異世界でミリオタが現代兵器を使うとこうなる   作:往復ミサイル

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犠牲

 

 

 父親の”前任者”の物語。

 

 いきなり異世界に転生させられ、赤の他人に汚名を押し付けられても、仲間や最愛の恋人を守り抜こうと奮戦し、最終的に全てを失った悲しい物語。それが、22年前に偽物の”勇者”によって討伐されたと言われている魔王の物語の真相。

 

 自分の物語を語り終えて安心したからなのか、目の前に座っている98番目のリキヤは安堵しているようだった。

 

 恋人を殺した勇者を、俺たちの親父が今から15年前にファルリュー島で勃発した”第一次転生者戦争”で打ち倒した。そして98番目のリキヤは、自分の”後任”が仲間や恋人の仇を取ってくれたことを見届けてから、彼女の眠る墓地の木の前で死のうとしたのだ。

 

 けれども死ぬことは許されなかったらしく、自殺に使うつもりだったリボルバーの弾丸は全て不発。まるで、木の下で眠る恋人に『まだ死んではならない』と言われているのだろうと悟った彼は、彼女の元へと逝くことよりも、再びリー・エンフィールドを手にして戦う事を選び、テンプル騎士団へと合流した。

 

 だからテンプル騎士団の兵士たちは、”鉄パイプ野郎”になりすましていたこの男が一体どこからやってきた兵士なのか知らなかったのだ。壊滅したゲリラの生き残りという”噂”や、帰属に復讐を誓ったエルフの奴隷という”噂”が飛び交うだけで、どの情報も不正解だったのである。

 

「…………あ、あの、力也さん」

 

「何だね?」

 

「そ、その…………あなたに汚名を押し付けた勇者は、偽物なんですよね?」

 

「その通りだ。本来ならば、”勇者”という称号は歴代の”リキヤ”にのみ与えられる称号だった。だが奴は自分が勇者になれなかったことが気に食わなかったらしくてなぁ…………。あいつに負けてからは、端末で生産した”変装の達人”という能力を使って姿を変えていたんだ」

 

 ファルリュー島にいた”勇者”の事だろう。22年前に親父たちが打ち倒した勇者は、どうやら”リキヤ”ではないらしい。

 

 今までエルフの男だと思っていたんだが、それは端末で生産可能な”変装の達人”という能力でエルフになりすましていただけだったのか…………。

 

「力也さん、質問してもいいかしら?」

 

「どうぞ、赤毛のお嬢さん」

 

 いつの間にかスコーンへと手を伸ばしていたラウラが、いつもの幼い口調ではなく大人びた真面目な口調で、傍らに座る”前任者”に問いかける。

 

「パラレルワールドから、この世界を救う勇者として”リキヤ”が送り込まれているのよね? なら、他の転生者はどうしてこの世界に送り込まれているの? あんなに力を悪用するようなクソ野郎ばかりなら、逆にこの世界が滅ぶ可能性が大きくなるのでは?」

 

「た、確かにそうよね。世界を救うためなら、リキヤだけ送り込めばいいわけだし…………」

 

 その通りだ。

 

 リキヤがこの世界を救うための勇者ならば、それ以外の力を悪用する転生者は世界を滅ぼそうとしているに等しい。この世界を救うためだというのであれば、異世界へと転生させるのはリキヤという勇者だけで十分な筈だ。なのに、なぜ他の転生者までこの世界に送り込む?

 

 ちらりと98番目の力也を見ると、彼は口元へと近づけていた水筒を一旦離した。

 

「…………あれはな、”あいつ”の計画の1つなんだ」

 

「……………………あいつ?」

 

「ああ、そうだ。この端末を開発し、転生者たちを異世界へと次々に放り込んでいる張本人だよ」

 

「「「!?」」」

 

 転生者を異世界に送り込む張本人…………!?

