『名波提督貴下、攻撃部隊全18隻は、11:00より保有する全火力によって貴艦隊を殲滅せんとす。貴艦隊に居る曙をコチラ側に渡せば攻撃は中止する。宛、横須賀鎮守府提督、田島 孝允。発、舞鶴鎮守府提督、名波 由人!!!』
『な・・・、
名波ぁ!!!』
名波提督からの電文の内容が流された後、無線機には怒り叫ぶ
「電信室から報告です。10:30現在、田島提督からの返信はありません。」
「提督。もし、返信がなかった場合は、予定通り攻撃を決定しますか?」
妖精さんが、大和に報告をした後、大和は不安そうに名波に問いかけた。
「いや、アイツは絶対に返信して来る。」
クルーザーに乗っている名波は、自信満々で大和に答えた。
「大和の46cm主砲は想像を絶する破壊力です。海軍の代表機、一式陸攻の爆弾搭載量が800kg、大和の三式弾は、1.36t、全弾900発だとすると、一式陸攻15000機と同等の火力です。戦艦でさえも1発当たれば致命傷になる可能性が高い・・・。」
『それでも構わない。〝馬鹿め〟と返せ。』
無線機からは
「え?」
『〝馬鹿め〟だ!!!』
「は、はっ!!!」
「田島提督からの返信です。」
「何だ?」
「ば、〝馬鹿め〟です。」
「ふ・・・、ふざけるなァァァァァ!!!」
名波は、
「!!!」
「絶対に全て沈めろ!!!大和、武蔵共に主砲攻撃用意!!!」
「は、はい・・・。」
大和は、味方を撃つことを嫌悪感を感じながらも主砲照準を曙達の艦隊に向けた。
『大和は艦砲射撃を実行する。曙。こうなった以上、曙のイージスシステムを駆使して確実に仕留める他は無い。』
「田島提督。相手は名波提督です。」
『そう・・・。
だが、相手は誰であるかは関係ない。漣達は漣達の目的を完遂するだけよ。』
「武鐘発動します。対水上戦闘用意!!!」
『対水上戦闘よーい。』カーンカーンカーン
「トラックナンバー、2184。舞鎮第1艦隊旗艦、大和ぉ!!!」
『まさか、舞鎮の大和とまた戦う事が来るとな・・・。』
「提督。SM‐2を使用すると、1度に15発まで迎撃できます。しかし、第2射以上斉射されたら防ぎきれません。それに、第3射、第4射にもなると更に迎撃精度は落ちます。大和の主砲は9門。1度に斉射されれば防ぎきれません。」
『手持ちのチップでは勝負にならない・・・か・・・。』
「は?」
『初弾さえしのげれば次の一手はこちらからできる。曙。よろしく頼む。』
「はっ。最善を尽くします。1、2管、発射の瞬間を見落とさないで!!!イルミネーターレーダー、スタンバイ!!!」
「射撃用意よし!」
「第2艦隊の消失は孝允に大打撃を与えることが出来る!!!ハハハハ!!!今すぐ殺せ!!!」
名波は、大和が射撃用意が出来たらすっかり上機嫌となった。
「第1射、てーっ、」
大和の合図で艤装全体にジリリリリと警報が鳴る。
「撃ち方はじめ!!!(撃)てぇー!!!」
ドォン!!!ドォン!!!ドォン!!!と大和と武蔵の主砲から46cm主砲弾が3発撃たれた。
『出ました!!!大和、武蔵発砲!!!』
砲弾を感知したCICから報告が直ぐに来る。
「いくつだ!!!18つか!!!」
『いいえ、12つです。本艦まで41000!!!』
「SM‐2発射、始め!!!」
『後部VLS、SM‐2、発射ぁ!!!サルボー!!!』
妖精さんの掛け声と共に
「SM‐2、コース再確認。コンマ1秒でもズレたらアウトだ。」
『SM‐2、命中。目標、全弾消失しました。迎撃成功です。』
画面から砲弾のマークが消えると同時に妖精さんから報告が届くと、
「ん?弾着4秒前だが・・・?」
「見張り員さん。どうなってますか?」
名波と大和は、いつになっても着弾についての報告が無かったので、大和は、見張り員妖精に問いかけた。
『はっ!!!第2艦隊への着弾、1発もみとめられず!!!明らかに空中で爆発しています!!!』
「空中?信管異常か?雷か?まさか、偶然向こうの航空機に当たったのでは無いのか?」
「6発共!?馬鹿な・・・。そんな事は無いはず・・・。」
見張り員妖精さんの言ったことに名波と大和は驚いた顔をしながら言った。
「田島提督から入電です。」
「読んでみろ。」
「はっ。読み上げます。〝第2艦隊は、貴艦隊の46cm主砲、全弾を迎撃。本艦隊は、貴艦隊への攻撃準備は万全なり〟」
「迎撃ですか!?私と武蔵の主砲弾12発を!?」
前の演習では6発迎撃されたが、流石の大和も、12発も迎撃されるとは思ってもいなかった。
「続きがあります。〝貴艦隊が攻撃を再備しない事を望む。本艦隊には、弾頭重量454kg、射程270マイルの攻撃火器が、準備中である!!!〟以上です。」
「射程・・・
270マイルだと・・・!?」
「提督、どうしますか?」
相手の警告文を聞いた名波は、考え始めた。
「アイツに負けるなど、あってはならぬ!!!射程270マイルの攻撃火器なんてある訳なかろう!!!大和、武蔵共に第2射用意。長門、陸奥は第1射用意!!!」
「しかし・・・、主砲弾は全て命中しなかったのですから、素直に認めてはどうですか?攻撃を止めましょうよ。」
なんと、名波は警告を無視し、また撃ち込む事を決めたようだ。大和は、もう同士討ちをしたく無かったので、名波に攻撃を止めるように進言したが、
「五月蝿い!!!私が1番なのだ!!!ここで撤退すると私はまたアイツに負けてしまうのだ!!!」
やはり、名波は聞く耳を持たなかった。
「そんなに言うなら・・・。分かりました・・・。第2射用意。」
『第2射用意良し!!!』
「ってー!!!」ドォン!!!
大和の掛け声と友に主砲が雷鳴の様に響き、大和、武蔵、長門、陸奥から一斉に艦砲射撃が、横鎮第2艦隊、そして、パラオ泊地第2艦隊に向けて行われた。
『第2射出ました!!!大和、武蔵、長門、陸奥発砲!!!』
第2射の砲弾を感知したCICから報告が直ぐに来る。
「何発!?」
『28つです!!!本艦まで41000!!!』
「SM‐2発射、始め!!!」
『後部VLS、SM‐2、発射ぁ!!!サルボー!!!』
妖精さんの掛け声と共に
『SM‐2、命中!!!』
CIC要員の妖精さんの声が聞こえたが、向かってくる主砲弾は、まだ14発残っていた。
「くっ・・・!!!迎撃し切れない・・・!!!」
そして、驚いた顔をしている曙に2発の主砲弾が吸い込まれて行った。
「キャアアアアアアアア」
最初の1発の主砲弾は、無傷だった曙を悲鳴と同時に大破へと変えた。
そして、残りの1発も、曙に吸い込まれて行った・・・。
「曙ぉー!!!」
爆発音と同時にその海域には