7月30日 午前10時47分 トゥモロー新聞社
昨日はあの後、ライノが壊したビルの補強で手一杯になりまんまとライノに逃げられてしまった。子供の時、散らかしたものは直すように教えられなかったのかな。でも、ライノが姿を消してから後日の今日まで奴が暴れたっていう報告はない。いったい、何処へ消えたって言うんだ。
「蓮くん、編集長がお呼びよ」
秘書の芹沢真奈美……通称マナさんが僕を社長室に案内してくれた。このトゥモロー新聞社はこの国で一二を争う新聞社だ。それなのにバイト代はあまりにも安いんだよ。これじゃどれだけ頑張っても独り立ちの資金がたまらないよ。
「ありがとマナさん」
「今日の編集長は御機嫌よ。上手くいけばいつもより貰えるかも」
「うれしいね」
僕はドアをノックし編集長の部屋に入った。中にはトゥモロー新聞社の編集長がタバコを咥え窓の外を見ていた。
「失礼します」
「おお、君か。また写真を持ってきたのか?」
「はいこれです」
編集長にここ最近撮った写真を渡した。ライノの写真やスピーディの写真、勿論この僕の写真も。写真を受け取った編集長は不機嫌そうな顔をしていた。編集長はマスクをつけている奴が嫌いみたいだな。
「最近では年がら年中ハロウィンだな。マスクをつけた悪党どもがのさばっている。全く世も末だよ」
「あの、お言葉ですがスピーディやスパイダーマンはこの街の犯罪者達を捕まえているんですよ?」
「それなら何故マスクを着けてる?」
「周りの大切な人を守るためじゃないですか?」
「ふんっ、君は連中の弁護士か何かかね?」
これだもんね。僕は別に人に褒められたいからスパイダーマンになったわけじゃない。ただ、この力を正しい事に使おうと始めただけなんだ。でもここまで言われると傷つくなあ。
「ああ、そうそう。山口君、これから暇かね?」
「これからですか?別に予定はないですけど」
「それなら、これからノースタウンのグランドタワーに行ってくれ。そこで、今日トニー・スタークが新しい発明を発表するそうだ。その写真を撮ってきてくれ。言い値で買うぞ」
トニー・スターク。世界的大企業、スタークインダストリーズの社長にして億万長者。更には世界的なヒーローチーム、アベンジャーズのメンバーだ。
「分かりました。でも何で僕なんです?」
「君は写真を撮るのが上手いし、それに発表に行く筈のカメラマンが病欠だ。ほら、この許可証を持っていけば通してくれる。グランドタワーで天城が待っているから一緒に行ってくれ」
僕は編集長から許可証を貰い部屋を出た。ちなみに天城さんはトゥモロー新聞社の腕利きの記者で彼が書くスパイダーマンの記事は貶す内容どころか褒めてくれているとてもいい人だ。さてと、ライノを探したかったけど後回しだ。僕は会社を出て路地裏に向かいスパイダーマンのスーツに着替えウェブスィングで向かった。地下鉄よりは早い。
午前11時48分グランドタワー
グランドタワーに到着した僕はスーツを脱ぎ私服に戻った。僕はスーツを鞄に直しグランドタワーの扉をくぐった。まさかとは思うが入れないことはないよね。
「許可証を拝見しても宜しいでしょうか?」
「これです」
僕はポケットから許可証を取り出し係員に手渡した。やけに警備が多いな。トニー・スタークを襲うマヌケなんて果たしているのだろうか。
「おーい蓮くん!」
「あっ、天城さん」
声のする方には天城さんの姿が。僕は天城さんの方に小走りで向かった。
「どうも天城さん」
「もうすぐ会見が始まるから会見室にいこう」
僕は天城さんと一緒に会見室に向かった。でも、何を発表するんだ?超巨大豆電球とかかな。何にせよすごいものだろうな。おっと、ここが会見室か。会見室に入るとそこには既に多くの記者やカメラマン達がトニー・スタークが出てくるのを今か今かと待っていた。鞄からカメラを取り出しておこう。
「お集まりの皆様、長らくお待たせいたしました!これより会見を始めさせていただきます。まず最初に、スタークインダストリーズCEOのトニー・スターク氏より挨拶をしていただきます!」
司会者が呼び込むと拍手と共にトニー・スタークが会見室に入ってきた。身長は僕より少し高いくらいか。それにあの髭なかなかかっこいいな。
