ワンサマーとプレデター   作:噛ませ犬

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 今回は止とセシリアとの戦いまでいきたかったのですが、今回は終盤になってしまいました。


第51話

 あれから六日後の放課後。ここは学園近くにあるアリーナ。そこはISで特訓する為やイベント試合をする為でもあり、アリーナの周りには観客席や、一ヶ所には実況席や解説席がある一室や、海外からのVIPや大物だけが座る事が出来る席が設けられていた。

 しかし、その大物席以外の一般の席は満席御礼とも言える程、女子生徒で溢れ返っている。彼女達は皆、ある事を楽しみにし、ある事を警戒していた。

 それはこの試合は一年一組によるクラス代表決定戦だがそれは単なるイベントに過ぎない。このイベントは男性操縦者達が参加している事に、彼女達は喜びと怒りを感じているのだ。

 男性操縦者達の実力はどんな物か、ウェイランド・ユタニ社が造ったISがどんな物でどんな性能なのかを気にしていた。しかし、それももうすぐ判る。

 女子達からみれば友達との約束や部活よりも大切な事だろう。勿論、女子達が驚くのか幻滅するのかは誰にも判らない。

 

 

 ここはアリーナに続くピット。そこは試合かイベントに出る者達が此処でISの調整や準備をする為の場所であった。此処には軽く準備運動をしているのか背筋を伸ばしている止がいた。

 止は何故か、ISスーツを身に纏っている。止が纏っているISスーツは紺色だが四肢や腹が少し露出しているもの、右腕にはコンピューターガントレット、首には髑髏を模した首飾りをぶら下げている。

 が、止は準備運動をしながらもその表情は何処か楽しみに満ちている。それに、そこに居るのは止だけではない。

 他にも五人居た。腕を組みながらとある人物を睨んでいる一夏と勇人に、一夏が特別にとピットへと入れるのを許可した楯無と真耶……そして、部外者とも言える人物がいた。

 その人物を勇人は睨み、楯無と真耶は首を傾げ、一夏は睨みながらも呆れ訊ねた。ーー何故、お前が此処にいる、篠ノ之? ーーと。そうーー箒だった。箒は許可なくピットに来た為、一夏や勇人に睨まれているのと、その事を一夏は指摘したのだ。

 

「なっ!? 居ては駄目だと言うのか!?」

 

 箒の言葉に一夏は頷くと同時に「ああ」と即答した。無論、ピットに入れるのは楯無と真耶だけであり、それは一夏が許可したからである。

 それも一夏がウェイランド・ユタニ社に連絡し、ウェイランド・ユタニ社が学園へと連絡し、学園がその事を真耶に伝えた。これには千冬も反論するも、学園側も一夏と千冬に何が遭ったのかは知らないが衝突する危険があるのを配慮した為、問題はなかった。

 なのに、箒がいる時点で無駄になったのは言うまでもない。箒は一夏に反論しょうとした。

 

「私はお前の幼馴染みだ! 私がお前の近くで応援して何が悪い!? 大体そっちの女も部外者だろうが!?」

 

 箒は楯無を指差すも、楯無は「あっ……」と戸惑うも、一夏は腕を組みながら、楯無を背中に隠すように移動する。

 

「こいつは俺が自ら呼んだ。俺の……恋人だからな」

 

 一夏の言葉に楯無は驚き、箒は「なっ!?」と驚愕する。だが、そんな三人のやり取りに横槍を入れる物がいたーーそれは……。

 

『霧崎止、セシリア・オルコット、両者スタンバイしてください』

 

 アリーナにある放送室の実況席からだった。因みに実況席に座っているのは薫子である。それを聴いた止は準備運動を止め、一夏達を見る。

 

「もう時間みたい。ねぇ一夏、勇人?」

 

 止に訊ねられた一夏は「何だ?」と訊き返し、勇人は無言で首を傾げると、止は笑う。

 

「勝ってくるね?」

 

 止がそう言うと一夏は軽く笑いながら「ああ!」と答え、勇人は軽く微笑みながら頷いた。そして、止は両手を叩くと、コンピューターガントレットを着けている右腕を高らかに掲げ、叫んだ。

 

「行くぞチョッパー!! 敵に恐怖を与え、切り刻もうぜえ!!」

 

 

 

 あれから数分後、アリーナの中央にはISを纏っているセシリアが宙に留まっていた。セシリアが纏っているISは軽装的かつ全身が美しく蒼い。

 それはイギリスと言う紳士の国がセシリアの為に用意したISであり、四つの翼のようなスラスターが特徴的なISで、セシリアは手に大型の狙撃銃を持っている。

 だが、セシリアの表情は何処か勝ちを確定しているようにも思えた。勿論、相手が男であるのと、セシリアが今一番に潰したいのが止でもある為、尚更酷い物である。刹那、止がいるピットから一機のISが飛び出て、セシリアの元へと近付く。が、セシリアはそのISを見てかつ戦慄した。

