ワンサマーとプレデター 作:噛ませ犬
「食らいなさい!!」
セシリアは手に持ってるレーザーライフル・スターライトmkIIIで対戦相手の止を何度も撃つも、止は難なく躱す。が、止は何もしない訳でもなく冷静に手に持ってるライフルでセシリアに狙い撃つ。
たった一発、たった一発にも関わらずセシリアに当たった。これにはセシリアも驚くがセシリアだって移動したにも関わらず命中した事に驚きを隠せない。
しかし、それはセシリアが知らなかったからだ。止は一夏や勇人とは違い天然だが、三人の中では狙撃が一番上手いのだ。彼はシミターブレイドでの戦いも得意としているが両手を使った武器の扱いにも長けている。
例え、セシリアが遠距離攻撃が得意だとしても、止はそれの更に上をいってるのだ。セシリアは驚く中、止は無言でライフルでセシリアに狙いを定め、撃つ。それも三発だったがそれらは全てセシリアに命中した。
「所詮紛れ当たりですわ!! この試合はセシリア・オルコットが、ブルー・ティアーズが勝つに決まってますわ!」
セシリアは単なる紛れ当たりだと思い、スターライトmkⅢで止を何度も狙う。しかし、何故か止は紙一重とも言えるくらい難なく躱して行く。
「な、何故当たらないのですの!?」
セシリアは命中しない事に焦りを隠せない。勿論、今の止に何を言われても聞く耳を持たない。何故なら、セシリアが言った一言が止を怒らせたのだ。
証拠にチョッパーのマスクを着けているが、止の表情は怒りに満ちている。それでも、止は冷静にセシリアを狙っていた。そのせいか、セシリアのIS、ブルー・ティアーズのシールドエネルギーが徐々に減っていく。
それに対し、止のIS、チョッパーのシールドエネルギーは減っていない。
『霧崎選手!! オルコット選手を徐々に追い詰めてく!! 誰がこの展開を予想したのでしょうか!?』
実況席に座っている薫子が実況放送をするが薫子自身も驚きを隠せない。しかし、観客席にいる女子達は戦慄かつ驚愕していた。
一組の生徒は、止の事を未だ知らないが止の実力に驚きを隠せない。他のクラスの生徒や上級生も止の実力を知りながらも一部警戒していた。
それだけじゃない、一夏と勇人の実力をも警戒していた。だが、今は違う。今は止とセシリアの試合を観戦しなければならない。今はどちらに軍配が上がるのを気にしていた。
一部はセシリアが勝って欲しいと思っているがそれは無理に等しかった。何故なら、セシリアは止に追い詰められていた。
「くっ、当たって下さいまし!!」
セシリアは止をスターライトmkⅢで狙い撃つも、止は無言で軽く横に移動して躱す。しかし、セシリアは同じ事を繰り返す訳ではなかった。
刹那、セシリアのISにある四つのビットがセシリアから離れ、それらは全て止に対し、ピンク色のレーザービームを繰り出す。それを見た止は無言で躱すも、圧倒的不利だった。
セシリアのスターライトmkⅢも含まれており、事実上の五対一とも言えた。
『オオーーっと! オルコット選手、先の不利が嘘のように有利になった!! これには霧崎選手も反撃を食らったのかもしれません!』
薫子の実況放送が流れ、一部のセシリアを応援していたであろう女子達も喜びを隠せない。所詮、男は女に勝てないからだ、と。
「どうですの!? ブルー・ティアーズの猛攻の前には手も足も出ないですわよね!?」
セシリアは勝ち誇った表情で止に訊ねるが、止は無言でライフルを構える事もなく、セシリアが手に持ってるスターライトmkⅢや四基のブルー・ティアーズーービットの猛攻にも何故か難なく躱していく。
それには流石のセシリアも驚くが、止が突然姿を消す。ーー「き、消えた!?」 ーー。セシリアは再び驚きながらそう言う。観客席にいた女子達や教師達も止が消えた事に驚きを隠せない。
「ど、何処に居ますの!?」
セシリアはスターライトmkⅢを持ち構えながら辺りを警戒する。が、いざというときの為に四基のビットを自分の周りを囲うようにして空中待機させた。
近くから薫子の実況放送が流れるも、セシリアは止が何処にいるのかを警戒していた為、聞く耳を持たなかった。
「ど、何処ですの!? 姿を現し……」
