Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~   作:ぼっち

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どうも、お久しぶりです!!

今回のお話は、直井と尾形が接触するところから始まります。
一体直井の目的とはなんなのか・・・。
そして尾形は直井から逃げ切れるのか・・・?
またまた意外な人物が登場して!?


お楽しみください!!


#15 Heartless

「尾形相馬だな、Angel Playerをよこせ。これは命令だ―――」

 

 

 

あまりにも唐突な一言。

言葉を失う。

コイツ・・・何者だ・・・。

 

「何を言っているんだ?Angel Player?何の事だ?そして君は誰?」

「なるほど、とぼけるのか」

「初対面の礼儀として普通の事を言っただけだよ」

 

「僕は生徒会副会長、直井文人。まぁいずれ・・・生徒会長に君臨する予定だが・・・そんな事はどうでもいい」

 

「直井・・・」

その名前は知っていた。

いつも朝礼で立華の側に付き添っている奴だ。

あれは副会長だったのか。

・・・そしてコイツも人間の匂いがする。

皆と同じ・・・憎しみを抱えている瞳を持っている。

 

「自己紹介はここまでだ。さぁ、渡してもらおうか。」

問題はここからだったな。

なんでコイツはAngel Playerの存在を知っているんだ・・・。

そしてなんで俺が持っていることを知っている・・・。

徐々に俺の歯車が狂いだす音がした。

 

「そんなものは知らない。他を当たってくれないか」

 

「・・・そんなもので逃げられるとでも思ったのか?」

直井は怯まない。

もう俺がアレを持っている事に確信を持っているようだった。

なぜ知っている・・・。

 

そんな中、一人の男子生徒が胸のポケットをゴソゴソとし始めた。

 

彼らからは人間の気配は感じない。

そう、NPCだ。

だが、あまりにも意思がなさすぎる気がした。

操り人形のような。

そんな気がした・・・。

そして男子生徒が手に取ったものは・・・

 

「さぁ、これでも貴様は抗うか?僕に―――」

 

拳銃ッ!?

こいつらも拳銃の作り方を知っていたのか・・・。

土塊からでも物を生み出せるこの世界。

だがそれは作り方を知っていればの話だ。

こいつらも知っていたんだ。

「Angel Playerを手に入れたとして・・・お前はそれでどうする気だ?」

 

 

「僕の理想とする世界を創る―――」

 

 

その言葉を知って少し納得した自分が居た。

気持ちがわかる・・・気がした。

俺も・・・俺も・・・どこかその気持ちが芽生え始めていることに・・・気付いていた・・・。

「理想?どんな理想だ?悪いが直井、君の理想、それはただの幻想の間違いじゃないのか?」

「なんとでも言うがいい。愚民に理解されるなどもはや有りえない話なのだからな。」

「・・・は?」

 

 

「僕は"神"だ。」

 

 

 

 

 

「お前もだったのか。"神様気取り"だったのは―――。」

 

 

ふと別の声がする。

生徒会の集団を掻き分けて、俺と直井の前に一人の人物が現れる。

お前ッ・・・。

 

「風斬・・・」

 

だいぶ先ほどとは違う表情の風斬がいた。

ガルデモの前とは全く違う風斬。

そんなことより、こんなところを遊佐や戦線メンバー、ゆりに見られたらどうなるだろうか。

ゆりの勘は侮れない。

一瞬にして俺は容疑を掛けられることになる。

くそ・・・。

 

「貴様、何者だ?痛い目を見る前に帰れ」

「まぁまぁ、落ち着けよ。僕は君の邪魔なんかしないさ」

なんだと?

俺を助けに来たんじゃないのか?

「お、おい!風斬!お前、どういうつもりだ!?」

「助けを乞うつもりか、罪人」

「テメェ・・・俺が何も知らねーのは分かってんだろ!全てを話せ!」

「待て、貴様。先ほどの言葉はどういうことだ?」

三人の思惑が混雑する。

直井と俺。

似てるものがあるのかもしれない。

 

 

 

「お前も、お前も・・・どいつもこいつも自己中な野郎だ。そんなに自分の世界を実現するのが大事か―――?」

 

 

 

自分の理想とする世界・・・。

俺は―――。

 

 

「たったその為だけの想いで、どれだけの人が犠牲になり、どれだけの人が巻き添えを喰らった?それでも尚、お前らはまだ実現したいと願うのか?」

 

 

