Z/Xの世界に転移 〜この世界で幸せを見つける〜 作:黒曜【蒼煌華】
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九条大祐視点
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「…お初にお目にかかります。僕は九条大祐と申します。一応バトルドレスを装着していますが、青の世界とは無関係です。」
「先に名乗ってくれるとはね。…アタシは[ウェポンマスター・アームド]。そんなに畏まらなくても大丈夫よ。」
おぉ…。
探していたマイスターさんが目の前に!
遂にやりましたよ、あづみさん!リゲルさん!関係無いけどA-Zちゃん!
…て言うかこの人も随分な美人だな。
髪型は、色の薄い金髪を結んでポニーテールに。
瞳は鮮やかな青。
上には短いベストみたいなのを羽織り、首には赤い布を巻き付けている。
問題が胸部分なのだが、此方も白い布を巻き付けただけだ。
露出が非常に高く、思春期の15歳の前ではとても精神の衛生に宜しくない。
何時もリゲルさんを見て慣れてしまったが。
…しかしだ、リゲルさんに誘惑らしき行動をされたら襲いそうな気がする。
リゲルさんに限ってそんな馬鹿な事は無いと信じて抑えているけど。
まぁ、それはそれで。
何故にこの方もニーハイソックスなのですか?
ホットパンツにニーソなんて、隠しているようで隠していないような…。
おい、誰だ。下半身の露出が低いとか言った奴は。
…俺か。
しかも、ニーソにペンチやら何やらを仕込んでますよ。
流石マイスター、って感じですな。
素晴らしい、ニーソですな。
後者は全く関係無いが。
それはともかく、やっと見つけたマイスターさんだ。
取り敢えずは話を持ち掛けてみよう。
他世界に加担したくないとか言われそうだけど。
一応だが青の世界とは無関係って言ったしね!
信じて貰えるかは別の話として。
「…で、アタシ達マイスターに何の御用かしら?」
「えっとですね。作って貰いたい物があるのですが。」
「作って貰いたい物?……ま、取り敢えずは私達の工場に来なよ。直ぐ其処だしね。」
「本当ですか!?有り難う御座います!」
よっしゃー!
何だか知らんが信じて貰えた!
全く、ブレイバーと違って話せば分かる人達で助かるよ。
しかもTHE・FRIENDLY(フレンドリー)!
いきなり工場案内なんて素晴らしい。
美人さんだし。
何時も後者の関係無さっぷりが目立つな。
兎に角、後はあづみさんの御守りを頼んで作って貰うだけ。
そうすればリソース症候群の問題が解決する。
あづみさんが…自由になれる。
そう思っただけで、心の奥底にある歓喜の念が絶えない。
早く作って貰い、あづみさんにお届けを……あ、サプライズ的な方が良いかな?
敢えて連絡せずに、プレゼント。
そっちな方が喜んでくれたり……なんて。
待っていてくれる三人に労力を使わせたくないっていうのが本心だけど。
何はともあれ、マイスターさんに出会えて良かった。
さっさと付いてって、パパッと作って貰い、シュッと帰ろう。
…ん?シュッてなんだ?
ワープなんか使えんぞ。
どうでも良いが。
「ほら、何をしてるの?早く行くわよ。」
「っと…すみません。」
まぁ、事は迅速にって話だよな。
前に、マイペースが良いだの何だの言ってたお前が何言ってんの?みたいになるが。
あづみさんとリゲルさんに関わる事は「迅速に、且つ確実に」が一番だからなぁ。
後でA-Zちゃんから御指導して貰おうかな。
スパルタ式じゃないと良いんだけど…。
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「…着いたわよ。ここがアタシ達の工場。どうかしら?」
「ほぇ〜…」
あづみさんとリゲルさんの事ばかり考えていたら、あっという間にマイスターの工場に着いた。
少しドヤ顔されたような気がする。
…というか、ほんと直ぐ其処だったな。
時間にして、徒歩10分って感じか?
