ダンジョンで神の力を使うのは間違っているだろうか 作:ラプラス0912
そして、オリジナル展開のため、いつにも増して駄文かもしれませんがよろしくお願いします!!
いつも通り、感想などもお待ちしておりますW(`0`)W
事件が起こったのは、トウヤがベルたちと出会う5年前のこと…しかし、この話ではそのさらに3年前、8年前にトウヤが主神であるノルンと出会う頃から話していこうと思う。
『5年前とは言ったが、正確には8年前からだな。少し長くなるが、付き合ってくれるか?』
『任せてよ!!明日は特に予定もないし、神様だって今日は寝かせてくれない予定でしたもんね?』
『その通りだよ、ベル君!!さぁトウヤ君、ボクに全てをぶつけて来るんだっ!!』
あの後、寝支度を終えた3人は完全に夜更かしモードに切り替わった。
ベルは興味津々といった様子で、ヘスティアに関しては酒も飲んでいないのに酔っ払いのようにテンションを上げている。両手を大きく広げ、トウヤめがけてダイブしたところをトウヤに抑えられ、それを見たベルが幸せそうに笑っていた。
『それじゃあ話すぞ。まず、俺には両親と呼べる存在がいなかった。物心ついた頃には、既に孤児院のような施設に入っていたんだ…。』
そしてトウヤは語る。全ての始まり、自らの犯した罪、悲しい過去の物語を。
■■■■
『…。』
『ねぇあの子、今日も1人で座ってる。』
『ご両親は?』
『孤児院の子らしいわよ?毎日、夕方になると1人で施設を抜け出してはあそこに座ってるって…。』
『可哀想に…。』
夕暮れの街、川辺のベンチに当時10歳のトウヤは座っていた。
物心ついた頃には施設で暮らしていて、当時のトウヤは他人と関わることに抵抗があり、施設内でも孤立した存在であった。
そんなトウヤは、こうして夕方に街の人気が減ったのを確認してから施設を抜け出し、この川辺にあるベンチに座りこんでは毎日のように夕日を眺めているのである。
『…。』
トウヤは普段から無口で、感情表現も下手なため、施設内では陰湿なイジメの対象にされ、身体中には大きな痣や切り傷が目立つようになった。
職員たちは知っていながらも、トウヤを助けようとはせず、あろう事かその職員からも暴力を振るわれる時もあるという。
反抗しようにも、トウヤには反抗できるだけの武器も戦闘技術もない。両親もいないため助けを求めることもできない。
夕日を見つめながら、トウヤは1人、悔しそうに拳を強く握りしめるのであった。
『…なんで。』
そんな中、珍しくトウヤは口を開いた。
その目には今にも溢れ出しそうな大量の涙が浮かんでいる。
『なんで…俺はこんなにも弱いんだっ…!!』
トウヤは握っていた拳を強くベンチの手すりに叩きつける。時折通りすがる人々は驚きトウヤに視線を向ける。
そんなこと御構い無しに、トウヤは何度も何度も、力強く拳を振るうのであった。
『あ、あのぉ…。』
『っ!?』
急に声をかけられ、トウヤは驚きと恐れで立ち上がり身構えた。
視線の先には、綺麗な黒髪を束ねることなく風になびかせ、見惚れてしまうような優しい笑顔でトウヤを見ている1人の女性が立っていた。
女性はトウヤの反応に驚愕し、困ったように両手を上げて首を横に振り出した。
『こ、怖がらないでください!!私は怪しいものではなくて…え、えぇっと…そのぉ…。』
『わ、わかりましたから…落ち着きましょう。』
『そ、そうですよねっ!!落ち着きまsh…あわわぁ!!』
『…だ、大丈夫ですか?』
『うぅ…。』
トウヤの言葉を聞き、安心したのはいいが、女性は急に足をつまづかせ、大胆に尻餅をついてしまう。
トウヤは慌てて女性に駆け寄り、手を差し伸べた。女性はトウヤの手を取りながら、恥ずかしそうに頬を真っ赤に染め上げ、俯いている。
何もないところで転んだんだ、恥ずかしくない人なんていないでしょう。
■■■■
『落ち着きましたか?』
『は、はい…すみません、取り乱してしまって。』
『いえ…それで、何故俺に声を?』
『お一人だったので…。』
『…?』
『…。』
沈黙…。
『そ、それだけですか?』
『はい、お一人だったので…。』
『二回言った!?』
『ご、ごめんなさい!!わ、私…困っている人を見つけると、放っておけなくなってしまうんです…。』
『そ、そうなんですか…。』
『はい…あっ、そういえば治療を!!』
『えっ…。』
女性はハッとした表情でトウヤの手を掴む。
なすがままに手を取られたトウヤの拳は、真っ赤に腫れ上がり、切り傷から血が流れていた。
『酷い…こんなに酷くなるまで…。』
そう言って女性はトウヤの拳を抱くように胸元へもっていくと、トウヤの拳は突如光に包まれた。
トウヤは何が起こっているのか理解できず、目を見開いて自身の拳を凝視している。
『こ、これは…?』
『治癒魔法です。』
『魔法…あ、あんたは一体…?』
『私の名前はノルン…運命を司る神、ノルンです。』
『神…様…?』
これが、後にファミリアを結成する運命の女神ノルンと、トウヤ・マグリスの出会いであった。
『あなたは?』
『俺…?』
『はいっ!!あなたのお名前は?』
『俺は…トウヤ。トウヤ・マグリス…。』
