オリ主が問題児世界でオレTUEEE!する話(大嘘) 作:詩人
作者の都合と逆廻十六夜の思惑が一致しました。
よって本作では十六夜の活躍、及び知名度が原作に比べ大幅に減ることになります。
あくまで表向き、目に見える形での話ですが。
裏方に回った彼の今後の暗躍にご期待ください。
どうして、こんな事になっちまったんだ。
「さあ、コミュニティに帰るんだ! そして仲間のコミュニティに言いふらせ!」
どうして、こんな事になっちまったんだ。
「期待してるぜ、ジン坊ちゃん!」
「明日は頑張ってくれ!」
「
どうして、こんな事になっちまってるんだっ!
「俺達のリーダー、ジン=ラッセルが。
「ま………待っ………!」
「お願い戻って来てみんなぁー! ジン君はともかくオレはっ」
いくらオレという異物が存在しようと、オレが直接関わらない事象は当たり前だが原作通りに進む。事実、ノーネームの本拠に着いた夜中、女性陣が風呂に入ってる間に奴らはやって来た。
ノーネームの居住区画に建てられた別館。そこで今寝ているノーネームの子供たちを攫いに来たガルドからの刺客だ。
明日行われるギフトゲームに勝つための人質にしようとしたのだろう。
別館の前で迎え撃つは最強問題児、逆廻十六夜。と、ついでにオレ。
戦力差は歴然。クジラとアリが戦うようなもんだ。勿論アリは侵入者側な。
十六夜は侵入者をあっさり一蹴。十六夜が森を吹き飛ばして起きた爆音に気付いたジン君が慌てて出てくる。
そして、なんとここで驚愕の事実が!
侵入者たちはガルドに無理やり従わされていたのだ!
逆らおうにも自分たちも子供を人質にされ、仕方なくノーネームを襲ったのだという。
彼らに同情したかって? いんや欠片も。いやオレじゃなくて十六夜が。
そりゃ自分の子供のためとはいえ、新しい人質として別の子供攫うことが許されるとはオレも思ってねーぜ?
十六夜の言う通り、なんの解決にもなってねーどころか同じ穴の狢だ。
でも不可抗力というか仕方がなかった部分もあるじゃん? 少しは同情出来る部分もあるじゃん?
なのに十六夜は心の底から、欠片も同情なんかしちゃいねー。鬼かコイツ。
しかも開口一番に軽いノリで
───もう人質喰われてるから。この話題終了。
悪魔か。
極め付けには新しい悪戯を思いついた子供のような笑顔で、ガルドが憎いかと彼らを煽る煽る。
しかし、格の低い"獣"のギフトを持っている彼らには勝ち目がない。ガルドが持つギフトの格は遥か上。
更にガルドはとある超弩級の大魔王の配下である。万が一倒せても魔王にまで目を付けられれば、地獄が生温いほどの未来が彼らを襲うだろう。
───だが、その"魔王"を倒すためのコミュニティがあるとしたら?
もう十六夜の顔は完全に悪人面へと変わってたね。
半信半疑ので困惑している侵入者たちに、十六夜は次々言葉を重ねる。
───言葉の通りさ。俺達はあらゆる魔王、及びその傘下の脅威から全てのコミュニティを守る。
───俺達に守られたいコミュニティは口を揃えて言ってくれ。"押し売り・勧誘・魔王関係御断り。まずはジン=ラッセルの元に問い合わせて下さい"ってな。
───人質のことは残念だった。
───だけど安心していい。
───明日ジン=ラッセル率いるメンバーがお前達の仇を取ってくれる!
───その後の心配もしなくていいぞ!