うん、言う程近くもなかったり…。
おい、誰だ。直ぐ其処とか言った奴は。
…俺か。
なんて乗りは要らないので、先ずはマイスターの工場を見学だ。
そしてアームドさんに感想を述べよう。
横で彼女が地味なドヤ顔をし続けているので。
彼女の自慢であろうこの工場を第3者が褒め称えれば、恐らくもっとドヤ顔されるのだろう。
美人さんのドヤ顔は見たい。
…リゲルさんのドヤ顔とか、意外も意外なんだろうな。
あづみさんのそれは、可愛いの一言でしか表せなさそう。
逆に、可愛過ぎて吐血とかすんじゃねぇのか?
ごぱぁって。
――う、Xちゃんとの戦闘を思い出して…。
「どうかしたの?…そんなにこの工場が素敵って?」
「ええ。それはご最もです。」
…話を戻そう。
工場の感想を述べるんだった。
一見は大きい車庫みたいな…そんな感じの建物。
少し錆びている箇所があったりと、如何にも武器を作っている雰囲気がする。
いや、実際に作っているんだけど。
一目見たら工場だと気付くな〜という話。
建物の中には大人数のマイスターさん達が武具を作っている最中だった。
男性も居れば女性も居る。
武具に対する想いに、性は関係無いという事か。
何とも言えない凄さだな。
…て言うか暑い。
内部に入ってないのに暑いとは、二つの意味で熱気がヤバイ。
…え?俺、ここに入るの?
暑いの苦手なんだけどな…。
先程の王国みたいな場所とは打って変わっている。
どっちかと言えば場違いだが、俺は良いと思うな。
よし、取り敢えずは感想を。
「…ここに来て、直ぐに分かりました。貴女達の武具に対する想いは流石[マイスター]ですね。壊すのは簡単ですが、作るのは難しく。努力が無ければ出来ない事。貴女達に作られた物は嘸嬉しいでしょうね。」
「………」
ありゃ?
自分の本心を語ったらアームドさんが黙り込んでしまった。
やらかし案件発生かな…?
「…九条大祐。」
「はい、何で御座いま――」
「マイスターにならないか!」
「うぇ!?」
なりませんよ!
というか種族的に無理ですよ!
何よりも俺には帰るべき場所が…あづみさんとリゲルさん、A-Zちゃんという可愛くて美しい彼女達が――
いや、待て。彼女じゃあない。
まだ、彼女じゃあない。
何時か彼女にしてみせる!
そう、何時か、な。
何年後になるか分からないけど。
「…で、何故僕をマイスターに?」
「九条はマイスターの苦労が、何れ程の物かを一瞬で理解した。詳しく、ね。…だから九条にはマイスターの才能があるって思ったの。」
「アームドさん…僕はもう、[ガンダムマイスター]という名を持っているんですよ?」
「が…がん…?」
「嘘です。忘れて下さい。」
マイスター、という事で通じるかと冗談噛ましたが…生憎理解して貰えなかった。
当たり前なのだけは理解出来る。
先ず、初対面で「俺はガンダムマイスターだ」なんて言われても「こいつ…頭大丈夫か?」としかならない。
[ガンダム]という単語があった前世でそうなるのだから、その単語すら無いこの世界の人達に通じる筈がない。
通じたら通じたで、わぉびっくりだが。
大半は頭に?マークを浮かべて終了になる。
アームドさんみたいにね。
「…まぁ、種族其の物が違う時点でアウトなんですがね。」
「それはそうと、作って貰いたい物って何なの?」
おおい!
さっきまで話していた内容がどっかに飛んでったぞ!
話を変えるの早過ぎじゃあ…。
…別に良いけどさ。
俺も急ぎな用事だし。
実際、マイスターになるならないなんて、最初から決まっているし。
種族的にマイスターになれないから。
はい、終了。
「…御守りを作って――」
あ。
それは俺が決める事じゃない。
あづみさんが自分自身で決める事だ。
アームドさんに待って貰って、一度三人を呼ぶか?
それかいっそ、通信を使ってリゲルさんと連絡を取り合うか。
…無難に前者だよなぁ。
後者の後に三人と合流でも良さげな気もするけど。
悩んだら取り敢えず実行だ。
確信を持てないのが怖いが。
兎に角リゲルさんに連絡を――
「あれ?リゲルさんに通信が届かない。」
それは如何にも可笑しい。
リゲルさんがバトルドレスを解除している可能性がなきにしもあらずだが、自分が提案した事を折る様な真似、普通するだろうか。
況してや此所は赤の世界。
自世界ならまだしも、戦闘が多い他国に来ている。
…のにも関わらず、態々連絡手段を無くすのか?
