Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~   作:ぼっち

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どうもこんにちは
テストが終わったので更新です。
評価、お気に入りありがとうございます!やる気が更に出ます!

今回のお話は、ゆりっぺが登場します!
そして尾形とのやり取りが始まりますね!

この作品のあらすじに書いてあるような事がようやく始まっていきそうな感じです。
な、長かった・・・;;

次回から更に熱い展開になっていくかと思うのでよろしくです。
そして何より、、今回から尾形君。。。結構変わっていきますよwww

お楽しみに~!


#13 An Enemy

あれからの事はよく覚えていない。

どうやって地上に辿り着いたのかも、何もかも。

 

ただ一つ言えることは・・・これからどうするか決めなければいけないということだ―――。

 

 

気付けば保健室にいた。

白いベッドに横たわっている。

誰が運んでくれたのだろうか。

真っ白な天井。

視界の右隅にお馴染みの顔があった。

 

「入江・・・」

 

「おがっち!心配したんだからねっ・・・」

「俺はその、どうなったんだ―――」

「いきなり意識失って・・・私だけじゃどうにもならないから・・・助けを呼ぼうと思ったんだけど・・・」

「それで?」

 

「ある人が助けてくれたの。SSSに新しく入った人みたい!」

 

「ある人?名前は?」

「聞いてなかった・・・でもカッコいい人だったかなぁ」

「そ、そうか」

なんだ・・・この胸騒ぎは。

ひょっとして・・・嫉妬してる・・・?

そんな馬鹿な―――。

そんな中、いきなり保健室の戸が勢いよく開く。

 

「尾形くんね」

 

ゆりだ。

入隊以来話していなかったので何か新鮮だった。

「ゆりか。久々だな、どうした?」

「入江さん、少し席を外してもらってもいい?」

「え、あ、はいっ」

おどおどしながら入江は席を外す。

何度も俺の方を心配そうな表情で見てくる。

・・・ゆりは何を話そうってんだ?

ゆりは入江が完全に部屋から出て行ったのを確認すると、

 

「単刀直入に聞くわ。ギルドで何をやっていたの?」

 

抉るような視線でこちらを見つめてくる。

何を俺から聞き出そうってんだ。

「別に。ただ俺の知らない地下世界があると知って、行ってみたくなっただけだよ」

「そう。天使と交戦したの?」

「遊佐がな。俺らは見逃された」

「どうして?」

ゆりは何をそんなに気にしているんだ・・・?

何かを疑ってるのか?

「そんな事天使にしか分かるはずないだろ。なんで俺に聞くんだ?」

「そう。本当にギルドで何もしていないのね?」

ゆりは何かを隠している。

否。

俺から何かを聞き出そうとしているんだ。

思い当たる節なら一つある。

 

"Angel Player"の存在だ。

 

俺の自室にあるが、あの夢で視た事が本当なら・・・。

俺はこの世界のマテリアルを作成、改変出来る事になる。

ゆりに渡すとしても、俺がある程度使いこなせるようにしなければならないだろう。

・・・まだ俺には知らなければならない真実がある。

架純はどうなったのか。

俺は何者なのか。

 

そして・・・俺が犯した罪とは何なのか。

 

それらを突き止めるにはAngel Playerの力が必要だ。

恐らく、Angel Playerを用いれば天使と互角に交戦する事が可能になる。

 

あくまで俺の予想だが・・・彼女もAngel Playerの一部を持っているに違いない。

 

するとそこから導き出せる答えは一つ。

立華かなでは天使ではない、ということだ。

彼女もまた未練を抱える人間で、たまたまAngel Playerを手に入れた、という事。

戦線がAngel Playerを手にすれば、立華に勝ち目はない。

 

俺は・・・戦線の味方ではない。

 

二つの勢力がぶつかっている中でこそ、俺は動きやすくなる。

俺が成すべきことは記憶を取り戻す事。

恐らく、神の行方もそれで分かるはずなのだ。

そして・・・

 

 

仮に・・・神が戦線に加入しており、立華が神を消し、それを間接的に指示したのがゆりなら・・・。

 

 

俺は―――。

 

 

 

 

「尾形くん?」

ふと我に返る。

いけない、長く考え込んでしまっていた。

「あ、あぁ。すぐトラップやらに引っかかって死んじまったよ」

「よくトラップの事知ってたわね」

「入江が教えてくれたんだ」

「そう」

油断出来ぬ相手だ。

ゆりはお大事に、と一言告げ、保健室から去っていった。

ホッと一息つく。

 

俺の戦いは・・・ここから始まるんだ。

 

*****************************************

 

ゆりが去ってから一時間ほど経過しただろうか。

俺はゆっくりとベッドから降りると、制服に着替え、保健室を後にする。

やけに肌寒い。

これから夏に突入するというのに、どうなってるんだ?

