ときめきメモリアル4 ~the original story ~ 作:ユキヒコ
「…よし、龍光寺 もう離していいぜ」
龍光寺「あぁ、そうだな んじゃあ、ゆっくり降ろすからな?」
校門を抜けたおれ達は外の連中に目立たないようにするため
龍光寺の肩に乗せた腕を離してもらって中央駅に移動することにした
少しでも痛みを受けないために気を遣った足取りで歩いていると
龍光寺は溜息をこぼした
「どした?龍光寺」
龍光寺「いや…クラスの連中 結構いい奴らが居るんだなって思ってさ
お前が怪我したって聞いてマジに心配してたし…」
龍光寺の話を聞いておれはドン引きしちまった
結構無茶苦茶な策だったからバレるとは思ったんだがよぉ~
まぁ…これくらい普通なのかもしれねぇけど………なんか気味悪いぜ
それに…あんまし目立つことはしたくねぇんだ
今のおれの行動と裏腹な感じだけど 目立つのはあまり好きじゃあねぇ
「そ、そうか…」
龍光寺「あぁ、今頃になってちょっと後悔してるよ
もうちょい待ってりゃ良かったなって思ってさ」
微妙な反応をするおれの横でお人好しのクラスメイトの話をし
こいつが感じた罪悪感について語る 正直今更かよって感じだけど
「ばぁーっか、いいんだよ おれもそうしたいとおもってたんだからな」
龍光寺「そうなのか?…ま、何にせよ おばさんが来るまで適当に時間潰そうぜ」
久しぶりに会った龍光寺と遊ぶのは悪いもんじゃあないと思ってるし
これから休みの日に遊ぶことにすりゃあいい そう龍光寺に伝えた
さっきまでしかめっ面な目つきだった龍光寺が少し微笑んでいたんだ
それを見て昔のアイツの面影浮かび上がり おれも釣られて笑ってしまった
そうしていると中央駅に到着しその辺のコンビニに立ち寄って
小遣いでお菓子を買いに行った
ちゃらららーちゃらら~
店員「ありがとうございまっしたー!またお越しくださ~」
YOSIOから出て早速、抹茶味のアイスを袋から出す
言ってなかったけどこう見えておれは渋めのお菓子が好きなんだ
勿論甘目も好きなんだけどな
龍光寺「お前、相変わらず渋い味が好きなんだな」
「へっへ~ひかえめな甘さと渋みのバランスが堪らんのよ~
お前も一口食べて見りゃいいのによ」
龍光寺「遠慮しとくよ 甘いものを食べるのはらしくないし」
抹茶アイスを見て昔の思い出に浸る龍光寺に一口あげようとしたが
さらっと断られた まぁ昔からそういうの苦手みたいだしな
しかし、らしくないと言っちまうなんて それこそらしくないと
昔のコイツを知ってるおれは寂しく思って龍光寺の袋の中を見てみると
「お、おでん!? お、お前 好物の範囲が広くなったなぁ」
龍光寺「あぁ、中学ん時に食べてからゾッコンだな
竹輪やはんぺんとがんもどきが旨いんだよ ははっ」
次はゲーセンに立ち寄ると入口に設置してあるクレーンゲームを凝視していた
そんな眼差しが気になったおれは再び尋ねてみると
龍光寺「…ちょっと入学式前の事を思い出してな…」
ちょいイラっとした表情をしていた これは触れちゃあいけねぇなと感じ
「…ま、過ぎたこたぁ忘れた方がいいな
それよりあの犬の人形 どっちが取れるか競争しようぜ!」
龍光寺「ガキだなぁ お前…でもそういうのあたしは嫌いじゃあないぜ
よっし じゃあ勝負と行こうか!」
負けず嫌いな龍光寺に競争を持ち掛け、ネガティブな話題を吹っ飛ばそうとした
呆れられたがその瞳は燃えるように熱い闘志をみせて
クレーンゲーム専用に使っているであろう、五百円玉が入ったケースを
ポケットから取り出した これはガチな奴だよ…
結果はオフクロとの待ち合わせ時間の関係で勝負は着かなかった
でも、楽しかったよ 龍光寺と一緒に遊べてさ
龍光寺「よし、おばさんの待ち合わせ場所についたな」
「あぁ、まだ車は見えないな」
待ち合わせ場所であるショッピング街に到着した
おれはオフクロの青い車が駐車してないことを確認していると
龍光寺から小さなメモを渡された
龍光寺「あたしのアドレス あまり出れないことはあるけど
まぁめげずに電話かけてくれ」
「…サンキュー龍光寺 んじゃあおれの方も…」
アドレスの番号を確認したおれも急いでアドレスをメモに書いていると
オフクロの車がこっちにやってきたんだ おれ達は急いで
学校の時と同じ状態に戻して龍光寺にメモを渡しておいた
停車した車からオフクロが出てきて 龍光寺の顔を見ると
懐かしさを感じて微笑みながらお辞儀をする
オフクロ「お久しぶりね カイちゃん、
今日は息子の面倒を見てくれてありがとうね」
龍光寺「いえいえ、おばさんこそ忙しいのに来てくれてありがとうございます」
オフクロ「ふふ、良いのよ 会議は早く終わったし
皆、早く行ってあげて言ってね」
龍光寺「ははっ おばさんの方も良い人たちがいっぱいるんですね」
オフクロ「そうね、可愛い生徒も居るから疲れも吹き飛んじゃうわよ
うふふ」
風貌が変わった龍光寺を見てもオフクロは昔の様に話をしてくれて
龍光寺も柔らかな口調で会話を重ね 後ろで見ているおれも嬉しく思った
変わってないところ一つ見つけたな
龍光寺「それじゃあ、あたしは帰ります」
オフクロ「あら、もう?家にあがっていかないの?」
龍光寺「はい、ちょっとこの後用事があるんで
でもお気遣い感謝します、暇な時にでも顔を出しますよ」
オフクロ「そう?…じゃあ楽しみにしてるわ 行きましょ 流」
龍光寺は伸びをした後一歩後ろへずれて帰ることを告げると
オフクロが引き留めようとする 昔はよく正宗も連れてきたんだよな
でももうおれ達は高校生だ それに中学から会ってないから
理由もなく気安く家へ入ることはないだろうとおれは思ってる
龍光寺「じゃあまた学校でな 立花」
「おうよ、明日には治ってるよ」
こうしてズルで出来たデートは終わりを告げた
罪悪感はあったけどこういうのも悪くないと思ってる
でも今度からはこういうのはなしにしようと
窓を眺めながら思った
…この後親父に捻った足を看てもらった所、
10日程休まなきゃ治らんということでしばらく学校を休まなきゃ
ならなくなった とほほ…やっぱりズルはいけないんだな