罪―――。

風斬の言葉は重く、俺にはかなり響いた。

俺が犯した・・・罪・・・。

それは・・・。

 

「尾形相馬、君が全てを始めたんだ。早く全て思い出せ、僕の口からは言えない。罪滅ぼしをするんだ。」

「そんな―――。やはりお前は・・・」

「風斬といったか?貴様、僕の邪魔をしないんだったな?なら、早く退いてもらおう」

「そうだったな。直井君、君の野望は分かってるよ。でも―――」

風斬はどこをみるわけでもなく。

だだめんどくさそうに。

 

「無駄な事は止めといた方がいい。今は見逃されてはいても、粗相を犯せば・・・"彼"が止めに来るからね。」

 

「"彼"?」

「それじゃ、お邪魔虫は退散するよ」

それだけ言い残すと風斬はそそくさと走っていった。

まるで全てを見透かしているかのように。

俺はただその背中を見つめる事しか・・・出来なかった―――。

 

*****************************************

 

(SIDE:風斬)

 

「ったく、尾形の野郎はどうしたってんだー?」

・・・この女は確かひさ子といったな。

巨乳なのとポニーテールが印象的な女だ。

だが僕にはわかる。

気が強そうなフリをしているだけで、中身はかなり脆い。

尾形との会話を聞いていれば十分に分かることだ。

いつ壊れてしまってもおかしくない。

 

「おがっち・・・何処行ったんだろう?風斬さん知らない?」

この女は関根しおり。

・・・このバンドのベースを担当。

おせっかい役とお調子者。

だがこいつも何かを抱えてる。

尾形とはまだそういう話はないが。

 

「ごめんなさい、知らないですね・・・。」

「おがっち・・・」

この女は入江みゆき。

尾形が惚れている女だ。

僕も・・・同じ思いをしてきたから分かる。

 

"危険"だ。

 

余りにも危険すぎる。

また再発する恐れあり。

地獄をみるのはもう御免だ。

だが、奴はもう少し泳がせた方がいい。

これから出てくるガン要素が有る者を排除しなければ。

・・・その為にはもう一段階、尾形のレベルを上げる必要があるな。

 

入江みゆき・・・その為に利用させてもらうよ。

 

 

「私、やっぱおがっち見てくるね・・・!

入江が教室から飛び出す。

この女・・・尾形に少しずつ惚れていやがる。

自分では気付いてはいないようだが・・・。

まずい。

 

「僕もいきます!」

「風斬さん!ごめん!よろしく!」

「はい!」

後を追う。

恐らく、今頃直井に捕まって拷問でも受けているのだろう。

だが、死ぬことのない世界だ。

何れ助けが入る事になる。

 

「待ってください、入江さん!!!」

「風斬さん・・・すいません・・・」

「取り乱してはダメです。僕と彼は少し因縁があるだけです、仲が悪いわけではありません!」

「そうなんですか・・・?」

「はい。でも彼は覚えてないそうなので・・・別にいいんです」

「そういえば最近おがっち様子がおかしかったなぁ・・・。」

様子がおかしいだと!?

・・・あの事か。

「まるっきり岩沢さんの事忘れちゃってたみたいだし・・・なんか様子が変なの・・・」

やはり―――。

 

尾形が岩沢の事を覚えてないなど、必然なのに。

 

「そうなんですか―――。それは気になりますね・・・」

「おがっち・・・アルツハイマーなのかな・・・」

この女・・・馬鹿か?

それとも冗談で言ってる?

「この世界では誰も病まないし、精神的なものも同じですよね?なら違うと思います。」

「だ、だよね~何言ってんだろ・・・」

「あの・・・すいません」

「はい?」

 

 

「みゆきさんって呼んでもいいですか?」

 

 

「へ?」

目を丸くさせる入江。

単純な野郎だ。

「いや・・・その入江さんってずっと僕と同じモノを感じてて・・・その・・・」

「同じもの・・・?」

「はい!入江さんの考え方に共感できるとこがありましたし、尾形くんを追ってったところも・・・なんかグッときました」

「は、はぁ・・・」

「だから親しくなりたいんです!だからなんですけど・・・ダメですか?」

少し強引すぎたか?

・・・。

「別に大丈夫ですけど・・・」

「良かった~!いきなりなに言ってんだって感じですけどね・・・」

「いえいえ・・・そんな!」

 

ここから始めよう。

 

尾形、君のレベルを上げてやるよ。

 

 

*****************************************

 

ここは何処だ・・・?

