Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~ 作:ぼっち
今回もこの小説に目を通して頂き嬉しいばかりです。
今回のお話は、なんと天使こと立華奏が登場します!
奏ちゃん可愛いですよね。
ゲーム版で好きになりました(どうでもいい)
今のところシリアス続きではありますが、そろそろ死んだ世界戦線と尾形が接触するかと思いますので、面白いコメディーが展開出来ればなぁと考えています。。
今回は音無の目線に移ったりしますのでご注意くださいませ!!
それでは第三話、ごゆるりとお楽しみください~!
あれから一睡も出来なかった。
いつも通り、1人で風呂に入りベッドにもぐり、電気を消す。
なのに寝れない。
今日は色んなことがありすぎた。
まず思い浮かぶのは女の言葉。
女は自分のミスで男子生徒1人を天使?がいる場所へと送り込んだと。
そうしたらその男子生徒は消えてしまった。
まさかではあるが、神のことではあるまいな・・・?
「・・・・・・」
まず、"消えた"の定義が分からない。
それは言葉のまんま消息不明という意味なのか?
それとも別の世界へといってしまったのか。
殺されてしまったのか―――。
これらの事を知るには二つの選択肢がある。
一つ目は「死んだ世界戦線」と名乗っている集団に入り込むこと。
これが一番のベストかもしれない。
自分も風紀を乱す側にいくという訳だが、別にこんな生活に何の思い入れもない。
むしろ刺激的でいいかもしれない。
もう何十年間も同じ生活を送っているのだから。
そして二つ目は生徒会長に直接聞きにいくこと。
だがこれには徹底的弱点がある。
噂によれば生徒会長は神出鬼没でどこにいるか分かりづらい。
加えてこの広い学園だ。
そして彼女の役職上、長い時間は話せない。
さぁ、どちらを選ぶか・・・。
死んだ世界戦線に入り込むのが一番楽だが、細かい事を聞き出すには長い時間がかかりそうだ。
第一前提として慣れ合う必要がある。
それだけは御免だ。
くそ。
「生徒会長に聞きに行くか・・・」
そしてもう一つ思い浮かぶのは入江の顔。
正確には関根もだ。
二人には共通するものがあった。
"人間"を感じたのだ。
変な話かもしれない。
周りの奴らに話せば笑われるかもしれない。
だがこの事実は変わりようがない。
俺は確かに感じたし、それは折れるつもりもない。
こんな何十年も生活してて、神以外に感じる人がいるなんて。
正直言って驚きと共に、もう一つの感情が思い起こった。
だが、癪だ。
相手は風紀を乱す連中で。
ただの女子だ。
神の事を知る事が先決かつ最大重要事項・・・。
これはブレちゃいけない・・・。
「真実を知るんだ―――」
******************************************
早朝。
朝日が昇ると共に俺は玄関から飛び出る。
階段を駆け降り、大階段へと向かう。
珍しくこんな空気が澄んでいるように感じた。
それも今日から今までとは違う生活が始まろうとしている合図なのか。
一回大きく深呼吸を行ってから徐々に明るくなっていくグラウンドを見つめる。
「さぁ、行くか―――!」
まず朝礼を終えた後、猛ダッシュで生徒会室へと向かう。
生徒会室は校舎のA棟三階の一番手前の部屋であった。
何人かに名前を呼ばれた気がするが、そんなことは気にしない。
男子生徒に肩がぶつかった気がする。
何も言わずに去る。
怒号が聞こえてくる。
「うるせぇな―――」
思わず呟く言葉にいかに自分が最低な人間かを思い知ってしまった。
だがそんなことはどうでもいい。
俺がいかに最低な人間だろうと、構わない。
真実が知りたい。
ただそれだけなのだから――――。
「すいません」
生徒会室のドアをあける。
肩で息をしている自分が恥ずかしい。
日頃の運動不足があたったか。
「なんでしょう??」
中から深く帽子を被った男子生徒が出てきた。
鋭い目つきをしたやつがいるもんだ。