あのリゲルさんが。
流石にそれは無い。
四方八方が敵だらけのこの状況で、退路を断つなんて自殺行為だ。
戦闘で例えてみたけど。
あづみさんを大切にするリゲルさんが、他国に来てまでこんな行為を――
「…まさか!」
だがしかし。
そんなリゲルさんでも危ない状況に立たされているのであれば、連絡どころではない。
それこそ人攫いに襲われていたら…。
彼女はあづみさんを守る事に必死になるだろう。
一応、A-Zちゃんがいるとはいえ彼女は最初から戦力「外」だ。
もし、彼女を含めた三人に危険が及び、且つリゲルさんが通信出来ない状態ならば代わりにA-Zちゃんが頼むという事なのだが、それがしっかり伝わっているかどうか。
俺のこの言葉足らずが響かなければ良いのだが…。
あー…心配になってきた。
アームドさんにはちょっと待ってて貰おう。
三人に何かあってからでは遅いのだ。
「九条?どうかした?」
「すみません、アームドさん。ちょっと待ってて頂け――」
ヒュン
勢い良く、一本の細い何かが飛んで来た。
ギリギリで頭を後ろにずらし、細い何かは目の前を掠める。
飛んで来たそれは、勢いを完全に無くす前にマイスターさんの工場の壁にぶっ刺さった。
…そう、壁に「刺さった」。
飛んで来たのは一本の刀だったのだ。
工場の中で装具造りに励んでいるマイスターさん達は、何事かと刺さった刀を見ている。
…て言うかアレ、俺に向かって飛んで来たよな。
躱さなければ自分の頭に、なんて想像はしたくない。
グロい光景は免れなかっただろう。
「はは…あっぶね。」
「九条!大丈夫!?」
「おい、アームド。一体何事だ。」
アームドさんが俺を心配して近付いて来た瞬間、工場からは男性のマイスターがアームドさんに近付いて来た。
「ガントレット…」
「そいつがこの刀を投げたのか?」
「九条は違う!どっちかと言えば、これは九条に向かって投げられた物だ。」
「…あんた、本当か。」
厳つい雰囲気を出しまくる男性マイスターさんに、無言で頷く。
口だけをガスマスクみたいな物で隠しているせいで凄く怖い。
というか、目しか出してないじゃないですか…。
「だから、九条は敵じゃない。分かった?」
「それよりも、ここってマイスターさんしか居ないんですよね?」
「?そうだけど。」
「何故ブレイバーが俺達を囲んでいるんですかね。」
「「え(あ)…?」」
二人は周りを見渡し始めた。
そして、今やっと気付く。
いつの間にかブレイバーに包囲されているこの状態に。
見たところ、数は5人。 把握出来る範囲ではこれだけだ。
アームドさんは、背中に背負っている刀を静かに構える。
一方「ガントレット」というお方は何処かへ消えていた。
前にリゲル先生から教わった通り、マイスターは元々戦う種族ではない。
装具を造るのに長けた種族だ。
それに戦えと言うのはあまりにも酷な話。
だからと言って、女性だけ残していくのはどうかと思う。
アームドさんみたいな美人さんは、全力で守ってあげなければ。
…俺って、変なのかな?
