やはり俺がGUTSにいるのはまちがっている。   作:断空我

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セカンド・コンタクト

 未知との遭遇。

 

 映画のタイトルにも使われたこの言葉は人類が今迄に出会ったことのない種族との遭遇を指す。

 

 いくら文明が進んだとしても人類は宇宙の全てを把握したわけではない。

 

 さらにいえば、この地球、この星は神秘の惑星といわれるようにまだまだ不思議に満ち溢れている。

 

 例えば、ある雲がある。

 

 それは不規則に現れては消える、謎のエネルギーを発しながら様々な地域に現れていた。

 

 TPCはその雲を調べるべくミズノ博士を含めたメンバーの調査がはじまる。

 

 本来ならホリイ隊員もその調査に同行する予定だったらしいが体調不良により欠席となった。

 

「はぁー、行きたかったなぁ」

 

「そう思うなら日々の生活をちゃんとすべし」

 

 由比ヶ浜の言葉にホリイ隊員は項垂れる。

 

 どういうわけか、俺は監視を含めて同行していた。

 

 というか、由比ヶ浜…いつの間にかGUTSメンバーと親しくなっていやがった。

 

 コイツの社交性、前よりもレベルアップしてんじゃね?

 

 由比ヶ浜に戦慄している時、呼び出しがかかった。

 

「じゃ、俺ら行くわ」

 

「うん!気を付けてね」

 

 由比ヶ浜と別れて俺とホリイ隊員は作戦室へ向かう。

 

「思うねんけどさ」

 

「はい?」

 

「お前と結衣ちゃん、付き合ったらええんちゃう?」

 

「ぶっ!?」

 

 いきなりの事に俺はコーヒーを吐き出しそうになる。

 

「な、な、な、な、何を言い出すんすか!?」

 

「いや、お似合いやと思うで~、そんな気がするわ」

 

「ないです。俺とアイツじゃ」

 

「そんなことないって、今度、デート誘ってみぃな」

 

 ええい、このぽっちゃりめ何を根拠に。

 

 少し睨むようにしていると作戦室へ到着する。

 

「いやぁ、俺も行きたかったですわぁ、調査」

 

 笑顔で入ってきたホリイ隊員。

 

 続いて俺が入ると、室内の空気がおかしいことに気付く。

 

「何か、あったんすか?」

 

 俺の言葉にやがてイルマ隊長が答える。

 

――ミズノ博士をのせた調査艇が行方不明になった。

 

「え…」

 

「嘘、やろ?」

 

 ホリイ隊員は呆然自失している。

 

 おそらく、頭の中で何が起こったのか整理しているのだろう。話によれば雲の調査で大きな危険はないという話…しかし、何が起こったんだ

 

 周りが様々な意見を出している中、やがて大きな声で叫んだ。

 

「違う!!」

 

「ホリイ隊員、落ち着いてください」

 

 俺はホリイ隊員の肩を叩く。

 

「すまん…ミズノ博士はあの雲の中にクリッターがいると考えていました」

 

「…クリッター?」

 

「人類がまだ遭遇したことのない未知の存在、ミズノ博士は彼らと交信することを望んでいました」

 

 その時、正面スクリーンにダイゴ隊員が映る。

 

 飛行機の調査でダイゴ隊員がウィング一号で出動したようだ。

 

 ヤズミが緊張した様子で叫ぶ。

 

「雲が…マユみたいな形状へ変化しました!」

 

『なんだ、これ!』

 

 スクリーンにダイゴ隊員の焦ったような声が聞こえた。

 

 話しだけを聞くと電磁波などでシステムがダウンしている様子だ。

 

 いきなりスクリーンが途切れる。

 

「ダイゴ!」

 

「シンジョウ隊員、レナ隊員、八幡隊員、ウィング二号で現場へ急行」

 

「了解!」

 

「うっす」

 

 ヘルメットを手に取って外へ出ようとするとホリイ隊員に呼び止められる。

 

「八幡、雲の状況から察するに電波がえろう乱れる可能性がある」

 

「何かあればレーザー通信を使います」

 

「頼む」

 

 そういって俺は二人の後を追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウィング二号の中で発進準備をしているとレナ隊員が呟く。

 

「パイロットコースで聴いたことがあった」

 

「え?」

 

「空には私達の知らない生き物がいるって…グレムリンっていう人もいるって…ルーキーを脅かす事だと思っていたけれど、本当だったんだ」

 

「俺は嫌だなぁ、人が知らない生き物がいるっていうの」

 

「…人間は万能じゃないっすよ、科学がまだ成長途中のように人間だって自分の全てを知っているわけじゃない。なら、まだこの世界に把握されていない生き物がいたっておかしくはない。全てを知ろうっていうのはエゴっす」

 

 俺の言葉に二人の視線が集まっていた。

 

「……すいません」

 

「いや、気にするな」

 

「八幡君って、本当に視ている所が違うね」

 

「そ、そうっすか?」

 

「うん、私達の予想していない所を見ている気がする」

 

「はぁ」

 

 やめて!

 

 恥ずかしくて八幡のライフはゼロになります!

 

 そんなことを考えている間にウィング二号は発進した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウィング二号が黒い形をした繭に近づく。

 

 近づくとやはりというべきか、計器類が狂いだした。

 

「くそっ、本部と連絡がとれねぇ、攻撃して撃ち落として」

 

「ダメ!ダイゴが中にいるかもしれない」

 

「レーザー通信で本部へ連絡を試みます」

 

 やはりというべきか、システムがダウンしている為にダイゴ隊員の安否が確認できない。

 

 ホリイ隊員にいわれていたレーダー通信で本部へ状況を報告する。

 

 その間に黒い繭は市街地に落下していく。

 

 市街地は本部から避難勧告を出してもらっていたが間に合わないな。

 

 冷静に観察していると繭の中から怪獣が姿を見せた。

 

 エイを模したような不気味な相貌の怪獣。

 

 でかい声をあげて街を破壊する怪獣を見てウィング二号が攻撃を開始する。

 

 レーザー攻撃は効果があったようで怪獣に少なからずダメージを与えていた。

 

「…なんだ?」

 

 怪獣の動きを観察していると口元に何かが集まっている。

 

「なに?」

 

 レナ隊員も同じことを気になっている様子だ。

 

 あれは、マズイ!