「ありがとう、皆さん今日は。私がトニー・スタークです!今日皆さんにお集まり頂いたのは他でもない!我がスタークインダストリーズがアークリアクターの技術を用いて作った新開発のリアクターバッテリーをお見せするためです!」
天城さんは手帳にスラスラと書き留めている。僕もスクリーンに映し出さた画像やスタークさんの写真を撮っていた。アークリアクターを用いた電池か。少なくとも単三電池以上の電力は賄えそうだ。
「スタークさん、その電池で作られる電力はどれくらいですか?」
「そうですね…………私の会社の全ての部署の数十年分の電力です。ま、倒産すれば話は別ですがね……………では、早速お見せしましょう!明かりを消してくれ」
スタークさんが係員に言うとタワーの電気が全て消えた。それと同時に窓のシャッターも全て閉まり辺りは真っ暗になった。スタークさんがボタンを押すと電気が戻り再び明るくなった。
「今、このビルの電力はリアクター電池で賄われています!」
凄いけど悪人が欲しがりそうな…………………鬱陶しいスパイダーセンスめ。この瞬間、僕の頭が強く刺激された。
『おいスパイディ危険が迫ってるぞ!リンリン!リンリン!』
二頭身のスパイダーマンが僕の脳みそを蹴って知らせてくれた。忠告どうもスパイダーセンス…………何?僕の空想だから気にしないで。その時会見室の窓ガラスが破壊され武装した男達がヘリのロープを伝い部屋の中に侵入してきた。
「きゃぁぁぁぁ!!」
「動くんじゃねぇ!!」
アサルトライフルを天井に向け発砲する男。男達は会見室にいた人々を真ん中に集めた。
「皆さん落ち着いて!おいお前達、いったい何の用だ!?」
スタークさんが男達に聞いた。その答えは集団のリーダーと思わしき男が答えた。男の見た目は骸骨を模した仮面に両腕にはガントレット、胴体にはXのようなものが刻まれていた。
「久しぶりだなスターク」
「クロスボーンズ?お前はキャップが捕まえて刑務所の筈だろ?」
「悪いな、脱獄させてもらった」
あいつ外国のニュースで見たことあるぞ。確か秘密結社ヒドラの一員だった男だ。しかしヒドラは既に壊滅し傭兵をやっているんだとか。ネット社会って素晴らしいね。僕は男達に気付かれないようにカメラに収めていった。
「今日はスタークインダストリーズご自慢の電池を頂きに来た!大人しく渡せば楽に殺してやるぞ?」
「はいどうぞ、と渡すわけにはいかないな」
「フッ、スーツのないお前など取るに足りない。しかし、人質がいてはどうかな?」
「え、僕!?」
「蓮君!!」
クロスボーンズは僕のシャツの首根っこを捕まえガントレットを向けた。そしてガントレットから刃を展開し僕の顔にチラつかせた。まじか!早くスーツに着替えないと。上手くいくか分からないけど試してみよう。
「ちょっと骸骨のおじさん!そんなに引っ張ったら服が伸びるだろ?それに、人質なんて凄く在り来たりと思わない?」
「確かにな…………ならお前に用はない!」
「へ?それは極端じゃなーーーーい!?」
クロスボーンズは僕を割れた窓ガラスから放り投げた。好都合な展開だ。いやーちょろいね。
「よせっ!!」
スタークさんの叫びも虚しく僕は落ちていった。ここは高さ200メートル程のタワーだ。僕はヘリの死角に入るとクモ糸を飛ばしビルの裏に入った。
「やってくれるね、僕じゃなかったら死んでたぞ!」
「さてスターク。善良な市民をこれ以上死なせたくなかったら大人しく電池を渡せ!」
「くっ」
「まだわからないか?なら、次は串刺しにでもするか」
クロスボーンズガントレットから伸びる刃が女性記者に当たろうとしたその時、クモ糸が放たれクロスボーンズの動きを止めた。部屋にいた全員が放たれた方向を見た。そこにいたのはこの街のヒーロースパイダーマンだった。
「生憎、招待状は持ってないけど参加してもいいよね?」
「最近でしゃばってるクモのガキか?本当にいたんだな」
「スパイダーマン!さっき俺の知り合いがそこから落ちたんだ!」
「彼なら助けたよ。大丈夫、無事だ」
男達は一斉に僕に銃口を向けてくる。えーとクロスボーンズを抜いて23人てところか。僕はクモ糸を銃口に向けて発射し弾が出ないようにした。数回から打ちし男達は諦めホルスターからナイフやハンドガンを取り出した。
