やはり俺がGUTSにいるのはまちがっている。   作:断空我

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GUTSよ宇宙へ(後編)

 ダイブハンガーの近く、そこでウルトラマンティガを羽交い絞めにしてゴブニュ・ギガの瞳が点滅を始めていた。

 

 同時にウルトラマンティガのカラータイマーも点滅をしている。

 

 その様子をスクリーンでみていたヤズミはまずいと声を漏らす。

 

「あのロボット、自爆するつもりです」

 

「何ですって!?」

 

「……自らを犠牲にしてウルトラマンティガを倒すつもりか?」

 

「それだけ……じゃありません、アイツの質量などからして爆発すればこの基地も」

 

「ウルトラマンティガだけでなく、ここも潰すつもりなの!?」

 

 イルマ達が戦慄していた頃、ゴブニュ・ギガの瞳の点滅は残り一つとなっていた。

 

 拘束されているティガの額が輝く。

 

 閃光と共にゴブニュ・ギガの体が吹き飛ぶ。

 

 海底に体をうちつけながらもゴブニュ・ギガは立っていた。

 

 片足を失いながらも基地へ向かおうとしていた。

 

 赤のティガは海面を飛びながらゴブニュ・ギガを後ろから抱えるようにして海面を飛び出す。

 

 その頃にはティガのカラータイマーは激しく点滅していた。

 

 空中でゴブニュ・ギガを抱えて大気圏外まで出ようとしていた時、ティガのカラータイマーから色が消える。

 

 限界を迎えたティガの姿が消えてしまう。

 

 同時にゴブニュ・ギガが大爆発を起こす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その様子をアートデッセイ号でみていたレナ達は息を飲む。

 

「ティガが消えた……」

 

「限界だったんだ」

 

「そんなぁ」

 

「気をそらすな!」

 

 ムナカタの叫びにレナ達は息を飲む。

 

「俺達の敵は目の前の機械島だ。攻撃を緩めるな」

 

 その時、機械島から大量のゴブニュがアートデッセイ号へ迫っていた。

 

 ゴブニュ達は隊列を組むように飛行しながら攻撃を仕掛ける。

 

「一端、体勢を整える!」

 

「マキシマのチャージまで時間が掛ります」

 

 揺れるアートデッセイ号の中でシンジョウが立ち上がる。

 

「俺がウィングで時間を稼ぐ!」

 

「俺も行くわ!」

 

 扉をくぐり、二人はアートデッセイ号に搭載されているガッツウィングへ乗り込む。

 

 アートデッセイ号のウィングゲートから二機のウィングが出撃する。

 

 ウィングは連携を取りながらゴブニュと戦闘を繰り広げていた。

 

 ゴブニュ達はウィングのレーザーを受けると次々と爆発する。

 

「レナ、マキシマのチャージはまだか?」

 

『あと十五分、お願い、頑張って!』

 

「よし……ヘッ、お願いだってよ……うぉっ!?」

 

 目の前に迫るゴブニュから慌ててウィングを離す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ダイゴが光、光はダイゴ』

 

 ダイゴは白い空間にいた。

 

 彼の前にゴルザやメルバ、今まで戦ってきた多くの怪獣が映される。

 

 流される映像はそれら全てと戦えと言われている気がした。

 

「僕が?なんで…僕が!?」

 

 空間内でダイゴは叫ぶ。

 

 ゴブニュ・ギガとの戦い。ダイゴは、ウルトラマンティガは負けた。

 

 倒しきれなかった。

 

 その事でダイゴの心は揺れているのだ。

 

「キミはこの星の守護神になるつもりか?」

 

 ダイゴの前に現れたのは予言者。

 

 キリエルの予言者の言葉は嘗て投げられたものだった。

 

「おこがましいと思わないのか?」

 

「僕一人で守れというのか?僕は……僕は負けたんだぞ!?ウルトラマンティガになる資格なんて僕に、あるのか?」

 

