悪に堕ちた災禍と器の英雄   作:千倉

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〜コラボ〜決着

 

「さて、やりますわよ。準備はよろしいですね?御二方。」

 

「もちろん!いつでも行けるの!」

 

「・・・うん、任せて。」

 

(これで倒せる物なのでしょうか。あの金のオロチは。

ニブルが化学兵器を総動員しても倒せなかったドラゴン。)

 

(それの一部とはいえ、3人で対峙する事になるとは。

・・・いえ、ノアさんや龍巳さんは1人で2本の頭と対峙しているのですから、そんな事は言ってられませんわ。)

 

「一旦、普通に闘って様子を見ますわよ!

技を使うかどうかはその後の状況を確認して判断して下さい!」

 

「「了解!」」

 

「ひとまずティアさんが風の防壁で動きを牽制してわたくしとフィリルさんで攻めますわよ!」

 

しかし、オロチの口からは赤外線を利用したホーミングのミサイルが放たれる。

 

「ティアさん!」

 

「分かってるの!」

 

ティアさんが突風を生成して、ミサイルを吹き飛ばす。

 

「フィリルさん!」

 

「うん、分かってる。」

 

そのミサイルをフィリルが炎で誘爆させてリーザもレーザーを出して爆破させる。

 

 

「攻めますわよ!!鳴神迅雷雷霆!!」

 

リーザが淡く蒼色に発光し周りにはバチバチと電気が鳴っている。特徴的なブロンドヘアーも雷を帯びて全体的に角が出来て先端は上を向いている。

 

龍の円舞曲(ドラゴンズワルツ)序曲、業火滅却!」

 

フィリルの持っていた架空の魔書(ネクロノミコン)から飛び出た小さな火の玉が肥大化して大きな炎の竜巻になる。その竜巻の中から咆哮する様な動作を見せながら竜巻を消して炎で形取られたドラゴンが現れる。

 

風の刃(ウインド・ブレード)!!」

 

ティアの周りに空気が収束し、圧縮される。

高密度の空気の、不可視の刃が彼女の周りに展開される。

 

オロチはその様子を見ながら大きく雄叫びを上げて突撃してくる。

 

「行って!」

 

フィリルが右手を突き出すとそれに合わせてドラゴンもオロチに向かい突撃する。

 

炎なので触る事のできないドラゴンはオロチを包み込み、激しく燃え上がる。

 

しかし、それも咀嚼されてドラゴンは霧散する。

 

「えっ・・・嘘・・・?」

 

「大丈夫ですわ!!」

 

雷を纏ったリーザがフィリルの横から大きく飛び上がりオロチと同じ位の高さにまで達する。

 

先程咀嚼したフィリルの技を反芻しようとしているのか、口を大きく開き、中には炎が燻っている。

 

「そんなの、当たりませんわよ!」

 

炎が放たれる。

端から見たら完璧にリーザは炎に飲まれた。

 

しかし、炎が燃焼しきり霧散した後。そこには何も無かった。

 

「_______せいっやあっ!!!」

 

おおよそ女性とは思えない程の声を出しながらオロチの額にドロップキックを叩き込むリーザ。

 

更にその直後に額を踏み台にして大きく上に跳躍するとそこから踵落としを決めた。

 

雷を纏っているため、その一撃一撃は速くて重く、電流が体を駆け巡る。

 

「ティアさんっ!頼みましたわよっ!!」

 

「うんっ!任せて、リーザ!!」

 

感電して動かなくなったオロチに向かってティアが風の刃を放つ。

 

不可視の刃はドンドンとオロチに接触して鱗を削ぎ落とし肉を抉った。

 

3人がこれで終わりかと確信した瞬間。

 

オロチからとてつもない恐怖感を感じる。

自分はまだ戦える。そんな意思を示すかの様に紅い目を滾らせ、大きく咆哮をあげる。

 

そして、自身の長い首を使い辺りをなぎ払おうとする。

 

「総員、回避!!」

 

リーザが大声で叫び3人が回避行動を取る。

しかし、ティアがギリギリ間に合わず巨体と接触し、彼女の細い身体は簡単に吹き飛ばされてしまう。

 

「!_______ティア!」

 

「ティアさんっ!!」

 

リーザやフィリルが呼びかける中、吹き飛ばされたティアは答えることもなくオロチの追撃でミサイルを浴びせられようとしている。

 

(ま、間に合わない・・・ティアさんっ!!)