少し違和感を覚えた気がしたが、まぁそんなことはいい。
・・・今は。
「生徒会長っています?」
とりあえず聞いてみる。
立華奏はどこにいる・・・。
「あぁ。生徒会長は先ほど校内見回りの為、この部屋から出ていかれました。」
「なんだって・・・!?」
亜然・・・。
やはり一筋縄じゃいかないか。
「ありがとよ」
俺は男子生徒に背を向け、再び走り出した。
「副会長、どうかされました?」
「いや、あの男・・・」
「副会長?」
「阿部、さっきの男を監視しておけ。生徒会長には言うな。」
「えっ、はぁ・・・。しかし・・・」
「聞け。僕の命令だ―――」
*****************************************
結局、放課後まで見つからなかった。
いや、正確には見つけられなかった。
本当に神出鬼没すぎる。
あらゆる生徒に聞きまくり、猫のごとく動きまくった。
ここまで見つからないものなのか。
だが当然のことで授業にはサボっていない。
彼女を見つけるには授業をサボる覚悟を持たなければいけないのか。
明日はサボるとしようか・・・。
生徒達が下校を始め、部活がある者は部活を始める。
「生徒会長はどうせ生徒会室に行ってもいないんだろ・・・分かってるよ」
半分諦めモードに入ってる俺は生徒会室へ行く気力もない。
A棟を出て、連絡橋を渡ろうとしたときだ。
ふと蝶が目の前を通過した。
白いモンシロ蝶だろうか?
「虫を見たのは初めてだ・・・」
見失いたくないが為に蝶の行方を追う。
ゆらりくらりと程良いスピードで蝶は飛んでいく。
連れられるままに付いていく俺。
ふと気付けば周り一面に花壇が広がっていた。
「え・・・」
こんな場所があったのか。
何十年も生きてきて知らない場所があるなんて・・・!
チューリップや色々な知らない花が咲いていた。
一体誰がそんなものを―――。
「それはワスレナ草よ」
ふと声がした。
心臓が飛び出るかと思ったが、取り繕う。
それは少女の声。
澄んだ声。
その声の持ち主は俺も知っていた。
目の前には"生徒会長"がいたのだ。
「立華・・・奏・・・!」
ようやく会えた。
どれだけ探したことか。
向こうから会いに来てくれるなんて。
「ワスレナ草はとても悲しい花よ。花言葉を調べれば分かる。」
「何を言って・・・」
「"私を忘れないで"」
「えっ―――?」
「この花の意味よ。何か深い意味を感じるわ」
正直共感した自分がいたが、そんなことは今はどうでもいい。
「・・・これはあんたが作ったのか?」
「そうよ。長い時間をかけて作ったわ。手入れをしないとすぐ枯れてしまうから大変だわ」
「はぁ―――」
不思議ちゃんなのかな・・・。
「あのさ、俺の事知らないと思うんだけど俺のn―――」」
「尾形くん」
え。
しばらく自分の中で時が止まった気がした。
「えーーと。なんで俺の名前知ってんの?」
「この学園全部の生徒の名前は頭に大体入ってるわ」
「ウソだろ!?!?」
「えぇ。嘘よ」
この子はやっぱり不思議ちゃんなのだろうか。
「あのさ、冗談抜きで何で俺の名前知ってるの?」
「たまたま全生徒の資料に目を通してるときにあなたの顔をチラッと見ただけよ」
「へぇ・・・そーゆーことか」
「えぇ。ところで何か用かしら?」
「立華、神って人知らないか?」
一番聞きたかったことを、問う。
今こそ、問う。
何十年にも渡って知りたかったことを、問う。
「どの神さんかしら?」
「そうだったな。随分前の人だ。"死んだ世界戦線"って集団に関係があるらしいぜ・・・?」
「あぁ、あの人達」
「そうだ。神は俺のルームメイトだったんだ!今もルームメイトは誰も入れてない!資料を追っていけば名前が見つかるはずだろ!?」
「資料を見たところで、貴方はどうしたいの?」
「もう一度会いたい。ずっとこの"学園"にいるアンタは知ってるかもしれないと思ってな」
「私は確かにずっとこの"世界"にいるわ。でもそれは理由があるからよ。それは貴方もでしょ?」
「いや・・・俺は・・・よく分からない」
理由・・・?
