すこし大きめの家
「・・・・この国に来てから、もう三年か・・」
その家では、一人の少女、ナギが暮らしていた。
「・・・・蒼!!」
ナギが呼ぶと、一瞬で、同じ年齢くらいの少女が現れた。
「お嬢様、どうしました?」
「・・・・ねえ蒼、やっぱりこの家大きいわ」
確かに、一緒に住む家族がいない少女としては、この家はかなり大きすぎた。
「何言ってるんですか、家族ではなくとも我々従者がたくさんいるでしょ?」
「従者といっても七人しかいないし、あなたたちは札の状態でいられるじゃない?」
「確かに我々の本体はお嬢様が持っている札ですが、皆人間の姿で過ごす方が楽しいんですよ」
「面倒が増えると思うけど・・・・」
ナギには蒼の言ってる意味がわからなかった。
「正しく言えば、人間の姿で『お嬢様と一緒に過ごせること』がうれしいんですよ」
「・・・・なにを、言うのよ//」
ナギは蒼の言葉を聞いたとたん、顔を真っ赤にしながら言った。
「蒼の言うとおりですよー。それよりもお嬢様、本当に学校に行かないのですか?」
蒼とはまた別の少女が、蒼に賛成しながらナギに聞いた。
「行かないわ、私のような力を持っている者が学校に行くと、面倒なことがおこるのよ。」
「・・・・ですが、寂しくないのですか?」
「ええ。・・・・それより橙、藍は?」
「今は昼間なので、彼女は寝ていますよ。」
橙は呆れながら答えた。
「仕方ないわね、あの子は夜じゃないと元気に動けないもの。」
「しかし、いくらなんでも寝すぎだと思います!!」
「まあまあ・・・・・それより蒼、もういいわよ」
「はい、では」
蒼は返事をした後、一瞬で消えてしまった
「・・・・・・?」
「どうしたんですか?」
「お嬢~~」
橙がナギと一緒の方を向くと、一人の少年がこちらに走ってきた。
「どうしたの翡翠? あなたが慌てるなんて珍しいわね」
橙がからかい半分で翡翠に聞いた。
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!! お嬢に封筒が届いてるんだ!」
「どこから? この場所は私達以外誰も知らないと思うけど」
ナギ達の家には、橙が結界を貼ってあり、普通の人間は家を見ることすら出来ない。
「えーっと、ホグワーツ魔法魔術学校だって」
「・・・・魔法学校?」
「お嬢様、どうします?」
「とりあえず開けてみましょう」
封筒には、手紙とすごく古そうなネックレスが入っていた。
「手紙はわかるけど、ネックレス?」
ナギは不思議に思い、橙と翡翠に見せた。
「誰のものでしょうか?」
「お嬢は、誰のものか知ってるの?」
橙と翡翠も誰のものか分からなかった
「知らないわよ、・・・・あとで藍に渡しておいてくれる?」
「分かりました」
ナギは橙にネックレスを渡し、手紙を読み始めた。
「・・・・・・」
ナギは手紙を読み終わると何か考えているのか、黙りこんでしまった。
「・・・・お嬢様?」
「決めた、この学校に行くわ!!」
「「へ?」」
橙と翡翠はいきなりのことに変な声を出してしまった。
「この学校なら、私でも行くことができるわ」
「・・・・魔法学校ですか」
橙が寂しそうな声で呟いた。
「大丈夫よ、あなた達と一緒に行くんだから」
「いいんですか?」
「この学校なら大丈夫よ」
「やった~!!」
翡翠はとてもよろこび、橙も嬉しそうに微笑んでいる。
「お嬢様、教材はどうします?」
橙がワクワクしながらナギに聞いた。
「手紙によると、売っている場所があるみたいだから、買いに行ってくるわ」
「我々はどうしましょう?」
「翡翠だけ連れて行くわ、皆はこの家で待ってて」
「分かりました」
ナギは翡翠の札と財布を持って、家を出た。
「・・・さてと、藍を起こしますか」
ナギが出て行った後、橙は藍が寝ている寝室へ向かった。