映画は徐々に書いていきます。
ウルトラマンティガが負けた。
その映像を見ていた誰もが茫然自失になってしまう。
日本だけでない、世界中の人達が絶望していく。
「もう、終わりだ」
「そんなの、嘘だ!」
大人の言葉にトモキが叫ぶ。
「ティガ……」
ティガの人形を握り締めている男の子が呟く。
「ティガは負けたんだぞ」
「そんなの、信じないもん」
別の子からの言葉に耳を貸さず、その男の子はティガの人形を握り締める。
「カチュア、ウルトラマンは死んだんだ」
ある場所ではティガの姿を模した木の板を持っている少女から奪い、父親が諭す。
そんな父親からティガの板を取り返して少女は言う。
「死んでいない、ウルトラマンは死んでいないわ!」
「やばいっしょ、こんなの、もう世界の終わりっしょ!?」
「はぁ?何言っているのよ!アンタ!」
泣き言を抜かす戸部に三浦が胸倉をつかむ。
「乱暴はいけないよ。優美子」
横から伸びてきた手が彼女の腕をやんわりと掴む。
睨もうとした三浦は目を見開く。
「まだ終わりじゃないさ、彼らがいる」
葉山隼人の言葉に彼らは驚いていた。
「大丈夫?留美ちゃん」
「はい」
一色いろはは避難の途中で助けた鶴見留美と共に避難シェルターへ来ていた。
二人は携帯から流れている映像を見ていた。
「どうなる……のかな?」
「先輩たちがなんとかしてくれるよ」
留美の言葉にいろははそういう。
二人の目はまだあきらめていなかった。
俺達はアートデッセイ号の中で話をしていた。
「ヤオ博士の作り出したシステムでウルトラマンティガに光のエネルギーをぶつければいいと思うんです」
「単に光を物理的にぶつければいいだけじゃないさ」
「でも、何かをしないと。俺達はまだ負けたわけじゃないんですから」
――その通りだ。あきらめるな。
俺の頭に声が響いた。
この声は。
「石像の技術は解明されていなかったな」
サワイ総監にヤズミが首を振る。
「いえ、一人だけ、石像を光へ変えた人物がいます。悔しいですけれど」
「マサキ・ケイゴか」
「奴をここへ連れてきて、頭の中にある力を借りれば、ウルトラマンティガを元に戻すことができるかもしれない」
「よぉ」
ドアが開いて入ってきたのはハヤテ隊長だった。
「ハヤテ」
「とんだ落ち武者どもだな」
「そんな言い方はないだろう」
ハヤテ隊長の言葉にヨシオカ長官が反論する。
「他の奴らは?」
「ホリイさんとシンジョウさんはドルファーで海上へ」
「ダイゴは?」
「あそこよ」
イルマは正面スクリーンに映されている石像にされたティガを指す。
「アイツがティガ?」
「それより、よく、ここがわかりましたね」
「変な奴に道案内されてな。こいつらを連れてきた。入れ」
ハヤテの合図で扉が開き、四人の人間がやって来る。
雪ノ下雪乃、タンゴ・ユウジ、雪ノ下陽乃、そして。
マサキ・ケイゴ。
「マサキ・ケイゴだ」
ヤズミが驚きの声を漏らす。
「雪ノ下、お前」
「こんな状況で再会するなんて思わなかったわ、比企谷君」
「やっはろー」
「よく、こんなに早く」
ヤオ博士がマサキ・ケイゴに近づく。
「キミが組み立てたマシン」
「光遺伝子コンバータ?」
「その原理を知りたい。石像になったティガを復活させたい。エネルギーユニットはあるんだ」
「そんなもの、あるんですか?」
タンゴ博士の質問にヤオ博士は頷く。
「あるよ、私たちの足元に」
ヤオ博士は足元をたたく。
「素晴らしい能力ですね」
「僕も、最近、そう思うようになりました」
