薄桜鬼   作:朝美

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新選組 1−2

逃げよう ここで私が動かなくちゃきっと自体も好転してくれない 幸い私の自由を奪っているのは手首だけ

もちろん不便だけれど足が動くのだから問題ない 

 

(あさみ) 出口は

 

屯所に連れられた来られた昨晩 この部屋まで辿った道順を思い出す

 

(あさみ) うん

 

きっとなんとかなる 私は立ち上がると息を殺してふすまに近づいた お行儀が悪いけれど背に腹は代えられない私は爪先を引っ掛けてふすまを開こうとする そのときだった

なぜか自然にふすまが開いて

 

(近藤) ぬあっ!?

 

(あさみ) きゃ!?

 

私は近藤さんに 正面から衝突してさまった

 

(山南) おや ずいぶん大胆な方ですね まさか逃げるおつもりだったんですか

 

(あさみ) う

 

(山南) 勝手に動かれては困ります 君の身が余計に危うくなるだけですよ

 

山南さんは優しい声音で言うけれど その目は全然笑っていない

 

(あさみ) ●●●

 

不意に 私が身動きできないようにきつく縛り直されなかった理由を思いついた それはきっと新選組の人たちが、私から目を離さない状況を作っていたから

 

(土方) 逃げれば斬る 昨夜俺は確かにそう言ったはずだが

 

低い声は静かに怒っていた

 

(沖田) 残念だけど 殺しちゃうしかないかな 約束を破る子の言葉なんて信用できないからね

 

残念そうな様子もなく 沖田さんは私に微笑みかけてきた

私はその場に居直る

 

(あさみ) 言い訳なんて聞いてくれないですよね

 

私は唇をかんでうつむいた 理不な状況に怒りが込み上げたけれど もう諦めて腹をくくるしかないのかもしれない

 

(あさみ) 私のことは煮るなり焼くなり 好きなようにすればいいじゃないですか

 

苛立たしげな私の言葉に 沖田さんは肩を揺らして楽しそうに笑う

 

(沖田) あはははは! 君面白いね でもちょっと苛め過ぎちゃったかな もう少し肩の力を抜いてよ取って食ったりはしないからさ

 

(あさみ) 今更なにを

 

私は彼をにらみつけるけれど 沖田さんは意に介した様子もない

 

(沖田) ふふ 君みたいな潔い女の子始めて見たよ

 

(あさみ) え

 

ひょうひょうとした口振りで沖田さんは意外な発言をした

女の子って

 

(あさみ) 沖田さん 気づいてたんですか?

 

(近藤) なっ 総司はこの少年が女子だというのか

 

私もびっくりしたけれど 近藤さんもかなり驚いたみたい

でも 土方さんの態度は平静そのものだった

 

(土方) 気づいてる奴は気づいてたみたいだな 近藤さんはまずわかってねぇと思ってたが

 

(あさみ) え

 

ということは土方さんも気づいていたの?

 

(沖田) さ、お兄さんたちに話してごらん?女の子が男装してまで夜の京を歩いてた理由

 

(あさみ) 沖田さん

 

もしかして 話せばわかってくれるのかな 山南さんは小さく肩をすくめるとわざとらしくため息を吐いた

 

(山南) もう一度 みんなを集めましょうか 意見を変える物が出るかもしれませんからね

 

                        続く

 

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