 

悔しさで拳を握りしめながらもどうにかして助けようとする2人。だが機動力に優れたリーザでさえも間に合わない。

 

「ユ、ユウ・・・助けて・・・」

 

掠れた声で絞り出したティアの一声。

しかし、風が激しく簡単にかき消されてしまう。

 

自分に迫るミサイルを目にしてティアは死を覚悟して目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その直後、彼女は自分を抱きかかえる人の体温を感じてゆっくりと目を開ける。

 

「悠ではないけど、助けに来たよ。大丈夫かい?」

 

見ると右手で黒色の剣を持った零夜が左手でティアを抱えながらミサイルを迎え撃とうとしていた。

 

「おいしょっ!」

 

軽い掛け声と共に空中でティアを片手で抱えながら居合いという異様な離れ業を見せつける零夜。

 

すれ違った彼から10メートル程離れた場所で横に両断されたミサイルが爆風を放ちながら爆発する。

 

途中、飛んできたミサイルの破片を何も見ずに後ろに剣を振るって弾いたりととんでもない事をやってのけた零夜は空中に浮いていたフィリルとリーザの所に飛んでいく。

 

「リーザさん、ティアちゃんをお願い。多分、多少打ち身位はしてるだろうけど気絶してるだけだから。」

 

「分かりましたわ。・・・た、龍巳さん・・・大丈夫ですの?」

 

「うん・・・それに・・・」

 

「大丈夫だよ。今さっき、同じ奴を二体倒してきたからさ。後、どうかしたの?フィリルさん。」

 

抱えていたティアをリーザに渡してオロチの所へ行こうとする零夜。だが、何か言いたげなフィリルを見て足を止める。

 

「ううん、何でもない。頑張って・・・」

 

「分かったよ。それじゃあ君たちは早く下にいる悠や深月の所に行ってて!」

 

リーザとフィリルが下降して行くのを横目で見ながら零夜はオロチと対峙する。

 

既に所々の鱗は禿げたり、焼けていたり、肉も抉れて目も片方が潰れまさに満身創痍といった呈そうだった。

 

「僕のこれまでの経験則上・・・手負いで瀕死の獣が1番怖いんだ。だから、全力で行かせてもらうよ!」

 

ノアの時と同様に口に大陸弾道ミサイルを出しながら零夜を自爆覚悟で呑み込もうとするオロチ。

 

彼は少々それに驚きながらもすぐさま冷静を取り戻す。

 

そして、全身から力を抜き、刀をブランとだらしなく下げる。しかし、その目は冷たく、オロチの一点をぶれずに見つめ続けている。

 

次の瞬間、零夜は目を見開いた。

オロチに突撃しながら刀を突き出す。

 

その刀はオロチの額を貫きドンドンと肉を裂いて貫いていく。

 

刀がほぼ全てオロチの体内に入りきった瞬間、刀を切り上げ、そのままもう一度刀を振り下ろしオロチを一刀両断した。

 

刀を振り、返り血を拭うとそのままリーザとフィリルに行く様に指示した場所へと自分も向かった_______

 

〜*〜

 

・・・さてと、後は零夜が来れば全員集合か。

 

残りの頭も一本。俺たちの勝ちは確定的に明らか。・・・・だが、何故だ。さっきから何かが、違和感が胸につっかえて取れない。

 

そんな不安を他所に零夜が降りてきた。

 

「よ、零夜。お疲れ。」

 

「ノアさん・・・まだ終わってないのですから、そういうのは終わってからにして下さい。」

 

何だよ〜・・・軽く労っただけなのに・・・というか、何か・・・暑い。異常に。

 

「分かったよ。てかさ、凄い暑くね?」

 

「言われてみれば・・・そうだね。

最初よりも凄く暑くなってる気がする。」

 

「まぁ・・・確かにな。」

 

「ホントだ・・・凄く暑い。」

 

 

俺が指摘した事によって全員も暑さに気付き始める。

だけど、そんなんに関わってる時間は無い。

 

「深月、俺があのラスト1本を引き付けるからその間に反物質弾を撃ち込め。」

 

「隊長は私なんですが・・・まぁ良いです。

分かりました・・・巻き込まれないで下さいね?」

 

「分かってるさ。それじゃ、行ってくる。」

 

余計な魔力とダークマターを消費したくないから剣も魔術も使わなくて良いか。

 

普通に空気生成と後は気を引ける何かを作れればそれだけで良いや。

 

「おら、こっちだ!」

 

軽くナイフを投げてから大声をだす。

こんな結構古典的なやり方でも気づいてくれるんだよなぁ。

 

咆哮を上げながら突進してくるオロチ。

しかし、兵器を使う様子は無い。

 

なんだ?弾切れか?そっちの方が助かるけど。

 

「ノアさん!離れてください!_________終の矢、ラストクォーク!!」

 

「おお、こえぇこえぇ。」

 

流石に反物質弾の爆発に巻き込まれて無事でいられる自信は無いから素直に退避する。

 

反物質弾の矢がオロチに突き刺さり爆発する________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筈だった。矢はオロチの体を()()()()、明後日の方向へと飛んでいき、遠くで自然と消滅した。

 

「んなっ・・・!?」

 

何だ!?何が起こった!?それに、オロチが上を向いて硬直した。そして身体が白く輝き始めて魔力が高まっていくのを感じる。

こうなっあ原因として何が考えられる!?それを整理しろ・・・オロチの高温、異常な魔力・・・あり得ない巨体・・・・周りに舞っている土煙や水蒸気・・まさか!!

 

 

あの巨体は__________蜃気楼で作られてんのか!!

 

そして、高温の体が更に暑くなり続け、魔力が放射され始めてる。・・・熱を一気に放出して爆発する気か!!