セシリアが何かを言い掛けた刹那、一基のビットが突然爆発した。これにはセシリアも驚く前に爆風で少し怯む。それだけではない、残りの三基のビットも突然爆発した。
これにはセシリアも一基のビットが爆発した直後に発生した爆風には怯む程度だったが、流石に三基も爆発した直後に発生した爆風には耐えきれなかったのか自身も吹き飛ばされてしまう。
ーーああっ!! ーー。セシリアは吹き飛ばされながらも何とか持ちこたえ、爆風を見て戦慄した。
「な、何が起きました……の?」
セシリアは突然の事に愕然としていた。セシリアだけではない。観客席にいる女子達や教師達、放送室の実況席に座っている薫子、ピットにいる楯無も突然の事に驚愕かつ戦慄していた。
しかし、一夏だけは違っていた。一夏は止が怒っている理由を知っているのか呆れて溜め息を吐いている。因みに勇人は次の試合の為に真耶と共に別のピットへと移動していた。
まるで、ビットが爆風したように思えるが、あれは身体やISを透明にした止がライフルで狙い撃ちしたのだった。
本当ならセシリアを撃てば良かった物の、止は何故かセシリアを狙わなかった。何故なら、止はセシリアに怒りを覚えていたからである。
セシリアがマスクの事を馬鹿にしたからである。このマスクを馬鹿にしたのは別に良いが作った者を馬鹿にした事に怒っていた。
このマスクはチョッパーが作ってくれた物であり、止はチョッパーを尊敬しているだけではなく感謝していた。それをーーそれをセシリアは馬鹿にしたのだ。
これには止も怒る筈だ。今の止はマスクを着けているものの表情は怒りに満ちている。セシリアが許しを乞うとしても止は許さないだろう。
セシリアは未だ辺りを捜すも、止は透明にしながら、セシリアの真上にいた。すると、止はライフルをしまう形で解除すると、両腕に装備されているシミターブレイドを高らかに掲げる。
刹那、シミターブレイドの刀身が赤く染まる形で光輝く。シミターブレイドだけではない、ISも赤く輝く。しかし、その行動は透明の効果を打ち消す。
ーーなっ!? ーー。セシリアは真上にいる止に気付き離れるも時すでに遅しだった。
ーー
止は不意に呟くと同時に、止は物凄い速さでセシリアに迫る。それを見たセシリアは慌ててスターライトmkⅢを構えるも、何かが通り過ぎ、同時に身体に激痛を感じた。
その間に、止はセシリアの後ろにまで移動していたがシミターブレイドを斜めに降り下ろした形で構えていた。
だが、セシリアのISの一部がバチバチと火花を飛ばしていた。それは最早戦えない事を意味していた。
『ブ、ブルー・ティアーズ、シールドエネルギーエンプティ……し、勝者、霧崎止』
薫子の実況放送が鳴る。が、セシリアは恐怖で身体を震わせていた。何が起きたのか、何が遭ったのかセシリアには解らなかった。
観客席にいる女子達や教師達も止が何をしたのかは解らなかった。しかし、当の本人はシミターブレイドを解除し、マスクを脱ぎ、辺りを見渡す。
その表情は怒りよりも何処か哀しそうだった。まるで何か物思いに更けている。それは何かは解らないが、止はチョッパーのマスクを見る。
チョッパーのマスクには何の変化もない。が、止は強く瞑目しチョッパーのマスクを抱き締め、微かに呟いた。ーーチョッパー……
「な、何が起きましたの……?」
一方、セシリアはISが戦えなくなった事に気付き着地するも、未だ突然の出来事に戸惑いを隠せない。止が何をしたのかが未だ解らないでいたが不意に止を見る。
止は未だチョッパーのマスクを抱き締めていたが、眼を開け、自分のピットの方へと戻る為に歩く。セシリアとは眼を合わせなかった。
「あ、ああっ……」
セシリアは止に恐怖した。それだけではなく、一夏や勇人も止と同様かそれ以上の力を持ってるのではないのかと畏怖した。しかし、今はISを何とかしなければならない為、自分のピットへと戻った。
そして、観客席にいる女子達や教師達もセシリア同様、一夏や勇人が止と同様やそれ以上の力を持ってるのではないのかと警戒していたのは言うまでもない。
そして、もう少ししたら一夏と勇人の戦いが始まるのも時間の問題だったのも言うまでもなかった。
次回、止が言った渡の正体とは誰なのかと、一夏と勇人が対決します。