ふと廊下から見える校庭を見る。

 

なんとそこには銀世界が広がっていた―――。

 

ッ・・・!?

雪だと!?

どうなってる!?今夏だぞ!

この世界の気候は不安定なものなのか?

俺はダッシュで校舎の外へと飛び出る。

雪は結構積もっており、自分の足跡がきっちり確認できる。

「どうなってる―――。」

 

「おがっち!」

 

ふと声を掛けられる。

その声の持ち主は・・・関根だ!

関根と入江のハッピーセットが俺の背後に居た。

「関根、大丈夫か?」

「うん、いつまでも岩沢先輩の事でクヨクヨ出来ないし、バンドの事もあるし・・・」

ふと入江と目が合う。

出たよ・・・その名前。

 

だからイワサワって誰なんだよ・・・。

 

なんで俺は知らないんだ・・・。

なんで俺だけ・・・。

「だな。その・・・ イワサワ先輩 の為にも頑張ろうぜ」

「・・・?」

何か違和感を感じたように首を傾げる関根。

やはり入江は冷たい視線を俺に送っているような気もした。

 

俺が何をしたっていうんだ―――。

 

何故お前らは俺が知っていた体で話を進める―――。

 

 

「あ、そういえばおがっち。さっき音無さんが校長室に来てほしいって言ってたよ!」

関根が思い出したように言ってくる。

校長室って確か・・・本部じゃないのか?

本部に俺を呼ぶってことは・・・何かあるのか。

先ほどのゆりの言葉を思い出す。

覚悟していかなきゃな―――。

「分かった」

「それにしても・・・雪って。この世界はどうなってるんかねぇ~」

頭の雪を払いながら告げる関根。

入江もそれに便乗するように頷く。

「そうだよな・・・。何が起きてんだか・・・」

 

雪が俺らを白く染めていく。

俺らギルドに行っている間に何があったんだろう。

 

*****************************************

 

「カミモホトケモテンシモナシ」

 

ガチャリと解錠される音が聞こえたのを確認すると、俺はゆっくりと戸を開けた。

部屋の中は暗く、正面にはスクリーンが映し出されていた。

どうやらミーティングの最中だったようだ。

「いらっしゃい、尾形くん」

ゆりは顎に手をつきながら、告げる。

全戦線メンバーの幹部がこちらを見つめている。

音無、日向もその中にいた。

皆表情は真剣だ。

「何の用だ?こんな幹部だらけの部屋に呼んで・・・」

「尾形くん、単刀直入に聞きたいことがあるの」

ドキッとする。

みんなの前で質問することにより、俺から何か炙り出そうとしているのか。

俺がそんなことでボロを出すとでも・・・?

「なんだ?答えられる限り答えるぜ」

「雪についてどう思う?」

なんだ。

その程度の質問か―――。

「あぁ、雪な。不思議だと思ったよ。今の季節は夏だろ?雪が降るなんて考えらr―――」

 

 

「12月よ、今日は―――」

 

 

ゆりが強く俺の言葉を遮った。

思わず言葉を止めてしまう。

なんだって・・・?

「12月・・・だと?」

「えぇ。一般生徒や教師達に確認をとったけど、誰もが口を揃えて12月と言っていたわ」

「そんな―――」

「あなた、何か知ってるんじゃないの?」

「何故そうなる!?俺の何を思ってそんなこと・・・!」

「いえ、特には。感よ」

「なんだその非現実的根拠は・・・!証拠があるならまだしも―――」

「ごめんなさい、でも確認をとっておきたかったの。」

「どうして?」

 

「先日行った天使エリア侵入ミッションってあったでしょ?その時に見つけた"Angel Player"というソフト。これが気になるのよ」

 

「・・・それが俺に何の関係がある?」

ゆりは一呼吸終えてから、

 

 

「そのメーカーの欄に、"オガタ"って書いてったのよ」

 

 

俺の名が―――。

やはりあの夢は本当なんだ!!

俺がAngel Playerを開発し、俺がこの世界のマテリアルを作成した―――。

本当だったとは・・・。

「別にそんなの偶然だろ」

そう返すほかない。

しかし、苗字が一致していただけで俺を疑うのは明らかに証拠不足だ。

「そうね、あたしの勘違いよね。ならいいけど―――」

「その"Angel Player"ってのはどんなソフトなんだ?」

「分からないわ。ただ天使は自分の能力の設定をしているような匂いはしたけれど。」

「自分の能力を・・・設定・・・」

Angel Playerはそんなことも出来るのか・・・。

早く自室に帰って確認したい。

「えぇ。だからこのイレギュラーな現象は天使が行ったという可能性もあるわ。」

 

 

―――待て。

 

俺は前にいじった時に、何をした・・・?