 

 この世界に転生者を送り込んでいる奴がいるのだろうとは思っていたが、今まで全く情報はなかった。このような端末を生み出したり、定期的なアップデートまで行っているのだから、黒幕は間違いなく人間なんだろうという仮説は立てていたものの、その”張本人”が何者なのかという情報を得ることはできなかったのである。

 

 しかし、この男はどうやら知っているらしい。

 

 数多の転生者を異世界へと放り込み、飛行機事故で死んだはずの俺を生まれ変わらせた存在を。

 

「―――――――奴の名は『天城輪廻(あまぎりんね)』。この端末を発明した、天才科学者だ」

 

「天城…………輪廻…………」

 

 輪廻という名前を、聞いたことがある。

 

 ブラドの奴が言っていた名前だ。ヴリシアで彼と戦った時、あいつは俺たちに『なんだ、お前は輪廻の奴から何も聞いていないのか?』と言っていた事を思い出した俺は、無意識のうちにぴくりと瞼を動かしてしまう。

 

 それを見ていた98番目の力也は、その仕草で聞き覚えのある名前だったという事を悟ったらしい。こっちを見ながら頷くと、スコーンへと手を伸ばしてから話を続けた。

 

「輪廻は事故や病気などで死んだ奴の中から無作為に転生する者を選び、片っ端からこの世界へと放り込んでいる。力を悪用する可能性のある奴も含めてな」

 

「なぜ………?」

 

「転生者を殺した経験があるなら分かる筈だ。彼らを殺した方が、魔物を殺してレベルを上げるよりも効率がいい事を」

 

 魔物よりも、転生者の方がレベル上げの効率がいい。

 

 確かにそれも思い当たることだ。ダンジョンに行けばいくらでもいる魔物をひたすら狩り続けてレベルを上げるよりも、力を悪用するクソ野郎共を殺し続ける方が全く効率がいい。だからこそ転生者ハンターのレベルが上がるのは非常に速いのだ。

 

 転生者同士が激突するのは珍しい事ではない。そしてそれで転生者を殺した方が効率がいい事を知ったクソ野郎は、すぐに理解するだろう。もっと強くなるためには、魔物を殺すよりも”共食い”をしていた方が効率がいいという事を。

 

 それを理解した瞬間、俺はぎょっとしてしまった。

 

「まさか…………」

 

「そう、転生者同士に”共食い”をさせ、生き残った転生者を”リキヤ”の代わりに勇者とする。そのためにあいつは、何人も転生者をこの世界に送り込んでいるんだ」

 

 馬鹿げている。

 

 転生者同士に”共食い”をさせ、リキヤの代わりにするなんて…………!

 

「どうしてリキヤの代わりにするの? リキヤはパラレルワールドから送り込まれているんでしょう?」

 

「ああ、そうだ。そしてこの世界を守り抜いた大半のリキヤは――――――――この世界の平和と引き換えに、命を落としている」

 

「つまり…………戦死しているってことですか………?」

 

「そういう事だ。俺や君たちの父上は、簡単に言えば”死にぞこない”だな」

 

 98番目の力也はそう言いながら自嘲し、溜息をついた。

 

 確かに、いくら転生者でもこの世界を支配できるというわけではない。この異世界にもレリエルやガルゴニスのような化け物は存在するし、場合によっては自分よりもはるかに格上の転生者と戦い、敗北して殺されることもあるのだから。

 

「私の前任者も戦死し、その前の前任者も戦死…………リキヤはいくらでも”補充”できるが、このまま延々と戦死させ続けていれば、やがて世界を救うためのリキヤも”枯渇”するだろう」

 

「だから、リキヤが枯渇しないように代わりの勇者を見つけようとしているんですか?」

 

「そういうことだろうな」

 

 つまり何人も転生者が送り込まれているのは、彼らに殺し合いをさせることで最強の転生者を作り上げ、その転生者に”勇者(リキヤ)”の代わりをさせようとしているのだ。

 

 だから輪廻の計画では、本当ならタンプル搭にいるクランやケーターも、俺たちからすれば”殺すべき敵”ということになる。俺たちがあのように手を組んでいるということは、輪廻にとっては想定外でしかない。

 

「でも、人々を虐げる転生者にそんなことをさせても…………」

 

