Z/Xの世界に転移 〜この世界で幸せを見つける〜   作:黒曜【蒼煌華】

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第六十二話: 罰

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???視点

 

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ㅤ今世紀間違い無く、一番の慌しさ。

ㅤまさか私の計画が此処まで暴落するだなんて。

ㅤ邪魔者に次ぐ邪魔者…本当、私の歩む道を塞ぐ者達ばかり。

ㅤだからといって、止まる訳にはいかない。

ㅤ何としてもこの計画を果たしてみせるの。

 

 

 

 

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「…以上が、報告となります」

「………そう」

 

ㅤオリジナルXIII5人の大負傷に加え、各務原あづみ、A–zの取り逃がし。

ㅤ更には他の世界との関わり…。

ㅤたった一人の人間に、此処まで狂わされるだなんて。

 

「代価を払ってまで得られた有力な情報は…微妙、ね」

「それと、後…1つだけ」

「?何でしょう」

「交戦中、九条大祐、リゲルの戦闘値が異常なまでに跳ね上がっいた事が確認されました」

「………………………」

「これが、その情報です…」

 

ㅤふと、送られて来たデータに目を通す。

ㅤオリジナルXIII5人に重傷を負わせ、何度倒れようとも、死に掛けていようとも立つ男。

ㅤ九条大祐…リゲルや各務原あづみに、不必要な感情を芽生えさせてしまった者。

ㅤオリジナルXIIIから聞いた話によれば、不死身に近しい力を持つとの事だけれど…。

 

ㅤそんな人間との交戦情報。

ㅤ私は、何時の間にかそのデータに釘付けとなっていた。

 

「九条大祐に至っては…バイタル0にて交戦」

「リゲルに何故、この様な力が………」

「…私達にも理解不能でした。九条大祐と手を合わせ、互いに何かを決断したかの様な瞳を見せたと思いきや…私達でも止められない程の力を…」

「………兎に角、貴女達は休んでいて下さい。私は少しばかり、やるべき事が有るので席を外します」

「了解致しました」

 

ㅤバイタル0と表示されながらも、死を確認出来ないだなんて…不死身というのは強ち間違ってはいないという事…?

ㅤいえ…それは可笑しな話。

ㅤ幾ら強力なバトルドレスを手にしたからと言って、人知を超えた力を得る事なんて…。

ㅤアドミニストレーター以外に考えられない。

 

ㅤ加えて、リソースが無限に湧き出ずる能力。

ㅤそのリソースを利用し、対象者の真なる力を見出す、若しくは限界を超えさせる…。

ㅤこんな反乱分子が、私の邪魔立てに入るだなんて。

ㅤあの人が言っていた事は…本当なのです、ね。

 

ㅤ兎に角、今は九条大祐の情報を集めなければ…出来るだけ多くの情報を。

ㅤその為に彼を捕らえたのですから。

ㅤ支払った代償分は、きっちりと返して頂きます。

 

「九条大祐…鳥籠の鳥を放した男」

 

 

 

 

 

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「…既に、目覚めていたのですか」

「…っ!!」

 

ㅤ拷問部屋…とは少し違う、調教部屋とでも言えば正解でしょう。

ㅤ広い空間の中に、真ん中から仕切られた二つの空間。

ㅤその片方に、九条大祐は吊るされていた。

ㅤ設置されている長方形の様な形の物体に、両手両足を縛られながら。

 

ㅤ私は一歩、又一歩と彼へ近付いて行く。

ㅤ互いの距離が縮まっていくと、九条大祐が獣の様な鋭い瞳で、此方を睨みつけている事に気が付いた。

 

ㅤ全く…虫唾が走りますね。

ㅤ恨むのなら、最後まで戦い抜けなかった自分を恨みなさい。

ㅤそう、口から放たれそうになった。

ㅤが…。

 

「………………此処は…リゲルさんは、きさらちゃんは………何処だ…っ」

 