確か天候や季節を変えたような気が―――。

 

 

その瞬間、俺は確信する。

 

 

Angel Player・・・本物だ!!!!

 

 

 

俺が・・・この世界に雪を降らせたんだ―――!!!

 

 

 

「天使に訊ねたけど、"知らない"の一点張りだったわ。確かにそれは納得できる。彼女は何十年もあのソフトを使っている筈。」

「それで?」

「分からない?大体天使には雪を降らすメリットなんかないのよ。私利私欲の為に使うようにも見えないし。」

「雪が見たかったから・・・とかそういう事ではないのか」

「えぇ。仮にも生徒会長だしね。」

「なるほどな」

 

 

「恐らく、この現象はソフトを知らぬ初心者が"実験"として行ったモノである可能性が極めて高いわ。」

 

 

「つまり、天使の他にもAngel Playerを持つ者がいるってことね」

 

 

ゆりの瞳は俺にチェックメイトをかけてきているようにみえる。

逃がさない、と言わんばかりに。

天使が何十年も前にソフトを使っている。

これから導き出せるのは簡単だ。

 

戦線に入っていなくとも、何十年も前から存在する俺が疑わしいという事―――!

 

しかも作成者の名前が尾形。

追い打ちで皆の前でこれを言われる始末。

伊達に戦線のリーダーじゃない・・・という事か。

「Angel Playerを他の奴が持っていたとしても、戦線が狙う必要なんてあるのか?」

「その事だけど、仮にもあたし達の目的は"この世界を手に入れる"事だから、戦線の理念としては間違ってはないわ」

この世界を手に入れる・・・。

なるほどな。

ソフトを手に入れれば手に入ると・・・。

まぁあながち間違ってはいないか。

「天使にもこれで互角以上にやり合えるかもしれない。天使を消し去る事も可能・・・!」

「・・・天使ねぇ」

本当に天使なのかどうかも疑わしい。

それすら、こいつらは疑問にも感じていないのか。

 

「尾形くん」

 

改めて開き直られる。

彼女の瞳は真面目そのものだった。

俺もその瞳を見つめ返す。

 

 

 

「貴方には何が視える?敵は何だと思う―――?」

 

 

 

敵―――。

そんなもの俺には分からない。

ただお前らが欲しがっているモノは・・・俺が持ってる―――。

でも、あげない。

 

神を消したのが、戦線かどうかだと分からぬ以上―――。

神を消したのが神や立華なんだっていうなら―――。

初めてゆり達と会ったときの事を思い出す。

 

"昔、私のミスで1人の男子生徒が天使に消されてしまった―――"

 

その"ミス"に当てはまる男生徒が神だとしたら。

 

 

俺にも考えがある―――。

 

 

「敵は天使。そして他にソフトを持っている奴も・・・戦線の理念からすれば敵になるだろう。"神様気取り"をしているって事だからな。"敵"はこの学園の何処かにいるはずだ。炙り出そう」

 

 

「パーフェクト」

ゆりはただそれだけ告げた。

音無や日向もホッと胸を撫で下ろしている。

・・・なんとなく伝わってきたよ。

 

 

 

「尾形くん、貴方を"死んだ世界戦線"の幹部に昇格するわ。おめでとう!」

 

 

 

パチパチと拍手が聞こえてくる。

幹部にあがってしまった・・・。

動きづらくなりそうだな。

だが、幹部になったからこそ、ゆりに接近する機会が近くなる。

 

面白い。すごく面白いよ、ゆり。

何も悲観することはないさ。

これは向こうも何も掴んでいない証拠じゃないか。

 

 

ゆりも俺も・・・直に接しての騙し合い・・・知恵比べだ。

 

 

表面上では仲良しこよしの戦線メンバー。

裏では「Angel Playerを持っているのか?」「神を消したのはゆりか?」の探り合い。

 

 

本当に面白いよ、ゆり。

君が俺に挑戦してくるのなら、快く受けて立とう。

 

 

そして最後に笑い、全てを手にするのは―――

 

 

 

「俺だ。」

 

 




次回予告

「復讐が俺を染める―――」
「新入戦員って・・・あの?」
「風斬拓斗です、よろしくお願いします!」
「ひさ子、お前―――」
「何を言っている!みゆきちの誕生日じゃないか!」
「直井文人・・・。君は確か・・・。」
「みゆきさんって呼んでもいいですか?」
「尾形くんと音無くんが来てからイレギュラーな事ばかりだわ。」


「尾形相馬だな、Angel Playerをよこせ。これは命令だ―――」

#14 《Angel Player》
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