やはり俺がGUTSにいるのはまちがっている。   作:断空我

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活動報告にアンケートを記載しました。

できれば、多くの意見を参考にしたので返事をくれると助かります。

強制ではないのであしからず。


霧が来る

 

『依然、宇宙観測センターより応答がありません』

 

 それはダイゴ隊員達が連絡の途絶えた宇宙観測センターへ向かっていた時の話だった。

 

「一週間前に付近へ落下した隕石が関係しているかもしれない。注意していけ」

 

 リーダーと入れ替わるようにしてシンジョウ隊員が通信を入れる。

 

「ダイゴ、気を付けろ。ホリイの奴、また、振られたぞ」

 

 あぁーあ、また始まった。

 

 そういえば、今日はやけにホリイ隊員の虫の居所が悪いと思ったらそういう事か。

 

 少し前も女性へ告白して振られて、機嫌が悪くて、一緒にいたヤズミと俺が被害をこうむったもんな。

 

 主にやけ酒を付き合うというものだ。

 

 あれは酷かった、泥酔したホリイさんを俺とヤズミで抱えていたのだから。その間、ぶつぶつと言葉にならない文句を言っている。

 

 後日、二日酔いのホリイさんの出来上がりだ。

 

『うるさいわい!そういうお前はどうなんじゃ!』

 

「どう?どうって、俺にはこのルックスがあるんじゃ」

 

 バンと自らの体を叩くシンジョウ隊員。

 

 挑発してやるなよ。

 

 俺は呆れてデスクの下に置いてあるMAXコーヒーを飲む。

 

 うむ、今日もおいしい。

 

『俺かて天才的頭脳があるわい!みとれ!惚れ薬を作って、ノーベル賞、総なめしたるわ!』

 

 乱暴に通信が終わる。

 

 惚れ薬と聞いて、隊長と俺以外の面子が笑う。リーダーは苦笑しているな。

 

「惚れ薬だって、馬鹿者」

 

 バカ笑いするシンジョウ隊員を横目に俺はマッカンを一口。

 

 うん、惚れ薬なんて出来上がったら高値で売買されるだろうな。

 

 

 それから二時間後、宇宙観測センターへ向かったガッツウィング二号と連絡が取れなくなり俺達は緊急出動することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本部へ報告をした直後、システムダウンを起こした二号は不時着した。

 

 目を覚ましたホリイとダイゴはシステムの全てが使用不能になった二号を放棄、念のためと装備されているスタッグで宇宙観測センターを目指していた。

 

 目指していたのだが。

 

「おっかしいなぁ、もうセンターが見えてもおかしくないんやけどなぁ」

 

「どこかで道を間違えたんじゃないですか?」

 

「そんなはずないんやけどなぁ」

 

 地図を睨みながら周りを見ていたホリイは気づいた。

 

 視線の先に小さな村があった。

 

 その村はどこかおかしかった。

 

 少し前まで誰かがいた痕跡はある。しかし、住民の姿がまるでないのだ。

 

「やはり、少し前まで誰かがいた痕跡がありますね」

 

「でも、誰もおらんのはどういうこっちゃ?まさか、みんなで芋ほりいっているわけやないやろ?」

 

 二人でそんな話をしていた時、後ろから誰かがよりかかってきた。

 

「うわっ!」

 

 突然の事に慌てる二人。

 

 少しして、ダイゴが倒れている女性へ駆け寄る。

 

 女性はどういうわけかびしょ濡れだった。

 

 二人はある民家へ入って女性を手当てした。

 

 ホリイが覗きこんでいると女性が目を覚ます。

 

 にっこりとホリイが笑みを浮かべると女性は悲鳴を上げて少し離れた。

 

 どうやら寝起きにホリイ隊員の顔はきつい様子。彼に気付かれないように苦笑しながらダイゴは尋ねる。

 

「教えてほしい、キミはどうしてあんなところにいたんだ?」

 

「……ガッツ」

 

「せや、何でずぶぬれやったん?まさかキミみたいな若い女の子が一人で山登りっつぅことは」

 

「別にいいでしょ!アンタ達に関係ない」

 

「なんや、急に怒りだして……愛想ない子やなぁ」

 

 態度の悪い女性に文句を言いながら外を見たホリイは気づいた。

 

「あ、戻ってきおった」

 

 この家の住人達が戻ってきていた。

 

