やはり俺がGUTSにいるのはまちがっている。   作:断空我

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次の話です。


一応、キリエロイドの話まで投稿して、連載するかどうか検討していきます。


石の神話

「ヤズミ、はじめてくれ」

 

「うん」

 

 司令室。

 

 そこには俺とヤズミしかいない。

 

 他のメンバーはそれぞれの時間を過ごしている。

 

 今回、ここでやっている作業はあの巨人の検証だ。

 

「外見的身長はおよそ53メートル弱、飛行速度はマッハ5、走行速度は全力でマッハ1.5から2はあると推測できる。尚、このデータに関してはゴルザとメルバの戦闘時におけるものだ」

 

「補足する形ですが、巨人の活動時間はおよそ三分であると」

 

「その根拠は?」

 

「巨人の胸の水晶、あれが青から赤に変わった時、巨人は追跡できるのにゴルザにとどめをささなかったことと、メルバ撃退を優先したことから判断されます」

 

「次に巨人の色の変化について、ベースは銀、赤、紫の三色。ゴルザとの戦闘で銀と赤に変化、メルバとの戦闘では銀と紫だ」

 

「推測ですが最初の色がベースとして、セカンドがパワー重視、サードがスピード重視であると思われます」

 

「それぞれのスタイルがあるという理由に関しては、状況に合わせて戦況対応できるためと思われる」

 

 レポートに入力したところで俺はひと段落ついた。

 

 ティガの地での戦闘から数日が経過している。

 

 逃げたゴルザをGUTSは追跡しているがその足取りは依然としてつかめていない。

ついでにいうと巨人の行方も不明だ。

 

 東北地方を破壊した怪獣についての会見は未だ抑えている。

 

 巨人が怪獣を倒しましたなんて報告したらTPCの、GUTSの面目丸つぶれだ。

 

 最低限、巨人が味方かどうかはっきりするまでは会見は行われないだろう。

 

「ノイズの除去は…」

 

「まだ終わってない…というか、うまくいっていない」

 

 ヤズミが悔しそうに言う。

 

 カプセルの解析、ヤズミは科学局が徹夜で行っているが未だできていない。

 

 最後の「巨人をよみがえらせる方法」だけノイズが続いているという。

 

 ユザレは意図的にそこを隠しているのではないか?

 

 誰か、巨人を蘇らせる手段のみだけがわかるのではないかという疑惑がでてくる。

 

 その話を聞いているとあることを考えてしまった。

 

「……八幡、民間から連絡だよ」

 

「俺に?」

 

 驚きながらも電話にでようとして、気づく。

 

 民間。

 

 ボッチの俺に知り合いなど限られている。

 

 ならば、民間から…と考えると。

 

「外に出るわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、お兄ちゃん!ちゃんと電話くらい出てよね」

 

「悪い悪い」

 

 電話の相手は予想通り、妹の小町だった。

 

 家族には一応TPC勤務になっているということを伝えている。

 

 流石にGUTSと伝えたらどうなるかわからないので黙っていた。

 

「それで、どうしたんだ?」

 

「もう、ニュースみていないの?怪獣が出たって聞いたから心配して掛けたんだよ。お兄ちゃんを心配する妹、あ、小町的にポイント高くない?」

 

「はい、高い、高い、TPCに勤務しているけれど、命にかかわるようなところじゃねぇから大丈夫だよ…ま、心配してくれてサンキューな」

 

 嘘だ。

 

 本当は死ぬほど危険…というか、TPCの超難関のGUTSにいるから危険はかなりある。

 

 この前のゴルザとメルバ、あの戦いにおいてもそうだ。一歩間違えたら命を落としている。

 

 その危機を救ってくれたのは、あの巨人。

 

『GUTS隊員は司令室へ集合、GUTS隊員は司令室へ集合』

 

 呼び出し音を聞いて受話器に届かないようにする。

 

「どうしたの?お兄ちゃん」

 

「悪い、呼び出しが入ったわ…」

 

「あ、今度!よみうりランドへ連れて行ってほしいなぁ」

 

「……わかった、休暇をとるからまた連絡してくれ」

 

 千葉の兄妹の絆は強い。

 

 妹がどこかに行きたいというのなら連れて行こうじゃないか。

 

 小町との約束を果たすまで、お兄ちゃんは死にません!

 

 これ、八幡的にポイント高くない?

