Angel Beats! ~永遠の日々に終止符を~   作:ぼっち

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どうもお久しぶりです
なかなか更新出来ず、申し訳ありませんでした・・・。

今回のお話は、主に伏線と日常って感じです!
ついにやってきます・・・アニメ第三話って感じです(笑)

計画では、第三話と第二話をひっくり返すつもりですのでよろしくです。。

感想、意見・・・ぞくぞくお待ちしております!

ではでは!
第七話、お楽しみください!!


#7 Victim Of The Hell

目覚める。

今日ほど、気持ちのいい目覚めは今までになかったと思う。

冷や汗も全くかかず、二度寝をすることもない。

この永遠にも続く日々がめんどくさいと思うこともない。

すばやく俺はベッドから降り、大きく伸びをする。

カーテンを開け、朝日を眺める。

こんなことが気持ちいいと感じるなんて・・・俺は変わったな。

ガルデモメンバーの顔が思い浮かぶ。

また今日も彼女らと会える。

しかも彼女らは神のように消え去りはしない。

 

それは本当に素晴らしい事だと思う。

 

大切な人と永遠に続く、この死後の世界ってのは本当にすごい。

ふと俺はにやけていたことに気付く。

くそ、気持ちが悪い・・・。

でもそれほど嬉しいんだ。

そう言い聞かせる。

今日は、朝食をガルデモメンバーと取るとこにしている。

急いで支度をしなければ―――。

 

 

 

大食堂へと駆けていく。

こんな日が来ることを、誰が予想出来ただろうか。

ずっと待ち望んでいた明日へ駆けだす!!!

大食堂は人で溢れかえっていた。

一般生徒がうじゃうじゃといる。

こいつらは模範生。

もちろん人間ではない。

俺が感じていた違和感はそこにあったのだ。

俺はそいつらと何十年も暮らしてきたが、もう違う。

俺は人間だ。

 

刹那。

背に何かが叩きつけられる。

「うごっ!」

「キャッ!」

小さな悲鳴が聞こえたと共に俺は地に這いつくばる。

誰かにぶつかられた・・・?

「ご、ごめんなさい!尾形くん!」

「え、」

もしや、と思い振り返る。

 

「おがっち!!!オーースッ!!!」

 

ぐるりと肩に腕を回される。

この声・・・関根か。

てかおがっちってなんだ、おがっちって。

「おはようー・・・」

入江もいた。

この二人はニコイチなんだな。

「二人ともおはよう。これはどういう事かな?」

「恋愛フラグを強引に立ててみました!!」

「は!?」

「よくあるじゃん!朝、通学途中で二人がぶつかってそのまま付き合うみたいな!」

「「ないよ!!」」

入江とシンクロする。

朝っぱらから何を企んでんだこいつ・・・。

「じゃあ行きますか!」

「だな」

朝っぱらかっらテンション高く、関根を先頭に大食堂の中へと入っていった。

 

*************************************

 

とりあえず席へ着く。

それぞれトレーの上には、入江、関根が朝定食A。

俺だけカツ丼。

俺はまだ戦線に入って数日なので、食券を持っていない。

戦線のモラルとしてこの世界で配布される"お金"は使ってはいけないらしい。

だから食券は一般生徒から巻き上げるのだと言う。

だが、まだ俺はそのオペレーションには参加したことない。

故に、食券を持っていない状態。

それでたくさん持っているという関根に貰ったのだが・・・。

 

「なんで俺だけ重いの!?」

「仕方ないっしょ~。それしかなかった!」

「嘘つけ!お前らヘルシーなの食べやがって!」

「まぁまぁまぁ」

入江が宥めてくる。

ずるいぞ入江・・・君に宥められると気持ちが落ち着いてくるよ・・・。

仕方なく、カツ丼を食べていく。

何年間も食べてきた味。

だがそれは全く飽きる気配などない。

うまい。

俺は・・・こんな小さなことにでも感動出来るようになったのか・・・。

やはり。

こいつらが、俺を変えてくれた―――。

何十年と閉ざされてきた闇の中に光を差し込ませてくれた。

 

