後書きに挿絵あるので良かったら見ていって下さい。
それではどうぞ!
シアエガが去り、しばらく呆然としていた一同。
しかし回復したシャルから話があるという事で円になって色々悲惨な状況になっている学園長室の床に座って話を聞く事になった。
「ひとまず・・・お主達には心配を掛けたりと済まなかったな。」
「あぁ、それは別に構わないんだが_____知ってるんだろ?あの男の事を教えてくれよ。」
「そうです、明らかにおかしい力を持っていて・・・とても同じ人間とは思えませんでした。」
「ですわね、それに今後の事も考えないといけませんし。」
「・・・やっぱり情報は大事。隠すのは良くない。」
「そこまで詰め寄られたら_____話すしかなかろう。だが、良いのか?かなり刺激の強い話だが。」
「だってよ、イリス。」
「ちょ、ちょっとモノノベ!何であたしに聞くの!?大丈夫だから!」
「悪い、純粋に心配だったから・・・つい。」
「もうっ!」
「・・・話してもいいか?」
「ん、あぁ悪い。話してくれ。」
そうしてシャルは語り始める。
「__________あやつは通称シアエガ。だが本名や国籍、何から何まで謎に包まれておる。それで、其奴が生まれたのは27年程前の事だった。ドラゴンが出現するよりも前だな。
それで6年後、突然能力が目覚めたのだ。
それがお主の目撃したあの体から生えている武器の事だ。
しかし、ドラゴンが出現して壊滅的な被害を受けた国は混乱しておりそんな中でその異常体質を発見されたのだ。どうなるかは・・・分かるだろう?」
シャルの言葉に話さず、頷いて答える悠達。
「こうしてシアエガは拒絶されたのだ。
友人、家族、そして世界から。この時点であやつの心は闇に染まっていたんだ。しかし、少しばかりは希望が持てる状態だったのだがな・・・その希望を潰してしまったのが・・・・ミッドガルだ。」
『!?』
既にある程度は知っていた深月、悠は動揺しなかったが何も知らない他のメンバーは息を呑んだ。
「いや・・・正確にはミッドガルとあやつの両親か。」
「ん?どういう意味だ?」
「ミッドガルにシアエガを連れて行こうとした時、当然なのだが連れ去るなど以ての外だ。だから両親にこの話を持ちかけたのだが・・・迷う事無くシアエガを差し出したんだ。」
「っ!!_____それって・・・・・」
「あぁお主が考えている通りだ。
そしてミッドガルに来てからはあやつの体をずっと研究していた。時にはあの物質の耐久性を試すとの名目で様々な苦痛を与えたりもした。もう、あやつの心には憎しみ以外の何物も無かったのだろう・・・
_____数年が経ったが一向に成果は得られずあやつは無駄だと判断された。そして殺されたんだ・・・・本当に自分の業を思い知らされる・・・・」
「そう・・・だったのか。」
あまりにショックな話で一同は言葉を失っていた。
沈黙が続いていたがそれを破るように変化が訪れた。
「・・・っ!」
アリエラが突然胸を抑える。
すると彼女の体は淡く光りだす。と、それと同時に悠達の体からダークマターが溢れ出る。
「お姉ちゃん!」
「アリエラ、大丈夫か!?・・・・っ、何でダークマターが溢れ出る・・・いや、このダークマターの感じは__________ノア_____なのか?」
アリエラを包み込んでいた光は彼女の体から離れると悠達から溢れ出たダークマターを巻き込んで大きくなる。
するとそれはドンドンと人の形を作っていく。
5分程すると輪郭もはっきりとして顔が分かるようになる。
その様子をただ見ていた彼女達だったが唐突に光が散る。
すると中から出てきたのはレンよりも少し年上程度の右眼を髪の毛で隠した少女だった。
頭に赤色のリボンを付けており、髪留めも似たような色合いの物となっている。黒色の大きなスカートを着ていて和風なアクセサリーと洋風な服を着ていてかなりチグハグな格好に見える。しかし容姿は普通の日本人で髪や目も黒色だ。そして、どこか哀愁を感じさせる。
「だ、誰だ・・・お前?」
「あ、すいません悠さん。私は彼の魔術で生まれた一種の使い魔の様な者です。といっても貴方達の味方ですのでそう警戒しないで下さい。」
「それは分かったんだが・・・・・あいつ、そんな事も出来たのか・・・・後、何で俺の名前を知ってる?」
「私は彼からある程度の情報は組み込まれていますので貴方達の事はよく知ってますよ。なんたって彼が創ったんですし。」
「そ、そうなんですか。」
「驚いたな・・・ノアくんって人も創れるなんて・・・」
「もちろん、そう簡単に出来ることではありませんよ。
2年前、彼は貴方達から力を受け取るのと同時に自分のダークマターを忍ばせて貴方達の体の中で増幅、先程最後の処理が終わりこうして出てこられたんです。__________まぁ、1番多い量が入っていたアリエラさんの体に彼のダークマターが全然無くて少し子供っぽくなってしまいましたが。」
「そ、それはすまない事をしたね・・・」
「所で、あなた名前はなんて言うの?」
「そう!ティアもそれが聞きたかったの!」
「そうですわね・・・名前を分かっていないと面倒ですし。」
「名前ですか・・・無いんですよね、名前。_____あ、皆さんで付けてくださいよ、私の名前。」
『え?』
〜*〜
90分程談義した。
とにかく色々な名前が出た。しかし結局は彼が創り出したという事で鏡の意味を持つラテン語の【スペクルム】となった。
「スペクルム・・・ですか、良いですね。ありがとうございます、フィリルさん。」
「・・・いや、それで気に入ってくれたなら・・・」
控えめな事を言っているが名付け親のフィリルは何処か満足気な顔をしていた。
「それじゃあこれからよろしくお願いする、スペクルム。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」