申し訳ありません。
プロローグ
西暦2018年。人類にとって大きな実験が開始されようとしていた。
それは、人の手によって遺伝子操作の実験を行おうとしていた。
人類最高の人間を創り出そうと1つの小さな命は、そのための実験台として選ばれたのだ。妻の反対を押しきってまで……
これから未知の世界に踏み込もうとしている。
心臓の鼓動がどんどん早くなっていくのが分かる。
目の前には、丸い大きな筒のようなものが設置されていた。
早速開始された。機械を操り、順調に進んだかのように思えた。
突然ディスプレイに想定以上の数値が表示され、異常なまでに数値が膨れ上がっていく。
慌てる研究員だが、1人の男は「続けろ!」と言って止めようともしない。
そして、ついに成功した。
人類最高の人間を創り出したのだ。
「ついに完成した、最高の人間が」
男は高らかに笑っていた。満足した笑みを溢しながら。
数週間後、男は研究所から行方をくらました。
西暦2022年。
1人の少年が焼けている町を走っている。
倒壊するビルに、逃げ惑う人々は下敷きとなった。ISと呼ばれる兵器が町を破壊していた。
人の体を覆う世界最強の兵器だった。
その中で少年は、一緒に来ていた家族を探していたが、いくら呼んでも返事がない。
すると男の声が少年の耳に入ってきた。
「いいな、ここにいる奴ら全員皆殺しだ……」
少年は急いで逃げたが見つかってしまった。
ここで終わりなのか。
自分の人生はこれで終わりなのか。
父さん、母さん、兄さん、姉さんにはもう会えないのか。
少年は、瓦礫の山となったビルの前で、愕然と立ちすくむ。
それでも少年は、生き残るため一度周りを見た。
逃げ道は無かった。目の前にはのISと戦車が砲口を、少年に向け発射態勢に入っている。
自分はどうすることも出来ない。自分には力もなにもない。
生きたい――!
青い光が突き刺さった。
戦車は直下してきた槍のような青い光に車体を貫かれて、動かなくなった。
次々と撃ち抜くと、今度はISを貫いた。あのゴツゴツした装甲をいとも簡単に破った。
どうやら助かったみたいだ。戦車を貫いた光が頭上から落ちてきたのを思い出し少年は上空を振り仰いだ。
するとそこに光があった。
まばゆく輝く白い光。さっき自分を狙ったISのようなゴツゴツとしたフォルムではなく、人間に近い細身のスタイリッシュなシルエットをしている。
両手には銃器と盾を持っている。
そして、排気部からと思われるところから大量に排出されている光の粒子によって形成された大きな翼。
まるで神が降臨したかのように……
「あれは……?」
少年の瞳から涙がこぼれた。翼を広げたISが舞い降りてから争いが無くなった。
自分もああなれるのかなと思った。そうすればこんな事を無くせるかもしれない。
そしてあのISも見つめ返すようにこちらを見ている。
排気部から青の粒子を放出している機体は背を向け、焼けたパリの町を後にし、空の彼方へと飛んでいった。
この出会いは、少年の運命を大きく変えることになるのを、まだ知らなかった――。
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