Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~ 作:ぼっち
ここから第一話が始まっていくわけですが、まぁ冒頭の通り、「信頼できる語り手」を用いて第一人称の形式で物語を展開していこうと思います。
更新速度は早くはないとは思いますが、なるべく早めに行う予定です。
まだまだ駆け出しですので、至らない点があるかと思います。
そういった場合はご指摘頂けると幸いです。
感想・意見などは絶賛募集しておりますので、頂戴出来ればなと思っています。
ではでは・・・。
この小説を覗いて下さった読者様に感謝をしつつ、どうぞAngel Beats!の世界をごゆるりとお楽しみくださいませ~!
#1 Following Infinity
遠い夢の中。
それはあり得ない世界。
でもいいじゃないか。
俺はその世界が大好きなんだ。
夢の中くらい、幸せな想いをさせてくれよ。
一体俺は何をしてたのかな・・・こんな世界で・・・。
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「俺の名前は尾形だ。
この一言から全ては始まった。
目の前にいる男子生徒。
学ランを着ており、短髪で背が高い。
俺もそこまで背が低いわけではない。
・・・が、そんな俺を軽々見下ろせる。
「おう、同じ部屋の
「じん・・・?なんて書くんだ?」
「"かみさま"の神だ。なんなら、神様ってそんでもいいぜ?」
「誰が呼ぶかよ・・・」
これが神との出会い。
俺と神はすぐ打ち解けた。
ルームメイトだからってのもあるのかな。
気が合う仲間だった。
毎日同じ教室で授業を受け、放課後は部活はせず大食堂で夜まで駄弁ってる。
風呂は一緒に入り、毎晩トランプで遊んだり、ゲームの話をしたり。
とにかく最高の親友だった。
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ある日のことだ。
神は用があると言い、放課後に姿を消した。
俺は大して気にも留めなかったが、改めて神がいないと案外暇なものだなと感じる。
大階段を登り、1人学食の椅子に座る。
オレンジ色の陽が校舎内を照らし出す。
陽が沈みかけているのか・・・。
そこから生まれる影と光。
普段見る学食とはまるで別物でかけ離れて見える景色。
幻想的だった。
突然だが、俺には記憶がない。
いや、正確にいえば記憶自体はあるのだが、エピソード記憶の方がないのだ。
分かりやすく言うと、リンゴという食べ物は知っているが、それが美味しいかどうかは分からない・・・という事だ。
ある日いきなり目覚め、神が目の前にいた。
だから俺はそれを受け入れた。
ただそれだけの話だったのだ。
前の俺がどうだったかなんて知らない。
いや、むしろ知らなくてもいい。
俺は今の生活が気に入っているし、何より神の存在こそ俺にとって最高のものであった。
・・・交通事故かなにかにあったのだろうか。
―――分からない。
自分の事が分からないってのも奇妙な話だが、この生活が壊れてしまってはもっと困る。
それほど俺はこの生活が気に入っているんだ。
夜になった。
神はまだ帰ってこない。
風呂も入らず、神をただただ待っている。
適当に図書館で借りてきた漫画等を読み散らしながらただ待ち続ける。
すると、ガチャリと解錠する音が聞こえた。
とっさに漫画をほっぽり投げ、玄関へと向かう。
「おかえり、神。遅かったな」
「おう」
どこか神は元気がなさげであった。
どこか疲れ切った顔をしている。
「何かあったのか?」
「いや、何も―――」
神は何も告げずに二段ベッドの上へと向かった。
続くように俺は下のベッドに入る。
「消すぞ」
返事も聞かないまま神は電気を消す。
やはり何かが変だ。
おかしい。
「なぁ、何かあったんだろ?話してくれよ。お前の力になりたいんだ」
返事は帰ってこない。
沈黙が部屋中を支配する。
「なぁ、尾形。」
ふとその沈黙を切り裂いたのは意外にも神の方だった。
「ん?」
「お前死んだ記憶・・・あるか?」
唐突な一言。
神はいったい何を言ってるんだ・・・?
死んだ記憶だと・・・?
