やはり俺がGUTSにいるのはまちがっている。   作:断空我

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暗黒の支配者

 

 

 ゾイガーは一体だけでなかった。

 

 奴が現れた場所から次々と出現して世界各地でその猛威を振るっていく。

 

 同じころ、ゾイガーが出現した海域では異変が起きていた。

 

 空を雷撃が放ちながら不気味な暗雲が広がっていく。

 

「あぁああ、くそっ!何が起こっているんだよ!」

 

 ドルファーの中でシンジョウは近くの岩礁へぶつけないように必死に操っていた。

 

 海流は乱れ、底にあった遺跡が次々と海面へ浮上していく。

 

 設置されているカメラをみていたホリイはあるものを見つける。

 

「なんや!あの赤いの!本部!本部!」

 

 海底の遺跡の一部。

 

 崩壊したそこから不気味な赤い瞳の顔が覗いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝てると思う?私達……もし、滅びることが運命だとしたら」

 

「そんな運命なんて、変えればいい」

 

 スノーホワイトの中で話をしている二人はダイブハンガーに向けて急いでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドルファー202、応答せよ!ホリイ!シンジョウ!」

 

「海で、何かが起こっているの?」

 

「ゾイガーがメトロポリスへ襲来!」

 

 ヤズミの言葉で全員に緊張が走る。

 

 都市を破壊するゾイガーから逃げるためにTPC職員によってシェルターへ逃げていく人たち。

 

「ウルトラマンティガがやっつけてくれるよ!」

 

 子供がゾイガーに向かって叫ぶも母親に手を引かれてシェルターへ入っていく。

 

「日本だけじゃない!世界の状況を!」

 

 ヤズミが次々と映像を流す。

 

 燃える主要都市、その上を飛行するゾイガー。

 

 海外では結成された特殊部隊がゾイガーと戦う。

 

 しかし、ゾイガーの速度に圧倒され配備されていたウィングは次々と撃墜されていく。

 

「TPCアフリカのブルートルネード小隊全滅」

 

 ヤズミの言葉で誰もが沈黙する中、アラートが鳴り響く。

 

「そんな……」

 

 ヤズミが狼狽えた声を出す。

 

「どうした」

 

 隣にいた八幡が尋ねる。

 

「ありえない!」

 

「何が起こったの?」

 

「この基地に何かが侵入しました!」

 

「なんだって?」

 

 サワイが尋ねる。

 

「侵入者?エイリアンか何か?」

 

「違う、なにも破壊されていないしセキュリティも動作していない。質量も反応しないなんて、こんなの変すぎる!」

 

「どうした、しっかりしろ、ヤズミ!」

 

「基地の地下から何かが上がってくる!」

 

 嫌な予感が八幡、皆の胸中に広がり始めた。

 

「基地が闇に閉ざされています」

 

 作戦司令室にダイゴとレナが戻ってくる。

 

「なんですって!?」

 

「そんな!ありえない!」

 

 バチン!音と共に照明がダウンする。

 

 あり得ない事態にヤズミが狼狽えた。

 

 科学的に証明できない事態。

 

「うろたえるな!ヤズミ!」

 

 リーダーの喝が轟く中で八幡が立ち上がる。

 

「サブシステムに切り替える」

 

 操作を終えるとシステムが再起動して室内の照明も灯る。

 

 その時、ヤオ博士が慌てた様子で室内へやってきた。

 

「F4ドックが大変なんだ!」

 

 ヤオ博士の話によると地下から不気味な煙のようなものが噴き出しているという。

 

 地下の警務局が対応しているが対処できないらしい。

 

「ドックの人たちはアートデッセイへ避難させている。アートデッセイをハンガーへ引き上げてくれ!」

 

「私が……八幡君」

 

「F4ドックのハンガー操作権を渡します」

 

 八幡が退いてレナがアートデッセイ号を動かす。

 

「アートデッセイをハンガー2へ引き上げます」

 

「下層の警備班に連絡をつないで」

 

「D3ブロック、応答してください!D3ブロック!」

 

 イルマの指示でヤズミが連絡回線を開くが相手からの応答がない。

 

「自分が行きます、ダイゴ!八幡」

 

「うす!」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 三人がD3ブロックに続く通路を目指す。

 

 八幡の手にはDUNKショットⅡが握られていた。リーダーはGUTSライフルを構えていた。

 

「あ、あぁああああああ!」

 

 F-7の狭い通路、警務局の隊員と少し遅れて隊員を背負っているメディカルセンターの職員の姿があった。

 

 その後ろから闇が迫っていた。

 

 先を走る隊員が転び、後ろを見て悲鳴を上げる。

 

 悲鳴に怯えた表情を浮かべながら二人は急いで闇から逃げようとしていた。

 

 

「やめろぉぉぉぉおおおお!」

 