 

 そんなことを考えながら小町との再会を夢見て俺は作戦室へ戻る。

 

 作戦室に戻ると南西諸島にある久良々島で怪事件が起こっているという。

 

 石化する人間。

 

 TPCで調査に向かった何人も犠牲となっている。

 

 ゴルザとは異なる怪獣の出現。

 

 その事態に今のGUTSではどうすることもできない。

 

 ナハラ・マサユキ参謀の指示の下で俺達はライドメカに武器を搭載することが決まった。

 

 俺達は徹夜も覚悟でガッツウィング一号、二号の改造に入る。

 

 入ったが早速問題が発生した。

 

「改造するよりも新しいメカを作ったほうがいいんじゃないかしら?」

 

「ガッツウィングよりも最高のメカが作れまっかいな!」

 

 ライドメカをどのように改造するかでもめていた。

 

 博士とホリイ隊員が揉めている傍で俺は二号の図面を見ていた。

 

 二号に搭載予定はレーザーと新武装のエネルギー砲。

 

 しかし、あまりに大きいことから二号の性能ダウンになるかもしれないということで揉めているのだ。

 

…待てよ?

 

「エネルギー砲を放てるように新型エンジンを調整してのせちまえば済む話じゃね?」

 

「「それだ!!」」

 

 うわぉ!?

 

 いきなり叫ばないでボッチだから驚くよ。

 

 びくついている俺の前で博士とホリイ隊員は熱心に話し始める。

 

 呆然としている俺の肩をレナ隊員が叩く。

 

「お手柄よ。八幡君」

 

「あ、はい」

 

 それから改造作業が続いていたのだが状況は悪化した。

 

 久良々島にいる怪獣、ガクマが活動を開始したらしい。

 

 本来なら出動すべきなのだが、ガッツウィングの改造は終わっていなかった。

 

 一号機は何とか飛べるが通常よりもGがきつい。

 

 その代わりレーザー兵装が搭載されている。

 

 無茶を承知でリーダーとレナ隊員が出撃する。

 

「おし!俺らも急いで組み立てるでぇ!」

 

 ホリイ隊員のやる気に火がともったのだろう。

 

 俺としては今すぐにでも眠りたいのだが仕方ない。

 

 一号機が発進してすぐに無理やりだが、二号機は完成した。

 

 他の武装搭載を後回しにしてデキサス砲を優先した結果だ。

 

 ガッツウィング二号が久良々島へ到着するとまさに間一髪。

 

 ガクマにレナ隊員たちが襲われている所だった。

 

 二号の武装で一本角が特徴の怪獣を倒す。

 

「……おそろしい」

 

 改めて思う。

 

 TPCが本気を出したら世界征服とか可能かもしれない。

 

 そういう方向へ向かわないのはサワイ総監というトップがいるからだ。

 

 わかっていても、こういうことを考えてしまうのは下劣な人間がいるからなんだろうなと俺はウィング二号の中で考えていた。

 

 皆は外にいる総監の下へ向かっている。

 

 ウィングを無人にするわけにいかないからここにいるわけだが…。

 

 機内で警報が鳴り出す。

 

「は?」

 

 俺は慌ててレーダーを見る。

 

 地下から何かがやってくる…ほぼ、真下って。

 

 嫌な予感がした俺は操縦席に座って、無理やり上昇させる。

 

 機体に掛るGが体に襲い掛かってきた。

 

 あぁ、これだから

 

「社畜生活は嫌なんだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 八幡がウィングの中にいた頃、GUTSメンバーとサワイ総監は話をしていた。

 

「このような事態に備える必要があるだろう。帰ったら会議を開き、各支部に武装指示を出そうと思う」

 

「かなり時間かかるでしょうね」

 

「それまではこのGUTSにお任せを」

 

 シンジョウの言葉にサワイが頼むといった後、静かに尋ねる。

 

「そういえば、彼は?」

 

「あぁ、八幡ですか…彼は」

 

「疲れたといってコックピットにいますよ」

 

 ダイゴの言葉にサワイは残念そうに「そうか」と漏らす。

 

「よし、俺が連れて来てやる」

 

 シンジョウが向かおうとした時、地面が揺れ始める。

 

「なんだ?」

 

「地震?」

 

「土砂崩れ?」

 

 直後、地面から巨大な怪獣が現れる。

 