「いや、輪廻が欲しているのはあくまでも”強い転生者”だ。自我や記憶はどうでもいいのだろう。あいつなら、その生き残った転生者を洗脳して勇者にするに違いない」

 

「なんてこった」

 

 スコーンを口へと運びながらそう言うと、98番目のリキヤも「ああ、全くだ」と言ってから水筒を口へと運んだ。

 

 確かにリキヤの枯渇を防ぐためには合理的な手段なのかもしれない。生き残った転生者を洗脳し、勇者として使役することができるのであれば、そいつがどんなに残虐で人々を虐げてきたクソ野郎だろうと関係がないのだ。あくまでも輪廻が欲しているのは、この世界を守ることができるだけの力を持ち、リキヤの代役を任せられる転生者なのだから。

 

「それに、新しい計画も準備していると聞いた」

 

「新しい計画?」

 

「ああ。従来の転生者よりもさらに強力で、革新的な能力を持った”第二世代型転生者”の試作型(プロトタイプ)を生み出したという話をな」

 

「…………!」

 

 第二世代型転生者…………。

 

 そう、俺のブラドの事だ。従来の転生者のように端末を持たない、新しい転生者。他の転生者のように17歳に若返った状態から始まるのではなく、この異世界の母親から赤ん坊として生まれ落ちた状態で始まる、正真正銘の”輪廻転生”。

 

 転生者としての能力だけでなく、両親の”才能”まで引き継ぐことが可能な。より強力な転生者。本格的に戦えるようになるまでに時間がかかってしまうという欠点があるものの、転生者の能力に頼らなくてもある程度は戦える戦闘力も兼ね備えているため、総合的な戦闘力では従来の転生者を圧倒すると言っても過言ではない。

 

 その試作型(プロトタイプ)が…………俺とブラド。

 

「…………タクヤ君なんだね? 輪廻が生み出した第二世代型は」

 

「…………はい。つい最近聞いたばかりですが」

 

「そうか…………」

 

 自分の正体を始めて聞いたのは、あのヴリシアの戦いの最中だった。

 

 それまで俺は、自分の正体を全く知らなかったのである。

 

 98番目のリキヤは、きっと俺が彼の目の前でメニュー画面を出した時点で勘付いていたのだろう。端末を持たない代わりに、目の前にメニュー画面を出現させる方式だったのを目の当たりにした瞬間に、俺が従来の転生者ではないという事を見抜いていたに違いない。

 

「つ、つまり私の弟は…………計画の1つとして生み出されたという事ですか?」

 

「ああ。従来の転生者よりも強力な”第二世代型”に他の転生者たちを潰させ、リキヤの代用にするつもりだったんだろうな…………」

 

 俺たちに転生者を潰させ、リキヤの代用にする計画。

 

 もし仮に俺とブラドがその最中で倒れることがあったとしても、俺たちを撃破した転生者を洗脳し、リキヤの代用にすればいい。どの道輪廻の思惑通りになる。

 

 くそったれ、俺や他の転生者たちは輪廻の計画のためにこの世界に転生させられたってことか。

 

「…………輪廻に反旗を翻したことは?」

 

 問いかけると、98番目のリキヤは首を横に振りながら息を吐いた。うんざりしたというわけではなく、認めざるを得ない理不尽な状況を再び直視するために、覚悟を決めたような仕草だった。

 

「…………君にも分かりやすく、オンラインゲームに例えよう」

 

「…………」

 

「―――――――転生者(プレイヤー)が、端末を生み出した(ゲームを運営する)輪廻(クリエイター)に勝てると思うかね?」

 

 ―――――――無理だ。

 

 転生者の端末を生み出したという事は、輪廻にはもし反旗を翻した転生者がいてもすぐに無力化するための手段がある筈なのだ。強制的に端末の機能をすべて停止させたり、転生者そのものを消滅させることも可能なのかもしれない。

 

 そう、まさに輪廻は”クリエイター”。俺たちは奴が生み出したオンラインゲームをプレイする、ただの”プレイヤー”でしかないのである。

 