「そんな危ないもの持ってちゃダメだよ!」
ナイフで斬りかかってくる男の顔を殴り飛ばし更に後方にいた数人の男達にクモ糸を発射、男達は身動きが取れないでいた。僕のクモ糸の強度は伊達じゃないよ。
「やっちまえ!」
「懲りないね」
僕は流作業のごとく男達を伸していった。僕のパワーとスパイダーセンスを持ってすればこんな奴らイチコロさ。この間、会見室にいる人々は避難し残っているのはスタークさんくらいだ。残る問題はクロスボーンズだけだ。
「さてと後はあんただけだ」
「ちっ、虫野郎め!」
「言っとくけどねクモは虫じゃなくてクモ科の」
クロスボーンズばガントレットを起動し僕に殴りかかる。寸分の差でかわし腹部めがけて殴りか返そうとした。しかし、この攻撃は簡単に受け止められた。
「…………おっと」
「ハァッ!!」
「だあっ!?」
「気をつけろ!そいつは武術の達人だぞ!」
「ご忠告どうも。でも先に言ってよ!」
ガントレットの威力は意外にも凄まじく後方の壁まで吹き飛ばされた。すかさずクロスボーンズは再び殴りかかってくる。そして僕の体とガントレットがあたる寸前に刃を展開した。だが、僕のスパイダーセンスはこの攻撃も予測することができた。突き刺さる間際、僕はクロスボーンズを飛び越え両腕からクモ糸を壁に発射した。僕は反動をつけるため数歩後ろに下がり一気に拳を突き出した。
「これでもくらえ!」
「ぐおおおっ!!」
K・O!!
クロスボーンズの仮面にヒビが入りそのまま地面に倒れた。ふう、何とかやっつけた。僕はクロスボーンズをクモ糸で釣り上げその場を後にした。発信機をつけられているとも知らずに。
「スパイダーマンか」
午後6時46分 山口蓮宅
あー疲れた。あの後警察が来て事情聴取やら何やらで今まで残されていたんだ。でもカメラが没収されなかっただけましか。そういえばマンションの前に高級そうな車が停まってたな。誰の車だろう。
「ただいま〜修兄。ご飯先食べるから荷物置いてくるね」
「あー蓮?お前に……その、お客さんだ」
「やあ蓮君」
「どうもスタークさん………………スタークさん!?」
何と自分の家のソファにトニー・スタークが座っていた。
「な、何でスタークさんが僕の家に!?」
「君は以前、スタークインダストリーズ主催の科学イベントに君の開発した機械を出しただろう?それが見事、トニー・スターク賞に選ばれたわけさ」
スタークさんが必要にアイコンタクトを取ってくる。話を合わせろってことかな。
「え………あ、はい。その確かに出しました…………冷却マシンを」
「お兄さん、少し蓮君と二人にしてもらっても?」
「え、ええどうぞ!」
「それじゃあ、君の部屋に行こうか」
「は、はい」
僕は唖然となっていた修兄を残し自分の部屋に入った。僕は部屋にある警察無線の音量を下げた。部屋に入るとスタークさんは鍵を閉め椅子に座った。部屋の中を見渡し物色していた。
「綺麗な部屋だな、それは警察無線か?」
「そうですけど…………僕に何の用です?」
「確かめたくてね君がスパイダーマンかどうか」
「え?いやいやいや、僕がスパイダーマン?そんなわけないでしょ!僕は見ての通りメガネかけてるオタクだよ?」
「それは伊達メガネだろ?」
うっ、図星だ。ていうか何で正体ばれてるの!?
「君の鞄の中を見せてくれ」
「え、それは」
「何もなかったら見せれるだろう?」
僕はスタークさんの気迫に負け鞄を差し出した。僕の鞄の中にはスパイダーマンのスーツが入っている。スタークさんは鞄の中を見てニヤついた。そしてスーツから小型の発信機を取り外した。
「君が出て行く時につけておいた発信機だ。悪いね、ただ興味が湧いて。さっきは助かったよスパイダーマン」
「…………どういたしまして」
「で、何時からその力が?」
「説明はめんどくさいからWeb2を見て」
「……?」
「わかったよ。突然変異したクモに噛まれてこうなった。僕は授かった力でこの街の人々を守る事にした。今から1年前の話さ。でも僕の正体は修兄にも内緒にしてる。だから誰にも言わないで」
「分かったよ。ところで君のこれまでの活動内容を調べてみたんだが中々腕はいい。けど、爪が甘いところが多々見られる」
ワオ、ここまで調べてたなんて。この人ストーカーか何かか?
