Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~   作:ぼっち

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お久しぶりの更新となります。
ここで報告なのですが、この作品と掛け持ちで何か別の小説を執筆したいと考えております。
ですが決してこちら側の作品が疎かになることはございませんのでご了承くださいませませ・・・。

よろしくお願いします~

さてさて、今回のお話は、新キャラが登場いたします!
もちろんオリキャラですが、今後の物語に重要なカギを握ってくる人物です。。。

ではお楽しみくださいませ!


#14 Angel Player

ピコンとPCが光る。

闇の中で俺は自室にあるPCを起動した。

その瞳の奥は・・・見えない。

 

Angel Player。

 

この世界そのものに干渉出来るソフト。

 

そしてマテリアルを自由自在に作成・改変出来るソフト。

 

それが今、目の前にある。

俺の目の前に。

 

「やはりな――」

恐らくトップページかと思われる画面。

この死後の世界全体を斜め上から映し出したようなマップ。

その世界は決してヴァーチャルなものではなく、この死後の世界とリンクしている。

今、雪が降っているのは、俺が前にそう設定したからであろう。

雪が降っているのはめんどくさいが、恐らくもう気候は変えない方がいい。

 

ただえさえ、ゆりにはもうほぼほぼ見抜かれている状態だ。

 

ゆりを侮っていた。

あそこまでの推理力を持っていたとは驚きだった。

・・・。

初心者が行った実験ね・・・。

その通りだよ全く。

 

「だが・・・何故俺が開発したはずなのに立華もソフトを持っているんだ・・・?」

 

そこが気がかりだ。

ソフトは幾つか存在するらしい。

二つとは限らない。

もしかしたら他の誰かも持っているのかもしれない。

 

・・・となれば、そいつらが何かしらの形で接近してくる事には間違いない。

 

俺は戦線に所属しているものの・・・。

 

 

誰よりも孤独だ―――。

 

*****************************************

 

今日もガルデモの元へ向かう。

途中で音無と高松に出会う。

「よう、尾形。幹部昇格おめでとう!」

「音無さんに続いてのスピード昇格ですよ。全く羨ましい」

「そうか?幹部になるのがそんなにいいもんなの?」

「そりゃいいに決まってますよ!武器の補填もしやすくなるし、何より行動範囲が広がります」

「なるほどね」

「ところでガルデモの皆さんと仲がいいというのは本当ですか?」

高松はいちいち眼鏡を中指であげながら告げる。

「あぁ。俺を救ってくれたのはガルデモだからな。何か恩返しが出来ればと思ってるよ。」

「そうですか!同志ですね!私も大ファンです!」

「なんか・・・意外だな」

クスッと笑ってしまう。

高松の意外な一面を知ってしまった気がする。

「お前らミーハーなだけじゃないのか・・・?」

それは違うぞ音無。

大体ミーハーってなんでミーハーっていうのか知っているのか!?

 

「でもどうしてでしょうか・・・岩沢さんを失ってしまって・・・ガルデモはやっていけるのでしょうか・・・?」

 

「イワサワ・・・」

「やはり気になりますよね。あの場には天使はいなかった・・・。でもどうして消えてしまったのか・・・それだけが気掛かりで・・・」

あの場―――。

それはいつの事を指しているのだろう。

そして・・・イワサワの謎。

俺は・・・イワサワを知っていたのか・・・?