変と言うよりかは変態の方が正しいか。
自分が悲しくなってくる。
「さて、どうやってブレイバーさん方を倒そうかな。」
「九条。もし良ければなんだけど、一緒に戦ってくれると…。」
「当たり前じゃないですか。…後ろから援護しますね。」
会話が終了し、アームドさんが一歩前に出た瞬間、それが戦闘開始の合図となった。
ブレイバー達が一斉に攻撃を仕掛けて来る。
真ん中に俺とアームドさん、それを囲う様にブレイバー5人。
丸で星の形を描いている…簡単に言えば五角形。
正面の奴の持ち武器が「槍」、右斜め上の奴が「刀」、同じく左斜め上の奴も「刀」、背後にいる二人は「弓」と「槍」。
後ろの弓使いだけはは女性。
あとは男。
恐らく、俺の頭に刀をストライクさせようとしたのは右か左の斜め上にいるどちらかだ。
我先にと殺したいが…取り敢えずはアームドさんの援護に徹しよう。
「サバーニャ、援護兼敵撃破を優先。目標を狙い撃つ!」
「先ずはあのバトルドレスを狙え!少しで良いから弱らせろ!」
相手全員のターゲットが此方に向いてしまった。
サバーニャは対多数戦で有利になれるが、近距離戦での運用は遅い機動力が足を引っ張る。
一度デスティニーでこの場を抜け出し、戦線を離脱してからサバーニャに換装の方が吉だったかもしれない。
なってしまったものはどうしようもないが。
5人からのターゲットが一時的にでも外れてくれたら…。
「ここから先は一歩も通さない!」
そんな事を考えていると、まさかのアームドさんが盾になってくれた。
…あ、盾(物理的に)ね。
アームドさんとは背中合わせ状態だったので、後ろの二人は任せよう。
後は正面の三人をどうにかして躱しきれれば。
…いけるか?
[右ブレイバーが刀を横に振る]
流石、情報演算処理能力だ。
それの通りに右ブレイバーが刀を横に振る。
俺は姿勢を低くして難なく躱し、次の情報を演算する。
[左ブレイバーが刀を縦に振りかざした後、一歩遅れて正面から槍を突かれる。]
処理完了。
低くした体勢のままGNピストルビットのブレードで受け止める。
鉄とビーム、どんな音が鳴るのかと思ったら、普通にバチッと鳴っただけでした。
つまんな!
みたいな突っ込みは無しで。
そしてそのまま正面から勢い良く突かれた槍を、もう片方のGNピストルビットで受けきる。
ピシッと嫌な擬音を立てたが、壊れてはいない。
ここで受け止めなければアームドさんに被害が及んでしまう。
「中々やるな。一人で二人の攻撃を凌ぐとは。」
「そりゃどーも。…あんた、アレキサンダーだよな?」
「…何故、俺の名前を知っている。」
「何と無くだよ。黒崎神門からは何て命令されたんだ?」
「神門の事まで知っているとは、予想外だ。…お前ら、作戦変更だ。こいつは殺す。」
そう言い放ったアレキサンダーは、持っている槍により一層力を入れ、GNピストルビットを破壊した。
その勢いで槍をぶっ刺しに来る。
情報演算処理能力の御蔭で何とか見切れていたが、躱す訳にはいかない。
直ぐ後ろでは、アームドさんが二人のブレイバーを相手にしている。
もし俺が躱せば、アレキサンダーはアームドさんに向かって槍を突き立てるだろう。
それは回避せねば。
…だが、面白い方法が一つある。
俺は受け止めている方のブレイバーの刀を弾き返し、アレキサンダーの槍を横に回避する。
「自分が助かる為に女を捨てるとはな。正直意外だ。」
アレキサンダーは俺からターゲットを外し、アームドさんへと切り替えた。
そして力一杯、槍を自分の体の前に突き放ち…。
――今だ。
「GNライフルビット、GNピストルビットを全展開、GNシールドビット!」
サバーニャの支援系武装No.1。
GNホルスタービットを二枚重ねにし、自分や味方を守るビット。
通称、GNシールドビット。
どんなものかは名前の通り。
じゃあ何故、全てのビットを展開したのか。
理由としては、全展開してしまう事で一々GNシールドビットを崩さずに、ありとあらゆる場所からビットのオールレンジ攻撃を可能とする為。
必要になるまでは、常時自身の周りに停滞させてある。
…そんな紹介をしていると、前方から「ガキンッ」と音が響いた。
