相くん!今日も来てやったぞ」

「べ、別に呼んでねーし・・・」

「あっそ。じゃ、帰るよ?」

「くっ」

彼は笑う。

美咲も笑う。

・・・なんだこのリア充感。

俺は何を見せられてるってんだ・・・。

 

 

でも。

これは俺の生前の記憶なのか―――?

 

 

病室にいるって事は・・・。

俺は・・・。

何がどう転ぼうと。

 

 

 

 

 

死んだんだ。

 

 

 

 

 

*****************************************

 

ふと画面が切り替わる。

次俺が目覚めたのは・・・どこか暗い場所だった。

 

「もうどうしようも無かったのよ」

 

「いやだ―――母さん―――」

 

「ごめんね・・・こんな無力な母さんを許して・・・。本当にごめんね―――」

 

 

暗くて見えない。

何が起きてるってんだ。

彼は・・・いや俺に何が起きてるってんだ・・・!

 

 

刹那、眩い光が俺を包んだ。

これは・・・・・・

 

 

炎―――?

 

*****************************************

 

再び画面は切り替わる。

 

 

 

「此処は何処だ―――?」

 

 

彼は目覚める。

そこは俺の良く見かける場所であった。

大階段の一番上の段だ。

ひさ子と語り合った場所だ。

そこに彼は仰向けに倒れていた。

俺は・・・死後の世界に来てしまったんだ―――。

俺は死んでしまったんだ―――。

どうして・・・。

あんな幸せそうな夢を見ていたのに。

 

*****************************************

 

次に俺の意識が目覚めた時には、彼は既にいくつかの仲間に囲まれていた。

全く見た事がないメンバー達。

男が彼含め四人、女が三人。

計七人のメンバーが教室に集まって喋っている様子だった。

 

「皆やっぱり凄惨な人生を送ってきたんだな・・・」

「そうだよ、本当に悔いの残る人生だった」

「今でも死んだなんて受け入れきれないよ」

口を揃えて、同じことを言う。

ゆりが言っていたように、皆死んだ事を受け入れられず、抗おうとしているんだ。

俺も何が起きたか分からないが、美咲と引き裂かれた。

それだけは悔いが残るのではないだろうか。

 

残酷すぎる・・・。

それが此処で強いられる運命。

次の人生に進めなどと言われても、そんなのは不可能だ。

それはもう・・・違う誰かの人生。

"俺"という魂はもうここで消滅してしまう事になる。

でもこの世界は抗うチャンスを与えてくれたのだ。

・・・そんな都合の良い世界ではないことなど分かっている。

分かっていたさ。

 

*****************************************

 

「やっと完成した―――ッ」

「Angel Player―――!」

「よくやったよ・・・!みんな!」

 

 

次に目覚めると、皆が口を揃え喜んでいる様子だった。

だが、メンバーが何人か減っている気がした。

男が三人・・・と女子が二人。

消えてしまったのだろうか・・・。

 

だが、此処は・・・見覚えがあるな。

第二コンピューター室だ!

もうこんな時から存在していたんだ!

いや、そんなとこより・・・。

今なんて言った・・・!?

 

 

Angel Playerだと―――?

 

 

それは神のパソコンにあったソフトの事ではないのか!?

いや、絶対そうだ!

鮮明に記憶が残っている。

この時に・・・俺らが開発したのか・・・!?

「尾形・・・流石だよ!」

「生前ソフトの作り方は少し勉強していたんだ。こんなところで役に立つなんて思いもしなかったぜ」

「・・・でこれはどんなソフトなんだ?」

 

「聞いて驚くなよ?この世界のマテリアルを作成、改変できるソフトだ」

 

「直接世界に干渉出来るソフトってこと?」

「そうだ。たまたまそのソフトの元となる資料を見つけたのがAngel Playerに辿り着いたキッカケだった。」

「よくそんな事が出来たな―――」

「自分でも信じられない。だが・・・」

嘘だろ―――。

開いた口がふさがらない。

俺は・・・なんてものを開発していたんだ・・・。

そしてそれを知らず知らずのうちに弄ってしまっていた俺は―――。

 

「この世界には隙がある。土から物を創りだす事が出来たりする、それは前にも実証したろ?」

 