 その姿を見た八幡はDUNKショットⅡを放つ。

 

 走りながら狙撃を続ける。

 

 途中でDUNKショットを放り投げて二人へ手を伸ばす。

 

「ハッチー……」

 

「急げ!」

 

 驚く由比ヶ浜ともう一人を連れて走る。

 

 もう一人はダイゴが抱えた。

 

 殿を務めているムナカタがGUTSライフルを撃つも闇は止まらない。

 

 ムナカタは壁のボタンを押す。

 

 背後の隔壁が音を立ててしまっていく。

 

「リーダー!」

 

 隔壁が完全に締まる直前でリーダーが戻ってくる。

 

「ひとまず闇は封じ込めた……」

 

「ハッチー……」

 

「お前、なんで」

 

「ケガをした人がいて、その人の様態を見に、下へおりたの、そうしたら」

 

 どうやら偶然にもこの騒動に巻き込まれてしまったらしい。

 

 とにかく彼女が無事でよかった。

 

 八幡が安堵しているとダイゴ隊員の叫びが聞こえる。

 

 降りた隔壁の隙間から闇が漏れていた。

 

「どうやらこの闇は物理的に止められないようだな」

 

「避難するぞ」

 

「由比ヶ浜、行くぞ、反対側を持ってやるから」

 

「う、うん」

 

 リーダーはPDIで作戦司令室へ連絡をつなぐ。

 

「隊長。このままでは闇が基地全体を覆いつくしてしまうのも時間の問題です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 地下の闇が段々と広がりつつある。

 

 基地を放棄しなければならない状況にヨシオカは顔をしかめた。

 

「この基地を捨てて逃げ出せというのか?許さん」

 

「そんなことを言っている場合ですか!総監、指示を!」

 

「人命が第一だ。一般職員をアートデッセイへ避難してくれ」

 

「警務局は残るぞ。この基地をやすやすと明け渡したりはしない」

 

「わかりませんか!この異様な空気!」

 

 

 

 基地内にアラートが鳴り響く。

 

 全員が急ぎアートデッセイ号に向かう。

 

 街は既に崩壊して多くの人達が避難している。

 

 TPC職員が外へ出ようとしている人たちを止めようとしていた。

 

「アンタら、いい加減にしなよ」

 

 外へ出ようとする人たちに弟と妹を連れて避難していた川崎が怒鳴る。

 

「外は危険なんだ。アンタらが勝手に出たら他の人たちにも迷惑がかかるってこと、わかんないの?」

 

 川崎に言われて顔をしかめながら後ろへ下がる。

 

 彼女の剣幕に負けたのだろう。

 

「姉ちゃん」

 

「大志、しっかりしな。アンタは男なんだから……アイツの妹もいるんだからね」

 

「う、うす!」

 

「お兄ちゃん……」

 

「だ、大丈夫っすよ。比企谷さん、お兄さんはきっと……」

 

 不安に揺れる小町へ大志は強く言う。

 

「さーちゃん?」

 

「大丈夫だよ。けーちゃん。あのお兄ちゃんが守ってくれるからね」

 

「うん!」

 

 愛する妹に微笑みながら川崎沙希の瞳は不安そうに揺れた。

 

 少し離れたところでイルマの息子、トモキがパソコンを操作していた。

 

 何とか母親にメールをつなごうとするもエラーばかりだ。

 

「……メールもダメか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「隊長!」

 

「総監、早く避難をしてください」

 

「アートデッセイ、ハンガーに入りました。職員の避難もほぼ完了しました」

 

「マキシマオーバードライブを起動してくれ。急がないと発進することもできなくなる」

 

 ダイゴ達が作戦司令室へ戻る。

 

 ヤオの指示でレナがアートデッセイを遠隔操作で起動する。

 

「サワイ、行け」

 

 机に手を置いてヨシオカは言う。

 

「この基地には俺の心血が注がれている。こいつは動かなくても俺の船のようなものだ。最後まで」

 

「バカ野郎!苦労はいつだってできる、生きていればな」

 

 サワイの怒鳴り声にヨシオカは驚いた顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 海底で動きがあった。

 

 そこで眠っていた奴が動き出したのだ。

 

 遺跡を倒壊させながらソレは現れる。

 

 

「太平洋上に怪獣が出現!」

 

 スクリーンに現れたのは恐ろしい異形の怪獣。

 

「これが闇の支配者……世界を暗黒に塗りつぶす」

 

「滅びの闇」

 

 ダイゴが呟いたとき、

 

 ヤズミや八幡の背後の電源が火花をまき散らす。

 

「な、なんだよ、これ!?」

 

「システムがやられたんだ……ヤズミ、離れろ!」

 

 八幡がパソコンからヤズミを引きはがす。

 

「衛星回線が使用不能になりました!」

 