「どうも、すいません、勝手にあがらせてもらいました。みなさん、玉ねぎでも掘りに」

 

 謝罪するためにふざけながら挨拶をしたホリイは立ち止まる。

 

 目の前にいた人達は全員、様子がおかしかった。

 

 皆、首を傾けている。

 

 そして、傾けていない方の肩、そこからぶくぶくと不気味な物体が膨らんだり縮んだりを繰り返している。

 

 奇声を上げながら村人達が農具を振り上げる。

 

 危機感を覚えたホリイは室内へ入る。

 

「ダイゴ!扉と窓を閉めろ!!」

 

「え?」

 

 戸惑いながら外を見たダイゴは窓を閉め始める。

 

「なんですかぁ、これぇ!?」

 

「俺にもよぉわからぁん!」

 

 叫びながら扉を閉めたが村人たちにより破壊されていく。

 

 破壊された箇所から大量の霧が入ってくる。

 

「あかん、逃げろ!」

 

 ホリイとダイゴは女性を連れて外に出る。

 

「どうなってんですか!?一体」

 

「知るか、アホ!」

 

「アホって」

 

 逃げていた二人だが悲鳴に振り返る。

 

 女性へ不気味な物体が襲い掛かろうとしていた。

 

「なんだ、こいつら!」

 

 物体を押し戻してホルダーからハイパーガンを取り出す。

 

 二人はハイパーガンで飛来する物体を撃ち落としていく。

 

「気を付けろ!こいつらが人の首筋についているのをみた!おそらく、こいつらに操られておる!」

 

 物体を躱しながらハイパーガンで撃つ。

 

 一体、一体、撃ち落としていくがキリがなかった。

 

 次から次へと隊列を組んだ物体が迫ってくる。

 

「これじゃあ、キリがない」

 

「アホ!しゃれいっとる場合か!」

 

 三人は逃げる。

 

 

 しばらくして、三人は洞窟の中で話をしている。

 

 内容は襲いかかってきた物体について。

 

「おそらく、あいつらは一週間に落ちた隕石についてきた、もしくは隕石そのものがあれやったのかもしれへん」

 

「まさか……宇宙生命体」

 

「このままにしとったらとんでもないことになる。はよ本部に連絡せな、朝になったら山をおりよ」

 

「私……宇宙観測センターへ行く」

 

「え?」

 

「なんで!?どうして君が宇宙観測センターなんか」

 

「あかんあかん、危険や、俺らと一緒に山をおり」

 

「一人でも行く!」

 

 彼女はそういって説得に応じなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、日が昇ると共に彼らは村へ戻ってきていた。置きっぱなしにしているスタッグを取りに来たのだ。

 

 

「本当に、ついてくるの?」

 

 女性はホリイがついてくるということに抵抗があるようだ。

 

「アホ、元々、センターへ行くのが俺らの任務やったんや」

 

「村には誰もいません」

 

 戻ってきたダイゴが報告する。

 

「この村、全滅しとるな、本部への連絡頼むで」

 

「はい」

 

 その時、いたるところから霧が吹きだす。

 

「アカン、ダイゴ、行け!」

 

「でも」

 

「アホ!はよいって本部へ連絡しろ!」

 

 ホリイの叫びと共にダイゴはスタッグを走らせる。

 

「はやく!もう何やってんの!」

 

「うるさい……あかん」

 

 走ろうとしたが目前に霧が広がりつつある。

 

 ホリイは進路を変えてスタッグを走らせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霧から逃げるように走っていたホリイは彼女の叫びである方向を見る。

 

「なんや!」

 

「あれ、あれ!」

 

 女性の指先は不気味に発光する森林だった。

 

 森林の中へ進むと不気味に発光する隕石があった。

 

「あれが、落下した隕石か」

 

 離れた所で観察していたホリイ達。

 

 隕石の傍で寄生された住民たちの姿がある。

 

 住民たちの体から透明な何かが噴き出して隕石の中へ入っていく。

 

 何かが抜けると住民たちは崩れて、倒れる。

 

「なに、あれ?」

 

「生体エネルギーを吸い込んでるんや」

 

 自分達よりも幼い少女が崩れ落ちたのをみて、彼女はつらそうになり、ホリイの肩を揺らす。

 

「ねぇ、あんなの早くやっつけてよ」

 

「アカン、このままやったら俺達がやられる」

 