でも何かしらの原因で忘れてしまっている・・・。

・・・そんなわけないか。

そして。

イワサワって人は消えてしまったんだ。

消える、いわゆる消滅。

この世界では満たされる、天使のいいなりになると消えてしまうらしい。

消えてしまった後・・・この魂がどこにいくのかは少し気になる。

「天使が消したって訳じゃないんだろ?」

「ええ。あそこにはいませんでしたから」

「まぁ、それは俺らが話し合っても解決することじゃない。ゆりがなんとかしてくれんだろう」

「そうですね」

 

2人と会話を終わらせ、再びガルデモの元へ向かう。

教室へと入っていく。

「おーす」

中には入江、関根、ひさ子、ユイがいた。

ユイはガルデモのライブ以来だ。

「久しぶりだな、ユイ」

「どうもです!!!」

「尾形、迷惑掛けたな。これが新生ガルデモだ!」

自信満々な表情でひさ子は告げた。

新生、という言葉に引っかかる。

・・・前に誰かいたのだろうか。

思い出せない。

深い霧がかかっていて記憶を呼び覚ますのを邪魔してくる。

「いい感じじゃん。頑張れよ!」

 

俺はひさ子と何かを話した―――。

でも内容が思い出せない。

何を話したのか。

そのときのひさ子の表情も。

何も思い出せない。

やはり何か記憶が欠落している―――!!!

 

「どうした・・・?尾形」

「え、いや何も・・・」

「最近おがっち変だよ・・・?」

入江が心配そうに告げる。

正直に言うべきだろうか・・・。

いや、まだ早い。

 

自分が何者か分かるまで・・・それは伏せておこう。

 

「それより分かっているのかい?おがっち殿」

関根がそっと俺に耳打ちしてくる。

何か息が耳にかかってくすぐったい気もする。

「何がだ?」

「ええぇ、だからダメなんだよなぁ。男はよぉ~」

「・・・は?」

 

「何を言っている!みゆきちの誕生日じゃないか!」

 

入江に聞こえない程度の大きさで彼女は言った。

誕生日なのか。

「いつ?」

「一週間後だよ!お祝いしてやろーぜよ!」

「・・・それもそうだな。ひさ子とかも知ってるのか?」

「もちろん!」

「まじか。詳細は後で教えてくれ」

誕生日か―――。

入江がこの世界に来てどのくらい経つのかは分からないが、めでたい事だ。

心の底からお祝いしてあげたい。

ひさ子とも目が合った。

やはりそういうことなのだろう。

入江だけが取り残される感がまたいい。

 

そうとなれば、決行だ!

 

*****************************************

 

「カミモホトケモテンシモナシ」

 

ガチャリと解錠される音を確かめると、俺は死んだ世界戦線本部へと足を入れた。

俺は昨日から幹部になった。

幹部は毎日夕方からミーティングがあるらしい。

わざわざ面倒な気もするが、情報収集はしなければ。

 

既にほぼ全てのメンバーが揃っていた。

俺は最後なのか。

「こっちです、尾形さん」

高松が手招きをしながら空いてる席に案内してくれる。

親切な奴だ。

ガルデモファン同盟の絆は厚い。

「幹部昇格おめでとう、だな。尾形」

微笑みながら音無は話し掛けてくる。

今思い返せば、音無のおかげでこの死んだ世界戦線に入れた。

感謝しなければ。

 

あの無限にも続く地獄の日々から救い出してくれたのだから―――。

 

「今日は新入隊員が来るらしいぞ。それも幹部候補らしい」

日向が首を覗かせながら言う。

幹部候補・・・か。

もしかして入江が言ってた・・・あの・・・。

 

 

「全員揃ったわね。よし、ミーティングを始めるわよ!」

 

 

ゆりの声と共にざわつく部屋が一気に静かになった。

「今回集まってもらったのは他でもないわ。新入隊員の紹介よ!」

「なんだと!?」

早速野田が反応する。

お前、絶対友達いないだろ。

「入ってきて!」

ゆりの一声と同時に、入り口の扉が開き、一人の男性が部屋へと入ってくる。

既に死んだ世界戦線の服を着ており、そして―――。

 

こいつはッ・・・。

 

 

 

「風斬拓斗です、よろしくお願いします!」

 

 

 

「「これは何の冗談だ・・・!?」」

珍しく野田とシンクロした。

・・・意味は全然違うと思うが。

 

その顔には見覚えがあった。

あの野郎だ・・・!

