オリ主が問題児世界でオレTUEEE!する話(大嘘) 作:詩人
私は帰ってきた
……確かに、ボンボン坊ちゃんとの交渉ごときでビビってられねーとは決めた。
決めたが、それ以外に関してもビビらねーとは言ってない。
つまり……。
『十六夜。一生に一度の頼みがあるんだが』
『この先何十回も聞かされそうだな』
『何千何万回でも済まねーんだよこの世界はよ』
夜も更け、星々が輝く夜空の下、オレ達ノーネームの主要メンバーは"サウザンドアイズ"二一〇五三八〇外門に向かっている。目的はレティシア奪還のための交渉だ。
一晩遅れの満月と街灯ランプの仄かな明かりで照らされた道に、他に人気らしいモノは一切感じられない。そう遠くない時間で目的の場所には着くだろう。
だが、その前にオレは十六夜に頼み込まなければいかねーことが1つだけあるのだ。
こればっかりは真剣な話だ。
『で、我らがノーネーム副首領サマのお願いってのはなんだ? 代わりに交渉してくださいって話なら断るぜ』
『いやそっちは頑張るからいい』
流石に交渉に関してまで投げ出すつもりはねー。
『ふん。取り乱して
『まあそれはそれとして
『失敗したら元も子もない。お前らのフォローはしないと言ったが、
『かなりで済む無茶じゃねーからな後で絶対お前も気づくと思うけど!』
そしてそろそろ違和感に気付いたであろう読者諸兄の方々にも説明しておこう。
実は今、オレと十六夜はアクセサリー型の恩恵を使ってテレパシーのような方法で会話しているのだ。
旧アルカディアの宝物庫ダメ元で探したらあったぜ恩恵!
オレでも使えるような便利グッズ程度のやつが結構残ってたわ。
この先も細かいシチュエーションで困った時は頼りにさせてもらうぜ!
『ペルセウスのボスだけは十六夜に倒してほしい。オレ達じゃ絶対ムリだ』
『……そんなに強いのか?』
『オレ達にとって
『じゃあ気合でお前らが倒せ』
『オレ達にとっては化物だつってんだろ』
で、話を戻すが問題はそこなのだ。
オレ達じゃどうにもならねー敵は流石に自分が出張る、と十六夜は先日言ったが早速初っ端からそのクラスの化物に喧嘩売ることになるのだノーネームは。
『……ってことはマジか。かのギリシャ神話が誇る大英雄ペルセウスと戦えるってことか? 確かにお前らに譲るのは惜しいな。是非俺にやらせて欲しいところだ』
ヤハハと楽しそうに笑う十六夜には悪いがそういう話ではない。
この
いや十六夜は困らないかもしれねーけどオレ達が死ぬ。
『どういう意味だ?この俺が箱庭を甘く見てるってのはまあ癪だが認めてやる。お前は俺よりこの世界について詳しいみたいだしな』
『実際白夜叉は想定外だったもんな十六夜!』
『……白夜叉みたいな奴がいるってことか?』
『違えー。逆なんだよ。白夜叉みたいな神様や初代ペルセウスの様な英雄なんて今の"ペルセウス"にはいない。いない上で言ってんだ』
『じゃあ気合でお前らが倒せ』
『お前にとっては雑魚でも一般的に見りゃ人知超えた強者なんてこの世界にゃごまんといんだよ!上は当然として下も化物で溢れかえってるから人外魔境なんだよここは!』
まあここら辺はコミュニティ"ペルセウス"の現首領と直接会えば十六夜も理解してくれるはずだ。
『
『いいや多分まだ十六夜は分かってねー』
『今の首領は名だけ継いだボンボン。甲斐甲斐しく世話焼いてる側近あたりが実質ボスで俺じゃないと倒せないって話じゃねえのか?』
『半分正解』
『半分?』
『今の"ペルセウス"首領。……ペルセウス当人直系の血を引いてて確か5代目だったか? 確かに碌でもないボンボンで、十六夜からすりゃ期待外れもいいとこだよ。厳密には側近じゃねーが、そのボンボンより遥かにヤバくて強い奴が一緒に控えてるってのも正解』
