地面に横たわる黄色の竜はひどく困惑していた
なぜ、自分は地に顔をつけている?
なぜ、自分は血を流している?
なぜ、、、
なぜ、自分の背に足を乗せている者がいる?
店主「あ、あぁ、、ぁ」
その光景を目の当たりにしていた駄菓子屋の店主も同様に困惑していた
死を覚悟した瞬間、ドラゴンがいきなり地面に落下したからである
そして、ドラゴンを地に這いつくばらせた張本人を見て感激の声をあげた
店主「ゆ、勇者様…!!」
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時は数分遡り、
少年「イオラッ!!」
少年の渾身の一撃を軽く耐えたドラゴン。
しかし、その後方に大きな鷲に乗った黒服の男を少年は見た
少年「な、、なんで!?あの人がここに!?」
黒服の男は、ドラゴンの予備動作をみるや左手を少年に向け魔法を唱えた
ドォォォォオオン!!!
火球が少年に直撃するよりも速く男の左手から放たれた魔法は少年に当たっていた
少年「…あれ?」
火球が直撃すると思い身構えていた少年は肩をすかされ、また自分のいた場所が先程までとは大きく異なっていることに気づいた
少年「お、おじさん!」
少年が声をかけるとカエル顔の店主は振り向いた
店主「あぁ!無事だったかい!よかった、本当に、よかった!」
今にも泣き出しそうな店主に抱きつかれる少年
少年「く、くるしいよ…おじさん…」
店主「す、すまん!でも…なんで私より後ろにいたんだ?」
店主の率直な疑問に少年は答えることができなかった、しかし店主はその答えを自らで見つけた
店主「ゆ、勇者様…!!」
店主「そうか!勇者様のおかげか!」
少年「ゆうしゃさま?」
店主「そうとも!」
少年「にんげんがなんでぼくを助けたの?」
店主「人間の勇者じゃないさ、"魔族の"勇者様だ!」
そう、
ドラゴンの首に剣を突きつけている黒服の男こそがこの物語の主人公魔界の勇者である!
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「なんで人間のペットがこんな所にいるのかねぇ」
ドラゴン「グルルルルルルル…」
「まぁ、親父の魔力が落ちてきてるってことだよな」
ドラゴン「グワァァァアオオォォ!」
のんきに独り言を続ける男の喉元に噛みつこうとした!が、ドラゴンのその動きは男の寸前で止まり、だらんと倒れてしまった
「あ、さっきの子大丈夫かな」
「勇者様ーー!!」
店主と幼い男の子が人混みの向こうから駆けつけてきた
店主「本当に、ありがとうございます!このアホガキを助けていただいて!」
店主が深々と頭を下げると同時に少年が男に尋ねた
少年「おにいさん!つよいね!ってことは、ほんとにゆうしゃさまなの?」
店主「こ、こら!お礼を先に言いなさい!」
店主が少年の頭を下げさせようとすると、男はそれを手で制し
「いやぁ当然のことですよ」
と軽く返事した
少年「ねぇ!ゆうしゃさまなの!?」
なおもキラキラ光る目で質問をしてくる少年を見て男は
「周りの人はみんなそう言うけど、本当はどうなんだろうね?」(かわいすぎるだろっ!?)
と返した
少年「わぁ!すごい!すごい!かっこいい!」
「あはははは……」(かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい…)
このままでは新たな道を開きかねないと思った男は
「ごめん!約束の時間に遅れちゃうから…じゃあね!」
と強引に会話を終わらせ自らが使役する鷲に乗り空の彼方へ飛んで行った
少年「あーぁ、行っちゃったー」
店主「すごいお人だったね!」
少年「おじさんぼくよりこーふんしてる!こどもだな〜」
店主「うっ、うるさい!今度から出世払いは無しにしちゃうぞ!?」
少年「えぇ!?だめだよー!!!」
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魔王城周辺の空
「完全に遅刻だわ、これ」
鷲の背に乗る男の顔は青ざめていた
「親父のおしおきだけはイヤだ!飛ばしてくれ、クロ!」
クロと呼ばれた鷲はグンとスピードを上げた
魔族の勇者=魔界の勇者です。
ほら、みなさんエドソン・アランテス・ド・ナシメントのことサッカーの神ペレって言いますよね?それと一緒です。
訳どっちも主人公の通り名的なものです。分かりにくくてすいません