外伝 この理不尽な世界を……必ず破壊する!!   作:氷炎の双剣

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戦後の英雄は……

新月になった時、ヒース邸は電灯以外真っ暗となる。周りには家は無い。なので、夜襲にはもってこいである。

 

そしてその中進む者達がいた。全身黒尽くめである。

 

黒尽くめ達はヒース邸を包囲していた。

 

 

 

-ヒースサイド-

 

「今日も食った、食った」

ヒースは少し太った腹をさすりながら、部屋のベッドで横になっていた。

 

やはり、コックさんの料理は上手い。母さんには悪いけど、さすがにコックさんには勝てないやと思って苦笑いした。だがやはり母さんの手料理も恋しくなる。

 

ヒースは空に手を伸ばし、呟いた。

「母さん、俺は平和を勝ち取ったよ。カイルも父さんも無事だし、今幸せだよ。だから安心してね」

そう言った後布団をかぶり寝ようとした時、ふと不快感を感じた。

食い過ぎたかなと思い、寝返りをうった瞬間。

 

 

 

 

 

ヒース邸は爆発した…

 

 

 

 

 

-???サイド-

 

「やったか」

と全身黒尽くめの人は言った。

男か女かは分からない。

 

使用人に変装し、屋敷に大量の爆弾を仕掛けた。

そして爆破。もちろん、相手は英雄。この程度で死にはしないと思うが、負傷でもしてくれれば、上々。死んでくれれば簡単な仕事になる。まあ生きててもいつも通りやるだけだ。

 

そして、我らの全力を持って殺す!

我々は常に全力を持って任務をこなして来た。

今回も全力を尽くせば万に一つも失敗は無い。

 

すると煙の中に、人影が見えて来た。

「やはり、生きていたか」

侵入者はニヤリと不適に微笑んだ。

 

 

 

-ヒースサイド-

 

ヒースは混乱していた。

何が起こったのか?皆は無事なのか?何でこうなかった?

だが、誰も答えてくれる人は居ない。

いや、正確には答える気も無さそうな100人ほど周りを囲むようにいるが…

 

ヒースは周りの侵入者に気づいた。

そして同時に屋敷の状態にも気づいた。

そう、屋敷は木っ端みじんに破壊され、家族の生還が絶望的な事にも…

 

その情報が頭に入り、状況を理解する…

 

「あ、ああ、あ、アアアアアアーーー!!!」

ヒースは悲痛に叫んだ。そう、もう家族には会えない。カイル、父さん、母さん。もうすべてを失ってしまったのだ。

当然その怒りは侵入者に向けられた。

その目は怒りに狂っていた。

 

「なぜお前らは、お前達は僕たちを攻撃したぁぁぁーーー!!」

ヒースは吠えるように大声を上げた。

 

 

だが侵入者の返答は無言だった。

 

ヒースは笑いながら、叫んだ。

「そうか、吐かないなら…吐かせてやるよ!!」

 

ヒースは両手を左右に向け、呪文を唱えようとした。

しかし相手の行動によって、ヒースは驚いて呪文を中断させてしまった。

 

 

その行動とは、相手が魔法を唱えた事である。

ヒースは動揺していた。

魔法は自分だけの力では無いのか!?と混乱していた。

 

この当時、世間には魔法は浸透していなかった。なので、ヒースが自分以外に魔法が使える者が存在している事を知らなかったのは当たり前である。

 

そう考えている間にも相手は魔法を完成させた。

 

そして四方八方から火の玉が近づいて来た。

「くっ、水よ。我を守れ!」

ヒースは魔法で自分を守った。

同時に思った。コイツらは俺には及ばないと。

 

相手はまた魔法を唱えた。

「同じ手は聞かない!」

ヒースも唱えた。

「水よ。敵を穿て!」

水は速い速度で相手に向かって行く。

魔法よりヒースが精霊にお願いしている方が早いのである。それに発動しても相手は火、水には勝てない!

 

だが、ヒースの予想は裏切りられる。

相手は雷を使って来たのである。

 

ヒースの魔法は破壊され、ヒースに相手の魔法が向かって行く。

 

「クソっ!相手は雷も使えるか!」

ヒースはイラつきながら、WBNで防いだ。

 

だが、これでは後出しが有利であると思われたが、

ヒースは伊達に英雄では無い。

「火よ、風よ。敵に灼熱の風を浴びせよ!」

そう、複合魔法である。

複合魔法は2つの性質が有るので、高性能な魔法だが、同じエネルギーで合わせないと片方を打ち消してしまうのであった。とても難易度が高い。

 

後の普通の魔法師では無理であり、天才と呼ばれるぐらいでは無いと出来ないのであった。それもかなりの集中が必要である。

 

この当時での魔法技術では不可能だった。

 

だが、ヒースは易々と使う。ヒース自身は調整していないからである。

調整は精霊が行う。魔力は無限、調整必要無し。もはやチートである。

だが、魔法を使うたびに精神力を使うのである。

なので実際の所、無限には撃てないが、普通精神力より魔力の方が先に尽きてしまうので精神力が尽きるほど撃てるヒースは強すぎる…

 

 

