やはり俺がGUTSにいるのはまちがっている。   作:断空我

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連続投稿します。

超古代文明の崩壊に独自解釈を加えております。


THEFINALODYSSEY

 ダイゴはムナカタと話をしてある場所へ来ていた。

 

 そこは一般職員が立ち入ることを許されないGUTSの保管庫。

 

 過去にGUTSが遭遇、回収した物質やアイテムなどが厳重に保管されている。

 

 ピザーモが乗ってきた隕石、巨人の砂、アークが詰まった容器など。様々なものが置かれている。そして、ダイゴがここへやってきたのは三角錐のカプセル。

 

 このカプセルこそ、全ての始まりであり、超古代文明の存在を証明したもの。

 

 ダイゴはカプセルへ触れる。

 

 長い調査を行ってきたがこのカプセルについて詳しいことは結局、わからないまま。

 

 何よりマサキ・ケイゴの事件において超古代文明、ひいては巨人の謎の解明にサワイ総監の厳命によりストップがかけられ、ここに保管されている。

 

「ユザレ、僕はみた……黒い、僕を!」

 

 訴えるようにダイゴはカプセルへ手を伸ばした。

 

 その時、カプセルが動いて目の前にある映像を映し出す。

 

 映し出されたのは超古代文明の都市。

 

 全てが炎に包まれている。

 

 そこに人や生き物の類は存在しない。

 

 何もかもが滅びに支配されている世界。

 

「これは……」

 

 ダイゴの前で映像の中に三体の巨人が現れる。

 

 その巨人は白昼夢でみた存在。

 

 巨人の後ろ、さらにもう一人現れた。

 

 漆黒のティガ。

 

 ティガの姿を見て女性の巨人は微笑むように寄り添う。

 

 何が起こっているのかダイゴが理解しようとする暇もないまま、カプセルが音を立てて砕け散った。

 

「ようやく思い出したようね」

 

 聞こえた声にダイゴが前を見る。

 

 暗闇の中から三人が現れた。

 

 一人は屈強の肉体を持つ大男。

 

 もう一人は細身で舌なめずりしている。

 

 最後の一人。どこか巫女という雰囲気を持つ女性。

 

「お前達は」

 

「シャアア!」

 

 細身の男が俊敏な動きでダイゴに襲い掛かる。

 

 初撃は防ぐも相手の動きで翻弄された。

 

「マーイフレンド!」

 

 男がダイゴへ強力な一撃を叩き込む。

 

 あまり強い一撃で動けないダイゴはそのまま持ち上げられてクレーンに吊るされ、何度も拳を叩き込まれる。

 

「もういい!」

 

 女性の言葉で大男は攻撃をやめる。

 

「三千万年前、貴方に裏切られながらも私はずっと貴方のことを思っていた」

 

 女性、カミーラは微笑む。

 

「貴様ら、隊長をどうした」

 

「あの女も受け継いでいるのよ。地球星警備団団長ユザレの遺伝子を」

 

 憎悪に顔を歪めるカミーラ。

 

「でも、ダイゴだけは許してあげる。私達と同じ闇の力を手にすれば」

 

 微笑みながらカミーラはダイゴへスパークレンスをみせる。

 

 闇のスパークレンス。

 

「僕は……」

 

 スパークレンスを見ながらダイゴは叫ぶ。

 

「僕はお前達と違う!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダイゴ隊員、目立った外傷はないんです」

 

「レナは?」

 

「ダイゴさんに付き添っています」

 

 メディカルルーム。

 

 そこで俺達は死んだように眠っているダイゴ隊員と付き添っているレナ隊員の様子を見ていた。

 

 マユミさんや由比ヶ浜の話によれば目立った外傷はないという。

 

「ヤズミ、監視カメラは?」

 

「何も残されていませんでした」

 

「明日、ルルイエの遺跡へ一斉攻撃を行う」

 

「多分……これがGUTSの最後の、任務や」

 

「出動準備に入れ」

 

 リーダーの言葉で俺達はメディカルルームを出ていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 燃え盛る超古代文明の都市。

 

 炎と悲鳴が飛び交う街へ踏み込んでいくのは大量のゴルザ。

 

 突如、現れた闇の仕業だった。

 

 闇は恐ろしい怪獣達を生み出し、人々に恐怖と絶望を与えていく。

 

 ゴルザ達は尻尾や熱線で街を破壊する。

 

 破壊の限りを尽くす中に現れるのは光の巨人。

 

 世界を覆いつくさんとする闇に対抗するように光が人の前に降臨。

 

 光は戦士たちを選び、戦士たちと同化することで光の巨人に変身する。

 

 沢山の光の巨人がゴルザ達と戦った。

 

 しかし、人は過ちを繰り返した。

 

 いつからか巨人同士が争いを始める。

 

 光の力で多くの人達を生かすためなのか、別の理由があったのか。

 

 巨人たちは争い多くの戦士たちが命を散らした。

 

 その中、人々も生きることを放棄していく。

 