「そんなぁ……」

 

「せめて、弱点がわかれば」

 

「水」

 

「水ぅ?」

 

「あいつら、川までは追いかけてこなかったの」

 

「そうか、だから君は助かったんか!」

 

 彼女が前を向いた時、寄生体が現れた。

 

 二人は茂みの中を走る、走る。

 

「助かった、観測センターや!」

 

ホリイと彼女は建物の中へ入る。

 

「ここも奴らの襲撃を受けたみたいや」

 

「……昔と、全く変わってない」

 

 観測所内を歩いていた彼女は感慨深く呟いた。

 

「GUTSって、私の父と同じ人でなしの集団だと思っていた」

 

「……お父さん?」

 

「ずっと、星ばっかりを見ていて家族をみなかった、最低な人。そんな人だから宇宙へいって死んだ……だから、父の働いている此処でいなくなれば、私の事、みてもらえるかな、と思って」

 

 女性はちらりと模型のジュピター3号をみていた。

 

「そういえば、キミの名前、まだ聞いてなかったな」

 

「……エザキ、エザキミチル」

 

「……エザキ」

 

 二人は場所を変える。

 

 ホリイは観測センターのシステムを調べていた。

 

「どっかに雨を降らすシステムがあったはずや」

 

「昔読んだ小説にこういうのがあったの……あるスーパーに大勢の人達が閉じ込められてしまうの、外には不気味な霧、やがて、霧の中に紛れている怪物に何人もの人がやられていくの」

 

「けったいな話やな、最後はどうなるねん?」

 

「覚えていない……滅んじゃったかもね、この世界も」

 

「この世界は滅んだりせぇへん」

 

「……なんで?」

 

 ミチルの問いにホリイは真っすぐな瞳で答える。

 

「GUTSがおるからや」

 

 ホリイの言葉に動きを止める。

 

 彼の言葉に何かを感じた。その何かはわからない。

 

 その時、天井のダクトなどから霧が噴き出してくる。

 

「ホリイさん」

 

「諦めたらあかんで!」

 

 ハイパーガンを構えてミチルを守るようにホリイが立つ。

 

「どんな時でも諦めたらあかん!アンタのお父さんも最後まで人として戦ったんやから」

 

「父を知っているの?」

 

「ごっうぅ、勇敢な人やった。最後まで諦めずに地球の為に戦い抜いたんやからな!」

 

 宇宙で発光体に取りつかれて怪獣となり果てたエザキ博士とそのクルーの乗っていたジュピター3号。

 

 彼らは光となって空へ去っていった。

 

 最後まで人として戦い抜いた彼らを誰が忘れようか。ホリイはハイパーガンを握る手に力を籠める。

 

 

 ミチルと共に施設内を走る。

 

 先を走るミチル、続くホリイ。

 

 だが、途中でホリイは顔を歪める。

 

 立ち止まったホリイをみて、ミチルは戻る。

 

「何しとんねん……はよ、いけ」

 

「貴方も一緒よ!」

 

「一度くらい、いう事を」

 

 ミチルはそういうと彼の制服の胸元を開く。

 

 そこから膨れだす寄生体。

 

「諦めない」

 

 驚きながらもミチルは寄生体を掴んでいるホリイの手を掴む。

 

「貴方が言ったのよ。父は最後まで諦めずに戦い抜いたって、だから、私は諦めない」

 

「せやな……俺も」

 

 ホリイの瞳に力がこもる。

 

 それと同時に手が寄生体を掴む。

 

「人間……舐めたら……あかんでぇええええええええええええええ!」

 

 叫びと共に寄生体を引き抜く。

 

 床に転がった所をハイパーガンで撃つ。

 

 火花を散らして消滅する寄生体。

 

「やった……やったよ!」

 

 ミチルが笑みを浮かべて彼に抱き付く。

 

 霧が噴き出して寄生体がやってくる。

 

「……水や」

 

 ホリイは天井のスプリンクラーを撃ちぬく。

 

 大量の水が降りそそぎ、球体はまるで枯れるように萎んでいった。

 

 その時、大きな音が外から聞こえる。

 

 二人が外に出ると山の一部を砕いて現れるのはピーパーだ。

 

「あれは……なに?」

 

『ホリイ、聞こえるか?』

 

「その声、よう聴こえますぅ」

 