「おがっち、今日はガルデモの練習を見ていくかい??」

関根が口をもぐもぐさせながら、告げる。

「あぁ。ぜひ」

「なんか緊張するなぁ・・・」

両手に顔をのせながら溜息をつく。

「いつも何人の前で演奏してるんだよ入江・・・」

「だってさぁ・・・」

「そりゃタイプの男が見に来るってなれば、誰だって緊張するでしょ~」

あまりにも唐突な関根の一言。

しーんと静まりかえる。

 

「タイプじゃありません!!違いますからぁ!」

 

半泣きになりながら軽く関根の肩を入江が叩く。

恋愛・・・か。

なんか自分には遠すぎるように感じるな・・・。

「んじゃ、食べ終わったことだし、行きますか!」

「案内してくれ」

俺らは動き出す。

 

*************************************

 

(SIDE:??)

 

薄暗い闇の中。

ここは何処かは分かっている。

無数にあるコンピューターの数々。

僕はそこを歩いていく。

 

そこは"第二コンピューター室"と掲げられた部屋だった。

 

もうここにくるのは何度目であろうか。

この先に待ち構える者と対峙するのは何度目であろうか。

部屋の中は至ってシンプル。

いくつものパソコンと道が一つしかない。

道、通路、なんと表現すれば良いのか。

まぁそんなことはどうでもいいことだ。

 

待ち構える者に対面する。

"ソレ"は椅子に座っていた。

足を組み、何かを見つめている。

この世界の風紀を乱す団体の格好、つまり”SSS"の制服を着ている男子生徒。

 

・・・のように見える"正体不明のナニカ"。

 

 

「貴方ですか。今度はどうしたんですか?」

 

"ソレ"はこちらを見るまでもなく、告げた。

まるで待っていたかのような問いだった。

何でもお見通しってわけか。

くそが・・・。

 

 

「また同じ"過ち"を繰り返す気か―――?」

 

 

言葉を解き放つ。

ソレは何も答えない。

ソレの表情は分からない。

無表情なのか、笑っているのか、怒っているのか。

でも分かる。

その背に浮かび上がる長年に渡って蓄積された憎悪の影。

今にでも震えあがりそうだ。

悟られるな・・・!

 

「それは"あの方"次第ですよ。」

 

「なんだと・・・?」

「私は"あの方"には逆らえない・・・つまり"あの方"が過ちを繰り返すなら、またリセットし直せばいい、ただそれだけのことです。」

「それがお前の使命・・・そういうことか?」

「はい。そういうことです。」

 

「もうどれだけの時間を費やしてきたと思っている―――!?いつまで続くんだ・・・こんな地獄が・・・」

 

「地獄・・・果たして存在するか否か。非常に興味深い。しかし此処は地獄などではありません。」

「・・・?」

 

「全ては"あの方"から始まった。だから私達は"その時"まで運命を共にするまで。」

 

「僕は限界だ・・・。もう待ってなどいられない。地上へ行く―――」

「どうぞお好きになさってください。」

「止めないのか?」

「"あの方"は偉大です。貴方の力が及ぶ存在ではない。」

 

 

「くれぐれも"あの方"の逆鱗に触れぬようお願いします。その禁を犯した暁には・・・」

 

 

「私が天誅を下すまでです―――」

 

*************************************

 

(SIDE:尾形)

 