───なぜなら、俺達のジン=ラッセルが
あれだ、悪魔に魂を売る死の取引を見せられてた気分。
十六夜の言葉に乗せられた侵入者一同は希望に目を輝かせてたけど、普通に考えたら実現不可能だ。
彼らは魔王の脅威を知らねー。いや確かに魔王が恐ろしい存在だということは分かってるのだろう。
だが魔王がどれほど強大で、凶悪で、絶望的な力を持ってるのか、
だからこそ十六夜は、いやオレ達ノーネームは彼らにまやかしの希望を見せることが出来た。
十六夜にまやかしなんかで終わらす気がねーのだとしても、六桁以上のコミュニティに在籍する者達ならそれはまやかしだと断言するはずだ。
ちなみに、十六夜の片腕で口を押さえ付けられてたジン君の瞳は絶望一色だった。
で、本題はこっからでね。
白夜叉の時も似たようなこと言ったと思うが、ここまでの展開は原作知識で知ってたから別にいいんだ。
知識として知ってるだけなのと実際に体験するのとでは大きく違うのも白夜叉の件で学んださ。
いやドン引きだったわ。主人公が最序盤でやっていい手口じゃねーぞこれ。
問題は、十六夜が最後に付け加えた言葉。
なんて言ったと思う?
───そして我らがコミュニティのエース、この名無しの権兵衛が"魔王"を倒すために立ち上がったのだから!
───え?
そして冒頭に戻るわけだ。
もう何が起きたのか分からず茫然。
希望と十六夜の言葉を胸に外へ駆け出す元侵入者達。
ジン君と共に慌てて彼らを呼び戻すが時すでに遅し。
残ったのは凶悪な笑顔でニヤニヤこっちを見る十六夜だけだったとさ。
いやマジでこのままだと無惨に死ぬぅ?! お願いジジイ時間巻き戻してくれーっ!
※※※※
「ハッ、そんな落ち込むなよ。恩恵ってのは鍛えれば強くなるんだろ? しかもご丁寧に"[Lv.1]"だなんて表示されてんだ。つまり、この恩恵にはまだまだ成長の余地がある。まるでゲームのスキルのように分かりやすいな!」
「うるせえっ! 人外チート野郎に言われても嫌味にしか聞こえねーんだよ! いいよなお前は。その気になれば星の一つや二つ簡単に消し飛ばせるもんな! ホントはさっきの白夜叉と殺り合えたのも知ってんだかんな!!」
「…おい待てなんで知ってんだお前」
白夜叉と別れてからノーネームの本拠に向かうまでの間、オレがまず初めに行ったのが恩恵の使用である。
と言うのもだ、後回しにしていた耀ちゃんへの対応をするときが遂に来たのだ。
もちろん原作知識を話すわけなんかねー。かといって上手い誤魔化しかたも思い浮かばねーまま。
ここでオレがとった手段は一つ。チート能力によるごり押しである。
よく他のオリ主たちがやってるアレである。
『ふっ、真実を知りたいんならオレに実力を認めさせてみるんだな』
え、結果どうなったって?
………見事にボコられたよ。
まずね、ゴーレム1体創るのにね、1分もかかったんだ。
1分って、1分ってお前、バカじゃねーの。
たった1体創るのにそれだけかかったら何万回も死ぬわこの世界。
弱っちい本体のオレを守るための恩恵なのにこれじゃあ何の意味もねえじゃねーか。
こういう能力って一瞬で何百体もパパッと創れるもんだろ? 強めの転生特典って言ったじゃんジジイの嘘つき!
んな訳だから恩恵を発動してからゴーレム創造が間に合わず、調子こいてたオレは無防備なところを耀ちゃんからタコ殴り。
自分より年下の、それも小柄な女の子に素手でボコられるのって結構心にくるよね。
そしてボロ雑巾になったオレの目の前に出現するゴーレム。
石とも鉄とも判断つかない謎物質で構成された体。人型で身長は約2.5m。頼もしそうな見た目だ。でもおせーよ。
でね、まだ続きがあってね。このゴーレム、超弱いんだ。
いや確かに強いんだぜ? オレが10人いたってこのゴーレム1体にゃ敵わねーぐらいには。
でもね、耀ちゃんにボコられた後ね、もう1ラウンドお願いしますって必死に土下座してね、このゴーレムと戦って下さいってプライド投げ捨てたのよ。
女性陣が俺を見る目、もう完全に可哀想な物を見る感じだったなあれは。
で、なんとか懇願が通じて戦ってもらったわけよ。
結果。秒殺。
オレのゴーレムが秒殺。
耀ちゃん曰く、昼間のガルドと大差ないと。
ははっ、お前、ガルドと大差ないって。
1分もかかってやっとこさ創ったゴーレムだよ?