前に教室で俺の前に姿を現し、意味深なセリフを吐き散らかした男。

なんでこいつが・・・。

そして死んだ世界戦線の制服は前から着ており、新入隊員な訳がなかった。

こいつは・・・何かを隠している!

 

「風斬くんよ。彼もまた神に反逆する意思の持ち主、かつ頭脳明晰だから幹部の仲間入りを考えているわ」

頭脳明晰って・・・まじかよ。

高松の参謀ポジションが奪われるんじゃ。

「どうぞ、よろしくです」

深深くお辞儀をする。

 

お辞儀する寸前、風斬が俺の事をしっかり見ていたのは・・・誰にも気づかれなかった―――。

 

*****************************************

 

ミーティングが終わり、俺はユイに呼び出される。

「おがっち先輩っ!入江先輩のバースデーパーティーについて話し合いましょう!!」

「あ、あぁ」

風斬の事がまだ気になったのだが、ユイの勢いに圧倒されていまった。

相変わらず風斬は不敵な笑みを浮かべていた。

 

薄気味悪いぜ―――。

 

部屋から出ると、そこには関根がいた。

手が壊れるんじゃないかってくらい腕を振っている。

「よう、入江はどうした?」

「ひさ子先輩がみゆきちを引き留めててくれてるよん」

「そ、そうか」

「このドンヨリとしたガルデモの空気をさ!思いっきり変えちゃおう!」

「だな」

 

何が・・・ドンヨリしていたのだろうか・・・。

 

今それを口にするのは違うな。

やめておこう。

「関根先輩~結局どーするんですか?」

「それはだな・・・よく聞け!!」

「はいッッ!」

「・・・・・」

「おがっち!!返事!!」

「・・・はい」

 

「舞台は雪白の月が昇る夜・・・クリスマスツリーの前!」

 

「「おおおおっ」」

思わず叫んじまった。

「何故かこの死後の世界はいきなり12月になってしまったから、みゆきちも気付かないであろう!」

「なるほど」

 

「そしてみゆきちの誕生日になった午前12時にクリスマスツリーが一気に点灯!!」

 

「「おおおおっ」」

なんだこれ。

めちゃくちゃいいじゃねーか!!

盛り上がるぜ!

 

「んで、おがっちが告白ね」

 

「・・・・・・は?」

「何を言ってるんですか?せんぱ・・・」

 

 

 

 

「気付かないとでも思ったかい?おがっち、みゆきちの事好きやろ?」

 

 

 

 

ブホォッ!!!

「な、なにを・・・」

「ええええええええええええええええええッ」

ユイうるさい。

本当にうるさい。

あぁ・・・顔が熱い。

「おがっち先輩ほんとですか!?」

「う、うるせーな!!」

「キャー!!いいなー!!青春!」

「ユイうるさい!聞こえたらどうするんだ!」

「まぁまぁ、待て。あたしはいつだってみゆきちの恋を応援しているッ。」

関根は自信満々気に言う。

「だが・・・まだみゆきちがおがっちの事をどう思っているのか・・・あたしにも分からない」

「だよな」

「うん。だからぶっつけ本番だよ、おがっち。」

「いやいや!!告白しないし!俺はこの関係のままでいい」

「そんな甘ったれた事をぬかすな!!!」

関根の鉄拳が俺の顔面を捉える。

死後の世界でも痛いもんは痛いんだな・・・。

 

「みゆきちを幸せにしてやるんだ!おがっち!アンタしかいない!」

 

「・・・なんでそうなるか分かんねーんだけど・・・」

再び鉄拳を喰らいそうになったので、とりあえず黙る。

「あたし達ガルデモも総協力するからさ!頑張ろ!」

「いいですね!!アタシも燃えてきましたッ!」

「お前は日向先輩な」

え。

ユイって日向が好きなのか?

