東方・銀髪少女の血の運命-吸血鬼は天国を目指す- 作:文々。社広報部部長 シン
一ヶ月空いてしまいました。すみません。
それではどうぞ
保存日時:2017年03月20日(月) 21:00
孤児院 院長室
「動くなよッ!動いたら撃つぞッ!」
「…………」
私は今、探していた
十秒ほど前
私は時が止まると、院長室の扉を開こうとした。無論、扉に鍵が掛かっており、鍵を外すのに手間取って止まっていた時間の約半分を使ってしまった。院長室に入ると、私は部屋の中を見渡した。院長室には、子供には到底理解できそうにない本(私にとって絵本のようなものだが)がびっしりと詰まっているが埃が少し被っている本棚、窓にはJAPANの刑事ドラマの有名なシーンに出てくるようなブラインド、固定電話と電気スタンドが置いてある執務机だけという何とも質素な部屋だった。院長室なのだからもう少し装飾品があっても良いと思ったが、どうでもいいので気にしない。よく見ると椅子がちゃんと執務机に収まってないので私は机まで行き、椅子を引くと同時に机の下へとナイフを振りかぶった。
しかし、其処には
「…?奴は何処に?」
私が動揺を隠せないでいると時が動き始めてしまった。予定が狂ったわね、と舌打ちをして院長室を後にしようとした時、部屋に入る時私が開けた扉の後ろから
そして今、奴に銃を突きつけられているわけだが…
結構まずい状況だ。時が止まればすぐ終わるのだが、時が止まる気配がちっとも無い。それに加えて奴は興奮状態であり、下手な動きをすれば銃を撃ってくるかもしれない。しかし、既に警察を呼ばれているだろうから、全く動かないわけにもいかない。どうしたものか…と考えながら奴を見る。息が荒い、銃を持つ手が震えている、汗の量が凄い、私をじっと見つめている。…気持ち悪いわね、俗に言うロリコンってやつかしら?
「…5歳の女の子に銃を向けるだなんて恥ずかしいと思わないの?あなた」
あ、余りにも気持ち悪いからつい煽ってしまった。しかし、意外なことに奴は冷静に返事を返してきた。
「5歳の女の子だと?はっ!笑わせてくれるぜ。お前みたいなバケモノと人間を一緒にすんな。人間の10歳とバケモノの5歳は全く違うんだよ」
それも皮肉も交えて。私はこの男の評価を改めなければならないようだ。この男は私と同じか、それ以上の心の強さを持っている。いや、私との出会いがこいつを成長させているのだろう。
『強い心を持つものは死に際に何をするかわからない』
誰だか知らないが昔の偉い人が言ってた。…たぶん。
結論、この男は本気で殺しに行かなければならない。私は目を閉じ、いろいろなことでゴチャゴチャしていた心の中を一掃し、一つのことに集中し始めた。
目の前の奴を殺す。それだけ。
準備は出来た。
目を開けると奴がいる。
「あなた、手が震えてるわよ。怖いのかしら?」
「誰がお前なんか…」
「違うわ。私は人を殺すことが怖いかって聞いてるのよ」
奴は目を見開き、その後眉間に皺を寄せ、質問に答えた。
「…ああ怖いさ、人を殺すなんて怖いったらありゃしない。けどよ、お前みたいなバケモノをこの街に放す方がもっと怖いぜ!」
奴の震えが止まる。目付きも鋭くなったような気がする。だが、それも束の間、
「あらそう。私は楽しかったわよ?」
「---は?」
奴の顔は恐怖に染まった。
「さっき、あの食堂にいた全員を皆殺しにしてきたのよ。あなたはすぐ逃げたから●●●の手首が飛んだところしか見てなかったみたいだけどね。あとはあなた1人だけよ?」
「…ッ!」
「あぁ、楽しかったわ。人を切ったときの感触とか、吹き出す血とか、自分が死ぬということが分かって絶望してる顔とか、悲鳴とか、殺した後に臭ってくる鉄の匂いとか。全部、全部!全部ッ!全部含めて最高だったわよ」