ㅤ弱々しい声を上げ、此方を威嚇するかの如く、更に鋭く睨みつけてくる九条大祐。

 

「あんたは…誰だっ…!」

 

ㅤそして、縛られている体を前に突き出しながらも、私に声を荒げた。

ㅤまさか人間に、こんな台詞を吐かれる日が来るとは。

ㅤ威勢の良さに驚かせれますね。

ㅤだけれど…それは負け犬の遠吠えと同じ事。

ㅤ私は九条大祐の質問を無視し、此方の話を一方的にぶつける。

 

「それを私が答える必要は有りません。九条大祐、貴方には私達の実験材料となって貰います」

 

ㅤバイタル0での活動、リソースの無限生成、バトルドレスの性能、それを扱う実力。

ㅤ何れも一級品と呼べる、正に喉から手が出る程に手に入れたいデータ。

ㅤ殺さずに捕縛出来たのは、本当に大きかったですね。

 

「…断る、と言えば」

「貴方に拒否権等、無いでしょう。バトルドレスが使えずに縛られている今。それでも抵抗しようとするならば、此方にも手が有ります」

「…?」

 

ㅤオリジナルXIIIと九条大祐の交戦情報を見る限り、彼の奥底に宿りし力は『怒り』や『守る意思』が関わっている様子…。

ㅤ果たしてこれを見て、この男が暴走しないかどうか。

ㅤそれでも、此方に加担するまで嫌という程苦しめる必要が有る。

ㅤ精神的にも身体的にも、地獄を見せてあげましょう。

 

ㅤ私は、自分の目の前に管理情報のデータを開き、それを弄り始める。

ㅤ指定…パスワード入力、クリア、設定、選択指定、決定…。

ㅤそうして管理情報を弄っていると、九条大祐の縛られている空間の真向かい、もう一つの空間に。

 

「…っ!!あんた…!」

 

ㅤ九条大祐と同じ様に縛られている、リゲルの姿。

ㅤそれを見た瞬間、男は激怒するかの如く、威圧的な声を上げる。

 

「…どうします?貴方が此方に加担しないと拒むのでしたら、向かいに居るリゲルに罰が下されますよ?」

「罰…?あんたの話はどうでも良い、リゲルさんだけは絶対に助けてみせる…!」

「…では、此方にーー」

「協力もしない、悪用される位なら…」

「死んだ方がマシ、とでも?」

「…俺もリゲルさんもこの場から逃げる、って選択肢しか無いだろう…!!」

 

ㅤ九条大祐はそう言うと、捕縛されている自分の体を激しく動かし、逃れようと抵抗する。

 

「…非力、其の物ですね」

 

ㅤ私はそう告げ、彼が抵抗を示した罰として。

ㅤ有言した通り、リゲルにその罰を下す。

 

「…っ!?ぐっ…あぁっ…!?」

 

ㅤ機能不全に陥り、捕縛されてから一向に目を覚まさなかったリゲル。

ㅤそんな彼女に下した罰。

ㅤこれはリゲルにとって、九条大祐にとっても悲惨な罰でしょう。

ㅤ体の内部を伝い、脳内に響かせる電流。

ㅤやがてその電流は記憶すら蝕み…。

 

「何もかも失うかもしれませんね、『自我』すらも」

「リゲルさんっ!!」

「此方の言う事を聞かなければ、貴方の大切なリゲルは犠牲になりますよ…?」

「彼女が一体、あんた達に何をしたって言うんだ…リゲルさんは、あんた等の所為で自由になれないっ…!!」

「何とでも言いなさい。貴方が私に無礼な口を開く度、どうなるか分かってますよね」

「黙れよ…その口を、今直ぐに閉じろ…!」

 

…自らが助けられないと、相手に願いを乞いますか。

ㅤ状況を悪化させたのは誰だと、思い知って貰わないといけないようですね。

 

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