「…ほう。」
「アレキサンダーの槍を…!?」
二人共、あら不思議状態に陥っていた。
…GNシールドビットの抑(そもそも)の耐久値、硬さは中々の物。
デカイ照射系のビームにすら耐えうる。
そして近接戦になれば、相手が攻撃して来た箇所に瞬時に移動し、自分を守ってくれる。
では何故、先程自分に張らなかったのか。
聞けば聞くだけ利点しか無いGNシールドビットにも、最大の難点がある。
それは展開速度の遅さだ。
GNピストルビットやGNライフルビットとは違い、即座に出せる代物ではない。
あのタイミングで展開してしまうと、シールドビットが展開仕切る前にアレキサンダーの槍が俺を貫いてしまう。
死んだ人間にシールドビットを使うと、丸で唯のお堀みたいになってしまう。
自分の好きな時に戻せる機能があるからこそ、そういった事態を免れるが。
「邪魔な物を…!」
「九条、助かった!」
えへへー。
アームドさんからお礼を言われちゃったー。
照れるなー。
…と、いつの間にか目の前に、アレキサンダーが血気迫っていた。
気付いた時には槍が寸前まで届いて――
「ならば貴様を狙うだけ!」
「ならば此方は迎撃するだけ!ピストルビット、一斉射撃!」
展開中のピストルビットから一斉にビームが発射される。
それを見たアレキサンダーは焦り、後ろへバックを踏んだ。
…だがそこは。
「誘導、ありがとね!」
「一発噛まして下さい!」
「何っ!?」
この一瞬の間に敵を全滅させていたアームドさんが待ち構えていた。
反応の遅れたアレキサンダーが横にずれようとしたが、時既に遅し。
アームドさんが自身の持っている剣にリソースを流し込む。
すると、先程まで切れ味の良さそうな只の剣に緑色の紋様が現れ、輝きを見せる。
「何時も私達を扱き扱って…覚悟しなさい!」
あ、そうなんですか?
マイスターってブレイバーに顎で使われているんですか。
それじゃあ、日頃の恨みを今此所で吐き出してしまいましょう!
的な発言を言おうとしたが、アームドさんはその前に斬りかかっていた。
…一体何れ程の恨みが。
攻撃の邪魔にならないように、一度シールドビットを解除する。
「はぁぁぁぁぁっ!」
なんかもう、恨みとは違った他の物が入ってそうな一撃をアレキサンダーに入れた。
右上から左下へ。
アレキサンダーの鎧を斬り裂いたと同時に、緑色の光が継続してもう一撃を入れる。
どうやらあの剣は、リソースを流し込んだ後に対象を斬ると、緑色の光がそれと同等のダメージを与える仕様らしい。
やはり、マイスターさんは面白い武器を造る。
「ぐっ…!はははっ!まだまだだなぁ!」
「なっ!?」
アームドさんの最大の一撃を受けても尚、ピンピンに動いているアレキサンダー。
カウンターとして、自身の槍を上に掲げてから下に向け、アームドさんを突き刺そうとする。
ま、させないけどね。
「オーライ!」
俺はアレキサンダーの槍…を持っている手を狙撃。
ガンっと音が鳴り、アレキサンダーの手の鎧に命中。
その反動でアレキサンダーは、手から槍を落とした。
「ふん。やってくれるな。」
「九条…二度も助けられたわね。」
「無闇に解除しなければ良かったかなぁ…。」
いやはや、後悔後悔。
狙ってアレキサンダーから槍という武器を取り上げたが、外していたらアームドさんが餌食になっていた。
極力シールドビットは張ったままにしなければ。
「さぁて、ここまでは様子見だ。今からここは俺だけの独壇場に――あ?神門からの連絡だ?」
今から俺の本気を見せてやるみたいな雰囲気だったが、どうやら黒崎神門から連絡が来たらしい。
台無しだな。
「は?…そうか、分かった。………中々楽しかったぞ。今度は潰すから覚悟しておけ!さらば!」
「「…いや、えぇ!?」」
黒崎神門の連絡を聞いた瞬間、アレキサンダーは颯爽と立ち去った。
思わぬ事態に、俺とアームドさんは一緒に驚いてしまった。
落ちていた槍はいつの間にか消滅している。
…アレは丸で風だな。
急に襲ってきたと思いきや、急に立ち去る。
何だか戦い損な気がするな。
ただただリソースを消費しただけ…
――って、危ない危ない。
「よいしょっと…。」