「俺が鍛えてやればもっと成長するだろう。どうだ、俺と共にニューヨークへ来ないか?」
ニューヨークか。多くのスーパーヒーロー達がいる街だ。でもこの街で僕にはやる事が沢山ある。朱璃おばさんの事件も………
『パトロール中の前者に次ぐイーストタウンでライノが現れている模様。付近にいる者は直ちに急行せよ!』
「またライノか!」
修兄がドアを慌ててノックした。
「蓮!悪いけど仕事が入ったから先に寝といてくれ!」
「うんわかった!」
「先に寝るつもりか?」
「…………まさか」
僕は笑みをこぼしスーツに着替えマスクを持ち窓に登った。
「で、あなたも来る?スーツがあればだけど」
「勿論行かせてもらう。車にあるんだ、連れていってくれないか?」
「オッケー、じゃ僕に捕まって!」
マスクを被り僕はスタークさんを抱きスタークさんの車に向かった。降りるとスタークさんはリモコンを操作し車からスーツを取り出した。車から展開される機械によりスタークさんの体は鋼鉄のアーマーに包まれていく。最後に頭部のアーマーが展開され顔を覆った。彼こそ、鋼鉄の男…………アイアンマンだ。
「マスクを着けててよかったよ。ヨダレが見られなくて」
「いや、ダラダラ出てるぞ」
僕は口元を拭いアイアンマンと共にイーストタウンに向かった。
午後7時26分グランドシティ イーストタウン
「きゃー!!」
「みんな逃げろ!!」
イーストタウンはもはや混乱の渦にのまれていた。ライノが次々と建物や車などを破壊している。現場に駆けつけた警察官達も全く歯が立たずにいた。
「くそっ!!電気を操る奴が出たと思ったら次はサイかよ!!」
「諦めるな中田!!」
「鬱陶しい奴らだ!!」
ライノは横転していた車を持ち上げ警察官達の方に投げつけた。車はゆっくりと回転し警察官達の上に降りかかった。警察官達は思わず身を潜めた。だが、その車は巨大なクモの巣に引っかかり警察官達に当たることはなかった。
「怪我はない刑事さん?」
「来てくれたのかスパイダーマン!」
「僕だけじゃないよ!さあ拍手でお迎えください!鋼鉄の男、アイアンマンです!!」
アイアンマンはゆっくりと警察官達の前に舞い降りた。すると、警察官達は安堵の表情になった。
「すげーアイアンマンだ!!」
「本物!?」
「あのーサイン貰っても良いですか!?」
「中田後にしろ!スタークさん、この場はご協力願います!」
「勿論だ。行くぞスパイダーマン!」
アイアンマンは掌からリパルサーレイをライノに向けて発射した。僕もクモ糸を弾に変え発射していった。怒ったライノはがむしゃらに突っ込んでくる。人がいてもお構いないしだ。
「みんな避けろ!」
停まっていたパトカーを次々と払い退け暴れまわっていた。ライノのやつやけに息が荒い。
「おいライノ!もうスタミナ切れかい?」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「スタミナ…………そうか!スパイダーマン、この街に広い公園はあるか!?」
「センターパークがあるけど」
「恐らくライノは体力が長く持たないんだ。なにせこの図体を動かしているんだ。だからスタミナ切れを狙うぞ!」
「流石!ところで何かこのあたり臭くない?あ、分かったライノの所為だな!あんたシャワー浴びてないだろ?身だしなみがなってないね」
「う、ウォォォォ!!」
「じゃ誘導頼むぞ。向こうで待ってる!」
アイアンマンはセンターパークに向かって飛んでいった。
「ちょっと!僕は置いてけぼり!?」
薄情なスーパーヒーローだな、まあ仕方がない。僕が怒らしたからね。僕はライノを誘導しながらセンターパークに向かった。
午後7時47分 グランドシティ センターパーク
「ライノさんこちら手の鳴る方へ!」
「このクモめ!はぁ、踏み潰して、やるぞ!」
ずっと走りっぱなしのライノはフラフラで呂律が回らないでいた。ついには膝をついてしまう始末だ。センターパークに到着するとアイアンマンはベンチに座って休んでいた。
「何休んでるのさ!」
「悪い悪い。暇でね、さてと片付けるか!ジャービス、胸にエネルギーを集中させろ!」
『はい、トニー様』
「お先にどうぞスパイダーマン」
「それじゃあお言葉に甘えて」
僕は助走をつけライノの顔を殴り飛ばした。ライノは危ない足取りで