 殴りかかろうとするが予言者の姿は消える。

 

 その時、前の空間に亀裂が入った。

 

 砕け散った先に映ったのはゴブニュと戦いを繰り広げているガッツウィング一号、アートデッセイ号。

 

『しまった!?』

 

『ホリイ隊員、落ち着いて、回収するから戻ってきて』

 

『すまん、了解!』

 

 ウィング一号がアートデッセイ号へ戻っていく。

 

 追いかけるゴブニュへ別のウィング一号がレーザー攻撃をかける。

 

『させるかよ!』

 

 シンジョウが叫びながらウィングで攻撃する。

 

『マキシマのリチャージが済み次第、地球へ帰還する』

 

 その光景を見て、ダイゴの心が震える。

 

――なぜ、忘れてしまっていたのだろう。

 

「そうか……僕だけが戦っていたわけじゃないんだ」

 

 ダイゴは光を手にしてウルトラマンとなって一人で戦い続けていたと思っていた。

 

 しかし、それは間違いだ。

 

 多くの人達が諦めずに戦っている。

 

 その事をダイゴは忘れていた。

 

 彼の後ろからユザレが現れる。

 

「光になる力はこれまで多くの者達に受け継がれてきた……人類が次の時代に進もうとしている今、光は求められる。けれど、貴方は一人ではない。人間達が力を合わせなくては次の時代へ進むことはできない……私達の種族が絶えてしまったように」

 

 彼女の言葉と共にダイゴの意識が覚醒していく。

 

「光は受け継がれていく」

 

 ユザレのその言葉が不思議と頭に残って離れなかった。

 

 ヤズミの呼ぶ声にダイゴの意識が覚醒する。

 

 気が付くと彼は海に浮いていた。

 

「ウルトラマンティガ、負けちゃったんですよ」

 

「ティガだけじゃダメなんだ。僕達も力を合わせないと」

 

「……カッコイイこといいますね」

 

 海に浮いていたダイゴより先に保護されていた八幡と共にロボットの残骸を回収する。

 

「それより、何でこれも回収するんだよ?復活したらマズイんじゃないか?」

 

「この質量だと大丈夫っす」

 

「敵の正体が何なのか知らない事には何もできない」

 

「ヤズミがまともなことを!」

 

「失礼だよ!?」

 

 ふざける八幡とヤズミの姿にダイゴは苦笑する。

 

 彼の中に迷いはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 機械の塊をヤズミは実験室に運ぶ。

 

 その間にダイゴ隊員と俺は作戦室へ戻る。

 

 海水でずぶぬれだったが、この服が特殊繊維のおかげで問題ない。

 

「無事だったか」

 

 作戦室に戻るとサワイ総監が安堵の表情で出迎える。

 

 ぺこりと俺達は会釈した。

 

「アートデッセイ号は?」

 

「連絡が取れないの」

 

「そんな」

 

「おかしい……」

 

 ヤオ博士が何かを考えるように声を漏らす。

 

「あの機械人形が蘇った時、機械人形が飛行形態となった時……今回も、全てマキシマオーバードライブが関係している?……ヤズミ隊員!」

 

『今、実験室にいます。あのロボットは動力も何もないのに動いていた。何か秘密があるはずです』

 

 ヤズミはそういって作業を始める。

 

「どうしょうというのだ?」

 

『こいつはある種の機械生命体です。こいつがエンジンである頭脳である。だから、こいつに喋らせる』

 

「ヤズミ隊員!急いでくれ」

 

「ミスって爆発なんて嫌だぞ」

 

「慌てない慌てない、よし、できた」

 

 作業を終えたヤズミはスィッチを入れる。

 

「お前にご飯を上げよう」

 

 スィッチを入れた途端、装甲の表面にロボットが現れる。

 

 といっても全体ではなく、上半身のみ。

 

「お前達はなんだ?」

 