「九条?その女のブレイバーをどうするの?」
先程戦闘に参加していた弓使いブレイバー。
今は気を失っているが、ずっと此所に放置はいけない。
何故って、女性だから。
「すみませんアームドさん…ちょっと行きたい場所があるんです。この女性を頼めますか?」
「…起きたらどうするの。」
「多分、それまでには戻ってこれると思います。少しの時間、お待ちを。」
納得して貰えるような説明は出来なかった。
もしかしたらこの女性が目覚める方が早いかもしれない。
そんな不安を押しきり、アームドさんは苦情の表情を浮かべながら。
「…分かったわ。」
一言返してくれた。
因みに、そこら辺でくたばっている男ブレイバーは別の場所へ放置。
そう言えば、アームドさんはこの数をどうやって倒したのか。
しかも一瞬で。
「え?九条が出してくれたあの物体の性能を見た瞬間に全員逃げようとしたから、後ろから斬ったわ。それだけ。」
それだけって…。
流石シールドビットクオリティー。
見せるだけで相手は日和る。
この武装、実は喰うリソース量はサバーニャの中で一番低い。
そりゃ、多重に過剰なビームを連発するよりは、自分や味方を守るだけの方がリソースの減る量は少ない。
とはいえ、幾らシールドビットと言っても壊れる時は壊れる。
直し方?知らないな。
次にバトルドレスを装着した時にでも修復しているんじゃないのか。
至極適当だが。
そろそろアームドさんとの会話を終了しようとすると、一人の男性が此方に近付いて来た。
その男性は申し訳無さそうな表情をしている。
「…あのブレイバー共を蹴散らしてくれたのか。」
蹴散らす、までは行かないにしろ退ける事には成功した。
殆どがアームドさんの御蔭だが、俺も最低限の支援は出来たと思っている。
「ガントレット、どうかした?」
「いや…俺達を助けてくれたお礼をだな。」
「ガントレット」という人物…じゃなくてZ/Xは、そう言いながら目の前に何かを出してきた。
緑色の水晶の様な…。
丸く綺麗な輝きを見せるそれは、一瞬で俺を魅了した。
「こいつは俺が拾ってきた物だ。使い道は分からないが貰ってくれないか?」
強面な顔つきの中に、優しさが見えた瞬間だった。
俺はそれを快く受け取る。
…にしても、この水晶何処かで見た事あるような気がしてならない。
思い出せそうで思い出せないこのもどかしい感じ、嫌いだ。
確か、ガンダムで見た様な…。
――あ。
「ガントレットさん、有り難う御座います。…上手くやれると良いけど。」
「おい、それの使い道が分かったのか?」
ガントレットさんに無言の頷きを返し、やりたい事を実行に移す。
緑色に輝く水晶を自分の額に当て、バトルドレスの様子を確かめる。
すると。
[解放条件物質を確認しました。新しいバトルドレスを解放します。]
解放時の宣言はまだ二回目だが、聞き慣れた感じがする。
どちらかと言うと疑問よりもワクワクの方が大きい。
一体どんなバトルドレスが解放されるのか。
転移して二回目のバトルドレス解放。
自分の体が眩い光に包まれる。
しかし、それは一瞬の出来事。
直ぐに光が収まり、自分のバトルドレスを確認する。
全体的に青く色付き、所々に白が混ざりあっている。
細長い脚、小さめの胴とデスティニーやサバーニャとは違った見た目を有している。
右前腕には折り畳まれたGNソードを覗かせ、様々な箇所に[剣]を仕込ませている。
そして何よりも特徴的なのは、自身の胸部で輝く緑色の水晶。
…そう、これが俺の新しいバトルドレス。
「ガンダム…エクシア」
先程の緑色の水晶は、エクシアの胸部。
通りで見た事がある訳だ。
…早速になるが、エクシアで待っている三人を迎えに行きますか。
「九条…さっきのバトルドレスとは随分と変わったわね。一体どういう――」
「それは後で説明します。今は此所で待っていてくれますか。」
「わ、分かったわ…。」
少しの動揺を隠しきれていないアームドさんを後目にし、その場から立ち去る。
ガントレットさんには頭を下げ、無言のお礼を。
これ以上うだうだしている暇は無い。
向かう先は…三人の待っている場所だ。
