異世界でミリオタが現代兵器を使うとこうなる   作:往復ミサイル

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同じ理想と手段の違い

 

 

「おお、なんだここは…………?」

 

「俺たちの本拠地だ。みんなはタンプル搭って呼んでる」

 

 日光のせいですっかり熱くなってしまった装甲車の屋根の上で、天空へと向けて屹立する36cm砲を見上げる転生者たちに説明すると、彼らは興味深そうに戦艦の主砲並みのサイズを誇る砲身を見上げていた。

 

 厳密に言えばここは〝塔”ではなく、ほとんどの設備が地下に用意されている。普通では考えられないことだが、居住区どころか飛行場まで地下に設置されているというかなり変わった基地である。

 

 ここがタンプル搭と呼ばれる所以は、やはり天空へと伸びるこの巨大な砲身の群れだ。36cm砲が6門と、中心部に鎮座する巨大なもう1門の方針がそれぞれ稼働し、巨大な決戦兵器として機能するとはだれも思う筈がない。

 

 当然ながらその破壊力は圧倒的で、下手をすれば敵の大部隊を一撃で壊滅させるほどの破壊力を誇る。

 

 しかしその代償は極めて大きい。砲撃の際の衝撃波はかなり強烈で、地上に戦車やヘリを格納するための格納庫を設置すれば衝撃波で破損する可能性がある。もちろん人間の兵士がとどまっていれば衝撃波で押しつぶされるか吹っ飛ばされるのが関の山なので、砲撃の際は警報を鳴らして地下への退避を促し、しっかりと隔壁を閉鎖した状態でなければ砲撃してはならないことになっている。

 

 特に、中心に鎮座する36cm砲よりも巨大な砲身は―――――――――敵へもたらす破壊力と、こちらへもたらす破壊力が未だに計り知れないのだ。投入すれば間違いなく切り札になるだろうが、こちらへのリスクが計り知れない以上、迂闊に投入できる代物ではない。

 

「タンプル搭……………」

 

「そうだ。……………とりあえず、いろいろと話が聞きたい」

 

「ああ。こっちも助けてもらったお礼をしたいところだしな」

 

 転生者たちの指揮官と思われる少年が、微笑みながらそう言った。

 

 旧日本軍の軍服を身に着け、三八式歩兵銃さえ背負っていなければごく普通の男子高校生のようである。実際転生者はそういう者が多いし、俺が今まで仕留めてきた獲物もそういう奴らばかりだった。風穴を開けられ、動かなくなった死体の顔を見るたびに、こんな世界に迷い込まなければ普通の高校生として生活していたんだろうなという虚しさに苛まれたのも少なくはない。

 

 俺たちは幼少の頃から、そういう感情で標的を〝狩る”ことに躊躇いが生まれないように徹底的な〝教育”を受けてきた。あれはきっと、俺たちが転生者を殺し続けることによって心的外傷後ストレス障害(PTSD)になることを回避するために親父が施した〝目隠し”のようなものなのかもしれない。

 

 クソ野郎を殺すのは当然だ、という徹底的な教育。それが心的外傷後ストレス障害(PTSD)という恐怖を遮断するための目隠しとして機能しているのだろう。もしその目隠しが消えてしまったら……………きっと俺やラウラは、簡単に壊れてしまうかもしれない。

 

 そういえば、親父も心的外傷後ストレス障害(PTSD)になりかけたことがあるという。その時はエリスさんのおかげで辛うじて戦線に復帰できるほどに回復したらしいけれど、あの最強の転生者と言われた親父でも、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で壊れかけたのだ。どれだけ強敵を粉砕してきた猛者でも、精神的な大きな衝撃には打ち勝てないという事なのだろうか。

 

 そんなことを考えている間に、俺たちを屋根に乗せたBTR-90が格納庫へと続く下り坂へと差し掛かっていた。壁際に設置されたランプが点滅し、岩肌から無機質な灰色の壁へと変わった格納庫への通路を黄色い光で照らし出している。

 

 分厚いゲートが開き、装甲車がその奥へと進んでいく。何度かカーブを曲がりつつ下へと降りていくと、その奥に広がる広間にはテンプル騎士団で正式採用されているエイブラムスの群れが、薄暗い格納庫の中で眠りについていた。

 

「おお、すげえ! アメリカのエイブラムスだ!」

 