え、意外。

「ち、違うもん!ひなっち先輩はそんなんじゃないもん!」

「はいはい。でもユイより最初におがっちだから。」

「・・・・・」

 

こうして、半強制的に俺の恋路は道を開く―――。

 

*****************************************

 

ガルデモの練習室に三人で戻る。

予想通り、ひさ子と入江が教室に居た。

先ほどの話からして、物凄く意識してしまう。

 

「おがっち!」

「よう、尾形」

「よう」

 

「あん・・・?」

知らない声が聞こえてきた。

馴れ馴れしく挨拶をするそいつは―――。

 

 

 

「風斬―――」

 

 

 

「あれ、おがっち知り合いだった?前私達を助けてくれた人!」

「な、に」

こいつだったのか・・・!!!

本当になんなんだコイツは・・・!

「風斬!コイツは尾形相馬ってんだよ!アタシらの大ファン!最初h―――」

 

 

「知っていますよ、全部―――」

風斬はそっと微笑みながら、ひさ子に告げた。

全部知っているだと・・・!?

もしかしたら、俺の過去を知っていたり・・・。

 

「彼とは古くからの知り合いです。僕もこの世界をずっと彷徨っていました。そんな時、ゆりさんに見つけてもらったんです。」

 

「へ~そうなんだ!」

 

なんだ・・・これは・・・。

 

「おがっち何年振りの再会?良かったじゃん!」

 

な・・・何を言ってるんだ・・・。

 

「尾形、風斬もガルデモ好きになってくれるように魅力伝えろよ!」

 

何の茶番なんだ・・・これは・・・。

 

「ようこそガルデモファンクラb・・・」

 

 

 

 

 

「誰だお前はッ!!!お前は何者だ―――ッ!!!」

 

 

 

 

 

怒鳴り散らす。

皆の目が点になっている。

あぁ・・・やってしまった。

でも・・・コイツは明らかに嘘をついている。

堂々と。

そして・・・。

 

 

 

 

 

「僕は"君"だ―――。」

 

 

 

 

 

「・・・はッ?」

「ちょ、ストーープ!!!お前ら、喧嘩は外でやれ!此処でするな!」

ひさ子が慌てながら俺らの間に入る。

客観的にみれば俺らが喧嘩しているように見えているんだ。

頭を冷やせ・・・。

落ち着くんだ・・・。

入江も恐々とした表情で俺を見ている。

やらかした。

 

「悪い、ごめん。俺、行くよ」

 

最低だ。

 

俺は最低だ。

 

俺は教室から出ていく。

 

風斬と、大きな謎を残して―――。

 

*****************************************

 

階段を下りていく。

何を思うわけでもなく。

 

 

俺は・・・誰なんだ・・・。

 

風斬は・・・何者なんだ・・・。

 

 

 

「そこまでだ」

 

 

 

何か聞こえた。

そう思った瞬間に。

 

学ランを纏った男の集団が俺の周りを囲い込む。

 

「・・・!?」

 

生徒会か・・・!?

それとも風紀委員・・・!?

 

 

その男たちの間を掻き分けながら、ある男が俺の前へとゆっくり現れる。

 

 

「尾形相馬だな?」

 

「だったら・・・?」

 

 

 

 

 

「尾形相馬だな、Angel Playerをよこせ。これは命令だ―――」

 





次回予告

「それはあまりにも突然だった―――」
「何故Angel Playerの事を知っている・・・?」
「こんな事して・・・タダで済むと思ってんのか!!」
「僕が来たからには甘い選択肢はない。連れていけ―――」
「嫌だ・・・このまま終わるなんて・・・嫌だ・・・」
「容疑は色々あるが、貴様を連行する。」
「みゆきさんって呼んでもいいですか?」
「おがっち・・・どこ行ったんだろ?」


「これで良い。これでこそ、"僕の世界"は完成する―――」

#15 《Heartless》
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