「いや知らねーけど、輪廻体験とか幽体離脱とかそーゆーものか?」
目が点になりながらも答えてみる。
「だよな・・・やっぱりそうだよな・・・」
力なく神は答えた。
いつもの生き生きとした生気が伝わってこない。
俺が話を聞いてやりたい。
俺が力に―――。
「やっぱ俺らがガキだったんだ―――何も知らない奴らに囲まれていたせいで・・・俺まで正解を見失っちまった―――」
目を見開く。
思わず立ち上がって神の横たわるベッドを覗き込んだ。
「お前何を言って―――」
「もう俺は何が正しいなんて分からん・・・ただ俺は"人間"として為すべき事をやり遂げるまでだ―――!」
神―――。
彼は数日後、俺の前から姿を消した。
永久の別れだった。
つまり、そういうことだった。
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目が覚める。
嫌な汗が全身から噴き出し、パジャマに張り付く。
あの日から。
もう年十年経っただろうか。
相変わらず胸糞悪い朝を迎える。
俺がこの世界で目覚めてから何千日目だ?
時は矢の如く、あっという間に過ぎ去るものだ。
もう少し長く夢を見ていたかった。
上半身を起き上がらせ、ベッドから出る。
カーテン越しに眩い日差しが差し込む。
当たり前の如く、上のベッドには誰もいない。
くそ・・・。
何を期待してんだ―――。
もう神はいないってのに。
いや―――。
この世界のどこかにいるはずだ。
カーテンを開く。
窓越しに映される巨大な学園の全貌。
学園の外は森で囲まれている。
樹海・・・と言った方がいいだろうか。
あの向こうには何があるのだろうか―――。
神はあの向こうにいるのだろうか―――。
「くだらねぇ―――」
そう呟くと、棚にかけてある学ランを羽織る。
当たり前の如く、今日も学校へと向かうのだ。
それを繰り返す日々。
いつか、神が帰ってくる日を信じて。
男子寮を出ると、A校舎へと向かう。
そこに続く長い階段を駆け降りる。
あまりにも巨大な学園の為、移動に時間がかかるのが難点だった。
昔は神とよくここを駆けたものだ―――。
そんなことを考えながら歩いて十分後、A校舎へと到着する。
同じ制服を着た生徒達が賑やかに校舎の中へと入っていく。
何回か挨拶された気がするが、全て無視していく。
俺にとって神以外の存在は邪魔なだけであった。
こいつらと話したところで神の居所など分からない。
神がいなくなった後すぐ、何人かとつるみ、過ごしてきたが無意味に感じた。
なんていうか、生気を感じられないのだ。
話している分には普通の人間と全く変わりがない。
しかし、神にはあった生気を全く感じない。
簡単に言うなら、"人間の形をしたナニカ"と話してる気分なのだ。
故に、話すだけ無駄だと感じる。
教室に入り、指定された席へとつく。
さぁ、今日も同じことを繰り返そう。
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満月が昇る。
この満天の星空を見上げるのはこれで何度目であろう。
あの星達はいつも変わらずこちらを見つめている。
俺は誰もいない正面にある大階段に腰を掛けた。
「神―――。」
誤解されない為にも告げておくが、神を性の対象として好いている訳ではない。
変な話ではあるが、この世界で目覚めてから神以外で人間らしい人間と接した事がないのだ。
この学園は何かがおかしい。
この学園の生徒から生気を感じる事が出来ない。
接してみれば良い奴らばかりだった。
時にはそれに流されそうにもなった。
・・・だが俺は心のどこかで引っかかってたんだ。
こいつらは"人間"なのか―――、と。
そんな考えに耽っていると、突如体育館の方から爆音が鳴り響いた。
「またアレか―――」
何十年もこの学園で過ごしている俺には分かる。
この学園の風紀を乱しまくっている集団の一部で、生徒からの人気を勝ち得ているバンドが演奏しているのだ。
みんなよくあんな下らないものを好きになるものだ。
耳を劈く様な爆音を間近で聴いて何が楽しいのか。
クラシックを聴いていた方がよっぽどいい。
そんなにも熱狂的になって楽しいのか?
またうるさい夜になりそうだ―――。
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あれから一時間くらい経っただろうか―――?