シンジョウ・マユミはここまで誘導することを手伝った男、キリノ・マキオへいう。
「最も、そう思うようになったのは彼らがいたからですけど」
キリノ・マキオはこちらへ手を振っている親友。材木座義輝と戸塚彩加がやってくる。
「どこへいくんですか?」
「まだやることがある」
「さ、行きますぞ!マキオ殿!」
「義輝君、せかしすぎだよ」
そういって彼らは歩いていく。
「キミのひらめきは素晴らしいものだ」
「僕も一緒にいっていいかな?」
マキシマ・ユニットを見ながらマサキ・ケイゴが唐突に言い出す。
「光遺伝子コンバータの動作は僕もただ一度しかやったことがない。僕の手で調整したいんだ」
「このユニットは人が乗れるようにできていないわ」
「命の保証はできねぇぞ」
「……あの、少し、いいでしょうか、あの、その」
俺たちの間にタンゴ博士が割り込む。
「僕がいえるようなことでは全然ないんですけれど、マサキさんは間違っていた。ま、マサキさんなりに、この世界の生末を案じての行動だったんです。もちろん、間違いだったわけですけれど、それでも!」
「行きましょう」
レナ隊員が前に立つ。
「やれるだけのことをやりましよう。やるしかないんです。私たちは」
「そうね……総監、行きます」
「頼む」
イルマ隊長の言葉に俺達は頷く。
「GUTS、出動!」
『了解!』
光遺伝子変換システムを搭載したマキシマ・ユニットを目的の海域まで運ぶ。
海底にいるドルファーへキリノ・マキオが指示を出し、ユニットの光でティガを復活させる。
その間、妨害が起こらないように残りのメンバーで闇の支配者とゾイガーを相手する。
「使える機体が三つだけでいけるのかしら?」
出撃前、俺は薄暗い闇に包まれた空を見ていると雪ノ下がやってくる。
「脱出のドタバタでこれだけ積んであったんだ。何もないよりマシだ」
「比企谷君、勝算はあるの?」
「そんなもの、わかるかよ」
「貴方が計算して動かないこともあるのね」
「こればかりはどうしようもない。何せ、敵が強大すぎるんだからよ」
「でも、やるんでしょう?比企谷君」
「雪ノ下さんまで来たんすか?」
「まぁ、私と雪乃ちゃんは引き立て役だからね」
「は?」
どういうことだ?
俺が困惑していることが面白かったのだろう、雪ノ下さんは笑いながら去っていく。
「比企谷君」
「なんだよ」
「生きて帰ってきなさい。でないと末代まで呪うから」
「怖いこというなよ!?」
「当然よ。由比ヶ浜さんを悲しませたら許さないから」
そういって雪ノ下は去っていく。
二人がいなくなって、由比ヶ浜がやってくる。
「ハッチー……」
「由比ヶ浜」
「これから、戦いに行くんだよね?死ぬかも、しれないんだよね?」
「…………死なないさ」
「でも、あんな怖いの相手に、勝てるの!?もし、もしかしたら」
「負けたら世界が滅ぶな。のんびり過ごすってことも、お前とこうして……」
少し震える手で俺は由比ヶ浜を抱きしめる。
「こうして触れ合えることもできなくなる。そんなことは嫌だろ?」
「ハッチー……帰って、きてね」
「当たり前だ。俺はまだまだやりたいことがあるんだ」
「帰ってきたら……き、キスしてあげるから」
おい!?
「お前はなんという死亡フラグを!?」
「し、死亡フラグなんて知らないよ!とにかく、帰ってきてね!絶対だから、あと、戻ってきたら結衣って、名前で呼んで……絶対だよ!?」
コイツ!?
次から次へとフラグを立てるなよ!!
