Z/Xの世界に転移 〜この世界で幸せを見つける〜   作:黒曜【蒼煌華】

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本日二度目の更新となります(*´꒳`*)
一度目の更新、此方の更新共に内容が短いですので、二度目を投稿させて頂きましたm(_ _)m


第六十七話: 禁じられし力

「何…なの…この力…」

「………諦めなよ」

 

ㅤ一対一。

ㅤ俺とtype,IIは真正面から鍔迫り合いを続けていた。

ㅤお互いの守りたい者を守る為に。

 

「………諦める…?ベガ様の前で、恥晒しも良いところね…!!」

 

ㅤ彼女はそう言い、手に持つサーベルでの乱舞を仕掛けてくる。

ㅤ小刻みに動き、ブースターを使用、大胆に動いたりと。

ㅤ凡ゆる方向から攻め立てる。

 

ㅤ対して俺は、防戦一方となっていた。

 

「………………」

 

ㅤtype,IIの攻撃を全ていなし続け、隙を伺う。

ㅤ彼女の容赦無い攻めにも、必ず一拍の間が有る筈だ。

ㅤそのタイミングを逃さない為にも、俺は兎に角、サーベル一本で対処する。

ㅤ全てはその一撃に。

 

「…私の攻撃を…くっ…」

「何?……もう終わりなのか」

 

ㅤ丸で軽く遇らうかの様に対応する俺に、type,IIは困惑を隠し切れない様子だ。

ㅤ更に追い討ちを掛けるかの如く、俺は挑発的な口調で物を言う。

 

「…!舐めないで下さいっ…!」

 

ㅤその言葉にカチンと来たのか、type,IIはサーベルを真上に掲げ、出力を増大させる。

ㅤ徐々に徐々にと、大きく形を変えて行くサーベル。

ㅤ大体…彼女自身の2倍以上は有るだろうか。

ㅤ少し経過すると、恐らく出力が限界に達したのだろうか、辺りに『バチバチッ』と雷に似た電撃を放ちつつ。

ㅤ掲げたサーベルを構え、体勢を整える。

 

「貴方は…存在其の物、消えて貰います…!!」

「………あっそ………」

 

ㅤ塵すら残してはやらない、と。

ㅤ確実に殺す気満々だ。

ㅤ確かに、あんな物を喰らえば未来に死は確定だろう。

 

ㅤあんな物を、喰らえば。

 

ㅤ俺はそれを理解しながらも、右手に握るサーベルを真上に放る。

ㅤかなり高度に、高高度に。

ㅤ丸で勝負を投げ捨て、彼女の攻撃を真正面から受け止めるかの如く。

ㅤその場で静かに、何もせず佇む。

 

「ベガ様が仰っていました…貴方のデータは頂いた、と」

「………それが、なんなの」

「要するに貴方は『用済み』です。それが、貴方の死ぬ理由」

「……アンタに決められる程、安い死に方はしたくないな」

「光栄に思う事です。私の…全力を持ってして葬られるのですから」

「人の話……聞いちゃいないな…」

 

ㅤtype,IIが話を勝手に進め、呆れを覚える。

ㅤ人の生き方を否定し、死に方を決め付ける…そんな理不尽が通される筈が無いだろう。

ㅤもし、この世界が、その理不尽が通ってしまう様な世界で有るならば。

ㅤ俺も、理不尽で押し切ってやる。

 

「………さようなら、謀反者に加担した愚かな人間」

 

ㅤそして、彼女は確実に俺の死に狙いを定めた。

ㅤエネルギーで形成された大剣をその体勢のまま、ブースターを全力で吹かし、突きの形で此方に突進。

ㅤ恐らく、その一突きを俺の体に突き刺すつもりだろう。

 

「全ては、ベガ様の為にっ…!!」

 

ㅤただ真正面に突っ込んで来る様子で有るなら、単に横へ躱せば良いだけの話。

ㅤだが、type,IIは直前で、自身の体を捻り。

ㅤ華麗に一回転を見せ、手に持つサーベルでの薙ぎ払いを狙って仕掛けにきた。

 

ㅤサーベルの周りは強力なエネルギーで覆われており、触れる以前に近付いただけで屠られてしまいそうだ。

ㅤ要するに、逃げ場は上のみ。

ㅤ然し乍ら、俺はしっかりと認識していた。

 

ㅤこの場に二人目のオリジナルXIIIが待ち構えていた事を。

 

………上に回避した時点で其奴に狙われる。

ㅤ逃げ場はない。

ㅤ元より、逃げ様だなんて思っちゃいない。

 

「……………悪いけど、潰されるのはアンタ達だ」

 

ㅤ言っただろう。

ㅤ諦めなよ、って。

 

ㅤ俺は右腕を、ふっと横に伸ばし、空中で何かを掴む様に右手を握りしめる。

ㅤ刹那、刃と刃のぶつかり合う音が周囲に響き渡った。

 

「……………何処からっ…………………」

「…アンタの攻撃は俺に届かない。残念だけど、此れで終わりだ」

 

ㅤtype,IIはその場から動かず、キッと此方を睨み続けている。

ㅤ自身の全力を呆気なく対処されたからだろうか。

ㅤどうせはその程度の力、という事だ。

ㅤ今なら…オリジナルXIIIだろうが何だろうが、潰せそうだ…。

 

「…じゃあ、そろそろ終わらせようか」

 

