Z/Xの世界に転移 〜この世界で幸せを見つける〜   作:黒曜【蒼煌華】

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今回は森山碧のお話です。


[間]第三十話: クオリティ

‐‐

 

森山碧視点

 

‐‐

 

 

「ここどこー!?」

 

 やべぇ。

 しくじった。

 白の世界を放浪して、ついでに十二使徒でも探そうと思ってたんだがなぁ。

 マジでここ何処だよ!?

 何で神聖な白の世界の建造物やら何やら、荒らされてんの!

 見た目が完全な黒の世界なのですがそれは!?

 

 誰だよ!

 白の世界をこんなにしたのは!

 俺の「可愛い子を探そうLIFE」が台無しじゃねぇかあああぁぁぁ!!!

 

「――おや?彼処にいらっしゃいますわ。」

 

 第一村人発見。

 しかも可愛い。

 しかもどっかで会った事のある…。

 

「あ・や・せ・嬢☆」

「げっ…何で貴方が此処にいるのよ。」

「もー酷いなぁ。一緒に白の世界へ来た仲じゃんか。もうちょっとデレてくれても、良いんだぜ?」

「…下らないわ。それに、貴方のそのテンションに付いていけない。」

「それな。周りから良く言われるわ。」

 

 あ、綾瀬嬢が溜め息吐いてる。

 そして此方をジト目で見つめて――

 可愛い!

 綾瀬嬢、可愛いぞ!

 

 更に言わせて貰うと、流石俺。

 綾瀬嬢も呆れる程のハイテンション中毒者!

 大祐にも「へっきー、そろそろまずくない?」とか言われる位だからな。

 

…あ、そう言えば。

 今頃大祐は何をしているのだろう。

 可愛い女の子とか連れてきゃっきゃっうふふとかしてたり…。

 くっそ、彼奴だけ狡いぜ!

 これだからイケメンは困る。

 内面まではどうか知らんが。

 

 まぁ、これが強者と弱者の差ってやつっすな。

 あー酷い酷い。

 

「…んで?綾瀬嬢は何故此処に?」

「貴方、此処が何処か分かって言ってる?」

「ここどこ?」

「…はぁ、説明するのも面倒臭いわ。だから、一言で済ませるわね。」

「へい!」

「貴方の正面なテンションを一度で良いから見てみたいわ。…此処は白の世界、エンジェル達の縄張り。それも十二使徒のね。」

「へぇ〜…う゛ぇっ!?十二使徒!?」

「えぇ、だから貴方は引き下がりなさい。力無くして此処に留まるべきでは――」

「よっしゃあ!これで十二使徒に会えるぜぇ!!ふぅ〜!」

「…頭がヤバイ人なのかしら。」

 

 えっと?俺の星座は山羊座だから…。

 ハナエルか!

 名前に「ハナ」って付く位だから、きっと華の様に可愛くて美しい女性なんだろうなぁ。

 く〜…今直ぐ会いたいな!

 いや、俺から会いに行けば良いのか。

 よっし。

 何が何でも十二使徒「ハナエル」に会いに――

 

 っと、その前に。

 

「綾瀬嬢は此処が荒らせている事に、何か関与してるのか?」

「いいえ、私も今さっき辿り着いた所よ。…でも、何でこんな事に。」

「完璧に襲撃を食らったって感じだな。建物は崩壊、十二使徒ともあろう者達がここまでやられるか?奇襲をされた痕跡は…無いか。そうなると正面突破か……十二使徒相手にそれを敢行したとなると、頭の逝ってる馬鹿かナルシスト。それか十二使徒という存在を超す、更に上の存在。どれも捨て難い択だな。」

 

 人差し指を口に当て、思考を錯誤させる。

 何れにせよ、十二使徒達は殺される寸前、もしくは殺されるまでに追い詰められたのは決定的だ。

 じゃなきゃ自分の持ち場を離れないだろうし。

 余程の事が起こったのだろう。

 いやはや、面白い事件ですな。

 謎を解く為に考えるのは楽しいが、今はそんな事どうでも良い。

 本当に考えるべきは「誰がやらかしたのか」だ。

 俺みたいなAN(アブノーマル)じゃない限りは、こんな事をしないだろう。

 

 うーむ…悩み所だ。

 

「……」

「…ん?綾瀬嬢、どかした?」

「あ…いや、貴方もちゃんと考えるんだなと思って。」

「いやいや、俺は其処らの脳筋チンパン勢じゃありませんから。…誰がこんな事をやったんだか。」

「可能性なら一つ…無いとも言えないわね。」

「ほぅ?」

 

 まさかの綾瀬嬢には目処が立っていると。

 ねぇねぇ、俺にも教えてよ其奴。

 別に減るもんじゃないだろう?