「わ、わかった!約束だ」
「絶対だから!」
最後に強く抱きしめて、由比ヶ浜は離れていく。
俺は置いてあったヘルメットを手に取る。
「あー、八幡」
「……ヤズミ、見ていたな?」
「ごめん」
扉の陰からひょことヤズミが姿を現す。
「全部終わったら殴るからな」
「悪気はなかったんだよ!とにかく……そろそろ時間だから行こう」
「あぁ、しかし、お前も現場に出るなんてなぁ」
「マサキさんのサポートだよ。それより大丈夫なの?ウィング一号で」
「俺以外にもハヤテ隊長だっている。そうそう撃墜されないさ。これでもお前より操縦技術は上だからな」
「そうだね。八幡なら大丈夫だ」
「お前、死亡フラグを立てるなっての!」
「折ればいいのさ!」
「……全く」
ため息をこぼして俺は顔を引き締める。
「行くぞ」
「うん」
「この闇が人間を終わらせちまうのかよ」
「闇は人間の心にあるもんや、けどな。人間の中には闇だけやない。光もあるんや」
「名言だな。誰からパクった?」
「ほっとけ」
『諦めるにはまだ早い』
ドルファーの中に響いた声。それにシンジョウが呟く。
「天使か?」
「アホ、誰や?」
『ダイゴ君から光をもらった者とでもいっておくよ。いいか、これからあるものがやってくる。それを使ってオペレーションするんだ』
「何をオペレーションすればいい?」
『石像になったティガに光を与えるものだ』
アートデッセイ号の中にあったマキシマ・ユニットをガッツウィングEX-Jに搭載作業を終える。
マキシマ・ユニットの中にはマサキ・ケイゴが乗り込んでいた。
EX-Jの左右に並ぶハヤテ隊長が乗ってきたコスモアタッカー、そして俺が乗るガッツウィング一号。
もう少し戦力が欲しいところだがギリギリの脱出だったことで運よく搭載されていたこの二機があったことが救いだ。
乗り込みシステムチェックを行う。
『八幡、準備はいいか?』
「いつでも、どうぞ」
『発進します』
「一号、続きます」
レナ隊員の言葉と共に三機は闇空へ飛び立つ。
目的地は闇の支配者がいる海域。ティガが沈んだ場所だ。
「見えました!あれが闇の支配者……」
「マサキさん、まもなく到着しますよ!」
『あぁ』
三機は目的の海域へ到達する。
『ベータ機。発進するわ』
「自分が変わりたかったです」
ムナカタの言葉にベータ機にいるイルマが苦笑する。
『私だって、たまには前に出たいのよ』
『足手まといにはなるなよ?』
『それ、ハヤテ隊長にも返します』
『いうようになったじゃないか。八幡』
EX-Jを守るようにウィング一号とコスモアタッカーが前へ出る。
少し遅れてEX-Jベータ機も続く。
『くれてやるぜ!』
『お返しだ』
レーザー攻撃を闇の支配者へ直撃する。
旋回しながら再度、攻撃を仕掛けていると闇の支配者を守るようにゾイガーが現れる。
ゾイガーはハヤテ隊長の乗るコスモアタッカーへ近づいていく。
イルマの乗るベータ機がゾイガーを背後から狙う。
レーザー攻撃を受けたゾイガーは反転してベータ機を追いかけようとした。
『こいつでもくらえ!』
八幡のウィング一号からHEAT弾が発射され、ゾイガーの背中に直撃した。
『なめやがって』
後ろからハヤテのコスモアタッカーの攻撃がゾイガーへ降り注ぐ。
三機が戦っている場所から少し離れたところでアルファ機がマサキ・ケイゴの乗るユニットを海面へ降下する。
「マキシマ・ユニット、降下します」
「マサキ。頼んだぞ」
『ハヤテ、翼の付け根を狙うのよ!』
『ご教授感謝するぜ』
三機からの攻撃を受けてゾイガーの羽が千切れて、海面へ落ちる。
起き上がろうとするゾイガーへウィング一号は残っていたHEAT弾の一発をロックする。
『プレゼントだ。受け取れ』
コスモアタッカー、ベータ機のレーザー攻撃、HEATの直撃を受けたゾイガーは断末魔を上げて海面に崩れ落ちた。
三人はそれぞれサムズアップしながら作戦を続ける。
海底では待機していたドルファーの前にマキシマ・ユニットが降りてきた。
「きた!ほんまにきよった!」
「夢じゃなかったんだ!」
『ドルファーでユニットの照射角度をティガへ向けてくれ』
指示を受けてドルファーから特殊アームが飛び出す。
「しっかりキャッチしてくれよ」
「任せなさい!」
ホリイが操作してユニットをつかむ。