 正面スクリーンがブラックアウトする。

 

「なに、これ!」

 

 足元を見たレナが叫ぶ。

 

 床から闇が噴き出していた。

 

「ここまできたか、隊長!」

 

 ダイゴがレナを入り口側へ引き寄せる。

 

 八幡もヤズミを引っ張りやってきた。

 

 噴き出した闇がコンピュータへ触れた途端、オーバーヒートを起こし、コンピュータや電源から小さな爆発が起こる。

 

「文明を滅ぼす闇……こんなの、ありか!?」

 

 闇はすべての文明を破壊する力を持っていた。

 

「GUTSの隊長として命じます!全員、アートデッセイ号へ搭乗しなさい!」

 

「ヨシオカ!」

 

「生きている限り命令には従おう。警務局にも避難させる!!」

 

「行きなさい!」

 

 照明が落ちた室内から出ていく。

 

 レナは振り返り叫ぶ。

 

「ダイゴ!」

 

「ダイゴ隊員!?」

 

「どうした!」

 

 闇が室内を覆う中、ダイゴは立ち止まっていた。

 

「……僕は……一人で行きます」

 

「駄目!」

 

 ダイゴの言葉にレナが叫ぶ。

 

 彼のやろうとしていることに気付いたレナは止めようとしていた。

 

「先に行ってください」

 

「いや、しかし!」

 

 渋るサワイ総監にイルマは先へ行くように促す

 

「お願いします」

 

「わかった……行こう!」

 

 頷いて急ぐ総監。

 

 作戦司令室にはイルマ、レナ、八幡、そしてダイゴが残った。

 

「最初にウルトラマンをこの目で見た時、私は神に出会えたと思った。人類を正しい方向に導いてくれると、でも違ったのね。それが段々とわかってきたの。ウルトラマンは光で、人、なのね」

 

「隊長……」

 

「もしかして」

 

 レナと八幡はイルマがティガの正体を知っていることに気付いた。

 

「だから、あなたは勝ち目のない相手に立ち向かっていく義務なんてないのよ」

 

「……勝ち目がないなんて、わかりませんよ」

 

 ダイゴはいう。

 

「そうね……私も運命なんて信じないことにしたの。だから、必ず勝って、人として」

 

「そんな!」

 

「ダイゴ隊員」

 

「八幡君」

 

 いつもと変わらない笑顔でダイゴは言う。

 

「皆を頼むよ」

 

「……こんな俺に無茶なこと言いますね……わかりました。戻ってきて、くださいね」

 

「ダイゴ!」

 

「レナ!……みんなを基地から救い出すのが仕事だろ?」

 

「いいわね、必ず勝って!ティガ!」

 

「ダイゴぉぉぉ!」

 

 イルマと八幡がレナの手を引いて作戦室を出る。

 

 ダイゴはスパークレンスをかざす。

 

 闇に覆われた室内に光が輝く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな無事か?」

 

 アートデッセイ号の操縦ルームへサワイが入る。

 

「格納スペースまで職員でいっぱいだ」

 

「まるでノアの箱舟だな」

 

 ヤオの言葉の後、ヤズミが慌てた様子で叫ぶ。

 

「ハンガー2まで闇が迫っています」

 

「サワイ、イルマ達は何をしている?」

 

 その時、扉が開いて、イルマとレナ、八幡がやって来る。

 

「遅くなりました!」

 

「レナ!急げ、操縦がお前の仕事だ」

 

「はい!」

 

「システムサポートに入ります。ヨシオカ長官、そこすいません」

 

「頼むぞ」

 

 ヨシオカの隣へ腰かけてシステムサポートを開始する八幡。

 

「チャージング臨界90秒、あと少しです」

 

「システムに異常ありません」

 

「隊長、知っていたんですね」

 

「力を信じるの……ティガだけじゃない、私たち人類の力も」

 

「アートデッセイ号、発進します」

 

 

 

 

 

アートデッセイ号を安全なところへ着地させたとき、一人、作業をしていたヤズミが声を上げる。

 

「地上波のアナログ回線が生きていたのでスクリーンに回します」

 

「やるな、ヤズミ」

 

「まぁね」

 正面スクリーンでは闇の支配者と戦うウルトラマンティガの姿があった。

 

 ウルトラマンティガの技がことごとく通用しない。

 

 それでも立ち向かっていくウルトラマンティガ。

 

 ティガの体を光線が貫いた。

 

「ダイゴぉぉぉおおおおおおおお!」

 

 レナ隊員が目を見開いて叫ぶ。

 

 彼女の悲鳴にヤズミや周りの人間が驚いて目を見開く。

 

「……ダイゴさんがティガ?」

 

「そうか」

 

 光線を受けたティガは石になった。

 

 彼らの見ている前で闇の支配者の触手によって石となったティガは深い海の底へ落ちる。

 

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