 

「な、何ですのそのISは!?」

 

 セシリアは驚きを隠せない。セシリアだけではない、観客席にいる女子達や教師達も皆、そのISを見て戦慄していた。そのISを纏っているのは止である。

 止が纏っているISの四肢や胸はプレデターが纏っている防具と全く同じであり、両腕にはシミターブレイドが装備されている。しかし、ウイングスラスターは付いていたがそれが問題だった。

 そのウイングスラスターは四つあったがそれらは全て木を模したような色をしており、先端には血の涙を流しているようにも思える髑髏が後頭部から口元を貫通したように串刺しにされていた。

 流石にそれを見たセシリアや観客席にいる女子達や教師達は戦慄するが、止はセシリアを見て首を傾げる。

 

「どったの? 俺のISに何か文句あんの?」

「あ、ありますわよ!? そのウイングスラスターの骸骨は何ですの!?」

 

 セシリアの言葉に止は自身のウイングスラスターを見るも直ぐにセシリアを見た。

 

「何って……普通のウイングスラスターだけど?」

「普通じゃありませんわよ!? そんな悪趣味なウイングスラスター見た事もありませんわ!?」

 

 セシリアは驚きながら手に持ってる狙撃銃もといレーザーライフル・スターライトmkIIIを片手に持ち変え、止のISのウイングスラスターを指差すも、止はムスッと怒る。

 

「別に良いじゃん? 他人のISを馬鹿にする理由なんて無いし」

「そ、それはそうですけど……さ、流石に」

 

 セシリアは少し驚くも、止は軽く笑い、シミターブレイドを展開し身構える。刹那、止の顔からチョッパーのマスクが展開する形で現れる。

 

「何ですのそのマスク? へんなマスクですわね?」

 

 セシリアは止の顔にあるマスクを指摘する。すると、止はマスク越しで話す。

 

「そんなの、今は関係ないんじゃないん?」

「それは解りますけど……でも、変なマスクですわね?」

 

 セシリアは気を取り直して、男性を軽蔑するような表情をしながら指摘する。だが、それを聞いた止は無言になる。

 

「あらあら? 何を黙ってますの? それとも変なマスクと言った事に怒ってますの? それに……」

 

 セシリアは不敵に笑うと、そのまま言葉を続けた。そんな変なマスクを造った人の気も知れませんわね? と。勿論、セシリアの言葉に観客席にいる一部の女子達も少し笑う。だが、その言葉は止の逆鱗に触れた。

 ーーあの馬鹿っ!? ーー。それは止のピットにいた一夏は驚く。が、勇人は舌打ちし眼を逸らす。そんな二人に楯無と真耶の二人は何も解らず互いを見合う。

 因みに箒は一夏に追い出され、一夏は箒に言われた楯無を慰める形で頭を撫でたのは言うまでもない。

 しかし、一夏と勇人はセシリアに対し、言ってはいけない事を止に言ってしまった事に怒っていた。あれは止にとって手が付けられない事をしてしまっていた事をも意味していた。

 それは早く止めなければならないが、最悪にも放送がなった。

 

『では、霧崎止とセシリア・オルコットによるクラス代表決定戦第一試合を始めます』

 

 薫子の実況とも言える声が聴こえた。そして再びアリーナ。アリーナにいるセシリアは高らかに宣言した。

 

「ではこの私、セシリア・オルコ……」

 

 刹那、止は無言でライフルを展開し、セシリア目掛けて撃ち、それを見たセシリアは慌てて避けるも肩に掠りシールドエネルギーが微かに減る。

 

「いきなり何するんですの!? 人が名乗りを上げてる間に攻撃なんて!? 男として恥ずかしくありませんの!?」

 

 セシリアは止に指摘するも、アリーナの観客席にいる一部の女子達も怒るが、止はライフルを構えると、こう呟いた。

 

「そんな宣言みたいなのを待ってくれる奴なんていないし……何より漫画の中で充分じゃん?」

 

 止はそう言いながらもチョッパーのマスクの下の顔は怒っていた。それはセシリアの余計な一言が止を怒らせたのは言うまでもない。

 そして、止とセシリアの試合は始まった。それが接戦か一方的かは誰にも判らない。彼等二人が戦う事で判る事だろう。




 次回、これはネタバレになる為、何も言えません。
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