『ワレワレハホショウシステム』

 

「保証?何のための?」

 

『ワレワレハキンジラレタチカラヲツカワレタトキカツドウスル』

 

「発動?目的は」

 

『コノチカラヲツカウモノノショウキョ』

 

「禁じられた力?まさか、マキシマオーバードライブ?」

 

「ふざけるな!マキシマは僕が二十年もかけたものだぞ!!」

 

 ヤオ博士の激昂と共に俺の中で誰かがスィッチを付けた。

 

「時がきた……マキシマを開発したのはヤオ博士です、けれど、いずれ人類がみつける力だった」

 

「そんな」

 

「マキシマオーバードライブ、その力をいつか他の者達がみつけるかもしれない。故に、こいつらを送り込んだ連中はそれを妨害の目的……マキシマオーバードライブを使用した時にこいつらは活発になった…スィッチ且つエネルギーだったということ、か」

 

「貴方達を送り込んだ者たちは!?」

 

『ワレワレヲオクリコンダモノタチノデータハナイ、ワレワレハタダカツドウスル』

 

「ヤズミ、スィッチを切れ、こいつらに交渉関係は通じない。ただ、命令を実行するだけのロボットだ」

 

 俺の指示でヤズミはスィッチを切る。

 

「待てよ、マキシマオーバードライブが彼らを活性化させるなら」

 

「そうか、マイナスのエネルギーをぶつければ相殺できる。マキシマオーバードライブを逆走させればいい。キミは天才だなぁ」

 

 ヤズミの言葉でヤオ博士が叫ぶ。

 

「でも、どうやって?」

 

「レナ隊員の訓練機があります」

 

「僕が行きます」

 

 ダイゴ隊員の言葉に隊長は頷く。

 

 この中でかなりの訓練を受けているのはダイゴ隊員、続いて俺だ。

 

 的確だろう。

 

「マキシマさえ、使わなければ奴らは動き出しません」

 

「ありがとう、いってくるよ」

 

 俺の肩を叩いてダイゴ隊員は試験機で機械島へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、マキシマオーバードライブを起動させて離脱しようとしていたアートデッセイ号だが、機械島の内部にとらわれていた。

 

 マキシマの始動と同時に誘導されるように機械島の中へ入ってしまったのだ。

 

 デラック砲で突破しようにも閉鎖空間の中ではアートデッセイ号そのものが壊れかねない。

 

 本部と連絡がとれなかった。

 

 刻一刻と機内の酸素が減っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ダイブハンガーから銀色の試験機が出撃する。

 

 大気圏外を突破して機械島へ近づいていく。

 

 機械島は試験機が迫るというのに攻撃の様子がない。

 

 八幡やヤズミの考えは正しかったという事だ。

 

 試験機を着陸させたダイゴは外に出る。

 

 機械島の表面には何もない。

 

 あるとすればごろごろした岩のみ。

 

 それ以外、何もなかった。

 

「この島はどれだけの時間、宇宙を漂ってきたのだろうか?」

 

 疑問を抱きながら島の表面に爆薬を設置する。

 

 爆破してぽっかりと出来上がった地面を覗きこむ。

 

 暗闇の中、浮遊しているアートデッセイ号の姿があった。

 

 ダイゴは狙いを定めてアートデッセイ号へ有線ケーブルを撃ち込む。

 

 しばらくして戦艦内と連絡が取れる。

 

 話の内容は至って短い。

 

 同時にマキシマオーバードライブを作動させて島から脱出する。

 

 時間を合わせる。

 

 作戦開始に向けてダイゴは試験機へ乗り込む。

 

 中と外、

 

 マキシマオーバードライブが作動する。

 

 閉ざされていた機械島の扉が開いて中にとらわれていたアートデッセイ号が動き始める。

 

 その時、機械島の表面からパーツが形成されていく。

 