シンジョウがドルファーを操りティガの方へ近づいていく。
「ティガの石像が見えたぜ」
「シンジョウ、もうちょっと右や」
ホリイのサポートを受けながらドルファーを操る。
「これだ……この波形だ!蘇ってくれ、ティガ!」
波形を調整したマサキの手によってユニットから光がティガへ降り注ぐ。
『ダイゴ、目を覚まして。私たちの光だよ』
『ダイゴさん……起きてください』
彼らの願いを阻むように闇の支配者が暴れだす。
『まずい、邪神が暴れだした!』
『足止めをする!』
八幡のウィング一号やベータ機、コスモアタッカーが闇の支配者へ攻撃を仕掛けるがものともしない。
闇の支配者によって乱れた海流の影響でドルファーからユニットが外れてしまう。
『光が消えていく!!』
『救出作戦は失敗のようです。もう私たちは滅びるしかないのでしようか。皆さん、さようなら』
キャスターの沈んだ声に大人たちは言葉を失う。
ティガが蘇らないのなら自分たちに未来はない。
滅びるしかないのか。
大人は諦めてしまった。
しかし。
「ティガ!!」
『ティガ!』
子供たちは違う。
諦めていない。
ウルトラマンは負けないと。
彼らの思いが奇跡を起こす。
子供たちの体から光があふれだす。
日本だけではない。
アメリカ。
イギリス。
フランス、
ドイツ、ロシア、ブラジル。
世界中の子供たちが光になっていく。
「ちょっ、やっべーしょ、ナニコレ!?」
「子供が光っている」
「みんな、諦めていないんだ」
「光……綺麗」
「きれい!」
みんながウルトラマンのポーズをとり、光となってティガのいる場所へ向かっていく。
「光が……光がいっぱい」
「これ、全部、人間の?」
レナや八幡が驚く中。
海底にいるダイゴのもとに子供たちによって光が届けられる。
「これが、これが光なんだ!」
ダイゴは光へ手を伸ばす。
眩い光と共に海底からウルトラマンティガが姿をみせる。
「ティガが!ダイゴさんが蘇った!」
ウルトラマンティガは闇の支配者に立ち向かう。
ティガは一人じゃない。
光を届けてくれたもの。
多くの者たちと共に戦っている。
「僕がティガだ!」
「私がティガよ!」
「僕が……ティガになっている!」
「私もティガの中に」
「凄い……これが光なんだ」
レナや八幡、多くの者たちがティガとして戦う。
多くの者たちの光を集めたティガの攻撃が闇の支配者を倒す。
支配者が消えると闇に包まれていた空が元の青空へ戻る。
それを見届けたティガは光となって消えていく。
「人類、すべての勝利だよ」
「まだまだ人間の知らない世界がある……これからですよ、総監。俺達にはやるべきことがいっぱいある」
アートデッセイ号の中でサワイとハヤテは互いに頷きあう。
戦いは終わった。
しかし、人類はまだまだやるべきことがある。
これからも人類は歩み続けるのだと。彼らは強く決意した。
「ダイゴ!」
「ダイゴさん!」
「ダイゴ!」
アートデッセイの外、戻ってきたダイゴ隊員とレナ隊員が抱き合う。
「うわぁ」
「お熱いことで」
驚くヤズミとあきれた様子の八幡。
「レナの声……聞こえたよ」
嬉しそうにレナはダイゴを抱きしめ返す。
ダイゴは服の中からスパークレンスを取り出してレナに渡す。
スパークレンスは石となっていた。
受け取った彼女の手の中にあったスパークレンスは消えていく。
「もう、ウルトラマンにはなれないね」
「人間はみんな、自分自身の力で光になれるんだ。レナもなれただろ?」
レナが頷く。
その様子をうかがっていたシンジョウが声を上げる。
「よぉし、みんな、記念写真を撮りましょう!」
「記念すべき歴史の一ページや!」
「あ、じゃあ、俺が写真を撮りますよ」
シンジョウからカメラを受け取ろうとする八幡。
その手をやんわりと止めてカメラをヤズミへシンジョウは差し出す。
「いいって、ヤズミ!お前がとれ」
「えぇ?!」
「私が撮ってあげますよ」
由比ヶ浜がカメラを手に取る。
ダイゴとレナを中心にして肩を抱き合うヤズミと八幡。
シンジョウとホリイ。
腕を組むイルマとムナカタ。
「一たす一は!」
『にぃ~~~!』
パシリとカメラのシャッターが押される。
写真の中の全員が笑顔を浮かべていた。
とにかく、ここまできました。
映画の話も少しずつですが書いていますので待っていただけると幸いです。