爆音は収まり、生徒達がぞろぞろと寮へと戻っていく様子が窺えた。
皆が口を揃えて"最高だった"だの"またやらないか"など言っていた。
本当に下らないと心底思う。
「・・・!」
ふと視界の隅に白い小さな物が舞い落ちてきた。
そっとそれを拾い上げる。
それは誰もが知っているアレであった。
「しょ、食券・・・?」
気付けば体育館周りの道や、校舎への連絡橋などそこらじゅうに食券が落ちていた。
俺がつまみあげた記念すべき一枚目は・・・
「麻婆豆腐・・・」
噂で激辛のメニューじゃねーか。
神とふざけて頼んで口いっぱいに頬張り、二人してトイレの個室から一時間以上出れない事件を思い出す。
なんでこんなもん掴みあげちまったんだ・・・
「・・・食堂行くか」
なぜこんな気持ちになったのだろう。
なぜ俺は食堂なんかに向かっているのだろう。
麻婆豆腐なんて食べたくないのに。
それでも足を止めることは出来なかった。
ただ一枚の食券を握り締め、大食堂へと足を運ぶ。
既に夜九時を過ぎていた。
教師に見つかれば面倒なことになる。
だがこのいつ行われるか分からないゲリラライブに対し、教師陣は若干諦めている感もあった。
またか・・・、みたいな感じで。
大丈夫だろう。
―――との思いも裏腹。
大食堂は風紀を乱しまくる連中で溢れかえっていた。
男子はベージュのブレザー、女子は白のセーラー服。
間違いなかった。
「なんでこんな時間にこいつらが・・・」
学ランを着た普通の生徒はいなかった。
そりゃそうか・・・。
もう時間外活動の校則違反を犯しているから。
とりあえず引き戻ることは何故か癪に障るので、麻婆豆腐を頼んでから1人席に着く。
深紅に染まる麻婆豆腐。
いや、これは麻婆豆腐なのか?
臭いだけで咽るほどの刺激臭なのだが・・・。
「みんな!聞いてくれ!」
近くの席に座る集団の1人が声をあげた。
特に気にはならなかったが、その声の持ち主は青色の髪をした男子生徒であった。
「俺から言うのもなんだが・・・"微妙過ぎるイケメン"が本当の名前を思い出した!!」
・・・。
なんだって?
今、あいつ何て言った・・・?
青い髪の男が赤い髪の男を指さして言う。
「こいつは"音"が"無い"って書いて、"音無"だ!みんな覚えてやってくれ!!」
おおぉ~と歓声が上がった。
音無・・・。
って俺には関係のない話か。
「なんで一般生徒がこんな時間にいるの?」
気が強そうな女の声。
一般生徒ってなんだよ・・・。
「知るかよ。まぁ一般生徒も個性があるってこった」
「よろしくな、音無!」
色々な声が混じってよく聞き取れなくなってきた。
「オペレーション・トルネード!」
「いきなりなんだよ・・・」
「今回のオペレーションの名前さ!お前は初めてなのによく頑張ったよな!」
「・・・あそこまでやる必要があるのか?」
「かつて、我らが戦線の人数がまだ少人数の頃の話なのだけど。」
「天使の事を探りに・・・1人の男子生徒を天使がいる教室に送り込んだのよ」
「悲痛なことに彼は戻ってこなかったわ・・・」
「みんなで探したわ・・・けど見つからなかった・・・」
「昔、私のミスで1人の男子生徒が天使に消されてしまった―――」
こいつは何を言って――――――――。
動揺が隠せない。
震えが止まらない。
"せんせん"ってなんだ?
"天使"ってなんだ?
余計な事は考えるな!!
聞け・・・!
女は今・・・重大な何かを告げようとしている―――!!
「あのー・・・すいません。席・・・ご一緒してもいいですか?」
へ?と抜け出る声。
同時に魂まで抜け出てしまうのではないか、と思った。
いや、いっそ抜け出てほしかった。
目の前には紫色の髪、瞳をした女性が立っていた。
髪は腰くらいまである。
そして俺はかなり御無沙汰の感情を味わうことになる。
「人間だ―――――」
次回予告
「私の名前は入江みゆきです!」
「消されるって・・・なんだ?」
「"炎の三年間"も凄かったよなぁ・・・」
「死んだ世界戦線か―――」
「俺はどうすればいいんだ!」
「音無だ。俺も此処に来たばかりなんだよ。だから仲良く出来ればいいなって思ってる。」
「ゆりっぺ、変な名前ぐふぉああ」
「陽動班になら加えられるかも・・・」
「"神"って人・・・知らないか―――ッ!?」
#2 《Coming Upon》