『トウヤ…いい名前です!』
『あ、ありがと…。』
『あの…トウヤ?』
『なに?』
『一つ、お願いがあるのですが…いいですか?』
『…うん。』
『私の眷属に…ファミリアになっていただけませんか?』
『ファミリア…?』
『はい。私がトウヤに恩恵を与えて、2人で冒険するんです!!』
ノルンは勢いよく立ち上がり、トウヤに向けて手を差し伸べる。
『俺の世界は暗闇で、モノクロ…いつも1人で誰も見向きもしてくれない。そんな俺の世界を変えてくれるんですか?』
『それはこれからの貴方次第です。貴方がなにを求め、どう生きていくか。私はそれを見守り、導く存在です。貴方が自らの世界を変えたいと思うのならば、私は全力でそれを見守りたいです!!』
ノルンの言葉を聞き、トウヤは一瞬躊躇したものの、彼女ならいまの自分を暗闇から連れ出してくれるんじゃないか?と考え、力強くも優しくノルンの手をとり、立ち上がったのである。
■■■■
『っとまぁ、こんな出会いだったっけ?』
『違いますよ!!私は尻餅なんか付いていません!!』
『そうだったか?俺はてっきり尻餅かと…。』
『ついたのは手です。お尻はついていませんっ!!』
『…同じじゃね?』
トウヤとノルンの出会いから早3年、2人は今も2人きりのファミリアとして生活している。あの後、施設に無言でノルンについて行ったトウヤは捜索願いを出されていたらしく、ノルンと共に謝罪し、深く頭を下げたという。
『あの時はどうなることやら、まぁ忘れていた俺も悪いんだけどな?』
『全くです。トウヤはいつもいつも考えなしに行動するんですから、悪い癖です!!』
『誘ったのはお前だろうが!!』
『あいたっ!!』
ノルンは綺麗な黒髪をなびかせながら、頬を膨らませトウヤに説教する。そしてトウヤはそんなノルンに軽い拳を落とすのであった。
『うぅ…痛いですよぉ。』
『自業自得だ。さて、暗くなる前に買い物済ませるぞ。』
『あ、待ってくださーい!!』
暇があれば、こうして2人は仲良く街へ足を運んでいる。時折カップルだと勘違いされることも多いらしく、ノルンは顔を赤くしながら喜び、トウヤはため息まじりに苦笑いしつつ誤解を解いているという。
『そういえば、剣術の鍛錬は順調ですか?』
『あぁ、あれな。地獄も地獄、なんだよ2日間休まず腕立てって…。』
『や、やったんですか!?』
『いんや、50回でやめたわ。』
『私の驚きを返してください…。』
ノルンは恥ずかしそうに顔を隠す。
当時、ノルンとの出会いを果たしたトウヤは、一度施設の子供らに見つかりイジメを受けていた。言葉などではなく暴力的なイジメである。その時、ノルンが間に入ってトウヤを守り、子供らが投げたハサミ等で怪我をした。
それを見たトウヤは、自分が強くなってノルンを守ると違い、街はずれの剣術道場へ通い始めた。
『あの時のトウヤは今と違ってカッコよかったですねぇ。』
『まだ幼かったし、どんな臭いセリフも胸張って言えたんだよ。』
『今だって、言ってくれてもいいんですよ?』
『構わないけど、多分金輪際この街に姿を現さなくなるな。』
『それだけは勘弁してくださいっ!!』
ノルンはトウヤを上目遣いで見つめるが、街に現れなくなると聞くなり、血相を変えてトウヤの腕に泣きながらしがみついた。
『わかったわかった。冗談だからとりあえず離れろって。』
トウヤはそんなノルンの頭に手を乗せて撫でながら引き剥がす。ノルンは『もう少しこのままでもぉ…』などと言いながらやむなく離れることになった。
周りの人々は、2人の微笑ましい光景を見つめながら笑っていた。
『さてと、買うものも買ったし、そろそろ帰るか?』
『そうですn…っ!?』
『お、おい!!どうした!?』
気を取りなおして、再び歩を進めようとした時、突然ノルンを激しい頭痛が襲った。
トウヤは慌ててノルンを抱くように支えるが、ノルンは頭をおさえながら痙攣している。
そして、待っていたかのように周りの景色が薄暗いものとなり、上空を闇とも言える漆黒の雲が覆った。
『なんだなんだ!?』
『嵐かしら?』
『ママぁ、怖いよ!!』
周りの人々は何が起こったのか理解ができず、ただの天候変化かとばかり思っていた。
しかしその考えはすぐに否定される。
『あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーーーー!!!』
『ノ、ノルン…っが!?』
ノルンの背中から4対の羽が生え、目を見開き空に顔を向けたと思えば、一筋の光が上空からノルンめがけて降りてきた。
その光がノルンに触れた瞬間、とてつもなく強力な波動が発生し、トウヤは近くの壁に吹き飛ばされた。
そして奇怪な叫びとともに…
『ぐっ…おい、ノルン!!…っ地震!?』
地面に亀裂が走り、大地が激しく揺れるのであった。
どうでしたか?
ノルンの雰囲気を考えるのがとても難しいく、おとなしくするか、明るくするか…迷いに迷っておりました。
近頃、主人公やノルンの設定を投稿しますが、それまでキャラクターの雰囲気はみなさんのご想像にお任せ致します!!
それでは次回にお会いしましょう!!