 そこから現れたのはゴブニュだが、ダイゴ達が戦ったものと異なる。島の機械部分とゴブニュが組み合わさったような形をしており、頭部は角のようなものができている。

 

 ゴブニュ・オグマとなる。

 

 ダイゴはスパークレンスを掲げた。

 

 ウルトラマンティガはゴブニュ・オグマと戦いを始める。

 

 アートデッセイ号が機械島を抜け出した時、島と一体化しているゴブニュ・オグマがティガを苦しめていた。

 

「ティガを助けないと!」

 

「でも、俺達の通常兵器じゃ、あの島にダメージは与えられないんだぞ」

 

『ホリイ隊員』

 

 その時、アートデッセイ号の艦内に八幡の声が響く。

 

『アートデッセイ号のデラック砲とマキシマオーバードライブ』

 

 一言、何かを躊躇う様な彼の言葉、しかし、ホリイはそれで察する。

 

「ヤオ博士、マキシマのエネルギーをスループットしてデラック砲に接続することはできませんか?」

 

 GUTSの作戦室、ホリイ隊員の言葉にヨシオカ長官が驚きの声を漏らす。

 

『そんなことができるのか?』

 

『マキシマの威力は絶大です……兵器にしたくなかった。比企谷君、キミは』

 

『アートデッセイ号の設計図を見て、もしやというものはありました。でも、本当にできるんですか?』

 

『可能だ……しかし、その威力はかなりのものだ。もし、兵器に転移すればとんでもないことになってしまう。だから』

 

「その気持ちはわかります……ですが、科学は使うものによって左右される、違いますか?」

 

『……キミに任せるよ、ホリイ君』

 

「アイツは島と一体化している。アイツを起爆剤として島ごと倒せるはずや」

 

「よし、デラック砲で奴を機械島ごと撃退する!」

 

 ムナカタの言葉でレナは不安で揺れる。

 

 島にはまだダイゴがいる。

 

 速く離れて欲しい。

 

 そう思いを込めて呟く。

 

「ダイゴ……お願い、ティガ」

 

 気持ちがティガに届いたのか、彼はゴブニュ・オグマから逃れると地面に置かれている試験機を掴んでアートデッセイ号へ投擲する。

 

「ダイゴ!」

 

「牽引ビームやダイゴ機を回収する」

 

 同時にマキシマ砲が島に放たれた。

 

 ティガは島から離れるとゼぺリオン光線を撃つ。

 

 光線を受けた機械島は大爆発を起こす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アートデッセイ号の艦内へダイゴが足を踏み入れる。

 

 彼の姿を見たレナは小さな笑みを浮かべてダイゴに抱き付いた。

 

「うぉぉ、レナ?」

 

「俺も抱き付いたろうか?」

 

「ははは……遠慮しておきます」

 

「遠慮すんなやぁ」

 

「リーダー~」

 

 助けを求めるダイゴへムナカタはサムズアップするのみ。

 

 作戦室に響くのは笑いあう隊員達の会話

 

 彼らの様子をみながらヤオ博士は呟く。

 

「僕の二十年の研究は宇宙の歴史に予定されていたのか」

 

「でも、ヤオ博士の研究は素晴らしいです。人類は進まないといけないんですから」

 

「そうっすよ。それに連中は牽制であんなものを生み出した。でも、ホリイ隊員がいっていたよう科学は使うものによって左右される……でしょ?」

 

 ヤズミと八幡の言葉にヤオは小さく笑みを浮かべて「ありがとう」と呟き。

 

「ありがとう、マキシマは正しい力だという事を宇宙の誰かさんに証明しないとな」

 

「そうですよ」

 

「ヤズミにしては良いことを」

 

「え~」

 

 八幡の態度にヤズミは口をとがらせる。

 

 




この後、ヤオ博士の開発したマキシマオーバードライブの改良型、ネオマキシマにより人類の宇宙開発は発展。していくんだろうなぁ。

次回はEXストーリー。

デート回?になります。
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