火と風の複合魔法に対し敵の魔法師達は水魔法を撃った。しかし、複合魔法には効かないのである。

 

 

「やむえん、これを使うか」

すると魔法師達は、胸元から十字架を取り出した。

そして、唱えた。

「「「我こそは、正義の代行者なり。今こそ正義の力を使う時!邪悪なる魔女を消す為に力を与えたまえ」」」

そう叫ぶと、一面にまばゆい光が放たれ、ヒースの魔法が打ち消された。

そう十字架は対魔女宝具だった。

 

ヒースは驚いた。自分の魔法が打ち消されるなんて…

今までになかった事だった。

 

 

 

-------

 

 

状況は膠着した。いや、ヒースがやや不利だろうか。侵入者の魔法はヒースは受けなければならない。ダメージは無いにしろ、精神力が削れる。ヒースの攻撃は通らない。

だが何度も攻撃している間に少しずつ、十字架の効力が失われている事に気づいた。

 

「はあ…はあ…まだ行ける…」

ヒースは苦しそうに呟きながら、魔法を撃った。

 

侵入者はヒースの魔法を打ち消した。

 

まだダメか…と思った時、ヒースの脳内に声が聞こえた。

『ヒースよ。力が欲しいか?こやつらを倒す力が』

「ああ、欲しい。宝具を打ち抜ける力が!」

『良かろう。代償を頂こう』

 

突然、ヒースの身体が光を発した。

身体中に力を感じられた。

めぐるましいエネルギーが身体中を駆け巡った。

 

『何の魔法が使いたい?』

「今の気分は業火だ」

『良かろう』

 

ヒースは手を上に突き出した。

「我が今求めるは業火。地獄の炎に焼かれて、消えろ!!」

 

そう叫ぶと、火は天に上り、侵入者達に降り注いだ。

 

だがそれを見た侵入者達は冷静だった。降り注ぐ火に向けて、十字架をかざす…

 

が、十字架は砕けた。

そして、侵入者達は燃え始めた…

 

あちらこちらに悲鳴が聞こえ、一つ一つ、命が消えていった。

 

 

その中、生き残った者もいた。

リーダー格と思われる奴だ。

「ぐ…あ…ぐっ…何故だ、何故防げない…」

苦しみながら、ヒースに尋ねた。

 

ヒースはその男に近づき、頭を踏みつけた。

「手こずらせやがって!僕は英雄だ!英雄に逆らうなんてどこのバカだ!」

ヒースは頭を蹴り飛ばした。

リーダー格は吹き飛び、地面を転がる。

「俺は…連合国に頼まれた…お前は英雄なんかじゃない…化け物め!化け物は戦争の間は英雄ともてはやされたかもしれんが、今はもう不要!もはや邪魔だ!いつ自爆するか分からん爆弾みたいな物だ!ならば今排除しなければ危険過ぎる!」

それを聞いたヒースは目を大きく開き、驚いた顔をした後、大きな声で叫んだ。

「僕は化け物じゃない!英雄だ!…それを分からないバカは連合国にもいるのか!そんな奴は世界にいらない!」

 

ヒースは手を振りおろし、岩を出現させ、リーダー格の上から落とした。

 

ぐしゃっと音が聞こえ、男は息絶えた。

 

 

-----

 

 

ヒースは連合国を潰そうとして、歩こうとしたが、力が入らなかった。ヒースは地面に倒れた。

あれ…何で力が入らないんだ?ダメージ受けてないのに…

その疑問に精霊が答えた。

『ヒース、代償を頂いたと言っただろう?もうお主は死ぬ。精神力も無く、身体はもう持たん』

「まだだ、まだ終わる訳には!」

ヒースは足に力を込めたが、力が入らず転けてしまう。

『無理だ、お前は死ぬ。諦めろ』

「ふざけるな!僕は英雄だ!こんな所で…」

『…ふむ…手が無いわけでは無いがのう』

「なんだ!?何でもいい。頼む!」

『ならば今から生命活動を停止してもらう』

「えっ?」

『死ぬ訳では無い。仮死状態だ。これから生活するための生命力を奪う代わりに、傷を癒やす訳だ。だが、長い間仮死状態になるわけだが、良いか?』

「ああ、頼む」

 

ヒースは眠るように意識を失っていった。

 

『ふむ、見つからないように隠さなければな』

そう言うと、ヒースの身体は煙のように消えてしまった…

 

 

 

 

 

 

----

 

この事件の事は、連合国によって処理された。

黒尽くめ達の死体は隠し、世間には事故死と発表された。

世間はそれを聞いて、最初はほんとに事故死なのか?と疑われたが、時が経つにつれ、関心は薄れていった。

 

一部には化け物が居なくなって安心したと言う声が聞こえる事も…

 

世界は英雄が居なくなってもいつも通り回っていた…

 

そう、最初から居なかったように…

 

 

 

 

 

 

                          昔話  END.

 

 

 

 

 




これにて昔話は最後となります。

本編はこの時から50年後。
魔法が認知され、軍事利用された時代。

昔話がどう関わって来るのかは後のお楽しみ。
頭の片隅に覚えてくださったら幸いです。

では本編でお会いしましょう(*´ω`*)
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