世界・・・?
なんだこの違和感は―――。
くそ―――。
もうこの際なんでもいい。
知ってる全てを教えてほしい―――!
「彼は"消えて"しまったらしいんだ。これはどういうことなんだ?俺は会いたいんだ・・・もう一度・・・!」
「そう。消えてしまったのね。」
「そうなんだ。これはどういう事なんだ?」
「どうもこうもないわ。ただそれだけの事よ。私言えることは――――――」
一体何を言って・・・。
知りたい・・・。
「無事去って逝けたようで、なによりだわ」
頭が真っ白になる。
冷や汗が全身から噴き出す。
自分の鼓動だけが、やけに騒がしく聞こえた。
同時に、立華を呼ぶ放送が学園全体に響き渡る。
「それじゃ行くわ。」
一言だけ告げ、彼女は去っていく。
動かない。
口が、動かない。
待て。
待ってくれ。
まだ終わってないじゃないか。
逃げるな。
俺から・・・逃げるな―――――!!!!
「待て・・・」
口から零れ出る小さな言葉。
「まだ終わってないだろ・・・」
「なんだよそれ・・・ちゃんと答えろ!!!!立華ッ!!!」
振り返れば。
彼女の姿はもうなかった。
どこにも、なかった。
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(SIDE:音無)
「なぁ、もうやめないか。」
「何がだよ」
「食券巻き上げるのとかさ!もうやめないか!」
俺こと音無は再びオペレーションとやらが発動する気がしたので、とりあえず叫んでみる。
「貴様、それはゆりっぺに対する侮辱発言だな。撤回してもらおう」
やけに俺に食って掛かってくる野田。
「テメー1人の意見で戦線がずっと続けてきた事をなくそうってか?そうはいくか」
本当に目つきが悪い藤巻。
「まぁまぁみんな、そんな彼を責め立てるような事は言わないであげて。まだ新人なんだから。」
ゆりのフォローは有難いが、いつまで庇い続けてくれるかは心配である。
俺は昨日この世界に来たばかりだが、既にオペレーション・トルネードは行っている。
しかも今日から幹部として仲間入りした。
日向曰く、戦線始まって以来のスピード昇格らしい。
・・・。
正直なところ、俺は団結などしていない。
自分が記憶を取り戻すまでの時間を無事稼ぐために、一応入団しているだけだ。
じゃあ記憶が戻ったら・・・?
・・・・・・。
それからは考えていない。
「なんだよゆりっぺ。やけに新人の方持つじゃねーか」
「もしかしたら好意を抱いているのでは?」
「ごふぅッ!なぁにぃ!!!!!!」
「えぇッ!?ゆりっぺ・・・ほんとなの?」
「まぁな・・・確かにあり得るかもしれん」
「Love Revolution!!!」
「あさはかなり―――」
「やはり、これはもしかしたら本当かもしれませんよ―――!!!」
「パアアアアアアアアアンチッッッ!!!」
とりあえず簡単に説明すれば、ゆりの鉄拳が高松の顔面に突き刺さった。
みんなが亜然として静まり返っている。
これ以上しゃべったら本当の意味で殺されそうだ。
「えーーと、大丈夫か・・・?」
ゆりは顔を引きつらせながら。
満面の笑みで。
「ツッコミです!」
と可愛らしく俺に告げた。
恐らく、暴力的シーンを見て俺が引いたとでも思っているのだろう。
なんていうか・・・必死に取り繕っていた。
「何に対してですか!!」
「ボケに対してよ」
「ボケてません!!!」
「こーゆーのは日常茶飯事だ、音無」
「マジかよ・・・」
この発言にすかさずゆりが食ってかかる。
「日向君!あなた、貴重な戦力を失ってもいいのね?」
「ごめんなさいゆりっぺ」
「あなたに力仕事が全て回ってくるだけだから、私はいいのだけど」
「謝ってるじゃーんゆりっぺ・・・」
「・・・。その"ゆりっぺ"ってのはなんなんだ・・・。」
「私のあだ名よ?」
「へ、へぇ・・・」
なんていうか、お気楽集団なんだな・・・。