我ながら頭がおかしいと思う。でもしょうがない。ソレが私なのだから。
私の濁った目と三日月のように歪ませた口を合わせた笑顔は狂気の域に達しているだろう。
「…もうダメだよお前は。話したら変わると思ってた俺が馬鹿だった。俺が楽にしてやる」
そう言って奴は私の顔に銃口を向けた。反吐が出るわあなたが楽観的過ぎて。
「オモチャごときが所有者を壊せるとでも思っているのかしら?恐すのは所有者の特権…よッ!」
私は話し終わると同時に床を踏み込み奴との距離を一気に縮めた。そして奴が反応するよりも早く喉目掛けてナイフを薙った。奴の喉が裂け、血が吹き出す。
「!?………っ!!…………!……………」
奴は片手で首を押さえ、膝をつき何かを叫ぼうとしていたが徐々に静かになっていく。そして自分の血でできた溜まり池の中に倒れ、動かなくなった。
ナイフを勢いよく振ることで血を払い、踵を返す。この部屋にもう用はない。コアのいる部屋に戻るため、院長室に別れを告げ、廊下に出る。
廊下に一歩踏み出した時、ゾオッと背筋に冷たい何かが触れた気がした。
『強い心を持つものは死に際に何をするかわからない』
この言葉が脳裏を過ぎり、後ろを振り返る。
時すでに遅し。奴の指は引き金を引いていた。銃の奏でる独特な音と銃口から飛び出す弾丸がゆっくり見える。
ああ、これが走馬灯というやつだろうか。弾丸は真っ直ぐ私の顔面めがけてゆっくりと直進している。たった5年で色々な事が……ない。つまらない人生だった。私は瞼を閉じその瞬間を待つ…………
………そんな馬鹿なことはしないッ!
私は瞼を開き、弾丸を睨みつけた。
諦められるわけがないッ!
私の人生はこれから、これからが楽しいのよッ!
何故こんなところでこんな奴らと死ななければならないの!?
私は生きるッ!生きてコアと一緒に人生を謳歌するッ!
私はここで死ぬわけにはいかないッ!死ぬわけにはいかないのよッッッッ!
その瞬間、私の中にある
弾丸は私の前髪に触れようとするところまで進んでいた。だがそれもどうでもいい。この力を持った私の前では弾丸など塵に等しいのだ。けれどコアが誉めてくれた
この髪が千切れるのは嫌なので力を使うとしよう。
「時よ止まれ」
弾丸が空中で止まった。進みもしなければ、落ちもしない。そう、時が止まったのだ。正確には私以外の、だが。
「でも、これは…消耗が激しいわね…」
この短時間と時を止めただけなのに100m走ったように疲れる。弾丸を避け、血溜まりを踏まないように奴の横に立つ。
「はぁ…はぁ…っ。ここが限界みたいね。そして時は動き出す」
バスッ、と銃弾が廊下の壁にめり込んだ。
「!?き………………え……」
奴は聞き取れないほどに掠れた声で何かを言った後、手から銃を落とし頭も力無く血溜まりへと落ちた。今度は間違いなく死んでいる。
「感謝するわ。あなたのおかげでこの力が手に入った…って聞こえてないか。ははっ」
私は院長室を後にし、コアのいる部屋へと急ぐ。
「時を操る練習をしないといけないわね。こんなにすぐ疲れちゃうんじゃああんまり役に立たないし。ああ、こらからが楽しみだわ。フフフ」
私の笑い声は廊下の闇に吸い込まれていった。
銀髪少女が時を止められるようになる回でした。
いやぁ、ものすっごく分かりにくいとおもいますが、時銀髪少女が止められることを分かったのはDIOが死んだ直後ということになっています。これ見ないと絶対分らないとおもいますが、わかった方がいらしたらDIO様が「よくやったッ!」と言っているスタンプ押してあげます。(持っているとは言っていない)
それではまた次回