異世界でミリオタが現代兵器を使うとこうなる   作:往復ミサイル

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再会とエース

 

 

 ドラゴンを迎え撃つために飛び立った滑走路が、どんどんキャノピーの下から上へと迫ってくる。まるでその滑走路が開放的な青空を上へと押し出そうとしているようにも見えてしまい、もっと空を飛んでいたかったという願望が頭の中を満たし始める。

 

 楽しんでいた映画のラストシーンが終わったような寂しさを感じながら高度を下げると、機体の下降がぴたりと止まった。ついに再びこの滑走路に降り立ってしまったのである。

 

 プロペラもどんどん回転速度を落としていき、やがて眼で追える程度の遅さになる。キャノピーを満たしていたプロペラとエンジンの音も小さくなっていき、周囲の光景も段々と停滞を始めた。

 

 滑走路の両脇には、先ほどの空戦で出番のなかったSu-27やSu-35たちが、まるでたった1機だけ飛び立って奮戦してきたこのメッサーシュミットBf109を羨ましがっているかのように、こちらへと機首を向けながら眠っている。そしてその戦闘機たちの群れの向こうには、真っ黒な制服に身を包んだ兵士たちが、AK-12を手にしながら、滑走路に降り立ったメッサーシュミットBf109を待ち受けているところだった。

 

 彼らがこちらへと銃を向けたのを目にした瞬間、俺はこの滑走路から飛び立った時の事を思い出す。俺は”テンプル騎士団”とかいう組織に救助され、部屋のベッドで寝かされていた。そして化け物たちが襲来したという知らせを耳にし、勝手にここから飛び立ったのである。

 

 彼らを救ったとはいえ、部外者が無断で戦った上に彼らの滑走路へと勝手に降り立ったのだから、警戒するのは当たり前だろう。下手をすればコクピットから降り立った瞬間に蜂の巣にされかねない。

 

 どうしよう…………。滑走路は広いから、Uターンしてもう1回飛び立つか?

 

 そう思いながら燃料計を見てみるが、いつまでも飛んでいられるほどの燃料が残っているわけではない。仮にUターンして飛び去ったとしても、すぐに砂漠に墜落する羽目になるのは火を見るよりも明らかだ。

 

 せっかくドラゴンを6体も撃墜する戦果をあげたのだから、そんな無様な死に方はしたくない。

 

 彼らに停滞したのではなく、魔物の撃退の手伝いをしたのだから、少なくとも敵意を見せなければ撃たれることはないだろう。それにここはどこなのか、彼らから聞き出すチャンスじゃないか。Uターンして飛び去るよりも彼らと接触し、情報を手に入れる方が合理的だ。

 

 機体を停止させ、ゆっくりとキャノピーを開ける。開いたキャノピーが音を奏でると同時に兵士たちが一斉にAK-12を向け、アイアンサイトやドットサイトを覗き込みながらこちらを睨みつけてきた。

 

 AK-12を持っているという事は、ロシア軍か? 

 

 両手を上げつつコクピットから降り、一旦主翼の上に両足を下してから滑走路へと降り立つ。これで銃を下してくれれば話がしやすくなるんだが、どうやらあの兵士たちはかなり警戒しているようだ。こちらにアサルトライフルの銃口を向けたまま微動だにしない。

 

 あ、そういえば腰のホルスターにまだルガーが入ったままだった。端末で装備から解除しておけばよかったな…………。丸腰の方が敵意がないという事を伝えやすいと思ったのだが、今ここで端末をポケットの中から取り出そうとしたり、ルガーを足元に置くために取り出そうとすれば撃たれてしまうに違いない。

 

「―――――――そこで止まれッ!」

 

 頭に真っ黒なヘルメットをかぶった1人の兵士が、俺に向かってそう叫んだ。

 

 指揮官なのか、他の兵士たちと比べると真っ黒な制服に深紅の装飾が少しだけついている。しかしその立派な装飾も先ほどの戦闘のせいなのか砂塵で薄汚れており、どちらかと言うと荒々しい雰囲気を放っていた。あの指揮官の顎を無精髭が覆っているせいだろうか。