「あっちにはチーフテンもある!」

 

「隊長、俺たちの小さい戦車とは大違いですな」

 

「そ、そうだな……………」

 

 確かに、チハとエイブラムスを比べたら自転車と大型トラックのようなものだ。戦車砲を使わなくても、ただ正面から衝突するだけで破壊できるかもしれない。

 

 隣に座っていた転生者たちの隊長は、予想以上の兵力にかなりびっくりしているようだった。格納庫に並んでいるエイブラムスは予備の車両や訓練用も含めると25両。その奥にはBTR-90が10両ほど並び、その周囲には偵察用のバイクが並んでいる。その奥はヘリの格納スペースで、分厚い壁の向こうは戦闘機の格納スペースとなっている。

 

 砲撃の衝撃波から兵器を保護するために地下に大規模な格納庫を用意したんだが、ここは貫通力に優れるバンカーバスターでも撃ち込まれない限り、破壊されることはありえない。天井は分厚い岩盤で保護されているし、その下にはさらに分厚い鉄板と、ドワーフの職人たちが試しに作ったという複合装甲まで張り巡らされている。

 

 装甲車の運転を担当するステラもすっかり運転に慣れたらしく、武骨な車体を容易く同型の装甲車の隣に駐車させると、エンジンを切ってからハッチからひょっこりと顔を出した。

 

「到着しました」

 

「え、幼女!?」

 

 いきなり装甲車の中から幼女―――――――――とはいえ封印されていた間の時間を除いても37歳だ――――――――の姿をしたステラが現れた瞬間、何故か日本兵の格好をした1人が大喜びし始めた。言っておくけど、ステラはもう成人なんだからな。メンバーの中では最年長だぞ?

 

「とりあえず、ついてきてくれ。……………ウラル、悪いが奴隷たちの受け入れ準備を」

 

「了解だ」

 

 居住区は拡張してあるから、10人くらいは受け入れられるだろう。もし故郷が無事なら故郷にちゃんと送り届けるつもりだし、もう既に全滅してしまっているならば、ここで受け入れても構わない。

 

 できるならその中から志願してくれる者がいればありがたいんだが、強引に徴兵するようなことはしていない。テンプル騎士団は完全な志願制だし、志願せずにここで生活している人々にもちょっとした別の職業を用意してある。ただしここが襲撃された場合に身を守れるように、住民には武器を支給しているし、週に1回の射撃訓練は義務化している。もちろん非力な住民たちを前線に出すためではなく、ここが襲撃を受けた際に身を守れるようにするためだ。

 

 簡単に言うならば、イギリスのホームガードのようなものである。ただし、さすがに小さい子供まで戦わせるわけにはいかないので、12歳未満の子供は対象外となっている。

 

 装甲車から降りて戦術区画へ続くゲートへと向かうと、テンプル騎士団の制服の上にボディアーマーを装着し、バラクラバ帽を被ってフェイスガードとヘルメットを装着したハーフエルフの団員たちとすれ違った。確か、前に受け入れた奴隷たちの中から志願した兵士たちだ。すぐに冒険者の資格を取ったため、現在では訓練を兼ねてダンジョンの調査を行ってもらっている。

 

 彼らは俺が見慣れない格好の少年と少女を引き連れているのを見て目を細めたけど、俺が頷いたのを見ると、納得してそのまま格納庫の方へと走っていった。

 

 きょろきょろと基地の中を見渡す転生者たちを引き連れ、そのまま階段を下りて戦術区画へと向かう。戦術区画には戦闘に関するあらゆる設備がそろっており、全ての部隊を指揮するための中央指令室もある。常に警備兵が駐留しているので、もしも彼らが暴れ出したらすぐに鎮圧できるだろう。とはいえ、この日本兵の格好をした転生者たちは他の転生者たちとは違うようだから多少は安心できるけど、やはり今まであんなことをしているような奴らばかりだったから、まだ完全には信用できない。まずは話を聞く必要がある。彼らをテンプル騎士団に勧誘するか否かは、そこで話し合ってから決めようと思う。

 

 戦術区画の通路を進み、いつも会議に使っている広間へと案内する。中央には巨大な円卓が鎮座し、普段はここで会議をする円卓の騎士たちの分の椅子がずらりと並んでいる。

 