響き渡るベースとドラム音。

リズム隊の音だけではイマイチ何の曲かは分からないが、それでもやはり二人の演奏は凄かった。

なんかこう、引き寄せられる何かがある。

「ブラボー!」

「へっへっへ~」

恥ずかしそうにする関根と入江。

互いに切磋琢磨してきた仲なのだろう。

神と俺のような関係なのか。

「音合わせるのって難しそう」

「そんなことないよ~!」

「関根・・・お前よく暴走するって岩沢が言ってたんだけど・・・」

「ギクッ・・・」

「しおりん、すぐ暴走してリズム私まで狂っちゃう・・・」

「みゆきち・・・あたしの心を抉ってそんなに楽しいか・・・?」

「しおりんのせいでしょ!」

ぷくーと口を膨らませる入江。

「入江、ドラムって難しいの?」

「ん~最初は慣れなかったかなぁ・・・」

「お前ら、一緒にガルデモに入ったのか?岩沢とひさ子が最初って聞いたけど・・・」

「いや、私が最初だよ」

小さく入江が手を上げる。

「最後がしおりん!」

「てっきり関根の方が最初かと思った・・・絡み的に」

「私の方が先輩です!」

胸を張る入江は小動物のようで可愛らしい。

俺にもこんな感情があるとは・・・な。

「みゆきち・・・胸を張ったとしても出るものはないぞ・・・」

ここで一閃。

関根は見えない何かで頭蓋骨を割られていた。

・・・多分。

「しおりん、何か言った??」

「み・・・みゆきちは・・・ひんにゅ―――」

また一閃。

もうなんとなく伝わったよ・・・。

関根、もうやめろ死ぬぞ、色々な意味で。

 

ここで教室の扉が開く。

「おっ、お前ら練習か!精が出るな!」

岩沢の顔が出てくる。

「よう、岩沢!」

「尾形も居たのか!今日はどんな面白い話を聞かせてくれるんだ?」

「こいつら・・・いつの間にそんな仲になっていたのか・・・」

何やら小声で入江に話す関根。

聞こえてるぞ・・・。

「今日はこいつらの演奏を見学しにきたんだよ。どーせ暇だしな」

 

「じゃあ尾形、ちょっと付き合ってくれ!」

 

「えっ、どこに」

「ちょっと野暮用があるんだ!ちょっとな・・・」

「あ、あぁ」

岩沢に手を引っ張られ、教室を後にしていく。

関根と入江は怪しげな表情でこちらを見つめていた・・・。

 

*************************************

 

屋上へと出る。

学習棟の屋上は広いし、高い。

この世界の景色を一望できる。

遥か向こうに見える樹海。

あの向こう・・・確か戦線のリーダーであるゆりがこう言っていた。

 

"高い壁があってそれより先には進めない"

 

やはりこの死後の世界に閉じ込められてるのだろうか、俺達は。

「ほらよ」

岩沢からコーヒーを渡される。

KEYコーヒー・・・って変な名前だな。

ぷるたぶの音が響き渡る。

 

「前、アンタ。あたしに"普段通りでいい"って言ってたよな・・・?」

 

岩沢の表情は真剣だった。

まっすぐ見つめられる。

前、岩沢の生前を聞いた時の話しか。

「あぁ、言ったな」

「それはどういう意味だ・・・?」

「そのまんまだよ。普段通り、ライブをやって新曲を作る。新しいモノを創っていく。岩沢にしか作れないもの・・・それをこの世界に残すんだ。」

「それは分かってるけど」

「お前が一番よく知ってるはずだろ?」

「え・・・」

「生前成し遂げられなかった悔い・・・それは"大好きだった歌を歌えなかった"事だろ?」

「あぁ」

 

「それをこの世界では叶えることが出来る。岩沢はそれが明確に分かっている。」

 

「叶える―――か」

ひさ子の言っていた事をふと思い出す。

あいつの生前はおぞましいものだった。

ひさ子を繋ぎとめる事が出来たのも、岩沢という存在あってこそだ。

そんな大事な存在になれた岩沢は・・・もう夢を叶えるのが目前だと思ったのだ。

それに比べ、ひさ子の闇はまだ深い。

 

「だから特別なことはやる必要がないんだ。普段通りやっていけば、この永遠に続く世界で輝き続けられる。生前の夢がこの世界で実現できるんだ―――」

 

「あたしが輝き続けられる存在に・・・なれるのか・・・」

「そうだ」

ふと岩沢の瞳から涙が溢れだしていた。

頬を伝い、下へと落ちていく。

何を告げるわけでもなく、ハンカチを差し出す。

ありがとう、と小さく呟く岩沢。

 