 

 そういえば、俺の祖父も若い頃の写真に写っていた時は無精髭を生やしていた。わけのわからない場所で銃を向けられているにも拘らず、古い白黒の写真の中で、隊長のメッサーシュミットBf109の前に並んで戦友たちと肩を組む若き日の祖父の姿を思い出してしまう。祖父が写っていた位置は右側から2番目。やけに体格のいい男性の隣で微笑んでいた。

 

「そのまま動くな!」

 

 動いたら撃たれるからな。こっちは動く気はないよ。

 

 数名の兵士たちと目配せをし、銃を構えたままじりじりと近づいてくる指揮官。下手したら牢屋に放り込まれるかもしれないし、尋問を受けるかもしれない。

 

 くそったれ、こっちはいきなりベルリン行きの列車から砂漠の真っ只中に放り出されたんだ。もう少し優しく扱ってくれてもいいじゃないか。いくら何でも理不尽過ぎだ。

 

 そんなことを考えながら、迫ってくる兵士たちを見つめていたその時だった。

 

「同志諸君、銃を下してくれ」

 

 殺気と警戒心を放つ兵士たちの群れの向こうから、やけに凛々しい少女の声が聞こえてきたのである。すると、迫ってくる兵士たちの後方に集まっていた黒服の兵士たちが道を誰かに譲り始め、その向こうから真っ黒なフードをかぶった人影が、姿を現した。

 

 俺よりも身長が低いし、コートのようにも見える制服の下にある身体は華奢だから、多分女だろう。いくら凛々しいとはいえ声も高かったし、真っ赤な羽が飾られているフードから覗く顔も目元から下しか見えないものの、少女のようにすらりとしている。

 

 かなり階級が高いのか、周囲の兵士たちは彼女に道を譲り始めたかと思うと、まるで将校に向かって敬礼するかのように、いきなり銃を下して彼女に向かって敬礼を始めた。

 

「ど、同志団長…………しかし、あの男は―――――――」

 

 同志団長…………? なるほどな、あの女がこいつらのボスか。

 

「同志、彼は我々に力を貸してくれた恩人だ。恩を返すべき相手に銃は向けるな」

 

「し、失礼しました………! おいお前ら、銃を下せ!」

 

 指揮官が大慌てで部下たちに命令すると、兵士たちも慌ててAK-12の安全装置(セーフティ)を作動させてから銃を下ろし、ゆっくりとこっちにやって来る少女へと敬礼をする。

 

 部下たちに敬礼を返しながら近くへとやってきた少女は、微笑みながら俺の顔を見上げた。

 

 フードの下にあるすらりとした顔が、はっきりと見える。

 

 やはりこの子は少女だった。華奢そうに見える小さな唇と、鮮血を思わせる紅い瞳。瞳の色とは裏腹に蒼くて長い髪は、まるで開放的な大空のような色をしている。微笑んでいるものの、彼女の目つきはまるで最前線で戦う兵士のように鋭く、完全に気を許させてはくれない程度の威圧感を放っている。

 

 銃を下せと命令したが、まだ味方だと判断していないのだろう。だからこんな目つきをしているに違いない。

 

 両手を上げたまま彼女の顔を見下ろしていると、蒼い髪の少女は俺の後ろで砂塵に晒されているメッサーシュミットの方をちらりと見てから、「いい戦闘機だ」と言った。

 

 そして俺の腰に下げてあるホルスターの中のルガーをまじまじと見つめてから、微笑んだまま頷く。

 

「…………いい趣味だな。話が合いそうだ」

 

「そりゃどうも」

 

「そろそろ両手を下せ。疲れるだろ?」

 

 ああ、正直言うと疲れてる。そこはお言葉に甘えさせていただくよ。

 

 息を吐きながら両手を下ろすと、少女は頷きながらにっこりと笑った。

 

 それにしても、こんな少女があの兵士たちのボスなのか? 確かに目つきの鋭さは最前線で戦う歩兵を彷彿とさせるが、こんな華奢な身体でライフルを装備し、ボディアーマーを身につけて走り回れるのだろうか? というか、明らかに未成年だよな? 

