ワンサマーとプレデター 作:噛ませ犬
ここは広大な宇宙。そこは無限に広がっていて、幾つもの惑星が浮いていた。
そんな宇宙を、一隻の大きな黒い宇宙船が飛行していた。その宇宙船は禍々しいのが特徴かつ、幾つもの傷痕が見受けられる。
その宇宙船は単に飛行している訳ではなかった。その宇宙船は、とある惑星へと帰還する為に飛行している。
そんな宇宙船の船内には四体のプレデターと、三人の青年が乗船していた。
四体のプレデターはケルティック、スカー、チョッパーと、この宇宙船を操縦しているクリーナー。
一方、三人の青年は一夏の他に、二人の少年達も乗船していた。しかし、その少年達は一夏と同い年であり、青年だった。
「ふぅ……やっと、あの惑星から出られたな」
宇宙船の中央では、一夏が胸に着けている鎧を脱ぎながら、他の二人の青年達に言う。
因みにケルティック達は操縦室でクリーナーに用がある為、いない。
「まあ、そう言うなって一夏、俺はチョッパーが居るだけでも心強かったからな」
一夏の問いに、チョッパーと一緒に行動したと言う青年が笑いながら答える。
幼さが残る顔立ちに、肩まで掛かるさっぱりとした黒髪に迷いのない黒い瞳。
服は一夏と同じであるが左腕部分は破られていた。鎧も同じだが武器は槍ではなく、左右にある二本のブレード。それが青年の主力武器でもある。
「ふっ、何だよそれ?」
青年の言葉に一夏は思わず吹き出す。それを見た青年は頬を膨らます。
「何だよそれ、お前だってケルティックと一緒に居たから人の事言えねぇだろ?」
「まあ、確かにそうかもな
一夏は、チョッパーと一緒に居た青年を止と言った後、今度はスカーと一緒に行動したと言う青年、勇人に訪ねる。
勇人と言う青年は大人びた顔立ちに、金髪のショートカットに黒い瞳。服は一夏や止と同じ服を着ているが少しだけしか乱れてはいない。
鎧は兎も角、武器は右腕にある二本のリストブレイドと、腰に着けている手裏剣の様なものとディスクを模した手裏剣が勇人の主力武器でもあり、得意な物でもあった。
「おい、話題を俺へと切り替えるな」
勇人は一夏と止に呆れる。
「まあ、良いじゃねぇかよ? お前だって、スカーと一緒に行動したのは嬉しかったんだろ?」
「それはそうだが一夏、お前だってケルティックと一緒に居たのは辛くなかったのか?」
勇人の言葉に一夏は笑う。
「当たり前だろ? ケルティックは俺の命の恩人だし……それに」
一夏は哀しそうに笑う。
「ケルティックは俺の師匠でもあり、兄のようにも思えるんだよ……」
一夏は哀しそうに笑いながら言った。一夏はケルティックを信頼していた、兄のように思っていた。
一夏はケルティックと行動したのはエルダーからの命令でもあり、一夏もエルダーの命令には納得していた。
ケルティックに恩を返す事が出来る、と。ケルティックと一緒に戦った時や、ケルティックと戦った時もあった。
それは死地に赴く程の戦いだったが一夏は弱音を吐かなかった。ケルティックに恩を返す為、ケルティックを困らせない為に頑張っていた。
そんな一夏に止は哀しそうに笑い、隼人はフッと笑っている。
「まあ、お前がケルティックと一緒に居たのは嬉しいって事は良く解ったぜ?」
勇人はそう言いながら腕を組む。
「だろ? でも、お前達だって、チョッパーとスカーと一緒にいて楽しかった事、いっぱいあるだろ?」
「そりゃそうさ、俺はチョッパーと一緒に居たのは楽しかったよ」
「俺もだ、スカーは何も言わない事が多いけど、時々からかってくるから困ったけどな」
勇人の言葉に、一夏と止は笑う。彼等は青年らしく、各々の思い出を語る。
すると、ケルティック達が一夏達の戻ってくる。
「一夏、モウソロソロ、惑星ニ着クゾ?」
ケルティックが言うと、三人は表情を険しくする。
そして、ケルティック達はヘルメットを脱ぎ、素顔を晒していた。
彼等は皆、同じ顔をしていた。左右斜め上下にある四本の牙と、その奥にある歯。額は広く、六つの黄色い瞳が一夏達を捉えている。
「そうか、それよりもケルティック、ウルフさんと話をしてどうだった?」
「メチャクチャ嬉シイニ限ル、オレハウルフニ憧レテイルカラナ」
ケルティックを見た一夏は笑う。
「そっか、良かったね」
一夏とケルティックが会話している中、止はチョッパーと、勇人はスカーと他愛もない会話をしていた。
『オ前ラ、惑星ガ見エタゾ』