 全身が岩みたいにごつごつした皮膚、四足歩行、そして額に伸びている二本の角。

 

 ウィング二号がギリギリのところで浮上したおかげで怪獣との直撃は避けられた。

 

 GUTS隊員が驚いている時、サワイの脳裏で作業員の言葉が蘇る。

 

 作業員たちはガクマの特徴で一本の角、二本の角があるということがあった。

 

 怪獣が一匹だと思っていたからさして気にしなかったが、今、確信した。

 

「ガクマは一匹だけじゃなかった。彼らはこのことを言っていたのか」

 

 彼らは慌てて下がる。

 

 上昇していく二号へムナカタが連絡を取る。

 

「八幡!攻撃できるか!?」

 

『む、無理です!』

 

 体勢を整えた二号から帰ってきたのは不可という返事。

 

『連続で攻撃したことでオーバーヒート寸前に加えて、無理な上昇でシステムのどこかがいかれたみたいで』

 

「なんやとぉ!?」

 

「体勢を立て直す。可能な限り怪獣の注意を引いてほしい」

 

「やってみますよ」

 

 八幡の乗るウィングが動き出す。

 

 その中、ダイゴは一人テントへ隠れる。

 

 ガクマはテントの方へ向かう。

 

 制服の中からダイゴはスパークレンスを取り出す。

 

 スパークレンスが光を放ち、ダイゴは巨人へ姿を変える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい…また、かよ」

 

 操縦席で俺は息を飲む。

 

 眩い光と共に現れた巨人。

 

 身構えてしまう俺の前で巨人は怪獣と戦い始める。

 

 やはりというべきか二本角の怪獣はモノを石化させる光線を放った。

 

 巨人はそれを交わしながら戦闘を続けていた。

 

 俺はどうすべきか?

 

 巨人を援護するべきか、傍観を決め込むべきか。

 

 しばらく巨人の動きを見ていると怪獣の光線を受けていた。

 

 光線を受けた箇所から徐々に石化していく。

 

 それをみて苦しむ巨人。

 

 巨人と目が合う。

 

 気づいたら俺はウィング二号を低空飛行で怪獣へ向けていた。

 

 怪獣は角を動かして巨人へ攻撃しようとしていたがこっちに気付いて慌てて避ける。

 

「注意は引いてやったからな」

 

 巨人は姿を変えて石化光線を弾き飛ばしていた。

 

「赤一色、パワーでごり押しか?」

 

 そんなことを思いながら空で様子をうかがう。

 

 やがて巨人はエネルギーの塊を怪獣へ放つ。

 

 攻撃を受けた怪獣は爆発を起こす。

 

 巨人はちらりとこちらをみるとそのまま空へ飛んでいく。

 

 追跡すべきかと思ったが所々不調の二号じゃ墜落するのがおちだと考えて、地上へ降りる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 作戦室の話題は巨人について。

 

「まさか、今回も巨人に助けられるなんてなぁ」

 

「そうだな、二号が不調じゃなかったら倒せていたんだろうけれど」

 

「ま、八幡がちゃんと上昇してくれたおかげで俺らは帰れたんやからよしとしょうや」

 

「そうだな。八幡、ご苦労だった」

 

「う、うす」

 

「……あの、怪獣にゴルザとかガクマって名前があるのに…巨人だけ巨人って呼ぶのはどうかと思うんですけれど」

 

「名前か」

 

「……マウンテンガリバーはどうだ?」

 

「マウンテンガリバーか」

 

 何か、すげぇ名前が出てきた。

 

 俺だったら…ダメだ、三色マンて頭に浮かんじまった。

 

「何か、トイレで踏ん張っているイメージやな」

 

 ホリイ隊員!?

 

 思っても口に出すべきことじゃないから、しかも、名前いったのリーダーだよ。

 

「ウルトラマンティガ、って、どうですか?」

 

 ダイゴ隊員の言葉に全員が納得する。

 

「成る程、ティガの地…未知の超人でウルトラマンティガっすか」

 

「どうだろう?」

 

「いいんじゃないですか」

 

「お、八幡が認めるほどか!」

 

「それなら決定ね」

 

「あの巨人はウルトラマンティガだ」

 

 何で俺が納得したらオーケーになるの?

 

 名付け親監督になった、覚えないよ。

 

 そんなことを思いながらあの巨人はウルトラマンティガという名前になった。

 

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