なんだこれ。こんな雑魚能力で生き残れと?
仮にだ、十六夜の言う通りこの恩恵が成長するとしよう。実はそこは全く疑ってはない。
もともと恩恵ってのは鍛錬や代償を払うことで高めることが出来る。それはオレの恩恵に限った話ではなく、この世界における当たり前の事だ。
なのにオレの恩恵にLv.1だなんて表記されてるって事はたぶん、
十六夜が口にしたゲームみたい、って表現はまさしく言い得て妙だ。
ゲームでよくあるスキルや魔法などといった力は
つまり持ち主であるオレ自身の才能に依存しない、左右されない、やる事さえやれば誰が手に入れても成長することが決まっている恩恵だとオレは睨んでる。
恩恵の成長を疑っていない事の根拠についてはこれくらいにして、話を戻そう。
仮に将来、1秒でこの強さのゴーレムを1万体創れるぐらい成長するとしようか。
果たして、そこまで成長すれば箱庭で生き残れるだろうか?
無理だ。
そりゃコミュニティの運営やゲームの謎解きには役立つ。
でも生き残るのは絶対無理だ。
何故ならオレがこれから所属するコミュニティは"ジン=ラッセルのノーネーム"。箱庭の強者達と激突する未来が約束されてる。
ちょっと強い奴1人に遭遇すれば、オレの命は確実に終わる。
十六夜クラスの人外なら0.01秒もあれば1万のゴーレム全てを一撃で吹き飛すぐらい容易い。それ以前にゴーレム創造にかかる1秒の間で何百回もオレを殺せるだろう。
100倍界○拳ぐらいの強化を想定したオレでもこの有様。
この先原作で登場した化物どもと渡り合おうものなら、更に仙〇モードとか卍○とかギ○2とか『強制的に成長したんだ…‼︎僕を(ry』並みの強化を重ねがけする必要がある。
ふざけんな。仮にこの恩恵にそこまで成長できるポテンシャルがあったとしても不可能過ぎる。何千年かかんだよ。最初の100倍界○拳の時点で諦めるわ。
白夜叉のゲーム盤ではしゃいでた頃のオレに戻りてぇ…
「という訳でですね耀さん。こんな弱っちいオレに大した秘密なんて一つもないから、喋れることなんて一つもないから。…だからお願いしますこれ以上追及は勘弁してくださいッッ!」
「想像以上に情けねえなお前」
「私こんな男と同列扱いされたの…」
疑いとか通り越して完全に哀れみの目で見てくるヘッドホンとお嬢様。
く、くやしくなんかないんだからなっ!
「…これくらいで勘弁してあげる。でも、そのうち絶対話してもらうから」
「いや、だから隠し事なんて何も」
「これ以上しらを切ろうたって無駄だぜナナシ。お前が何らかの事情を抱えてんのは見りゃ分かる。つーか隠すの下手なんだよお前は」
「え、マジ?」
「まじまじ。分かりやす過ぎて逆に怪しいぐらいだ。ま、他人に知られたくない過去ってのは誰にでもある。それを無理に掘り起こそうなんて無粋な真似はしねえよ。」
「………でも女性陣と違ってお前オレのことめっちゃ警戒してたよな? 現在進行形で警戒してるよな? 目が全然笑ってねーんだけど」
マジで笑ってなかったぞお前。
「待たせたな黒ウサギ! そろそろノーネームの本拠へ行こうじゃねえか!!」
「テメッ、やっぱ掘り起こす気満々だろ!? おい待て顔そらすなこっち───」
※※※※
「もう回想終わり!?