「ええ・・・」

「そこに目を付けんだ。だがソフトを支配するには余りにもリスクが大きすぎた・・・」

「どういう事・・・?」

「まぁ、色々だ」

彼の表情は・・・暗かった。

何か言えないものがあるのだろうか。

 

*****************************************

 

違う場面に移る。

もう何度目だろうか。

一人の女性と彼は一緒に居た。

場所は学習棟Aの屋上。

周りには誰もいない。

夕焼けがいい具合に二人を映し出していた。

女の子は・・・美咲や入江に似ているような気がした。

「あのさ・・・」

彼の顔は真っ赤だった。

「俺が死んでこの世界に来て・・・君と出会った」

「うん――」

「これは奇跡だと思うんだ―――!俺は・・・君が好きだ」

なんていうシーンに直面してしまったのだろうか。

なんと俺が女の子に告白しているではないか。

何やら自分まで顔が赤くなっている気がする。

 

「君が好きだ。付き合って欲しい。」

 

彼は深く頭を下げる。

もうなんていうか見ていられなかった。

恥ずかしさの極みだ。

女の子も顔が赤かった。

そしてゆっくりと頷く。

 

「はい、よろしくお願いします―――」

 

*****************************************

 

「影?なんだそりゃ」

「未確認生命体だよ!とにかく口では説明出来ない事態が発生してやがる・・・!」

「一体何が起こったっていうんだ・・・この世界は」

 

画面が一転する。

何やら皆が騒がしかった。

全員不安そうな表情を浮かべ、中には泣き出している者もいた。

画面が次々に転々としてよく理解できない。

「なぁ、尾形。バグって事は考えられないか?」

「バグ?」

「あぁ。Angel Playerを多用した為に発生した副作用とか、悪用されたとか・・・可能性は考えられないか?」

「分からない。確認してみる。」

彼は焦っているようだった。

知られたくない秘密でもあるのだろうか?

「相くん・・・」

「架純・・・」

この二人は恋人だ。

やはりお互いの身を案じ合っているのだろう。

・・・彼女はもうこの世界にはいないのだろうか?

消えてしまったのだろうか。

 

「架純、話がある。屋上に来てくれ」

 

*****************************************

 

「相くん、話って?」

架純と呼ばれる彼女は不安そうな表情で彼を見つめる。

彼はだいぶ焦っている様子だったが、取り乱すことはなかった。

一呼吸いれる。

 

「架純、よく聞いて欲しい。この世界は"崩壊"を迎えようとしている。」

 

「え?何を言って・・・」

「"リセット"だ。俺がソフトを開発した・・・だからこそ分かるんだ。」

「リセット?」

「あぁ。俺はソフトを開発したと云えど、まだ使いこなせてはいない。」

「何が言いたいの?」

「つまり、この世界に愛が芽生えると、"影"と呼ばれるモノを生み出し、全てをリセットするようになっているんだ」

「みんな消されちゃうって事?」

「・・・それよりもっと酷い。魂を食われ、NPC化してしまう」

「そんな―――」

 

「前に消えていった俺らの仲間の男女2人が居ただろ?あいつらは恋人だった・・・」

 

「やっぱりそうだったんだ・・・」

「あぁ。だが女の方は消えてしまった、この世界で愛を覚えたからだ。満たされたんだ」

「えぇ」

「だが男の方は残ってしまった。奴はたまたま記憶喪失になっていただけで、本当は満たされた人生を送っていた者だったんだ・・・」

「それって・・・」

「そう、バグだ。彼は永遠に消える事は出来ない。彼は暴走し、Angel Playerを使い、二度と愛が生まれぬようプログラムを組んだんだ―――」

「そんな―――」

 

「次は俺らが愛を覚えてしまった―――。そして俺らは消えない。これがどういう事か分かるか?」

 

一瞬時が止まる。

・・・俺は・・・何を言っているんだ―――。

 

「架純、君が"バグ"だからだ」

 

な・・・んだと―――!?