 ギジェラ。

 

 超古代文明の理想郷に生まれた花々の花粉を浴びた人たちは生きることを諦め、毎日、夢の世界に住まう。

 

 争うことすらなくなり光の巨人たちはその役目を放棄して地球を離れていく。

 

 それと同時に四体の闇の巨人が現れて争う巨人たちを滅ぼした。

 

 ギジェラによってもたらされた滅びの闇により超古代文明は滅びる……はずだった。

 

 四体の巨人のうち、一人がユザレと出会い、三体の力を吸収して光に変えたことで光の戦士へと戻り、滅びの闇をはじめとする脅威をルルイエの遺跡へと封じ込めた。

 

 そして生き残った三体の巨人は自らの体を金色のピラミッドに封印。本来の光となって地球を去る。

 

「そんな……」

 

 ダイゴが拳を握り締める。

 

「最後は巨人同士が争って、滅びたというのか?そうなのか!?ユザレ!!」

 

 洞窟の中からユザレが現れる。

 

「カミーラ、ダーラム、ヒュドラ、この三体が復活した時。私の施した結界がルルイエを覆いつくし、百年の間、彼らを閉じ込める。だが」

 

 ユザレがダイゴをみる。

 

「ダイゴが再び闇の力を手にした時、結界は破壊されて、三人は無敵となり闇に包まれるでしよう」

 

「でも、僕がいかなくても百年経てば奴らは解き放たれてしまう!」

 

「人の心から闇が消え去ることはない」

 

 苦悩するダイゴは叫ぶ。

 

「僕はどうすればいい!?」

 

「ダイゴ、貴方は光であり人である。答えは自分自身で出さなければならない」

 

 

 

 

 ダイゴが目を覚ますとこちらを見つめているレナの顔があった。

 

「レナ……ごめん、心配かけて」

 

「行くんだね?」

 

 ゆっくりとやってくるレナは静かに尋ねる。

 

「また一人っきりで」

 

 起き上がったダイゴはレナに話す。

 

「イルマ隊長は生きている。だから僕が迎えに行ってくるよ」

 

「どうして、どうして、ダイゴだけが苦しまなくちゃいけないの?」

 

 光を手にした時からずっとダイゴは苦しんできた。

 

 超古代の怪獣から、宇宙からの侵略者から。

 

 最悪の闇と戦って。

 

 そして、やっと、やっと――。

 

「ダイゴ、やっと普通の人間に戻れたのに」

 

「僕は人間だから、人間として逃げるわけにはいかない」

 

「待って」

 

 レナは隠していた黒いスパークレンスを取り出して、ダイゴへ渡す。

 

「帰って来るよね?」

 

「ダイゴ、私達、結婚するんだよね?」

 

 泣くのを堪えながらレナは尋ねる。

 

「当たり前だろ?レナは待っていてくれ」

 

 ダイゴは微笑んでレナからスパークレンスを受け取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり行くんですね?」

 

 俺がガッツウィングの格納庫にいるとGUTS隊員服を纏ったダイゴ隊員がやって来る。

 

「八幡君……」

 

「ルルイエの遺跡に行くんですね?だったら、このウィングを使ってください。エネルギーは満タンです」

 

「……ありがとう」

 

「俺は」

 

 ウィングへ向かうダイゴ隊員へ声をかける。

 

「もうウルトラマンが必要ない世界が来たと思っていました。でも、まだ戦いがあって、ウルトラマンが必要になってしまった……そうならないように願っていたのに……ダイゴさん一人に重荷を背負わせるつもりはありませんから、俺達もすぐに行きます」

 

「ありがとう……僕は僕にできることをやるよ」

 

「地球は人類自らの手で守り抜けるようになるまで、まだ遠いってことか?」

 

 自嘲的に呟きながら俺は作戦室へ戻る。

 

 まだ、諦めてたまるか。

 

 これからできることを模索する。

 

 それがGUTSにいる俺ができる精一杯のことだからだ。

 

 作戦室で装備の点検をして、リーダー達と共にF4ドッグのゲートへ向かう。

 

 俺達はルルイエにアートデッセイ号で向かうことが決定した。

 

 GUTSの最高戦力ともいえるアートデッセイ号ならば、ルルイエのゾイガーと互角に戦えるはずだ。

 

 道中、ナハラ参謀に作戦の一部変更を伝えて向かっていると前方から由比ヶ浜がやってくる。

 

「ハッチー、お話があるの」

 

「奇遇だな。俺も、あった」

 

「この戦いが最後になるのかな?」

 

「さぁ、はっきりいって、人間がいる限り争いはなくならないのかも……でも、俺達は、諦めるなんてことをしちゃいけないんだよ。この世界は俺達、みんなが守らないといけないものだからさ」

 

「何か、昔のハッチーだったら絶対、言わないよね?」

 

「ああ、言わないよ。ウルトラマンと出会って、最高の仲間と出会えたから、後、す、好きな人がいるからな」

 

「……」

 