 ヘルメットの通信機越しに聞こえてきたのはムナカタの声だった。

 

『ダイゴも一緒か?』

 

「ダイゴは本部へ連絡するために山を下りて……あ、まさか、くそぅ、あの光る隕石を攻撃してください。あれが霧の発生原因です」

 

『わかった』

 

 ピーパーの向きが隕石へ向けられた時だ。

 

 周囲へ拡散していた霧が形を持っていく。

 

 やがて、それは一体の怪物へ変身を遂げる。

 

「なに、あれ?」

 

「アイツが霧の正体や」

 

 霧の中に紛れ込んでいた寄生体は怪獣の一部なのだろう。あれほど、自分達を狙っていた存在がいなくなっていた。

 

 ピーパーが攻撃をする。

 

 しかし、怪獣はピーパーの攻撃を吸い込んでいく。

 

 やがて、ピーパーが火花を散らして機能を停止する。

 

『下がれ、怪獣から距離をとるんだ』

 

『ダメです!計器が狂っちゃう……操縦不能!』

 

 ここまでかと思われた時、空からウルトラマンティガが現れた。

 

「ティガや」

 

「あれが……ウルトラマンティガ」

 

「ホリイ、大丈夫か?」

 

 ピーパーから降りたムナカタとレナがやってきた時、ティガは苦戦を強いられていた。

 

「ティガの攻撃が通用しない」

 

「隕石を破壊しない限り、あの怪獣は無敵っちゅうことか」

 

 ホリイが先導して隕石へ向かう。

 

 三つのハイパーガンが隕石に命中する。

 

 しかし、隕石に傷一つつかない。

 

「やっぱりハイパーじゃ、あかんか」

 

 どうすれば隕石を破壊できるか。

 

 その方法を考えたホリイはあることを思いつく。

 

「ミサイル………ミサイルなら!」

 

「ダメだ。ピーパーの武装は奴に全てダウンさせられている」

 

「くっそう」

 

『ミサイルならいいのか?』

 

「シンジョウ!」

 

 ホリイは空を見る。

 

 ウィング一号が姿を現す。

 

「随分と待たされたんだ。行くぜ」

 

「照準固定、ミサイルいつでも行けますよ」

 

 後ろにいる八幡の言葉と共にシンジョウはミサイルのトリガーを押す。

 

 放たれたミサイルが隕石を破壊した。

 

 生体エネルギーを与えていた隕石がなくなったことで怪獣マグニアの優位性がなくなる。

 

 ティガはマグニアを投げ飛ばして光線を放った。

 

 光線を受けたマグニアは大爆発を起こす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 マグニア、隕石の寄生体から解放された人々は元通りの生活を送っている。

 

 親子で村の中を歩いている姿をエザキミチルは眺めていた。

 

「思い出したの」

 

「え?」

 

 傍にいたホリイへミチルは口を開く。

 

「小説のラスト」

 

「やっぱり、人類は滅びるんか?」

 

「絶望の中、二人の男女が立ち上がるの。彼らは地平線を目指すの、様々な苦労を乗り越えて」

 

 ホリイへ距離を詰める。

 

「恋に落ちる」

 

 そういってミチルはホリイの頬へキスを落として離れていく。

 

 呆然とホリイはその頬を触る。

 

 シンジョウはあ、あ、とホリイとミチルを指す。

 

「泣いちゃう?」

 

「うん」

 

「おーよしよしよし」

 

 ホリイ隊員をみて泣き崩れるシンジョウ隊員、それを慰めるレナ隊員。

 

「どうやら惚れ薬は成功していたようだな」

 

「小説にしたら売れるかもしれない惚れ薬っすよ……すっご」

 

 にこにこしているホリイへダイゴが駆け寄ってくる。

 

「ホリイさん」

 

「あ、あぁ」

 

 笑顔を浮かべて去っていくミチルの姿をホリイは見続けた。

 

 後に、二人は正式にお付き合いをはじめるのは別のお話だ。

 




ティガでダイゴよりも印象の強い、ホリイ隊員とシンジョウ隊員、ぼくにとってホリイ隊員の人間としての強さが一番、伝わってきたのがこの話なんですよねぇ。

あれから恋人関係へしっかりと発展しているから、恋愛というのは凄いと思いますよ。

次回は恐竜たちの星を予定……。

しばらく、八幡、影が薄くなるかもしれません。
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