またまた時が止まっていく。

世界がぐにゃりと、曲がっていく―――。

「え・・・どういう事・・・!?」

「君は記憶喪失だね?」

「えぇ」

架純は記憶喪失だったのか―――。

だから彼女のことをバグと―――。

「君自身が永遠に消える事が出来ぬ"バグ"なんだ。」

「でもどうして・・・!」

「前々から薄々気付いてはいたけどな。だから俺はAngel Playerの使ってマテリアルを改変した」

「どんな?」

 

「コレは決して許されることじゃない・・・でも仕方なかった・・・仕方なかったんだ―――」

 

*****************************************

 

画面が変わる。

これでもう何度目だ。

真っ暗な部屋に俺はいた。

目の前には不気味に光る巨大なビーカーが一つ。

その中で眠るのは白い服を纏った女性。

見た感じ架純のような子だった。

彼女はどうなったんだ―――!?

 

「本当に良かったんですか?」

「あぁ」

会話する二人。

一人は俺、もう一人は先ほどの男だった。

これが本当なら・・・350年前の話なのだろうか・・・?

「もう引き裂かれたくない・・・こんな残酷な世界に抗ってやる」

「いいんですか?気が遠くなる程・・・長い道のりになりますよ?」

「・・・構わないさ。全ては彼女の為だ」

彼は強く言った。

手に一つの植物を握りしめて。

「これは?」

「勿忘草って言う植物だ。」

「わすれなぐさ・・・?」

「あぁ。花言葉は"私を忘れないで"って意味らしい。彼女がくれたんだ。」

「そうですか。それはなんともロマンチックですね」

 

「俺は忘れない。何十年、何百年かかってもいい。」

 

これは"誓い"だ。

一瞬で分かった。

彼は胸に手を当て、目を閉じ、祈る。

 

 

「安心して眠るといい。たとえ君が全てを忘れてしまっても、俺は何一つ忘れずに・・・君の為に生きて死ぬ―――。」

 

 

刹那、眩い光に包まれる。

何が起きたのか分からない。

・・・俺が知らない事があまりにも多すぎる。

 

俺は一体・・・誰なんだ―――。

 

 

*****************************************

 

 

「うわあああぁぁあッ」

 

目覚めは突然だった。

俺は仰向けで寝ており、謎の青年の顔がこちらを覗いていた。

いかにも計画通りって顔をしており、とても腹立たしい。

汗びっしょりで気持ち悪い。

上半身だけ起こす。

 

 

「どうです?少しは思い出しましたか?貴方が犯した、償いきれぬ・・・あまりにも重い『罪』を―――」

 

 

「罪・・・ッ?」

「ええ。あれ、まだそこまで思い出せてはいませんでしたか?」

「何のことだ・・・」

「まぁまた自然に思い出すでしょう。」

「ふざけるな・・・!お前には聞きたい事が山ほどあるんだ!架純はどうなったんだ!」

青年は困った表情をした。

本当にいちいち癇に障る。

 

「架純さんの前に、貴方が彼女の為に何人を犠牲にしたのか・・・それを思い出さなくてはいけませんね」

 

「な、なに・・・」

犠牲だと―――!

俺は・・・何をしたってんだ・・・。

「そろそろ彼女も起きる頃です。今回はこの辺にしておきましょう。次は地上にて、お会いしましょう」

そう言いながら謎の青年はゆっくりと消えていった。

フェードアウトといった方が正しいのか。

非現実すぎて目を疑うが、Angel Playerというソフトの存在を知った今、驚く事ではない。

 

そして、俺はソレをまた手にしてしまっている。

 

これは・・・つまり・・・。

 

「おがっち・・・おがっち!!!」

入江が意識を戻し、こちらへと駆け寄ってくる。

温かい。

この温もりだけは絶対に失いたくない・・・。

何があっても―――。

 

俺が知らない真実がまだ山ほど残っている。

 

こうしちゃいられない。

俺には・・・やることが多すぎる。

 

本当に・・・多すぎる。




次回予告

「雪―――?」
「イレギュラーすぎる・・・どういう事?」
「こんな事今まであったかしら?」
「お前らは何も知らない。この世界の事、何にも」
「何が起こってるってんだ・・・この世界に」
「直井文人―――?」
「・・・鬼め。僕の言う事は間違ってなかった。」
「Angel Player。マテリアルを作成、変更・・・」

「貴方には何が視える?敵は何だと思う―――?」

#13 《An Enemy》
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