「由比ヶ浜結衣さん」

 

 敬語を使いながらも俺は緊張しながら伝える。

 

「この戦いが終わって、決着がついたら俺と結婚してください……その、返事は戻ってきてからきくからさ」

 

「バカ!」

 

 そのまま去ろうとしたら由比ヶ浜に腕を掴まれる。

 

「返事なんて待たなくていいよ!私、私、オーケーだから!だから、絶対にダイゴさんやみんなと生きて、帰ってきてね!」

 

「……おう」

 

 大好きな人の手を握り返して、俺は通路を歩く。

 

 絶対に生きて帰る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先に歩いているヤズミ達に追いつく。

 

「すいません、遅れました」

 

「八幡、ちゃんと伝えてきた?」

 

「お、おう」

 

「その様子やと大成功のようやな」

 

「何だよ。ダイゴに続いて、八幡の結婚式もみないといけないのか?」

 

「嫌やったら参加するなや」

 

「そんなこといってねぇだろ?」

 

「全員で生きて戻るぞ」

 

 リーダーの言葉に俺達は頷いた。

 

 アートデッセイ号が見えてくる場所で立ち止まっていると、レナ隊員がやってくる。

 

「私、もう二度と戦うつもりはなかった。でも、今、行かないときっと、後悔する。そんなの嫌だから」

 

「行きましよう。レナさん、隊長とダイゴさんを連れ戻しに」

 

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達はアートデッセイ号に乗り込む。

 

 正面スクリーンにヤオ・ナバン博士が映る。

 

 

『開発中の宇宙型新造艦に比べると見劣りするかもしれないけれど、まだまだやれるはずだ。改造も加えているしね』

 

「我々にとっては最高の船です」

 

『レナ隊員、結婚式、楽しみにしているよ』

 

「はい!」

 

「マキシマオーバードライブ、フルチャージ」

 

「よし、アートデッセイ号、発進!」

 

「発進します!」

 

 レナ隊員の言葉と共にアートデッセイ号はダイブハンガーを飛び立つ。

 

 目的地はルルイエの遺跡。

 

 

 

 

 

 

 ルルイエから噴き出している闇はダイブハンガーの空も覆いつくし始めていた。

 

 総監室でサワイは闇色の空を見上げていた。

 

「失礼します」

 

 ドアを開けて入ってきたのはナハラ参謀だ。

 

「GUTS隊から作戦の一部変更の連絡がありまして」

 

「許可する」

 

「は?」

 

 作戦の変更内容を伝えようとするナハラ参謀より先にサワイ総監が許可を出した。

 

 そのことに戸惑うナハラ参謀にサワイ総監が振り返る。

 

「許可する、といったんだ」

 

「は、はい!」

 

 ナハラ参謀は頷いて部屋から出ていく。

 

 入れ替わる形でヨシオカ長官がやってくる。

 

 扇子を手でたたきながらサワイ総監へヨシオカ長官は尋ねた。

 

「サワイ、奴らは勝てるだろうか?」

 

「勝つさ」

 

 ヨシオカ長官の問いかけにサワイ総監は頷く。

 

「私は必ず勝つといつも信じている」

 

 小さく微笑みながらサワイ総監はヨシオカ長官へ伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガッツウィング一号でルルイエの遺跡にたどり着いたダイゴ。

 

 暗闇の道を歩く中、ダーラムとヒュドラが現れる。

 

「本当にきやがった!とぼけていたら百年先も普通に生きていられたのによぉ、お前も普通の人間としていられたんだぜぇ?」

 

 ヒュドラがからかうようにダイゴをみる。

 

 ダーラムが拳を叩く。

 

「やはり、力が欲しいのか!」

 

「隊長は!イルマ隊長はどこにいる?」

 

「怖い顔…………でも、好きよ?ダイゴ」

 

 カミーラはダイゴの頬へ手を伸ばす。

 

「貴方は誰よりも強い闇の力を持っている。もう一度、その力を私達に見せて」

 

 ダイゴは距離をとり、スパークレンスを取り出す。

 

「たとえ人の心から闇が消えることはなくとも……僕は信じる。人間は自分自身で光になれるんだ!」

 

 叫びと共にダイゴは闇の力を解き放つ。

 

 同時にユザレが張っていた結界が音を立てて砕け散る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TPC極東本部基地の分析セクション。

 

 そこでもルルイエの異変は観測されていた。

 

「主任!ルルイエから膨大なエネルギー反応が!」

 

「何だって!?」

 

「膨大な闇が太陽光を遮断していきます」

 

 慌てる職員の中で主任のナカジマ・ツトムはキーボードをたたく。

 

「一体、何が起こっているんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 メトロポリスの町中を中学生たちが歩いていた。

 

 彼女達は空が突然、暗くなったことに怯えだす。

 

「マイィ」

 

「空が突然」

 

「「暗くなった」」

 

「……何が、起こっているの?日食?」

 

 突然の事態にミドリカワ・マイは不安そうに空を見上げた。

 

 

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