 

「レナ隊員!離れて!」

 

「っ!」

 

 俺の言葉でウィング二号が距離を取ろうとするが間に合わなかった。

 

 怪獣の口から放たれた光弾がウィングへ直撃する。

 

 機内に警報が鳴り出す。

 

「くそぉ!」

 

「緊急着陸します」

 

 冷静にレナ隊員がウィング二号を不時着させる。

 

 あの攻撃、プラズマ的なものだろうけれど、怪獣といえば火炎放射じゃないの?なんであんな攻撃できるの?ホント、怪獣ってえげつないなぁ。

 

「地上戦か」

 

 嫌だなぁ、ホント。

 

 ウィング二号から降りた俺達はハイパーガンを、シンジョウ隊員はDUNKショットという大型のレーザー銃を手に怪獣へ攻撃を仕掛ける。

 

 しかし、効果がない。

 

 ライドメカと比べるとという意味合いだが、あの怪獣。どんだけ強いんだ。

 

 いや、違う。

 

 人間が弱いんだ。

 

 ハイパーガンのカートリッジを交換しているとウィング一号から通信が来る。

 

 相手はホリイ隊員だ。

 

『それ以上、攻撃するのはやめてくれ』

 

「ホリイ隊員?」

 

 降りてきたホリイ隊員が攻撃中止を促す。

 

 話によるとクリッター、いや、ガゾートというあの怪獣と交渉を試みるらしい。

 

「…俺も、同行します」

 

 一人で向かおうとするホリイ隊員へ同行を求める。

 

「八幡?」

 

「ホリイ隊員一人だと危険かもしれないんで」

 

 嘘は言っていない。

 

 交渉の相手は怪獣だ。さっきのプラズマ光弾みたいなものを吐き出される危険もある。

 

 ホリイ隊員一人、死地へいかせるようなことをしたくなかった。

 

 もしかしたら、みたかったのかもしれない。

 

 ファースト・コンタクトが失敗した相手に対して、ホリイ隊員のセカンド・コンタクトが成功するのか。

 

 未知との遭遇がどのような結末をだすのか、その結果を俺はみたかったのかもしれない。

 

 嘘偽りない気持ちで挑むホリイ隊員の“本物”の答えがみたかった。

 

 ホリイ隊員と共に俺はガゾートの前に立つ。

 

「攻撃をやめてくれ!」

 

 ホリイ隊員の言葉にガゾートは動きを止める。

 

 交渉は順調に進んでいるように見えた。

 

 しかし、俺達とガゾートの前に巨大な壁、いや底なしの崖があることに気付かなかった。

 

「俺の友達を傷つけることをやめてほしい」

 

『トモダチ、タベル!』

 

「…へ?なんや、翻訳がうまくいってないんか?」

 

 困惑するホリイ隊員に対して俺は嫌な予感がむくむくとあがる。

 

 ハイパーガンを握る手に力がこもった。

 

『ホリイ隊員、クリッターは生きるために同胞を食べてきたんじゃないかしら?』

 

 隊長から伝えられる残酷な話。

 

 呆然としているホリイ隊員が見上げる。

 

 ガゾートが手をこすり合わせながら近づいてくる。

 

「ホリイ隊員!下がって!」

 

 突き飛ばすようにして前へ出た俺がハイパーガンを撃つ。

 

 同じようにレナ隊員か誰かが撃ったのだろう。

 

 ガゾートの体に複数の光弾が命中していく。

 

 止まることがない相手にハイパーガンを撃ち続ける。

 

 空になったカートリッジを射出して入れ替える。

 

 かなりの距離まで近づいてくるガゾートの狙いは、ホリイ隊員と俺、だ。

 

「(食われる!)」

 

 その時、上空からウルトラマンティガが現れる。

 

 キックを繰り出してガゾートを地面へ倒す。

 

 見下ろしているティガと目が合う。

 

「ホリイ隊員!離れますよ」

 

「お、おう」

 

 少し落ち込んだようにみえる。

 

 どうやらセカンド・コンタクトが失敗したことが少なからず応えているようだ。

 

「ミズノ博士は想像することは素晴らしいと教えてくれたんや…クリッターと出会えることは博士の夢といっていた…こんなん」

 

「未知との遭遇は何が起こるかわからない」

 

 項垂れているホリイ隊員を連れて離れる。

 

 ティガとガゾートの戦いに巻き込まれたら意味がない。

 

「ホリイ隊員やミズノ博士のように想像することは素晴らしい…誰かと手と手を取り合える世界なんて言うものが実現することを願う事もいい・・でも、現実は時に残酷です。俺達の望んでいるものとは違う結果が待っている時もある」

 

 今回のガゾートの件もそうだ。

 

 ホリイ隊員が教えてくれたが人間の使う電磁波でクリッターが変異してガゾートになったという。

 

 人類の被害者、それがクリッターだ。

 

 ガゾートはその怒りが形になった物といえばいいのだろうか。

 

 いや、違うな。

 

 人間が生み出した怪物、それがガゾートだ。

 

「せやな、でも、わいは諦めへんで」

 

「え?」

 

「いつか、クリッターや他の生物とも分かり合えることを願う」

 

 

 

 

 

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