「おい何叫んでんだ夜中にうるせえだろ」
「いいからこっちを向いて下さい十六夜さん! あなたは自分が何を仕出かしたのか分かってるんですか!? あと夜中にうるさいとかあなたが言っていいセリフじゃ」
「御チビうるさい」
れれれ冷静になるんだオレ。
時間を巻き戻すなんてこと出来やしねーんだ。
まあ三桁の神々なら余裕だろうけど。いや箱庭だと一部の星霊以外は制限喰らって無理なのか? くそッ、ここが外界だったなら…!
「いい加減落ち着けナナシ」
「誰の所為で混乱してると思っとんじゃコルァ!!」
無慈悲なチョップでジン君を鎮めた、いや沈めた馬鹿野郎がイイ笑顔で喧嘩を売ってきやがる。
なんなのコイツ? 何が目的なの? オレを殺したいの?
「これもノーネームを復興させるプランのためだ。後で詳しく説明してやる」
「説明するまでもなくオレが無惨に死ぬのが分かるわ。なんでオレまで神輿にしたの。ジン君だけで充分だろ? つかお前がやれや」
「やっぱりな。御チビを神輿にして魔王に喧嘩吹っ掛ける作戦自体には驚いてねえんだな?」
……………
「はあ? 旗無し名無し人材無しの没落コミュニティを復興させる方法がこれくらいしかねーことぐらいオレにも分か」
「嘘つけ。お前はそんな頭が回る奴じゃねえ。むしろ馬鹿の部類だ。」
「オレが何言われても傷つかねーと思ってるだろオマエ」
「仮に思いつけたとしてもだ、こんなぶっ飛んだ作戦容認出来るほどの度胸もお前にあるようには見えねえよ」
「いや容認なんかしてねーから! さっきからオレがどんだけ混乱してんか見りゃ分かんだろ」
「ああ分かる。こんな危険な作戦で、しかも神輿になるのが自分ときた。お前なら恐怖に慄き混乱するだろうさ。」
ヤバい。
「だが、さっきも言ったよな。お前、
ヤバい。
「お前が急に慌てだしたのは、俺がお前の名前を出した後だ。それ以前までは何食わぬ顔で、まるで自分は安全地帯にでもいますと言わんばかりに静観していた奴が、今更騒ぎ出すのは妙だと思わねえか?」
「当たり前だ。こんな危険な作戦の神輿になんてされるとわかりゃ誰だって慌てる。弱っちいオレなら尚更…!」
「それこそおかしいよなあ。お前、この作戦がどんなもんか理解してんだろ?」
ヤバい。
「 危険なのは御チビだけじゃない。むしろ御チビが実質お飾りな以上、命を張るのは助っ人で召喚ばれた俺達のほうだ。裏方に回れば大丈夫なんて訳でもねえしな。なんせ箱庭にいる全ての魔王に喧嘩を売るんだ。お前の言うことが正しければ、こんな危険な作戦が俺の口から飛び出た最初の時点でお前は驚き混乱してなくちゃおかしいだろ。
嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ嘘だろ?
まだ、まだ会って半日経ったぐらいだぞ!!
ボロを出さなかったとは言わねー。この短い間で何度もやらかしたさ。
だがそれでも、それでもここまでバレるほどの判断材料は与えてねーはずだ。
いくら十六夜が頭脳チートでも、前提となる情報が少なすぎたら推理もクソもねー。未来予知や読心が使える訳じゃ、ましてやオレみたいな原作知識持ち転生者じゃあねーんだから。
まずい、非常にまずい。
どこまで見抜かれた? 流石に原作や転生云々までバレてるわけねーのは断言出来る。
名前を尋ねれば記憶喪失だからと答えられず、分かるはずがない三毛猫の言葉が何故か分かって、助っ人で召喚されたにもかかわらず恩恵の自覚がない。
言動や行動、見え隠れする思想、そして恩恵と側から見て余りに人とズレてたとしてもだ。流石にそこから推理するのはまず不可能だ。
そもそもだ。
なんでオレだけなんだ?