うっすらと目を開けてみる。

何かの部屋だろうか?

薄暗い。

ただそれだけ。

・・・何かに縛られてる?

「なんだ・・・ここは・・・」

 

「ようやく起きたか。」

 

直井の声。

そうか・・・俺は―――。

あの後眠らされて・・・。

「何が目的だ・・・こんな事して・・・」

「時間がないのは分かっている。何れ、生徒会長もここへ連れてくる予定だ」

「立華を・・・?」

「貴様が所属しているSSS集団が恐らくもうそろ動き始めるだろう。君の捜索にあたる。」

「・・・・・・」

くそ・・・体が痺れて言う事をきかねぇ。

どうすれば・・・。

 

 

「その前に問いたい。Angel Playerは何処だ?」

 

 

やはり狙いは変わらずか。

こいつに渡せばどうなる?

自分を神だと言っている奴だぞ・・・?

全員を消滅させ、世界をリセットしたいなんて考えてるかもしれない。

もう二度と入江に会えないかもしれない。

そして、もう二度とガルデモの歌を聴けないかもしれない。

 

くそ!こんなところで終わってたまるか!

 

来週には・・・入江の誕生日会があんだ・・・!

邪魔するなッ!!!

「知らねーよ」

と答えると同時に俺は意識がすっ飛ぶほどの衝撃を受けた。

恐らく、鈍器か何かで頭を殴られたのだ。

意識は朦朧とし、視界が霞む。

それでも俺は・・・倒れるわけにはいかなかった。

 

「阿部」

直井は一言で誰かを呼ぶ。

「尾形の自室に行け。パソコンの中にインストールされているかもしれない」

「了解しました」

 

まずい・・・!!

このままじゃAngel Playerを奪われる!!

そうしたら俺の考え得る計画の数々が台無しだ。

どうすればいい・・・。

このまま見過ごすわけには―――!

 

 

 

 

「やめろ・・・・・!!!やめろぉおぉぉおおお!!!」

 

 

 

 

刹那のことだった。

阿部と呼ばれていた男はフリーズし、その場に立ち尽くす。

彼は恐らくNPCだ。

しかし人間の直井の指示には従順だった。

その直井の命令を・・・無視しているのか・・・?

 

「おい、阿部。何をしている?早く行け」

 

「・・・・・・・」

 

阿部は何も答えない。

何が起きてんだ・・・?

その沈黙に直井は苛立ちを見せ始める。

「おい、貴様―――」

直井は強引に阿部の肩を掴み、自分の方に振り向かせる。

「・・・!!」

信じられない光景だ・・・。

阿部は白目を白目を剥いていた―――。

「なっ・・・」

 

「貴様・・・!何をしたッ!」

鬼の形相で直井が叫ぶ。

俺だって何もしていないのだから分かるはずないだろ・・・。

だが、コレは前にも体験した気がしてならない・・・。

どういうことだ?

直井は何やらゴソゴソと阿部に語り掛けている。

彼の瞳の色が赤色に変化したのは一瞬しか分からなかった。

「何をして―――」

 

 

 

「副会長、立華かなでが此方に向かっています。」

 

 

 

一人の男が直井に話し掛ける。

立華がこっちに来ているのか!

なんとも頼もしい。

「・・・。本当に邪魔な奴だ。まだ僕に逆らうつもりなのか。」

「お前・・・」

「まぁいい、今日だけは見逃してやる。僕も鬼じゃないからな。―――が」

 

 

 

「僕から逃げ切れると思うな、Angel Playerは僕がもらうぞ」

 

 

 

「これで良い。これでこそ、僕の理想の世界が始まる―――」

 

 

 

 

こうして直井はせっせと去っていった。

阿部と俺だけを残して。

この独房のような場所はゆり達に報告した方がいいだろう。

そして直井は、まだ立華のことは脅威に感じているようだ。

 

俺もはやく帰ろう。

 

Angel Playerを使って試したい事がある。

 

 




次回予告

「消去・・・?」
「"だからずっと忘れない。何があっても。ずっと。永遠に。"」
「そ、そんな―――――・・・!!!」
「神にだって・・・何にだってなれる・・・。」
「"僕は君だ"」
「ハンドソニック―――」
「なんて恐ろしい世界だ。」
「な、に・・・。検索に引っ掛からないだと・・・!?」


「岩沢―――――」

#16 《Memory》
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