 

「…………ところで、所持品の中に奇妙な端末はないか?」

 

「これのことか」

 

 奇妙な端末ならポケットの中にある。それを引きずり出して砂塵の中へと晒すと、少女の目つきが一瞬だけ更に鋭くなったような気がした。

 

「…………お前はどうしてここに?」

 

「ベルリン行きの列車に乗っていた。いきなり列車が急ブレーキをかけて凄まじい振動を感じたと思ったら、この砂漠のど真ん中に…………」

 

「ベルリン…………そうか、お前はドイツ人だな?」

 

「あ、ああ」

 

 なんだ、ドイツ(ドイッチュラント)を知ってる奴はいるじゃないか! 

 

 安心したよ…………祖国の事を知っている奴がここにいたんだからな。

 

 それにしても、この少女はどこの軍の兵士なんだ? 明らかにロシア人ではないし、顔つきは東洋人を思わせる。だが東洋人にしては鼻は高い方だからハーフか?

 

「なあ、ここはどこだ? あんたの部下はカルガニスタンとか言ってたが…………」

 

「ああ、その件についてはちゃんと話す。…………この近くに俺たちの拠点があるんだ」

 

 唐突に、滑走路の向こうからヘリのローターの音が聞こえてくる。砂塵を吹き飛ばしてしまいそうなほどの轟音は、先ほどメッサーシュミットBf109のコクピットの中を満たしていたプロペラの音よりも重々しい。

 

 やがて、青空を覆ってしまおうとする砂塵の上から、スタブウイングにこれでもかというほど武装を搭載したヘリがゆっくりと降下してくるのが見えた。一般的なヘリと比べるとずんぐりした胴体を持つが、そのヘリの原型となった機体から見れば十分すらりとしていて、機首にはセンサーと機関砲を搭載した武骨なターレットがぶら下がっている。

 

 ロシア製のヘリである”Mi-24ハインド”を南アフリカが改良した『スーパーハインド』と呼ばれる戦闘ヘリだ。戦車を木っ端微塵に吹っ飛ばせる対戦車ミサイルや、歩兵の群れを薙ぎ払うロケットポッドを搭載しており、火力はヘリの中でも極めて高い。更に兵員室の中から歩兵を降下させることもできる優秀な戦闘ヘリだ。

 

 滑走路の脇にあるヘリポートへと降り立ったスーパーハインドが、乗れと言わんばかりに兵員室のハッチを開ける。目の前にいる蒼い髪の少女はそのヘリをちらりと見てから、再び俺の顔を見上げた。

 

「同行してもらえるかな?」

 

「…………」

 

 まさか、そのままシベリアにでも送るつもりじゃないだろうな?

 

 不安になりながら、彼女と共にそのヘリへと向かうしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 砂漠の真上にある太陽や、砂塵を吹き上げる熱風と無縁な地下に築かれた部屋の中は、やはり砂漠の真っ只中よりもはるかに涼しい。しかし俺の周囲を取り囲むのは、時折蒸気のような白煙―――――――あれは魔力の残滓と呼ばれる、蒸気に似た無害なものだという―――――――が噴き出す武骨な配管の群れや、剥き出しになったケーブルたち。

 

 スチームパンクを題材にしたマンガや映画が好きな奴なら大喜びしそうな光景だ。いたるところに取り付けられた圧力計やバルブの数々が目立っていたが、今はもう気にならない。

 

 なぜならば、それらが気にならなくなってしまうほどの事実を、俺の目の前で微笑む少女から告げられたからだ。

 

「―――――――それで、信じてくれるかな?」

 

「…………」

 

 ここがカルガニスタンという場所で、住民がドイツの事を知らなかった時はかなり混乱したが、今はその倍以上混乱しているに違いない。この”タンプル搭”と呼ばれている巨大要塞へとやってきた時も驚愕したが、それを遥かに上回る驚愕の奔流に蹂躙されている状態である。

