ISANOTHER STORY   作:ブルーインパルス

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就活により、中々修正に時間がさけれませんでした。


MISSION10「別れ」

「いいのか、助けなくて?」

 

少年は、口元をマスクで隠している彼と遠方から倭らの戦闘を観戦している。

 

「その必要はない」

 

「そうか」

 

「……お主をなんて呼べばいいのだ、吉良か? それとも大和か?」

 

大和と呼ばれた少年は軽く微笑んでから何も答えなかった。

それよりも彼(倭)は目覚めたのだ。

あの力は未来を左右する力。果たしてその力をどこまで上手いこと使いこなせるか。

 

 

彼らは上昇した紅の機体が逃げられないよう必死に食い止めている。

逃がせばいずれ厄介事を起こすことは間違い。

別の場所で再び、ここと同じような悲劇を繰り返すわけにはいかない。

〝弾翼〟のもう1つのメイン武器〝ヴァリアブルライフル〟を両手に保持すると、攻撃をいかけた。

夕も負けじと、〝96式突撃砲〟で右側から攻める。

左腕下部に位置する〝PSハンドガン〟で牽制しながら急迫する。

――まずは1人退場だ!

ダメージを受けたのは、〝弾翼〟だった。殴る勢いが強かったのか、吸いよせられるように海面へと殴り落とされる。

 

「たく……いい加減にしろ!」

再び背を向けて飛び立とうとした。

 

「逃がすものか!」

 

〝銀翼〟が退路先に立ちふさがる。

モスグリーンの援護射撃がさらに撤退を邪魔する。後方には〝暁〟が剣先を突きつけながら真っ直ぐ突進した。〝紅の機体〟は刃の面部分を両手のひらで受け止めた。刃を掴んだまま今度は左へ振り払い、〝銀翼〟にぶつけた。

ぶつけられた〝銀翼〟は態勢を崩し、〝暁〟と共に海へ落下した。

〝黒羽〟がとっさに左に飛び退き〝紅の機体〟の注意をそらし、その隙をついて〝零〟と〝弾翼〟が攻撃を仕掛けた。

だが、攻撃は掠りもしないで避けられてしまった。

 

〈仁、タイムアップだ。目的は既に達している。合流ポイントまで来るんだ……いいな?〉

 

大和が仁にプライベートチャンネルで呼び掛ける。

 

「ちっ、タイムアップかよ――また戦場でなガキ共」

 

水中から躍り出た2機は逃げた紅の機体を視認したところで、これ以上の追撃は不可能だと判断した。

優人は戦闘で気にかけてなかったが、突然現れた2機のISを見て何かを思い出しそうとした。

――……そう言えばこの2機、どこかで見たような?

自分たちの救援に颯爽と現れた白と青のトリコロールとモスグリーンの機体は、背を向けるとそのまま飛び去って行く。

今は後を追うどころではない。被害状況と報告書をまとめなくてはならない。

 

 

優人たちは基地へ戻ると、被害状況の確認を済ませる。

そろそろ彼らは本土へ帰る頃なので、別れの挨拶をしに行こうと仲間に車の手配を頼んだ。

港へ到着するとすぐ走って行き、視線の先には最後尾に彼らが並んでいた。

 

「もう帰るのか?」

 

「……見ての通りだな」

 

寂しげな顔をする優人の表情は、夕焼けの光により強く感じた。

それを察し軽く笑って見せる翼。世界から戦争が無くなればいつでも会える。

 

「また会おうぜ、星野優人」

 

その言葉に込められた希望が、俯く彼を元気付ける。

「ああ」と返事をすると手をさしのべ、握手を求めた。翼も応じるように彼の手を握る。

時間を知らせる船の汽笛が、彼らに呼び掛ける。

乗船しようとした彼、吉良倭に視線を向けるとほんのわずかだが目が合った。言葉は交わさなくとも言いたいことは分かっている。

――隠していても分かるさ、助けてくれてありがとう。

彼らは戦い続ける、その先に争いがあるのなら、この身が朽ち果てるまで永遠に。

 

「星野……優人だったな。お前は何のために戦う?」

 

「――僕は平和のために、大切な人たちを守るために戦う。でも、僕は必要だと思わないときは力に頼らない。それに――私設武装組織と違う形で平和のために活動をする」

 

それが、彼の問いに対する答えであった。

例えこの世から消えたとしても、誰かが受け継ぐはずだ。

だから、それまではどんな敵とだって戦っていける覚悟はあると信じてる。

思いは同じだ。ただ進む道が違うだけで……

自分も戦争根絶は願っている。いつか共に平和活動をできれば……

優人はそんな淡い思いを抱きながら彼らを見送ったのだ。

 

彼らと別れ基地に戻ったことの出来事。

基地の襲撃を受けた知らせにやって来た夏海は、基地の変わり様を目の当たりにした。

至るところから煙が上がり、基地内の修復は始まったばかり。

彼女は、司令塔へ真っ先に向かった。室内に入ると優人はパソコンを操作している。

 

「星野君……」

 

「吉田さん……少し話がある」

 

キーボードでデータを入力しながら彼女が立っている方向に画面を向けた。

優人が見せたものとは、今日襲撃者を共に撃退した私設武装組織のIS。

この間見せてもらった映像と動きを比較した動画を流す。優人は、先日彼女が言いたかったことをようやく理解し、確信を持ってこう話す。

 

「やっぱり、吉田さんの言う通りだ。この映像と動きがほぼ一致した」

 

「私の言うとおりなのですよ」

 

優人が映像を止めると話を続ける。

 

「でも、彼らの行いは良くないかもしれないが、方法が違うだけだと思うんだ」

 

「それでも武力による解決は、間違っているのですよ?」

 

彼女の言っていることは間違えではない。いくら争いを無くすためとはいえ武力を武力で解決することは間違っている。

他にも方法はあるはずだ。

優人は彼らと話し合って他の方法で平和な世界にできると思っている。

 

「僕は彼らを説得する。組織のやり方は嫌いだが、彼ら自身悪いとは思えない」

 

「私は学園も同じなので、しばらく様子を見るのです」

 

「気を付けて。別の何かが彼らと敵対する勢力がいる……」

 

優人の忠告をしっかりと受け止めると返事する。

 

「大丈夫なのです」

 

何が起きるか分からないからこそ不安なのだが、今仲間を信じるしかない。

――頼むから、無事でいてくれ……

優人は無事でいてくれるのを心のなかで祈った。




次回もなるべく期間が空きすぎないように、投稿します。
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