逆廻十六夜がここまで突っかかって来る理由は何なんだ?
いや落ち着けまだ挽回は出来る。
十六夜が言いたいのはこうだ。
オレは十六夜と同じ作戦を思いついていた。当然作戦の危険さも理解していることになる。なら、度胸も強さもねービビリのオレは初めから異論を唱えてなくてはおかしい。
オレは十六夜と同じ作戦を思いつけなかった。魔王に喧嘩を売るなんていうふざけた作戦をだ。なら、オレがジン君と共に神輿になることだけに驚いたのはおかしい。
これだけだ。
さも正体見破ったり、みたいな口調で推理を披露しているが要約すればオレの矛盾を単に指摘しただけ。昼間の件で秘密があること自体がバレてる今、この指摘に意味はほとんどねー。
つまり、これは鎌かけだ。考えてみりゃさっきオレを引っかけたのもそうだ。それっぽい雰囲気出してオレを追い詰め、オレが新たなボロを出すのを待ってるんだコイツは。
だったら簡単。昼間と同じく開き直って黙ってりゃいい。喋らなきゃ殺されるって訳じゃあねーんだ。いくら十六夜でも無理矢理聞き出そうなんてす───
「この際だ、御チビが気絶してる間にはっきりと言ってやる。ナナシ、お前は手紙を受け取ってねえな? ノーネームに呼ばれて箱庭に召喚された訳じゃねえだろ」
いきなり飛躍し過ぎだバカ!
いや待てまた鎌かけでオレの反応を窺ってるだけだそうに違いねー。
「おいおいここまで来てだんまりかよ。今度は鎌かけじゃねえ。確信するだけの理由がある。お前が隠してる秘密の中じゃ氷山の一角程度だろうが、いやだからこそか。俺からすれば驚天動地だったぜ」
惑わされるな。
今考えるべきなのはオレの秘密を隠すことじゃあねー。
むしろ逆だ。十六夜の思惑を、オレまでノーネームの神輿に担ぐ理由をこっちが暴いてやることだ。
まず間違いなく、原作と同じでジン君だけの名前を売っていくってのが元々の作戦だったはず。オレという異物が存在していても、だ。異物がオレ以外の誰か、それこそよくあるチートオリ主だったとしても同じだろう。
この作戦はその性質上、ノーネームに召喚された助っ人の人数が増えただとか、オリ主がズバ抜けて優秀だとかそういう理由では変わりようがねーんだから。
つまり
目的はなんだ? オレの正体を暴くためか?
いやでも鎌かけの為だけにしちゃ余りにリスクが高すぎる。なんせこれはノーネーム復興を賭けた作戦。今この瞬間の為だけに未来を不意にするようなことをあの十六夜がするわけがねー。
…ん? ってことはメリットがあるってことなのか?
ジン君だけを神輿にするより、オレ以外の誰かを神輿にするより。
ジン君とオレ2人を神輿にした方が元々の作戦より上手くいくと十六夜は判断したのか?
え、マジかそれ。頭悪いオレでもありえねーって分かるぞ。
オレじゃなく十六夜なら理解できる。なんなら黒ウサギでも飛鳥でも耀ちゃんでもいい。
白夜叉をモデルにしたのがこの作戦。コミュニティそのものではなく、そこに所属する個人の名を広めることで
つまり、その個人が強大な存在でなければ成立しねーのだ。
ホントは原作でも十六夜が名刺代わりになるのが一番だったはずなんだ。でも十六夜は幼いリーダーであるジン君の顔を立てた。いや、ジン君の将来のためを思ってあえて厳しい立場に追い込んだ。
結果、原作のジン君はコミュニティのリーダーとして見劣りしないほどの成長を見せることとなる。
十六夜を差し置いてオレまで神輿になるメリットがまるで見当たらねー。十六夜には何が見えてんだ?