 俺に先導されてついてきた転生者たちを後ろで見張っていたナタリアとカノンとステラとイリナの4人に目配せしてから、俺は質問することにした。

 

「ところで、変な端末を持っているって言ってたけど……………あなたたちはこの世界の人間じゃないのかな?」

 

「えっ?」

 

 隊長と呼ばれていた少年が目を見開いた。どうしてこの世界の人間じゃないという事がバレているのかとびっくりしているんだろう。確かにこの世界の人々が銃を見せられても、それを持っているからと言って異世界の人間だと思うわけがない。せいぜい「轟音を発する変わった飛び道具を持っている」と思うくらいだ。

 

「その端末。……………それは、転生者にのみ与えられる装備だよ」

 

「転生者?」

 

「そう。……………あなたたちのように、この世界にやってきた別世界の人間のことさ」

 

 とはいえ、この会議室までついてきた8人のうち、転生者は3名。しかもそのうちの1人は俺たちと同い年くらいの少女である。旧日本軍の軍服を少女が身に着けているのを目にした俺は、若干違和感を感じつつ話をつづけた。

 

「それで、あなたたちはあんな砂漠の真ん中で何をしていた?」

 

「奴隷を助けたんだ。俺たちはこの8人でこの世界を旅してたんだけど、偶然あそこで商人たちに無理矢理連れて行かれそうになってる人たちを見つけたから、銃撃と砲撃で追い払って保護したんだよ」

 

「そしたらその音で魔物が集まってきちまって……………」

 

「なるほど」

 

 商人たちを〝殺した”んじゃなくて、威嚇射撃で〝追い払った”ってわけか。確かに魔物を相手にするならば始末するだろうけど、異世界に転生したばかりの高校生が人を射殺するのはまず考えられない。かつて母さんとの駆け落ちじみた逃走劇の最中に襲撃された若き日の親父のように、身を守るためにやむを得ず殺したような場合や、クソ野郎でもない限りはハードルが高過ぎる話だ。

 

 俺たちから見れば甘い判断に見えるけれど、それでもそうやって奴隷たちを救い出したのだから、彼らの判断は間違ってはいない。でも、彼らが追い払った商人たちはきっとまた〝商品”を仕入れ直して商売を続けることだろう。もし仮に奴隷の売買が違法になったとしても、それを承知の上で商売を続ける商人だっている筈だ。

 

 だから俺たちは、そういう奴らを消すようにしている。もう二度と奴隷たちを虐げることができないように。

 

「それで、こっちの5人は?」

 

「俺たちの仲間になってくれた奴らだよ」

 

 転生者の3人以外は、よく見ると種族がバラバラだ。狼のような耳と尻尾が生えた男性もいるし、エルフもいる。

 

 この世界では人間まで奴隷にされていることがあるけれど、基本的に奴隷として承認が販売することが多いのは人間以外の種族だ。特にハーフエルフが奴隷とされることが多く、そういう商人が開いている店では必ずと言っていいほどハーフエルフの奴隷を目にするほどである。

 

「俺たちも奴隷だったんだけど、こいつらが助けてくれたんだ」

 

「彼らは命の恩人だよ。だから俺たちは、こいつらに一生ついて行くって決めたんだ」

 

「ふむ……………」

 

 その時も、商人を威嚇射撃で〝追い払った”んだろうか。

 

 俺たちの掲げている理念に近いけれど、少しばかり甘いような気がする。

 

 彼らの場合は、敵を〝追い払う”。あくまでも命は奪わずに人を救うやり方である。それに対してテンプル騎士団のやり方は、敵を〝殺す”。人々を救うために、敵は徹底的に殲滅する。それが俺たちのやり方だ。

 

 強引に彼らを勧誘すれば、それで軋轢を生んでしまう可能性もある。主義の違いが産む軋轢は大抵深くなるし、それが原因で組織の崩壊につながる恐れもある。

 

 テンプル騎士団の団長として、しっかりと舵を切らなければならない。

 

 それを誤れば――――――――また、ラウラの時の二の舞になってしまいかねないから。

 

 とりあえず彼らに俺たちの話をしてみよう。そう思った俺は、そっと冷や汗を拭った。

 

「実は、俺たちも似たようなことをしている」

 

「え?」

 

「奴隷を開放し、仲間に加えて、同じように虐げられている人々を救っている。さっきすれ違った兵士たちも元々は奴隷だったし、そこにいるピンク色の髪の子は捕虜だった」

 