 

 よし、完璧だ。

 こうやって話し掛けて、答えを聞き出す。

 やっぱり俺って天才。

…見た目は以外は伸代ある事位、自覚してるさ。

 

 そう、見た目以外はな!!

 

「綾瀬嬢、綾瀬嬢。それってだーれ?」

 

 あ、ミスった。

 こんな聞き方をしたいんじゃねぇ。

 俺はもうちょいこう…誘うような感じで…。

 

「…貴方は割りと情報に疎いのね。最近のニュースを見てないの?」

「家無い、携帯無い、情報網は自分の勘だけの引きニートすら出来ない俺に、何を見ろって言うんだい?裸体の女性なら大歓迎――」

「貴方の趣味なんてどうでも良いわ。」

「俺は裸の女性に惹かれたりはしない!服を着ているからこそのエロさってもんがあってだな?」

「知らないわよ、そんなの。…女性の目の前でそんな事を話題に出すなんて、デリカシーが無いのね。」

「俺は俺の好きなように生きる!それが俺、森山碧クオリティ!」

「最低クオリティね。」

「くそぅ…」

 

 綾瀬嬢に止めを刺されてしまった。

 あー…はいはいそうですね。

 俺は自分の事しか考えない、自己中野郎でしたね。

 九条大祐とかいう奴にも言われましたよ。

 

…ただよぉ、話が変わるけど彼奴さ。

 いい加減髪の毛切らねぇのかな。

 遠目から見ると腐れ縁の俺ですら、女と見間違えるし。

 地味に声が高いのも困りもんだわ。

 そんなに高い訳では無いし、怒ると低くなるけどさ…。

 

 いや、百歩譲って声は良いとしよう。

 生まれつき、仕様が無い事なんだから。

 彼奴に言えるのは、さっさと髪の毛切れだな。

 さもなくば俺が切ってやろうか?

 

 バー○ード的な髪型にでも――

 

「…ねぇ、聞いてるのかしら。」

「俺は俺の好きなように生きる!それが俺、森山碧クオリティ!」

「それはもう良いわ。飽きたし、呆れてきてるから。」

「流石低スペッククオリ……誰が低スペックだよ。」

「私は何も言ってないけど、強いて言うなら貴方が低スペックね。」

「それが森山碧クオリティ…ぐぅ、この。」

 

 低スペック、そんな筈が無い。

 こんなに素晴らしいノリを見せて、寧ろ高スペックと言われても良いのでは?

 皆さんも、そう思いませんか?

 いいえ、空耳です。

 嘘だあああぁぁぁ!!!

 

 なんてのは別にどうでも良いとして。

 俺が聞きたいのはそれじゃない。

 綾瀬嬢が立てた目処を聞きたいんだよ。

 別段、俺の評価などどうでも良い。

 どうせ低評レッテルを張られて終了のお知らせだろ?

 うん、知ってる知ってる。

 

「…んで、結局誰なの?」

「突然話題を変えるのも低評価に繋がるわよ。」

「良いもんね!それよりも誰かを教えて下さいなっ?」

「貴方、絶対遊び気分よね。」

「………い、いや、違いますよ?遊び気分だなんて、そんな、馬鹿な事――」

「バレバレよ。…ま、良いわ。教えてあげる。」

「あっざーす!」

 

 何かと言いながら、綾瀬嬢は優しいなぁ。

 はっ!

 まさか!

 

 綾瀬嬢は俺に対してツンの付くデレを発しているのか!?

 何て可愛い女の子なんでしょう!

 まさに俺の理想!――じゃないんだよな。

 別に綾瀬嬢が好きな訳じゃないし。

 

 いや、確かに可愛いとは思うよ?

 整った顔立ちにスタイルの良い体。

 綺麗な金髪のロングヘアーに、黒い服。

 映えるよな。

 

 悪いところが無いと言えば嘘になるが、数える程しかない…。

 というか数える必要がない。

 其処ら辺の男共に襲われないか心配だ。

 まぁ、クロネコヤマトがいるから大丈夫だろうけど。

 

「…ねぇ、人の話はしっかり聞いた方が良いわよ?」

「あー…いや、綾瀬嬢っ可愛いよなーって思ってさ。」

「かわっ!?馬鹿じゃないの!?そんな事より、話を聞きなさい!」

「へいへい。」

 

 顔を赤らめる綾瀬嬢も良いな。

 