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移動しながら気付く点が一つ。
道中に誰もいない。
つい先程まではブレイバーで賑わっていたのだが。
アレキサンダーとの戦闘後、誰も居なくなるというのはあまりにも不自然。
誰かの意図的な策にしか思えない。
そうなると、益々三人が心配になってくる。
あづみさんは、リゲルさんは、A-Zちゃんは大丈夫だろうか。
そんな心配をしていると、目の前に最悪の光景が飛び込んで来た。
場所は…四人で最初に休んだ所。
11人程の男に囲まれたA-Zちゃん、リゲルさん。
そして何故か姿が見当たらないあづみさん。
A-Zちゃんは気を失い、一人の男に担がれている。
リゲルさんは…ふらふらとしながらも立っているが、あのままでは倒れてしまう。
あまり傷が見当たらないという事は、何かしらの薬を飲まされたか、吸わされたか。
兎に角、リゲルさんが倒れてしまう前に助けねば。
俺は急いでブーストを吹かし、リゲルさんに近付く一人のブレイバーを横に蹴り飛ばす。
直ぐにリゲルさんに近寄り、肩を貸して抱き寄せる。
この際、変態だの何だのと気にしている余裕は無い。
あづみさんが居ない時点で、焦りMAXなのだから。
「なっ!?誰だテメェ!」
「大…祐…?」
デカイ声で驚愕しているブレイバーとは正反対に、リゲルさんは弱々しい声で俺を呼んだ。
それに怒りを覚えた俺は、彼女の体を抱く力を強くし耳元で囁く。
「大丈夫です。あづみさんもリゲルさんもA-Zちゃんも、俺が守ります。」
「…大祐…あづみが…攫われて…」
「安心して下さい。責任を持って、必ず連れ戻しますから。」
「お願い………」
リゲルさんは俺にそう言い残し、気を失ってしまった。
…いや、眠ってしまったと言った方が正しい。
すやすやと、何時ものリゲルさんからは見れない可愛らしい表情で寝ている。
普通ならこの場ですらリゲルさんを襲いかねるが、今はそんな気など微塵も沸かなかった。
こうなったのは、自分のせいなのだから。
此方もブレイバー、アレキサンダーに襲われていたとは言え、もいちょっと早く離脱出来たのではないか?
…それは無理な話だ。
彼方が一方的に立ち去ってくれた御蔭で何とかなったものの、あのまま続けていれば負けていた。
最初から、勝つなんて無理な話だったのだ。
だが、今は今。過去は過去。
取り敢えず今は、目の前で起こっている事に集中しよう。
リゲルさんをこんなにさせたブレイバー達に、粛清を。
「…ガンダムエクシア、目標を駆逐する!」
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リゲル先生のパーフェクトZ/Xの世界教室9
「ところで、リゲル先生は何故にそんな露出してるんですか?」
「あ、それ私も気になってた。」
九条大祐と各務原あづみが口を揃えてリゲルに質問する。
「それは…ごめんなさい。私にも分からないの。」
リゲルは申し訳無さそうにした。
「いや、此方こそごめんなさい。ちょっと気になっただけです。」
「リゲルに関わらず、バトルドレスの女性って皆、露出してるもんね。…それに加えてスタイル良いし。」
各務原あづみは自分を見て、少し残念そうにしている。
「何言ってるの。あづみには凄い魅力があるんだから!」
「本当?例えば…?」
「あづみさんに例えなんか要りませんよ。何物にも例えられない可愛さがあるんですから。」
「…えと…ありがと、大祐くん…えへへ///」
各務原あづみは動揺しながらも、嬉しそうに笑みを溢した。
それを見ているリゲルも、笑みを浮かべる。
「…ふふ。あづみは大祐と仲良しね。」
「リゲルだって、大祐くん以外の男性とはあまり話そうとしないよね。」
「そっそれは…あづみも同じでしょ?」
「………うん。」
「どっちもどっちって事で良いじゃないですか。…リゲルさん、次こそはちゃんとした質問をさせて頂きます。」
「…大祐は相変わらずね。えぇ。宜しく頼んだわよ。」
「こうして三人で話し合うのも、楽しいけどね。」
各務原あづみの言葉に、九条大祐とリゲルは無言の頷きを返した。
そして互いを見つめ合い、笑顔を見せ会った。
〜三人の時間〜