でもさっきも言ったろ。箱庭は
『そのお飾りボンボンですら滅茶苦茶強いんだ。俺達の時代の地球に行ったらそいつ1人で地球人類を余裕で皆殺しに出来る』
『とにかく"ペルセウス"とのゲームで十六夜に頼みたい事は2つ。一つはボスと側近をボコって欲しい』
『その様子だとお前の知ってる未来でも元からそうだったってことか。……おい大丈夫か? 想像以上に俺におんぶに抱っこじゃねえかノーネーム」
「これからも縋り付くからよろしく頼むぜ十六夜! いやマジでお前が色んな意味で生命線だからこのコミュニティ』
飛鳥と耀ちゃんがお前に肩並べるのはあと3年待ってくれ……
『……もう一つは?』
『これは念の為、万が一の話なんだが……
『……やっぱりそれも知ってるんだな。万が一ってことは側近含めて必要になる程の敵はいないってことだと思うが、理由は?』
そんなの決まってんだろ。
理由はただ一つ。
『余波でオレらみんな死ぬから』
『本当に情けねえなお前ら!』
『うっせーな言っとくけどあれ喰らって平気な奴この人外魔鏡ですら殆どいねーからな!?』
直撃すれば、恐らく全盛期の白夜叉ですら死にはしないまでも大ダメージは必須のはずだ。
……いやなんで耐えられるんだろうあいつ。
『
『
『は?』
『お前のそれ、
マジでやめてくださいお願いします。
『……いや、いくら何でもそこまでのはずがねえ。俺は一度地球でこれを使ったことがあるんだぞ。本当なら俺の世界はその時全部消し飛んでるだろ』
『まあ確かに
『そういう類いの過去もしっかり知ってんのか。多分未来で俺やあの死神野郎が誰かに話したって訳じゃねえだろそれ』
『だからすぐ鎌かけるのやめろや!とにかくあの必殺技は最低計算でもそれだけの威力あるからマジでやめてくれハイこの話題終わり!』
油断も隙もねえなこの主人公!
『一応聞いておくが、状況次第ではこの世界で使っても問題ないってことか?』
『終わりつったろ!……まあそれは大丈夫だ。パッと見じゃ分かんねーけどクソ広い以上にクソ頑丈なんだよこの世界。あ、でもあくまで箱庭という世界自体が頑丈ってだけで箱庭に存在してる物が頑丈って訳じゃねーからそこ勘違いすんなよ』
よし!これで何とか原作通りに十六夜がボコってゲームエンドだぜ!
いや序盤どころか中盤くらいまでマジでオレら足手まといだからさ……。
「で、そろそろ飛鳥と耀ちゃんは俺に左右からガン飛ばしてくるのやめない?」
「また悪だくみをしている権兵衛君が悪いわ」
「またって何だよオレじゃなくて十六夜だろ悪だくみしてんのは」
「
「本当は埃かぶってた伝説の武具使いたかったんだけどな……。十六夜ならいけたんじゃねーの?」
「俺も
「いやでも念のため何個かギフトカードに入れるくらいはしとこうぜ」
原作でも長物が必要だとサラに槍借りる場面あったしな。
「一応それなりに扱えるが、あくまで地球基準の普通の武術家程度だぞ俺は。はっきり言ってこの箱庭基準じゃ素人同然だろ。使うにしても物が物だ。今後のこと考えると紛失する可能性もできるだけ避けたい。
「本当に一つも言うこと聞かなかったの飛鳥? 権兵衛が今使ってる便利グッズ程度の武具だってあったよね?」
これも結構疑問だったんだよな原作読んだ時点で。
が、なーぜか宝物庫はノータッチ。ソシャゲならSSR~URランク間違いなしの武具やアイテムも一切奪われなかったと語られている。
いやまあそこまではいい。なんか理由あったんだろ。
けど普通の日常生活で使える便利グッズやお手軽武器クラスの恩恵の方は逆に全部ロストしてるってどういうことだ?