船内からウルフの声が聞こえ、三人の青年と三体のプレデターは近くにある窓の外を見た。
そこは薄茶色の惑星が見えーーそれはプレデター達の惑星だった。三人と三体は喜びを隠せないでいた。
プレデター達は久しぶりの故郷に帰ってきたのと、三人は久しぶりにあの惑星に戻ってくるのが嬉しくて堪らなかったのだ。
そうしていると、宇宙船は惑星へと着陸の準備を始める。
プレデター達の惑星。その惑星は地球と同じように科学は発展しており、それも地球以上の技術を備えた物が幾つもあり、街には数百、数千、それ以上に数億のプレデター達が住んでいた。
そんな中、一夏達が乗船している飛行船が、とある場所に着陸する。
その場所はトンネルであり、近くにはニ体のプレデターが佇んでいた。
一人は、額に三つの楕円形が特徴かつ頬がやつれているようにも思えるヘルメットを着け、胸には布切れの様なものを着けているプレデター。
もう一人は、隣にいるプレデターと同じヘルメットを着けているが何処か違うヘルメットを着けているプレデターが居た。
すると、飛行船の扉が開き、一夏達とクリーナーを除いたケルティック達が飛行船から出てくる。
「あっ、ボアにストーカー!!」
一夏はニ体のプレデターに気付き、駆け寄る。それを見たボアとストーカーは互いを見た後、一夏を見守る。
因みに布切れを着けている方がボアであり、ボアと少し違うヘルメットを着けているのがストーカーである。
一夏は二人の元まで駆け寄ると、二人の前に立ち止まる。
「一夏、良ク戻ッテ来タナ?」
ボアが一夏に聞くと、一夏は喜びを隠せない。
「はい、ケルティックと一緒に居たから辛くありません!」
一夏の言葉にボアとストーカーは笑う。
「ハハハ、ソレハソレハ良カッタナ?」
「はい、それよりもエルダーやガーディアンは?」
一夏の言葉にストーカーが答える。
「エルダーナラ、シャーマントスカウトヲ引キ連レテ、モウソロソロ来ルゾーーガーディアンハスネークト共二ヨウガアル為、今ハ居ナイ」
ストーカーが言葉を述べている間、ケルティック達が一夏達の元へと来て、クリーナーは姿を見せぬまま、宇宙船を飛ばし、何処かへと飛び去った。
「ボア、ストーカー、久シブリダナ?」
「ケルティック、スカーニチョッパー、良ク戻ッテキタナ、止モ勇人モ」
「へへ」
「フッ」
ボアの言葉に、止と勇人は笑う。すると、奥から三体のプレデターが一夏達の元へと来る。
一人はエルダープレデターであるが二人は違った。
一人は白い肌が特徴かつ瞼の周りが黒く、黄色い眼が特徴的なプレデターであり、手には独特的な槍を持っている。
もう一人はさっぱりとしたヘルメットを着けているプレデターだった。
エルダーが二人のプレデターを引き連れて、一夏達の元へと歩み寄る。それを見たプレデター達や一夏達は跪く。
「ケルティック、ソレニ他ノ者達モ良ク戻ッテキタナ?」
エルダーは一夏達を見て喜びを隠せない。すると、エルダーは彼等に、顔ヲ上ゲヨと命令する。
ボアとスカート意外のプレデター達と一夏が顔を上げると、エルダーは再び笑う。
「ハハハ、オ前達、三年前ヨリモ逞シク凛々シイ顔ヲシテイルデハナイカ」
エルダーは一夏達やケルティック達を見て言葉を述べる。しかし、彼等を見るエルダーの顔は、まるで孫の無事と成長したのを喜ぶ祖父のようにも思えた。
エルダーは歴然の猛者でありながらも、数億もいるプレデターのごくわずかしかいないエルダーの名を持つ者でありながらも、プレデター達の帰還を見守っていた。
中には戻ってこないプレデターもいるが彼等は誇り高き戦死を遂げたとして誇りに思っていた。
エルダーが喜ぶ中、槍を持っているプレデター、シャーマンが訊ねる。隣にいるさっぱりとしたヘルメットを着けているプレデターはスカウトである。
「エルダー、ソレヨリモ本題ニ入ラレテハ?」
「ウム、ソウダッタナーー、一夏、止、勇人、オ前達ニ話ガアル」
「「「はい?」」」
一夏、止、勇人はエルダーを見据える。一方、エルダーは表情を険しくしていた。
彼等にある事を言う為にーーそして、口を開いた。
「オ前達ヲ、他ノエルダー達ト議論シタ結果、地球ニ帰ス事ガ決マッタ」
「「「えっ?」」」
エルダーの言葉に三人は不意を突かれ、瞠目する。一方、ケルティック達プレデターもエルダーの言葉に不意を突かれていた。
そして、エルダーの言葉が辺りに沈黙を生み出し、重苦しい空気が流れ始めていた。