ー第1話ー
ここは魔王城から少し離れた田舎町
青い空!輝く太陽!優しく吹く風!
少年「なんていい日なんだー!」
可愛らしい人間の少女のような容姿をした少年は鼻歌を歌い笑顔を振り撒きながら魔界の街中を歩く。
魔界といえば常に紫色の雲に覆われ、太陽はのぼらず、どこからか甲高い笑い声が聞こえてくるとイメージされがちだが実際は違う。
魔族は普通に太陽がのぼっている時間に行動するし、月が出ればベッドに入って眠る。太陽がぽかぽかと温かく、心地よい風が吹くのも大好きだ。人間となんら変わりはない。
少年「今日もけいこがあるって言ってたなー」
魔族は武道だって嗜む
少年「サボっちゃおうかな〜」
面倒くさがることだってある
少年「うん!そうしよう!」
稽古を休む決意をすると少年は元気に走り出し、駄菓子屋に入った
少年「おじちゃん!いつものやつ!」
店主「いらっしゃい、電撃キャンディね」
見るからに優しそうなカエル顔の店主は飴玉を3つ少年にわたした
少年「しゅっせばらいで!!」
店主「はいはい、これで39個滞納中だよ?」
店主がそう微笑みながら少し威圧をかけると、少年はバツが悪そうに笑った
店主「ていうか、それ本当においしいの?」
少年が絶賛どハマり中の電撃キャンディのことだ
少年「おいしいから39個も買ってるんじゃん」
店主「(お金は払ってないけどね…。)どんな味なんだい?」
少年「なんかねー。こう、ビリビリッ!ってするんだ!あっそうだ!あのね、ゆーしゃのでんげきまほうみたいなかんじがするんだー」
店主「勇者の電撃魔法くらったことあるのかい?」
少年「ないよー?だって、ゆうしゃまだ現れてないじゃん!おじさん大丈夫?変なの」
店主「そ、そうだよねー、ごめんね」
子供っていうのは憎めないものだと思いつつ苦笑いするカエル顏の店主
少年「あ、でもね!ゆうしゃがでても平気だよ!ぼくがゆうしゃをたおすもん!」
店主「そうかい、そうかい!断言しちゃうなんておじさん感激しちゃ「うわぁぁぁぁぁぁあ!!」
店主、少年「「!?」」
2人が急いで店を出ると周囲の魔族は空を見上げて唖然していた。その視線の先にいたのは、、、
店主「な、なんで、こんな所に!?」
少年「ド、ドラゴン!?」
大きな翼を持った絵に描いたような黄色の竜がそこにいた
ドラゴン「ウォォオオォオォォォォォォォ!!」
ドラゴンがすさまじい雄叫びをあげると先程まで買い物をしていた魔族たちは我先にと走り出した
店主「に、にげるよ!さぁ!」
店主も少年を連れて逃げようと声をかけたがそこに少年の姿はなく、魔族たちとは逆方向に走る背中が見えた
店主「なっ!?」
店主は連れ戻そうと試みたが大衆の流れに逆らえず少年の後ろ姿を見失ってしまった
少年は気づいたらドラゴンの方向に走っていた。何故だかは分からない、周りが逃げていく中でこれでは皆が助からないと幼い頭脳で考えたのではなく、ただ直感で動いていた。
少年(ぼくは、みんなをたすけたい!)
危なげな正義感を頼りに少年はドラゴンの下までたどり着いた
少年(大丈夫だ。ぼくはけいこばでは1番つよいし、まほうだっていっぱい使える、こんなドラゴンたおせないようじゃゆうしゃはたおせない!)
ドラゴンと目が合った瞬間、少年は両手を前に突き出し少年の歳ではあり得ない上級魔法を唱えた
少年「イオラッ!!」
その幼い体格に似合わない強烈な爆烈が放たれた!
が。
しかしドラゴン無傷。
少年「えっ!?」
眼下にいる小さい体を見てドラゴンは大きく息を吸い込んだ
少年「な、、なんで!?」
その問いに答える者はおらずドラゴンの口から火球がはなたれた
ドォォォォオオン!!!
轟音が鳴り響き火球の着弾地点には黒い炭だけが残された。
ドラゴンが大衆に目をやりもう一度大きく息を吸い込んだ!!
ドォォォォオオン!!!
またもや轟音が響いた。
しかし今度は火球ではなく、
ドラゴンが落下したものによる音だった
少年は進撃の巨人のアルミンの幼少期っぽい感じをイメージしてもらえたらと思います。