 

「…………こ、ここが異世界だって…………? そんなバカな…………」

 

 そう、この少女の話では―――――――俺はベルリン行きの列車の中で事故に遭遇して死亡し、異世界へと”転生”してしまったのだという。

 

 ”リンネテンセイ”という言葉は聞いたことがあるが、まだ信じられない。もしかしたらここは中東の砂漠で、この少女がからかっているだけなのかもしれないと思いたいが、俺は実際にメッサーシュミットBf109を操縦して、ドラゴンを叩き落している。

 

 御伽噺や神話に出てくるような、実在する筈のない化け物をだ。

 

 確かに俺はドラゴンを叩き落した。あの時握っていた操縦桿や機銃の発射スイッチの感触は、まるで指先にこびりついてしまったかのようにまだ残っている。

 

 そしてその後は砂漠を突き進む魔物の群れに機銃掃射をお見舞いし、滑走路に降り立って彼らから銃を向けられたのだ。

 

 俺の知っている世界ならばあり得ない。

 

 その”前世の世界”で死んだ一部の人間は、俺のようにあの奇妙な端末を与えられてこの世界へと”転生者”として放り出されているという。この世界にいる魔物や騎士たちを圧倒する力を持っているからなのか、大半の者はその能力を悪用し、人々を虐げているという。

 

 テンプル騎士団は、その転生者たちを討伐することでこの世界を守ろうとしている巨大な民間軍事会社(PMC)らしい。

 

「ということは、俺はあの列車の中で…………」

 

「詳しくは分からんが、事故だろうな。…………俺も飛行機事故で死んだ」

 

 俺が、事故で死んだ…………?

 

 信じられない。一瞬だったんだぞ? 列車が急ブレーキをかけて―――――――凄まじい衝撃を感じたのは。

 

「なんてこった…………」

 

 父さんと母さんは、きっと今頃俺の死体を目にして泣いてるだろうな…………。俺は一人っ子だったし。

 

「元の世界に戻る方法は…………?」

 

「ないだろうな。俺もお前も、向こうの世界では”死者”だ」

 

 事故で死んで異世界へと転生した人間が元の世界に戻るという事は、死んだはずの人間が生き返ることを意味する。死んでしまった人間が生き返る方法など、存在しないのだ。

 

 きっとそれと同じなのだろう。元の世界へと変える方法がないのは。

 

「ということは、この世界で生きていくしかないということか?」

 

「そうなるだろうな…………。とりあえず、元の世界へ戻るのは諦めろ。あれは絶対無理だ」

 

「…………」

 

 なんてこった。

 

 いきなり列車事故で命を落とし、魔物や魔術が実在する異世界に転生した上に、ずっとこの世界で生きていくしかないだと? 滑走路で兵士たちに銃を向けられたのは理不尽だと思ったが、元の世界に戻れない理不尽さは銃をいきなり向けられたあの経験の比ではない。

 

 もう二度と、故郷(バイエルン)に戻ることができないなんて…………。

 

「まず、これからの事を考えるんだ。お前は他の転生者たちみたいに悪いやつじゃないみたいだし、仕事さえ見つかれば生きていけるだろう。…………そういえば、お前の名前は?」

 

「…………アルフォンス・オルデンハイン」

 

「アルフォンス、特技は?」

 

「特技か…………ラグビーと、戦闘機の操縦だな。もう少し訓練が必要になりそうだが」

 

 幼少の頃、祖父の戦友が所有していたメッサーシュミットBf109のコクピットでパイロットごっこをしていた程度だが、祖父の戦友が悪ふざけのつもりで操縦方法まで教えてくれたのだ。あの時教わった操縦方法が、この摩訶不思議な経験の真っ只中で役に立つとは。

 

 とはいえ、あくまでも幼少の頃に教わった程度だ。本格的に戦闘機のパイロットになるためには、もっとしっかりした訓練が必要になりそうだ。

 