ㅤふと、二人目のオリジナルXIIIが動きを見せようとしたその時。

ㅤ一手先に動きを見せたのは此方側だった。

ㅤtype,IIの攻撃を、右手に持つ太刀一つのみで対処している俺は、力任せに彼女の体を吹き飛ばす。

 

「っ…なんて、力っ…!」

 

ㅤ然し乍らtype, IIもその場で持ち堪える。

ㅤまぁ…吹き飛ぼうが吹き飛ばまいが、あまり関係無いけどな。

 

「…悪いけど、アンタには死んで貰う」

 

ㅤ俺はそう、一言告げると、地面を勢い良く蹴りtype, IIのゼロ距離にまで接近する。

ㅤ彼女はその速度にすら追い付くが、其処からの反応速度は此方が上の様だ。

ㅤ振り翳す太刀に、自らのサーベルを重ねて自衛を図ろうとするtype, II。

ㅤだが、彼女の腕に掛かる負担は異常な物だった。

ㅤ丸で全ての重力が伸し掛かるかの如く。

 

「…なに…これっ…!?」

 

ㅤ余りの一撃の重さに、type, IIの手に持つサーベルは真下へ弾かれる。

ㅤその際、彼女自身はバックステップを踏み、反動を利用したままブースターを吹かして後退を見せた。

ㅤ一度態勢を立て直す、その気満々じゃないか。

 

「逃す訳無いだろ」

 

ㅤ仕留めるならば今しかない。

ㅤ俺は自身の体を捻り、勢いのままに地面へ叩き付けた刀をtype, IIへ投擲する。

 

「なっ…!?」

 

ㅤ凄まじい速度で飛来する刀に、type, IIは反応を遅らせた。

ㅤ然し乍ら彼女は、バトルドレスの中でもトップに位置するオリジナルXIIIの一人。

ㅤ更にもう一つのサーベルを構え、迎撃を図る。

 

「人間如きが…!」

 

ㅤ苦しい表情を浮かべるtype, II。

ㅤどうやら、想定外の出来事に動揺を隠し切れない様子だ。

 

ㅤそして、彼女の構えたサーベルに、投擲した刀が触れた途端。

ㅤ周りに『バチィッ』という激しい音と共に、電撃が走る。

ㅤその電撃は目眩しの様にtype, IIの視界を奪う。

 

「こ…のっ…!!」

 

ㅤ一方的に不利な状況下に置かれるtype, II。

ㅤ自身の持つサーベルを力任せに振り、如何にか。

ㅤ彼女は、投擲された刀を見事跳ね返した。

ㅤ然し乍ら。

ㅤtype, IIは、空中に舞う刀を目にして苦の表情を浮かべる。

 

ㅤそれは何故か。

ㅤ突如として、彼女の目の前にもう一本のサーベルが投擲されていたからだ。

 

「………そう言う事ですか」

「今更気付いても…遅いよ」

 

ㅤtype,II目掛けて飛来する、もう一本のサーベル。

ㅤそれは…俺が少し前に空中に放ったサーベルが手元に戻り、それをtype, IIへと蹴り飛ばしたから。

ㅤ至って単純だ。

ㅤでなければ唯一の武器で有る刀を、態々捨てる訳が無い。

ㅤどうせ、type, IIに弾かれる事は演算済みだ。

ㅤだからこそ…。

 

「…今度こそ、沈んで貰うよ」

 

ㅤそう言い放つと同時に、投擲したサーベルはtype, IIへと触れる。

ㅤそれでもと、彼女はサーベルでの防衛を図るが…。

ㅤ右足に、一瞬のグラつきが生じたのを俺は見逃さなかった。

ㅤあの時の…リゲルさんが狙撃で与えた傷が癒え切ってない様子だ。

 

ㅤ更に、俺は地面を蹴り飛ばし、弾かれた刀を手に取る。

 

「………人間の跳躍力…にしては異常ですっ…」

 

ㅤ此方が投げつけたサーベルを地面へと叩き落とし、何とか二連サーベル投擲を防ぎ切ったtype, II。

ㅤ少しばかり息の上がっている彼女に対し、俺は刀を真下へ向け、頭上から突き刺しに掛かる。

 

ㅤガクッと、負傷した右足の膝を地面に着けるtype, II。

ㅤ最早動く事すらままならないのであろう。

ㅤ俺は容赦無く、彼女に刀の先端を突き刺そうと勢いをつける。

 

ㅤ漸く、二人を苦しめた存在の一つを抹消出来る…彼女達の為、此処で散って頂こうか。

ㅤそう言い放とうと、ふと…今までの記憶が脳裏を過ぎり、type,II…いや、青の世界に対しての憎悪が膨らむ。

ㅤこの一太刀に…全ての憤怒を込める。

 

「さよならだ」

「…………………」

 

ㅤ上から迫り来る威圧に、身動きすら取れず口も開けず、閉じた瞳を逸らすtype,II。

ㅤどうやら、覚悟は決まった様子だ。

ㅤならばその覚悟を無駄にはさせない。

ㅤ一瞬の激痛が走るまでも無く、刹那、楽にさせてやろう。

 

「俺は…青の世界、アンタ等を…全て滅ぼす。二人の為に、二人の世界の為ーー、…っ…!?」

 

ーーー

 

『そのちからは…だめっ…!』

 

ーーー

 

…頭の中に直接、響き渡る少女の声。

ㅤ次の瞬間、俺の視界は真白に染まった。

 

ーーー

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