「やっほー♪」

 

 本当に捕虜だったのだろうかと疑ってしまうほどの明るい声でそう言いながら手を振り、微笑むイリナ。できるならば話が終わるまではこの緊張感を維持したいから、そういう態度は自重してほしい。

 

 いや、捕虜という絶望的な状況を経験してもここまで明るく振る舞える良い例かもしれない。実際に心を閉ざして無表情だったステラも、今ではすっかり感情豊かになったし。

 

「俺たちの理想は、こうやって組織を拡大し、世界規模で人々をクソ野郎から救済すること。―――――――それが、このテンプル騎士団の理想だ」

 

「テンプル騎士団…………君たちの組織の名前か?」

 

 隊長に問いかけられた俺は、首を縦に振った。

 

 ここまでならばきっと共感してくれるはずだ。彼らも同じ理想を持っているに違いないのだから。ただ、問題はそれを実現させるために取る手段。敵を殺すか、生かすかの違い。

 

 だから無理に勧誘はしない。けれども、誘ってはみる。

 

「ただ、俺たちの場合は――――――――敵を殺す。威嚇射撃で追い払うような真似はしない。人々を虐げるようなクソ野郎を見つけたら、全滅するまで殺戮する」

 

 理想までは、同じ。けれどもそのために取る手段の違いを認識したのか、俺の言葉を聞いた転生者たちや日本兵の格好をした奴隷たちの顔が強張ったのが分かった。

 

「…………な、なあ、それはやり過ぎなんじゃないか?」

 

「いや、これでいい。…………俺たちは決して、クソ野郎共を生かすような真似はしない」

 

 これは俺たちの親父たちから受け継いだやり方だ。

 

 クソ野郎は徹底的に殲滅し、根絶やしにする。そうしなければ生き残ることはできないし、虐げられている人々は救われない。だから俺たちは救済のために、敵の返り血を浴びる。血まみれになり、致命傷を負っても進み続ける。

 

 同志が倒れたのならば戦死者のために悲しみ、憤怒を原動力にして仇を討つ。そして血まみれの身体で銃を手にし、進撃を続ける。

 

 これが、モリガンの傭兵たちの戦い。そして、俺たちが彼らから継承した戦い。この禍々しい戦い方は、きっと俺たちの子孫までずっと受け継がれる。

 

「あなたたちだって見てきた筈だ。奴隷たちに鞭を叩きつけ、商人から買い取った奴隷に過酷な労働をさせるクソ野郎共を」

 

「…………」

 

「俺たちはそういう奴らを根絶やしにしているだけ。そうやって根絶やしにすることで、蛮行を続ければ消されるという恐怖を生み、それを抑止力にする。生かせばそいつらはきっと、同じことを続ける」

 

 彼らには難しい話かもしれない。平和だった前世の日本で普通の生活を送っていたのに、異世界に来てからいきなり人を殺さなければならないと言われるのは、きっと考えられないことだろう。むしろそういう平和な世界で生きていた筈なのに、人々を虐げるクソ野郎共の方が異常だ。

 

 だから、強引な勧誘はしない。共感できないというのならば、彼らのために食料や水を用意し、この周辺の情報も提供して送り出すだけだ。

 

「俺たちは人員が不足している。特に、あなたたちのような転生者はぜひとも戦力にしたいところだが…………ご存知の通り、やり方がかなり違う。だから強引に勧誘しようとは思わない。もし必要ならば、こちらで食糧と水とこの周辺の情報を用意するし、あなた方の乗っていたチハもこっちの整備員が修復する。……………やり方は甘いけど、せっかく同じ理想を持つ同志に会えたんだ。そういうサポートはさせてほしい」

 

 正直に言うと、彼らにはぜひテンプル騎士団の一員になってほしい。転生者を味方にするメリットは非常に大きいし、彼らには兵器に関する知識がある。

 

 でも、きっと難しいだろう。俺たちの一員になるという事は、俺たちと一緒に転生者との死闘を繰り広げることになるという事だ。当然敵対した奴らを殺すことになるだろうし、下手をすれば仲間から戦死者が出る可能性もある。

 

 だから彼らは断るに違いない。そう思って諦めようとしていると、隊長の転生者の目つきが変わった。

 