よろめいた。アイアンマンは胸部のアークリアクター部分からユニビームを発射した。ユニビームはライノにとどめを刺すのに十分すぎる威力だった。アイアンマンがユニビームを放ち終えるのを見計らいライノに近づいた。
「ふっ」
軽く息を吹きかけるとライノはバタンと倒れてしまった。勿論殺してはいない。事が終わると共に警察官達がやってきた。
「スパイダーマンライノは!?」
「ここで寝てるよ。それとクレーン車が必要ですよ」
午後8時 23分 グランドシティ グランドタワー屋上
ライノを倒した僕らはグランドタワーの屋上で一休みしていた。流石アベンジャーズのアイアンマンだ。あの余裕っぷりは恐れ入るよ。僕なんかまだまだだな。
「今日はありがとうスタークさん」
「礼はいいよ。それにトニーで構わないぞ?」
「分かった、トニーさん」
「で、どうする?もっと成長すればきっとアベンジャーズの一員にだってなれるぞ?」
「素敵なお誘いだけど………僕はこの街でやらなければいけない事が沢山あるんだ。大いなる力には大いなる責任が伴う、だから僕はこの街にいるよ」
「そう言うと思ったよ。まあ、気が変わったらいつでも言ってくれ。それと何か困った事があればまた手伝ってやってもいい」
「それって、また僕と組んでくれるって事!?」
「そう言う事だ。じゃあなスパイダーマン!」
アイアンマンはそう言い残すと飛んで夜のグランドシティに消えていった。やっぱ、かっこいいわぁ。惚れ惚れするよ本当に。
午後11時 16分 駒王町 廃工場
男は何かに追われるように廃工場に逃げ込んでいた。その男の背中には人に非ざる黒い翼が生えていた。彼ははぐれ悪魔と呼ばれているものだ。このはぐれ悪魔は自分の快楽の為に主を殺し、更には人間も十数人手にかけているお尋ね者だった。
「はぁ、はぁ、はぁ、あいつ一体何なんだよ!?」
しかし、このはぐれ悪魔は今までにない恐怖を感じていた。廃工場の天窓から満月の光が入り込み中を照らした。しかし、はぐれ悪魔はすぐに異変に気付いた。満月の光で出来た影が人型になっていたのだ。
「ひぃぃ!!奴だ!!」
「ハッ!」
影の主は両手に持っている棍棒を振りかざしはぐれ悪魔を殴りつけた。その攻撃は一方的で反撃するチャンスなどどこにも無かった。影の主の姿は暗がりで見えずにいた。はぐれ悪魔は床に腰を下ろしてしまった。
「お前一体誰なんだよ!!」
「そんな事はお前が知る必要はない」
「何で俺がこんな目に会わなきゃいけないんだよ!?なあ、頼むよ助けてくれよ!!」
「これは正義の裁きだ。命乞いなら魔王にでもするんだな」
満月光の元に出た影の主の姿。それは赤色を主体とし細部は黒色といったスーツを見に纏い口元を開け更には突起が二つ付いているマスクを被っていた。男は棍棒についているダイヤルを6回回しもう一方の棍棒と繋げた。すると棍棒から槍に早変わりした。
男は命乞いをするはぐれ悪魔に耳も傾けず槍を心臓部に突き刺した。槍は深く突き刺さり一瞬で死に至らしめた。
「あら、もう終わったの?」
男が見た先には赤色の髪の少女と黒色の長髪の少女がいた。二人とも駒王学園の制服を着ている。
「リアスに朱乃か。来るのが少し遅かったな、討伐はもう終わりだ」
「そう、なら何時ものところに振り込んでおくわね」
「頼む………しかし、何時やっても慣れないな…………命を奪う事は」
「仕方ありませんわ。あなたがやらなければ被害者がもっと増えていました」
「それにしても貴方また力を使わずに戦ったのねマット」
「俺にはレーダーセンスとマーシャルアーツがある。それだけで十分さ。それとこの姿の俺はマットじゃないだろ?」
「そうだったわね…………デアデビル」
デアデビルはビリークラブをしまいその場を去っていった。
ヴィランファイル3 クロスボーンズ/ブラック・ラムロウ
元ヒドラの一員で現在は傭兵をやっている。トニー・スタークのリアクター電池を狙い会見の場を狙った。
ヴィランファイル4 ライノ/鳩羽 才蔵
悪役レスラーとして活躍していたがギャンブルに手を出し金がなくなってはひったくりや強盗などを行っていた。そんな時、晴山コーポレーションの実験体に選ばれサイの怪人ライノになった。ライノは自分の力を周囲に見せつけるため暴れまわった。