「…で、最近ニュースになっているのが、Z/X達が狙われるって事件。」

「Z/X達が?」

「そう、Z/X。人間には危害を加えないって話なんだけど……Z/X達の今の話題はこれで持ち切りよ。

何が目的でZ/Xを狙って殺しているのか、私には分からないけど…。しかも其奴には名前も付けられてるし。」

「Z/X狩り…とか?」

「随分とそのまんまね。貴方のネーミングセンスを疑うわ―――と、言いたいところだけど。」

「合ってる的なアレですかな?」

「…えぇ、何だか悔しいけれど。」

 

 一体何が悔しいのか。

 俺としては、その発言に何だか悔しくなってしまう。

 要するに、綾瀬嬢から下に見られてるって事だよな。

 そんなに凄く嫌って訳じゃねぇけどさ、女性から下に見られてるってどうなの?

 ちょっと男としての威厳が成り立たんよな。

 

 至極どうでも良い話だが。

 

「で、そのZ/X狩りとやらが白の世界…十二使徒を攻めたと?」

「確証は無いけれど、考えるなら一番妥当だと思うわ。」

「因みに、Z/X狩りとやらの特徴は?」

「噂でしか聞いた事ないけど…全体を黒い布で覆ってるとか。」

「…其奴は何処に行ったんだかなぁ。」

「恐らくだが、緑の世界に行った可能性があるぞ。」

 

 綾瀬嬢と話を続けていると、野太い一つの声が頭に響く。

 如何にも、綾瀬嬢の声では無い。

 持ち主は恐らく。

 

「ズィーガー、やけに静かだったわね。何時も煩いのに。」

「煩いのはどっちだよ。此方人等、心地良い気分で眠ってたっつうのに。」

「…ズィーガー先輩、そのZ/X狩りが緑の世界に向かったというのは?」

 

 取り敢えず、どう呼んで良いか分からないので先輩と呼ばせて頂く。

 心の中では何時もクロネコヤマトなのだが。

 

「ん?あぁ…俺様の勘ってやつだ。」

「当てにならないわね。これ以上騒がしくなるのは勘弁、貴方はまだ寝てなさい。」

「あぁっ!?」

「ねぇねぇ綾瀬嬢。Z/X狩りって強いの?」

 

 緑の世界。

 確か、大祐が向かった場所だよな。

 直接本人からは聞いていないが、俺の限られた情報網を駆使すればこのくらい。

(※森山碧はストーカーでは御座いません。)

 

…おい、今嫌なテロップが流れた気がするんだが。

 気のせいか?

 

「Z/X狩り…まぁ、強いでしょうね。ズィーガーなんて役にも立たないくらいに。」

「あぁっ!?綾瀬テメェッ!!」

「そんなZ/X狩りに勝つ方法を、今思い付いた!」

「何かしら?」

「綾瀬嬢が裸になれば、相手もきっとイチコロさ!」

「…やっぱり、裸体の女性が好きなのね。」

「裸か…綾瀬の裸を引き合いに出すとは、中々センス良いじゃねぇか。着衣だけが全てな訳ねぇもんな。」

「あざーす!先輩あざーす!」

 

 まさかクロネコヤマトが誉めてくれるなんて、思いもしなかった。

 割かし気が合うのかも知れない。

 後で熱く語り合ってみようかな?

 女性の、綾瀬嬢の事を。

 

 クロネコヤマトが語り勝つ未来しか見えないのですが、それは。

 

「…ま、十二使徒がいないんじゃあ長居する必要は無いわね。先に失礼するわ。」

「じゃあ、お気を付けて!」

「後で熱く語ろうじゃねぇか。この嬢ちゃんの事をよ。」

「望むところだ!俺が負ける筈――ある!!」

「…下らない。」

 

 そんな会話を交えつつ、綾瀬嬢はデバイスからズィーガーを呼び出し。

 大きな黒い巨体が現れると同時に、一瞬で飛びさって行った。

 

 綾瀬嬢も、クロネコヤマトの上に乗るのが器用なもんで。

 流石綾瀬嬢クオリティ。

 クロネコヤマトクオリティの良いところは、頼んだ物を届けてくれるところかなぁ。

…え?それは違う?

 合ってると思うんだけどなぁ。

 

 まっ、そんな事は置い、とい、て。

 そしたら俺も緑の世界に行くしかないか。

 腐れ縁が襲われてたら大変だし、何よりも十二使徒が見たい。

 Z/X狩りとやらに尋問して、聞き出せれば完璧だ。

 

 そうと決まれば早速GO!

 目的地は緑の世界。

 目的は腐れ縁の様子観察&十二使徒!

 さぁ、決まったら止まらない森山碧クオリティを見せてやる!

 

「………え?俺、また歩くの?」

 

‐‐‐

 

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