 どうやらこの世界では”飛行機”が存在せず、空を移動する手段は人間が飼いならしたドラゴンの背中に乗るしかないらしい。もし仮に俺が旅客機を操縦して、それで商売をしたら儲かるだろうか。

 

 個人的には小回りの利く戦闘機でドッグファイトをやってみたいものだが、わがままを言うわけにはいかない。戦闘機には客人は乗せられないからな。

 

「戦闘機か…………ドラゴンを落としたのはお前なんだな?」

 

「ああ」

 

 質問すると、目の前に腰を下ろす少女(タクヤ)は息を吐きながら考え事を始めた。

 

 そういえば”タクヤ”という名前は、日本(ヤーパン)では男の名前じゃなかったか? 異世界では女の子に”タクヤ”っていう名前を付けることになってるんだろうか。確かに口調は男っぽいけど、可哀そうじゃないか。

 

「―――――――よし、アルフォンス」

 

「なんだ?」

 

「お前をぜひスカウトしたい。テンプル騎士団で、戦闘機のパイロットをやらないか?」

 

「…………なに?」

 

 ここでパイロットを…………?

 

 テンプル騎士団って、PMCだよな? ここでパイロットをやるという事は敵と戦うという事を意味するが―――――――戦闘機のパイロットにしてもらえるのか!?

 

 悪くない提案だった。俺に行くあてはなかったからここに住むことはできるし、戦闘機のパイロットもできるのだから。

 

「ドラゴンを6体も撃墜したエースパイロットなんだ。選択の自由はもちろんあるが、立派なエースパイロットを手放したくはない。我々のパイロットはまだ錬度が低くてな…………」

 

「…………給料は?」

 

「受けた依頼の報酬の7割。3割は組織の運営資金として回収させてもらうことになるが、残りは全額お前にやるし、人権も尊重する。部屋も用意するし、何か必要なものがあれば可能な範囲で用意しよう。どうだ?」

 

 最高の待遇じゃないか…………!

 

 戦闘機のパイロットをやらせてもらえるうえに、ちゃんと給料も手に入る。しかも部屋や必要な物まで与えてもらえるのだから、拒否できるわけがないだろう。砂漠越えのための装備を持たず、ルガー1丁で異世界を旅するよりははるかにマシである。

 

 それに彼らの理想も、悪くない。

 

 人々の安寧のために戦うのであれば、力になろう。

 

「―――――――分かった(ヤー)、仲間に入れてくれ」

 

「歓迎しよう、同志オルデンハイン」

 

 そう言いながら微笑み、華奢な手を伸ばしてくるタクヤ。俺も彼女の手を握ろうと思って手を伸ばしたその時だった。

 

 いきなり後ろにある真っ黒なドアが開いたかと思うと、彼と同じく黒い制服に身を包み、頭に昔のドイツ軍の指揮官を思わせる略帽をかぶった金髪の少女が、部屋の中へと入ってきたのである。

 

「あ、ここにいた。ねえねえドラゴン(ドラッヘ)、シュタージの予算の件なんだけど―――――――」

 

 聞き覚えのある声だなと思いながら顔を上げた途端、部屋に入ってきた少女と目が合った。

 

「「あっ」」

 

 あ、あれ…………? 

 

 ちょっと待て、何でお前がここにいるの…………?

 

「き、君…………もしかして、アルフォンス…………?」

 

 ああ、やっぱりな。

 

 何でここで再会する羽目になったのだろうか。額の冷や汗を指先で拭い去りながら、幼少期の頃の事を思い出す。

 

 公園で遊んでいた時、何度も俺をいじめっ子から救ってくれた女の子。それから一緒に遊ぶことが多くなり、俺がオーストリアに引っ越すまでずっと遊び相手だった幼馴染。

 

 目の前に現れた金髪の少女は、まさに公園で一緒に遊んでいた幼馴染だったのだ。

 

「く―――――――クーちゃん?」

 

 

 

 

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