 だから反旗を翻したところで、彼女に能力(アカウント)を消されるのが関の山だ。

 

「…………じゃあ、このままあいつの計画通りに殺し合いをするしかないってことですか」

 

「いや、奴の計画を滅茶苦茶にしてやる方法はある」

 

 俺の目の前で98番目のリキヤは、まるでチェスで逆転勝利する方法を思いついたかのような笑みを浮かべていた。

 

「―――――――君だよ、タクヤ君」

 

「俺ですか?」

 

「そうだ。とはいえ仮説でしかないが…………転生者には端末があるだろう? 輪廻にはおそらくこれを無力化する手段があると思われるが、それはあくまでも転生者に与えている”外付けの能力”にすぎん。だが君のようなプロトタイプはどうだ?」

 

「―――――――あっ、そうか! 端末じゃなくて、能力そのものを身につけているから…………!」

 

 そう、端末の場合は、あくまでも転生者という存在に付け足した”外付けの能力”でしかない。だから容易に端末を無力化することができる。

 

 しかし俺やブラドの場合は、端末を”付け足した”従来の方式ではなく、あらかじめ自分の能力としてその機能が体内に内蔵されている。端末が自分から引き離されると能力が低下していく”第一世代型”とは異なり、第二世代型は端末の機能を能力として身につけている。

 

 つまりアップデートは受け付けるものの、これは最早俺やブラドが身につけている能力の一部なのだ。だからそう簡単に外部から干渉されることはない…………!

 

「ふ、ふにゅ? ええと…………お、”おんらいんげーむ”って何? というか、どういう事?」

 

 ああ、説明するの忘れてた。ナタリアとラウラはこの世界の人だから、オンラインゲームとかクリエイターという用語を知らないんだ。ちゃんと分かりやすく説明してあげないと。

 

「つ、つまり、普通の転生者なら輪廻に逆らった時点で能力を消される可能性がある。でも俺みたいなタイプの転生者は、そう簡単に能力を無力化できないかもしれないんだ」

 

「むしろ、アップデート以外は干渉できない可能性もあるぞ。試作品(プロトタイプ)ということは、数は少ない筈だ。いざとなったら他の転生者に討伐命令を出せば、それで対処できるのだからな」

 

 楽観的かもしれないが、その可能性もあるだろうな。第二世代型は俺とブラドだけなのだから、それ以外の転生者に俺たちを討伐させれば、能力を無力化しなくても対処することはできるのだから。

 

「…………ところで、どうしてあなたはそんなことを知ってるんです?」

 

 埃まみれの床に座りながら話を聞いていたナタリアが、98番目の力也を睨みつけながら問いかけた。彼女の凛とした声を聴いた瞬間、俺は少しばかり油断していた事を後悔してしまう。

 

 確かに、いくら98番目の力也とはいえ、どうしてそのようなことを知っているのだろうか。偽の情報という可能性もあるし、もし仮に本当の話だったとするならば、その輪廻と繋がっていた可能性もある。

 

 はっとしながら彼を睨みつけると、98番目の力也は溜息をつきながら首を横に振った。そんなに疑わないでくれと言わんばかりに首を振った彼は、水筒の中に入っている紅茶を全て飲み干してから真ん中に置かれているスコーンの山を見下ろす。

 

「…………俺は、輪廻に会ったことがある」

 

「…………本人から今の話を?」

 

「ああ…………。第二世代型の件は、輪廻と接触した事のある転生者を尋問して聞き出したがな」

 

 だから知ってたのか…………。

 

「……………………かつては彼女の計画に手を貸そうと思ったが、今は違う。この世界はリキヤや代役の転生者に守られるのではなく、この世界の人々に守られるべきなのだ。過保護なんだよ、あいつは」

 

 異世界から転生してくる勇者によって守られる、過保護な世界。

 

 世界を守るためには必要な事なのかもしれない。それがたった1人の勇者の犠牲で済むのであれば。

 

 けれども俺は――――――――激戦を生き延びてくれた父親や、目の前にいるこの男に、「この世界を守るために犠牲になってくれ」とは言えない。人々を平気で虐げるクソ野郎共の命だったらいくらでも犠牲にしてやって構わないが、この人たちの命は重い。