黒ウサギ達はちょっとした家財道具系恩恵の発注すら躊躇うほど困窮してる……までならともかく。それを全部子供たちのマンパワーで凌いでいたってことはそういこうとだ。
そもそも宝物庫に生活向上系恩恵が一つも最初からないのもどういことだ?
一個くらいはあるだろ。この後原作で十六夜が
宝物庫の外で普段使いしてた水珠(多分蛟劉さんから貰った片目加工したやつ)は仕方ないにしても。予備くらいあるだろ旧アルカディアほどの大規模コミュニティなら。
そういう疑問もあって風呂から出た後宝物庫入って探した結果……。
普通にあんじゃねーかオレらや子供たちでも使えるレベルの恩恵!!!
と4人で駄ウサギ吊るし上げてたのがほんの少し前のことだ。
灯台下暗し。まさか宝物庫に日常生活レベルの恩恵が少し残ってるなんて思ってもみなかったらしい。
実際、結構奥の方で隠れるように残されてはいた。見つけたときの黒ウサギの顔は髪よりも真っ青だった。
これはねーよ駄ウサギ。お前まさか原作でもそうだったんじゃねーだろうな。
「申し訳ございません! 本当に申し訳ございませんでした!!」
今は適当な鉄棒に括り付けられて十六夜に担がれている。ノーネームを出発してからも謝罪を繰り返しているが、ペルセウスから帰ったらウサギ鍋は避けられねーだろう。
そう実は黒ウサギもずっと一緒にいました。
「一応あったわ。自分で火を灯すランタンだとか涼しい風を送る団扇みたいな道具程度ならね。でもまず今は子供たちの生活のために使うべきよ。
「本当にそうなの十六夜? 権兵衛が恩恵を解析できるって」
「ある程度はな。今はそういことで納得しとけ」
「ゴーレムを召喚する恩恵になんで翻訳能力や解析能力があるのかしら。……十六夜君と権兵衛君、貴方たちまた私達に何か黙ってることあるわね」
「……白状するなら今のうち。ここから先は権兵衛の体に聞く」
「だからオレだけターゲットにするのはやめてください」
で、まあ、はい。
流石に全部が全部女性陣に隠しきれる訳ねーので原作知識を解析能力と偽ってゴリ押すことになりました。
……やっぱこれ無理がねーかなあ十六夜!?
というか多分耀ちゃんにはそこそこ俺らの内緒話や独り言聞かれてた可能性大いにあるぞ!
ペルセウス本拠は、まだ遠い。
〇耀ちゃんの聴力
実は、そこそこ内緒話や風呂での独り言聞かれてたりする。
この時点だと十六夜もそこまで聴力あると想定してなかったし権兵衛に女性陣2人の能力まだ詳細聞いてないのでやらかしてる。
…聴力なら黒ウサギもだって? いやあいつ例の如く駄ウサギ発揮してるから…
〇例の必殺技の威力
マジのマジ。
いや確かに『星を砕く威力』とよく原作でも表現されてるんですが、どうも過小評価的な方向での比喩表現っぽいんですよねこれ…。
まずこの世界の三大最強種の一角、一般的な星霊さんの耐久力が「宇宙を無限個ぶっ壊すような威力が最低限ないと無理」とか明言されてるイカれたスペックでしてね。
そこまでならまだ『多元宇宙』級の耐久力止まり(いやこの時点で派手におかしい)なんですが、実際は問題児世界における「宇宙」「並行世界」とは、一般的な意味合いとは違い「無限の並行世界が集まった多元宇宙一つ分」のこと、と続編ラストエンブリオで判明。
つまり一般的な星霊さんの本当の耐久力は「多元宇宙を無限個ぶっ壊すような威力が最低限ないと無理」=『多元宇宙が更に無限』級が真実であることも同時に明かされました。
で、例の必殺技はこの一般的な星霊さんでも問答無用で死ぬと同じく原作で明言されているのです。怖い。
そしてそれすら耐えられると明言されたのが星霊の更に上位種と言われる全盛期白夜叉や全盛期アルゴールです。まあ『耐える』って表現的に死なないだけで多分普通に死ぬほどクソ痛いのでしょうがそれでもおかしい。