もしかしたら抜けている話を今後、足していくかもしれませんが。
お付き合いしていただきありがとうございました。
「残念でしたね。サワイ総監の命令でF計画は無期限の凍結となりました」
TPC極東本部。
そこで荷物の整理をしているナグモに俺は声をかける。
「キミか、愚かなことだよ。絶対的な防衛手段の模索を放棄しているのだ」
「絶対的な防衛ですか、それは何に対しての防衛でしょうね?」
「何だと?」
俺は真っ直ぐにナグモをみる。
この人が全ての根源だとは言わない。
だが、巨人の力を軍事兵器として利用するつもりだ。
いずれ、第二、第三の似たような思考をした人間が現れるかもしれないだろう。
だが。
「同じようなことを人は繰り返す。でも、それを止める奴も現れる。絶対的な防衛なんて、ない方がいい。本当なら誰かと誰かが武器を必要とせず手が取りあえる世界。その方が何百倍もいいと思いますね」
「理想だな」
「そうっすね。でも、理想を失ったら、終わりだと思いますね」
失礼します、といって俺はナグモの部屋を後にした。
これからTPC宇宙開発センターへ向かわらなければならい。
仲間の二人が火星に旅立つのだから。
「八幡君!」
「おい!何やってんだよ!」
「すいません、ダイゴさん、レナさん」
俺は謝罪してTPCの宇宙飛行士の格好をしている二人の前で頭を下げる。
「火星で植物を育てる計画……うまくいくといいですね」
「うん、頑張るよ。八幡君も」
「聞いたよぉ、私達の後任を育てるんだってぇ?」
レナ隊員の言葉に俺は頷く。
「ええ、GUTSメンバーのような超常現象に対処できるチームの発足が決定しましたからね。GUTSに負けない、いや、それ以上の強い絆で結ばれたチームができると思いますよ」
GUTS解散後、俺はパイロットなどを育成する訓練養成施設ZEROの教官になることを決めた。
月面基地の防衛チームや参謀昇格などという恐ろしい話もあったが、後任育成に力を入れることにしたのだ。
「お、いうようになったな!コイツ」
シンジョウ隊員に頭をグリグリとこすられる。
「そろそろ時間ですね」
「二人とも、頑張ってな」
皆で手を振ってダイゴさん、レナさんは他のメンバーと共に宇宙船へ向かう。
「ねえ、ハッチー」
俺と結衣の二人で手をつなぎながら歩いているといきなり声をかけられる。
「なんだ?」
「昔より、目の濁り、なくなったね」
「そうか?」
目元を触ってみるも変化はないような気がする。
「うん!変わった!なんかこう!光り輝いているように見える!」
「そっか」
俺は結衣の手を強く握りしめる。
同じように彼女も握り返す。
「きっと、最高の仲間に出会えたからと……その、素敵な奥さんがいるからかなぁ」
「もう!バカ~~」
ポカポカと叩いてくる彼女に俺は笑う。
この先、どんな未来が待っているかはわからない。
でも、俺達は精一杯、生きていく。
どんなことがあっても。
ウルトラマンやみんなで守り抜いた世界をこれからも生きていくために。
2017年、世界はネオフロンティア時代を呼ばれる。
TPCも様々な分野の開拓を行っていた。
十年前に起こった闇の戦いを乗り越えたことから宇宙開発も発展。
火星を人の住める惑星にできるよう開発も進んでいる。
「おら、アスカ!フドウ!取っ組み合いなんてしているんじゃない!それだけ元気なら飛行訓練をいつもの倍にしても」
「教官!それは勘弁してください!」
「すいませんしったぁ!」
「……全く、元気盛んなことは良いことだが、仲間として共に励むってことをやれよなぁ……はぁ」
「教官、ため息吐くと幸せが逃げますよ」
「アスカ・シン、お前にグラウンド十周を厳命する」
「冗談でしょ!?」
「本気だ」
「ウソぉ……」
「ほら、散った散った。もうすぐしたらお前らの試験もあるんだ。頑張って訓練に励め」
俺は肩をすくめながら彼らの後姿を見る。
「この中から一人、スーパーGUTSのメンバーになるのか、どうなるんだろうな。まぁ、ヒビキ隊長の下で指導受ければ、面白いことになるだろうな」
さてさて、今日もやることが一杯だ。
そんなことを考えながら俺は教導へ向かう。
ダイナの話もやろうかと考えますが、それはあくまでダイナの話で。
ティガの話に入れるのはどうかと思い、なしにしました。