 

 

「お前ら、伏せろおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」

 

 

辺りを灼熱の空気が覆い尽くした__________

 

〜*〜

 

どう・・・なった?

 

防壁張って液体窒素を生成して全力でばら撒いたから多少はマシになっているといいが・・・なんて高温だ。

 

周りが岩とか除いたらカラカラの更地になっちまった。

 

それに、一瞬見えた魔術の魔法陣・・・・あれはゲートだった。何かを召喚する為の物だが・・・・そういう事か。

 

あのオロチはゲートを隠す為のブラフ。

だから巨体を蜃気楼で作り出した。そして小さな本体に自爆する様なプログラムとゲートを仕込んで、ここに召喚した・・・なら、何故こんな事を?

 

ここまで大掛かりなゲートで召喚するとなると相当な大物なのか、距離が開いているのか。その両者か。

 

どちらにしろマズイな。取り敢えずあいつらの安否確認が最優先か。

 

「何処だーっ!?悠!アリエラ!零夜!イリス!」

 

必死に呼びかけてるが・・・何処だ?

 

あ、スペクルム頼りに探せばいいか。

あいつは俺の魔力で出来てる訳だし。

 

・・・・・いた!

 

「・・・・これって・・・・零夜の剣の花(グラディウス)か?こんな形で展開されてるとは・・・」

 

見つけたのは零夜の技であるグラディウスがドーム状に展開されている物だった。

 

「それに・・・ヘキジも張ってある。・・・が、それでも剣が所々溶けてるな。どんな温度だっての。」

 

すると、グラディウスが消えて中からいつものメンバーが顔を出す。

 

しかし、零夜にスペクルムは疲弊しきっていた。

肩で息をしながら俯いている。

 

「お前ら!大丈夫か!?」

 

「な、何とか・・・無事だよ。零夜クンにスペクルムが頑張ってくれたからね。」

 

「そ、そうか・・・なら・・・よか・・・・っ!!」

 

全員の安否を確認できた。

だが、そんな一喜もすぐさま消え失せる。

 

煙で周りの視界が朧げながら何とか人影を視認する。

 

そして、ドス黒い殺気に。その体躯には似合わぬ程の大量の魔力に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

殺せ!!殺さなければ殺られる!!俺も!!みんなも!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本能が明確にそう危険信号を発する。

それを受けて俺の体は従順に反応して地面を蹴って接近しながら胸から罪の改革者(ギルティレジスタンス)を引き抜いて突き出す。

 

 

「ノ、ノア!?どうし・・・た・・・!!」

 

悠もその存在に気づいたのだろうか。

対物ライフルを生成して殺気の元に全弾叩き込む。

 

「ンだてめぇはあぁぁぁっ!!」

 

「?・・・お主こそ、いきなり訳の分からぬ事を言うでないぞ。」

 

・・・・は?

 

悠の対物ライフルは全弾心臓や頭、肺といった当たったら即死は免れない場所に叩き込まれた。

 

俺の剣も首を狙って全力で突き刺しにかかった。

 

 

 

だが、そいつは対物ライフルの弾丸が体に当たっても動じず、何もせずに弾を弾いた。

 

当たった弾丸がそのまま弾かれたのだ。

 

そして俺の突き出した剣も左手でまるでボールでも受け止めるかの様に受け止めた。

 

そのまま腕を下に降りながら剣の切っ先を地面に突き立てようとする。

あまりにもその力が大き過ぎて俺ごと柄を上に持ち上げた。

 

空気生成で上空に退避しようとする。

が、それは叶わなかった。

 

右脚の骨が粉々に握りつぶされる感触と共に足をガッチリと掴まれ、身動きが取れなくなる。

 

「ぐあああああぁぁぁっ!!」

 

そのまま腕を振り下ろされ俺の体もそれに従って高速で地面に叩きつけられる。

 

「かっ・・・はっ・・・」

 

もはや言葉にも出来ず、ただただ乾いた呼吸音の様な声が喉から血液と共に漏れ出る。

 

しかし、それだけでは終わらず顔面に向かって黒色の拳が落ちてくる。

サイズは普通の人間のサイズ。しかし、途轍もなく大きく感じてしまう程に威圧感は凄まじかった。

 

「くっ・・・・そがっ・・・!」

 

何とか剣を顔の前で構えて剣の腹で拳を受け止める。

 

「おおっ・・・!ワタシの拳を受け止めるとは・・・面白いのぉ・・・!」

 

にゃろぉ・・・余裕綽々かよ・・・こちとら右脚の骨バッキバキで内臓もおかしな事になってるってのによお・・・

 

ギリギリで受け止め続けていた拳に押されだんだんと剣が俺の鼻に触れかける。

 

しかし、拳の重圧は突如金属音と共に消えた。

 

「彼に・・・何をしたっ・・・!」

 

そこには刀を構えた零夜が得体の知れない人の形をした何かと対峙していた_________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました!

前書きは特に書くことなかったんで潰しましたw

後1話か2話でコラボも完結なのでどうぞお楽しみに!
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