 

 何とか解放できないだろうか。

 

 殺し合うために転生させられた転生者たちや、世界を救うための犠牲にならなければならない数多のリキヤたちを。

 

 理想論かもしれないけれど、何か手段はないのだろうか。

 

 埃に覆われた床を見つめて考えていると、先ほどまで話をしていた98番目の力也が「そろそろ行くよ」と言いながら立ち上がった。砂塵と埃で汚れたカーキ色のマントを軽く叩いて埃を落とし、愛用のリー・エンフィールドを肩に担いだ彼は、スコーンの入った革の袋を置いたまま踵を返す。

 

「待ってください」

 

「なんだね?」

 

「あなたはこれから…………どこに行くんです?」

 

「…………輪廻を打ち倒すため、これからは単独で動くつもりだ」

 

 無茶だ。

 

 彼はあくまでも端末を持つ第一世代型。輪廻に逆らえば、強制的に端末の機能を停止させられかねないというのに。

 

「…………だったら、これを持って行ってください」

 

 そう言いながらメニュー画面を目の前に出現させ、生産しておいた別の銃を装備してから、それを踵を返して立ち去ろうとするイギリスイギリス軍兵士のような恰好をした男に渡した。

 

 それは彼の能力で生産したものではなく、俺の能力で生産したものだ。もし仮に端末が機能を停止させられたとしても、こいつがあれば戦うことはできるだろう。

 

 彼に渡した銃は、『L42A1』と呼ばれるイギリス製のスナイパーライフルだった。第一次世界大戦と第二次世界大戦で活躍したリー・エンフィールドを近代化改修したボルトアクション式のスナイパーライフルで、7.62mm弾を使用する。

 

 今では退役してしまった旧式のライフルであるものの、連射速度の速いリー・エンフィールドがベースとなっているためこちらもボルトアクション式のスナイパーライフルの中では連射がしやすいため、扱いやすいライフルだ。

 

 彼の愛用の得物はこれの原型となったリー・エンフィールドなのだから、きっとすぐに慣れてくれるだろう。だからあえてこれを選んだのだ。

 

 搭載しているのはバイポットと狙撃用のスコープ。かなりシンプルである。

 

「弾薬は、武器を持っている火との元に12時間ごとに支給されるようになっています。だから俺から弾薬の補給を受ける必要はありません」

 

「助かる。…………Thank you」

 

 渡されたばかりのスナイパーライフルをチェックした彼は、微笑んでから階段を上がっていった。埃まみれの階段をゆっくりと上がっていく足音の後に扉を開く音がして、彼の足音が徐々に小さくなっていった。

 

 彼が置いていったスコーンの山を見下ろしながら、俺は座り込みつつ息を吐く。

 

 まったく、メサイアの天秤を探しに来ただけだというのに、下手したらそれよりも重要な真実を耳にしちまった。

 

 この世界の仕組みと、リキヤの正体。転生者たちが転生してくる理由と、輪廻の計画。

 

 もしかしたら天秤を探している場合ではないのかもしれない。

 

「タクヤ…………」

 

「…………ひとまず、ゴライアスに合流しよう」

 

 心配そうに言ったラウラにそう言いながら、98番目の力也が残していったスコーンを口へと運んだ。それほど甘くはないスコーンを噛み砕くにつれて、”世界の仕組み”を知ってしまった衝撃が少しずつ静まっていくような気がした。

 

 

 

 

 

 

 おまけ①

 

 暴風注意

 

力也(98番目)「そろそろ行くよ。さらばだ」

 

タクヤ「あっ、待ってください! 外は大気流が…………」

 

力也(98番目)「んっ? ―――――――うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

ナタリア「紳士が飛んで行った!?」

 

 

 

 おまけ②

 

 忘れてた!

 

ナタリア「ねえ、あの人だったら天秤の在り処を知ってたんじゃない?」

 

タクヤ&ラウラ「あっ」

 

 完

 

 

 

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