「俺さ、お前らのおかげで救われたんだ。」

 

「・・・そうなのか」

「あぁ。何十年も過ごした闇の中に岩沢の歌が光を差し込ませてくれた。」

「そんなにこの世界にいたのか・・・尾形」

「あぁ。記憶を無くして、自分が誰かも分からずに、大切な人も失って・・・」

目を細める。

思う浮かぶ神の顔。

彼の最後の顔は、今でも忘れない。

 

「いつか描いてた明日へやっと踏み出せたんだ・・・ガルデモのおかげでな」

 

岩沢は何も告げない。

風の音だけが、やけに騒がしい。

俺が何者だとか。

俺の生前がどうとか。

そんなことは今はどうでも良かった。

ガルデモを守れて、側にいれて、神が戻って来てくれたら。

俺はそれだけでいいんだ。

 

「ありがとう―――」

 

ただ一言。

伝えたかった想い。

本当にそれだけ。

この一言にどれだけの意味が籠っているか。

君に伝えたかった。

 

 

「よし!!次のライブも更に熱くしてしていくぜッ!側で見ててくれよな!尾形!」

 

岩沢は笑う。

俺も微笑む。

幸せな夢を見てるようだ。

こんな夢が続くなら、俺はどんな対価でも支払える。

どんなことにだって耐えられる。

そう思えてならなかった。

 

 

でも、薄々な気付いてた。

 

 

 

 

これが岩沢の最後のライブになるかもしれない―――。

 

 

 

 

彼女の瞳は透き通って。

 

とても綺麗な瞳だったのだ―――・

 

***********************************************

 

 

 

―――。

 

俺は何十年も孤独な生活を送ってきた。

このままでいいのかと思いつつ、何も出来ない日々。

生きる意味さえも分からなかった日々。

それでも、何もしなかった。

いや、出来なかった。

 

俺は強くあり続けようとした。

俺は強くあり続けなければいけなかった。

強くあり続ける筈だった。

 

 

 

・・・もう一人の"人間"に会うまでは―――。

 

 

 

入江の顔が浮かび上がる。

 

 

ずっと思っていた。

それは矛盾なのかもしれない・・・と。

 

 

いつまで続くんだ・・・、この地獄が。

 

長い間、悩んできた。

それは今でも。

 

数えきれない夜の中で――――。

 

 

長い道のりだった。

何も変化もない日もあった。

全てから逃げたくもなった。

 

でも俺は逃げなかった―――。

 

何故だと思う?

 

 

何も変えられない夜だとしても。

 

それでも・・・やがて"明日"が来るからだ。

 

 

未来を変える者たちの明日だ。

 

その度に俺は戦うことを誓ってきた―――。

 

 

"絶望への痛み"。

 

 

それが俺の力だ。

 

 

 

 

 

だが―――。

 

俺は孤独に敗れ、"仲間"を求めてしまった―――。

 

その人間の温かさ、温もり、会話出来る楽しさ、音楽の魅力。

 

その全てが俺にとって輝いてみえたのだ。

 

まるで今まで"人間の形をしたナニカ"だったかのように―――。

 

 

みんなが嫌がるなんて知ってる・・・。

 

これが"地獄への巻き添え"だと分かっていても・・・

 

俺は・・・止める事が出来なかったんだ―――。

 

 

 

スマン。

 

スマン、入江。

 

スマン、みんな。

 

 

 

 

俺は。

 

 

俺は、お前らと出会わなければ良かった―――――。

 

 




次回予告

「新曲・・・」
「Alchemy!?こんな序盤で?!」
「それに・・・触るなぁああぁぁぁあああぁ!!!!!」
「こんな下らん事・・・二度とさせるか!!」
「やめろ・・・やめてくれ・・・」
「なんだ―――この違和感―――」
「天使、出現します」
「Angel Player・・・こんなソフトが・・・」


「全部俺のせいだ―――。俺が岩沢を・・・"消した"んだ・・・」

#7 《My Song》
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