まぁいい。
無事記憶を取り戻せて、自分が何者かさえ分かれば。
それでいい。
「ゆりっぺ、どうする?」
ふと松下五段が口を開いた。
「何がよ」
「天使は昨日も現われた。そろそろギルドへ向かうべきなのではないか?」
「そうね。新人も増えたことだし新しい銃の補填も必要よね」
「なにより、天使は更に力を増した気がします。」
高松はメガネを上げながら告げる。
「それは私も感じたわ。NPCを上手くまた操る必要があるわね」
「そういえば昨日学食に1人NPCがいたよな。珍しい」
珍しく日向が意見を述べる。
「そうね。あそこの近くにいたのは入江さんと関根さんね。今度聞いてみましょう」
相変わらず視野の広い女だな。
やはりリーダーなだけある。
長きに渡って、1人でこんな連中を統率してきただけのことは、ある。
「いっそNPCに聞けば分かるんじゃないか?最近の生徒会長はどうなのか!とかさ?」
「何か変化があったのかしら・・・?」
「そんなんで分かったら苦労しねーぜ」
藤巻はめんどくさそうだ。
「天使に接触するNPCねぇ」
「近いところを探ってみましょ。とりあえず今回は以上!解散!」
ぞろぞろと人が立ち始め、己の行動へと移っていく。
そろそろ晩御飯の時間か。
と同時に日向が腕を肩に回してくる。
「飯行こうぜ!!音無!」
「お前、コレなのか?」
俗にいうオ○マ。
「ちげーよ!!なんでそうなるんだ!ワッツ!ホワーイ!!」
「お前それ絶対流行らねーからな」
「単なる口癖だよ!」
「わんちゃんあるかもよ~~」
楽しそうに笑うゆり。
こいつ、そういう趣味もあるのか・・・。
これから色々大変になりそうだ・・・。
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(SIDE:尾形)
途方に暮れる。
ただそれだけ。
俺は何も知らないんだ。
真実の何一つさえ知らないんだ。
無事去って行けて何より・・・?
つまり、良かったってことか?
去って行くって語源からすれば、この学園から巣立つという意味だろうか?
それは・・・"卒業"という意味か・・・?
いや、なら俺は卒業出来ない―――?
神と何年も過ごし、何年も高校生をやっている。
気付けばクラスは新しく変わり、先生だって変わっていく。
だが俺と神は変わらなかった。
ずっとルームメイトで居続けた。
立華だって。
もう何がなんだか分からなくなってきた。
色んな事実がスパゲッティーの如くグチャ混ぜになっていく。
なんで神だけが姿を消した・・・?
そもそもあの女が言った人物だとは限らないじゃないか・・・。
途方にくれる。
自分が嫌になる。
やはり俺に残される道は一つか。
死んだ世界戦線に入隊して真実を確かめていくしかない。
問題は一つ。
どうやって入隊するか・・・。
「・・・。入江。」
そうだ、入江を使えば入る事が出来るかもしれない。
恐らくあの女がリーダーかなにかだろう。
奴の目をうまく誤魔化し、真実を掴み取る。
そうして神の行方を知る。
知ってどうするかは・・・その時にならなければわからない。
狂ってしまうだろうか。
歓喜してしまうだろうか。
何れにせよ、真実を知るまで俺はこの学園からは出る事が出来ない。
消えることが、出来ない。
となればやる事は決まった。
さぁ、行動に移そう。
「入江を探すか―――」
次回予告
「あっ、お久しぶりです」
「この世界に家族はいません・・・。」
「尾形氏。ここは小動物的女子の入江たんをお勧めしますぞ!」
「めでたい連中だな―――」
「あたしら、あそこで演奏するからさ!」
「結局そういうことなんだよな。」
「遊佐です。ファンも集い、そろそろ頃合いかと。」
「関根ッッ!!テメェという奴は!!!」
「Angel――Player―――?」
#4 《Girls Dead Monster》