 今までは温厚そうな目つきだったんだけど、今の目つきはまるで覚悟を決めた兵士のような、先ほどまでと比べると鋭い目つきである。

 

「……………確かに、そうしないと変わらないかもしれない」

 

「……………」

 

「確かに、見てきたよ。そんな酷いことをする奴らを。でも俺たちが追い払えば心を入れ替えてくれるんじゃないかって、ちょっと期待してた。でも……………怖かったんだ、人を撃つのが」

 

 いや、平和な世界で生きてきたのだから、それが当然の感覚だ。こっちの世界では甘いかもしれないけど、前世の世界の常識から見れば、俺たちの方が異常なのかもしれない。

 

 だから俺は「甘い」とは言わなかった。何も言わずに、覚悟を決めた彼の言葉を聞いていた。

 

「……………やっぱり、こっちの世界では甘いのかな」

 

「少なくとも、前世の世界の常識は捨てるべきだ。この世界はもう平和じゃない」

 

 魔物が徘徊し、人々が殺し合うのが日常茶飯事。転生してきたばかりの頃は、魔術やドラゴンが存在する夢のような世界だと思っていたけど、これが現実だ。

 

 だから捨てろ。日本に住んでいた頃に覚えた常識は全て、ここで捨てろ。

 

「そうするべきかもな。……………みんなはどう思う?」

 

 後ろで話を聞いていた仲間たちを振り返り、隊長が問いかける。背中に古めかしいボルトアクションライフルを背負った転生者の仲間たちはまだ少し悩んでいる者もいるようだったけれど、すぐに覚悟を決めたのか、段々と目つきが変わっていった。

 

 仲間たちの顔を見渡し、隊長は首を縦に振る。そして俺の目を見据えながら頷いた。

 

「理想は同じだ。そっちのやり方にはなれないかもしれないけれど……………俺たちも、仲間に加えてほしい」

 

「本当にいいのか? 帰り血まみれになるのは日常茶飯事だぜ?」

 

「覚悟は決めた。……………みんなもだ」

 

「…………分かった」

 

 よく決めてくれた。

 

 クソ野郎たちに期待してしまいたくなるのは分かる気がする。もしかしたら次はもうやらないんじゃないかと思って見逃そうとしたことは、正直に言うと何度かある。

 

 けれどもそうやって期待するのは無駄だ。どれだけクソ野郎共の計画を台無しにしても、あいつらは蛮行をやめない。

 

 きっと彼らも期待することに諦めかけていたんだろう。それがこの覚悟を決めることを後押ししたに違いない。

 

 とにかく、彼らを歓迎しよう。同じ理想を目指すために、覚悟を決めてくれたのだから。

 

「――――――――テンプル騎士団へようこそ、同志諸君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おまけ

 

 ブレス

 

ステラ「そういえば、タクヤはサラマンダーの遺伝子も持ってるんですよね?」

 

タクヤ「ああ」

 

ステラ「では、ブレスも吐けるのですか?」

 

タクヤ「えっ?」

 

イリナ「あっ、確かに! ドラゴンの遺伝子があるなら、ブレスを吐ける可能性もあるよね!?」

 

ウラル「ああ、俺も興味がある。どうなんだ?」

 

タクヤ「ええと……………やろうと思ったことはあるんだけどさ」

 

イリナ「それで!?」

 

タクヤ「……………頑張り過ぎたせいで、違うもの吐いちまった」

 

一同「……………」

 

 

 おまけ2

 

 テンプル騎士団式エクササイズ

 

ナタリア「うー……………」

 

カノン「あら、どうしましたの?」

 

ナタリア「最近ちょっと体重増えちゃったかなって……………」

 

カノン「あらあら」

 

ナタリア(た、食べ過ぎかなぁ…………? で、でも、運動はしてるはずだし……………)

 

タクヤ「ナタリア、任せろ! 一瞬で痩せるいい方法を考えたぞ!」

 

ナタリア「本当に!?」

 

タクヤ「ああ!」

 

ナタリア「それで、どうするの!?」

 

タクヤ「簡単だ。追いかけてくるパンジャンドラムからひたすら逃げ続け―――――――――」

 

ナタリア「死ぬわバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

タクヤ「ぶれんがんっ!?」

 

 完

 




※ブレンガンは、第二次世界大戦で活躍したイギリス製LMGです。
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