「…十六夜。オレは頭悪いからよ、ねー頭どんだけ捻ってもオマエの考えがまるで分からねー」
「見るからに馬鹿だもんな。超頭脳派な俺の考えを一片も理解出来ねえのは分かりきってるぞ」
「オマエ覚えとけよいつか絶対復讐すっからな! まあとにかく、ここまで好き勝手にオレのこと探りやがって。今度はこっちが聞く番だ。何が目的だ? これは個人の秘密云々じゃねー。ノーネームの今後を左右する話だ。そっちこそだんまり決め込めると思うんじゃねーぞ」
「ハッ。おいおい最初に言っただろ? 詳しく説明してやるってな。ま、これはお前にとっても悪くない話だ。安心しろよ、俺はお前を敵だとは思ってねえ」
〇とある超弩級の大魔王
原作第1巻のみに名前だけが挙げられた魔王。以降、最新巻まで登場どころか話題にすら挙がっていない。
作中では箱庭を出奔した後、行方不明だと語られている。箱庭に戻って来る気はないらしい。ちなみに、ここで言う『箱庭』が宇宙、大陸、都市のどれを指しているのかは不明。
問題児ファンの皆様の中には「あのガルドの上司だし、どうせたいしたことないんやろ?」と思ってた人も多かったのではなかろうか。作者も思ってました。
実はヤバイ。マジでヤバイ。超ヤバイ。仮に作者の想定が正しかった場合、もし彼が出張って来たらノーネームは確実に1巻序盤でbadend一直線だった。チートオリ主が100人いようが1000人いようが覆せないぐらいには戦力差があると思っていただいていい。具体的には弱体化白夜叉よりは確実に強い。
原作では魔王の強さ、及び魔王が行方不明中であることをノーネームは知らないままガルドに喧嘩を売っていたのだから、いやはや本当に運が良かったとしか言いようがないですね。
〇逆廻十六夜
言わずと知れた我らが原作主人公その1。
強い。糞強い。超強い。でも現状は箱庭だと精々中の中という恐怖。
ちなみに今のオリ主が一億回挑んでも勝ち目はない。どころか一秒あれば軽く千回は殺されます。オリ主が絶好調で、十六夜が絶不調で、何らかの奇跡が起きて、人生10回分ぐらいの幸運を使い切れば5秒持つぐらい。
が、本作でその強さが発揮されることは殆どない。十六夜ファンの皆様ごめんなさい。
しかし安心して頂きたい。彼は戦闘一辺倒の脳筋ではない。むしろ政務も経理も外交も参謀も謀略も統率も謎解きもこなせる万能超人である。今後はコミュニティ運営にその力を生かして貰います。
原作の彼は復興のため描写内外問わず、表舞台と裏方跨いで殺人レベルの仕事を捌いていました。
つまり本作は原作と違い、その膨大なリソースの大半を裏方に回せることになるので、ノーネームが凄いことになる予定です。本当に凄いことになる。さすイザ!
〇あの後も色々あった
ノーネーム本拠到着〜侵入者撃退までの間に色々ありました。
本当に色々。何かおかしいところがチラホラ。
〇余りに人とズレている
問題児3人が異常な存在なら、権兵衛は異質な存在。種類が違う。
作品の外から転生してきた異物だから。だけではない。権兵衛自身にも原因があります。(なお特に強化フラグ等ではない模様)
Q.俺はお前を敵だとは思ってねえ
十六夜は権兵衛のことを敵だとは本当に思ってない。普通に味方だとも考えてます。それはそれとして敵よりももっとおぞましく気持ち悪い『ナニカ』だと思ってるだけです。権兵衛を見た時から彼の勘がそう叫んでます。
でも自分の眼で権兵衛を観察しても、強い奴にもヤバい奴にも凄い奴にも見えない。目の前の実像と、見え隠れする背景が1つも噛み合わない。なんだコイツ。
まあ仕方ないね。作中人物からすれば原作知識持ち転生者なんて存在自体がタブーかつ反則のキモイ奴ですし。