ISANOTHER STORY   作:ブルーインパルス

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およそ3年ぶりの投稿になるでしょうか?
就活やらなんやらで忙しすぎて、何も活動ができてませんでした。
それでは本編へ


MISSION14「鹵獲作戦」

春風島に調査へ向かった倭と翼は、島民の星野優人と出会い心境に変化が現れた。

『僕は必要だと思わないときは力に頼らないし、それに私設武装組織と違う形で平和のために活動する』と彼の言葉を聞いてから、特に倭の心に響いた。

彼と出会ってから夏休みを過ぎた。

広い海に囲まれて浮かぶ1つの島。南西大平洋海盆にある無人島に1機のシャトルが着陸する。鋼鉄製の大きな扉が、鈍い音をたてながらゆっくりと開いた。

中にはいくつもの鋼鉄製の扉で区切られ、ISがそこで静かに眠っている。

今回ここに呼ばれた理由は1つ、中国ゴビ砂漠にて他国との合同軍事演習が行われるという情報が入り、ただちに武力で介入せよと。

だけどこれは罠ではないかと疑問が浮上し、彼らの意見がばらばらなのだ。その意見を纏めるため、彼らだけではなく組織のメンバー全員が集合し最終決定を決めるのだ。

ブリーフィングルームでは開発者の陣博士、吉良直哉、それに予備マイスターの幸村麗奈、沢村一乃とマイスターの行動を監視する吉良茜が既に座って彼らが来るのを待っていた。

その中に組織を全面的に支援をしている吉良直信が、全体を見渡せる位置に座っていた。

マイスターたちが席に着くと早速本題へと入った。

 

「どうやら中国のゴビ砂漠で合同軍事演習が行われるという情報が入った。何故軍事演習に武力で介入するのか、お前たちは分かっていると思うが、今回は今までとは違う規模の大きいミッションだ」

 

軍事演習が行われる日にテロ組織が燃料タンクを強奪しようと考えている。

偶然演習と重なったにてしも、テロ組織は何かしら情報を掴んでいると思うのだが。

 

「そいつはもしかすると――罠かもしれないんだろ?」

 

と翼は言った。

仮に連合軍と名付けよう。連合軍はテロ組織の行為を紛争幇助対象に武力介入を決行すると予測し、あえてテロ組織を見過ごす。

介入行動が終わると同時に一気に攻撃を仕掛けてくることだって考えられる。

 

「やつらは、鹵獲をする可能性が高いでござる」

 

佐助の口から『鹵獲』と言う単語を聞き、マイスターたちは少しざわついた。

 

「……それでも俺たちは、紛争幇助対象に武力介入することに変わりはない」

 

組織は紛争幇助対象に武力介入し、紛争を終わらせる。どんな過酷なミッションであろうと失敗は許されない。

祖父の命令とは言え、争い事を生み出すISを多くでも減らせるなら黙って従うしかない。

 

「ブルーコスモスにミッションの失敗は許されない。ミッションプランの提示を急ぎましょ」

 

普段こういうことを言わない遥は珍しかった。

失敗は許されない。紛争を無くすためにこの組織に入った。

だからこのミッションは成功させる。遥の胸はそれでいっぱいだった。

しかし、この結論に納得がいかない者が声を上げた。

 

「やはり私は、この作戦を実行するべきでないと考えます」

 

異を唱えたのは1stチームの予備マイスターである沢村一乃。

この作戦はあまりにも危険が伴い、介入したところで鹵獲されることは目に見えているからだ。

だからこそ、武力介入は見送るべきだと主張している。

 

「ほう、君はこの作戦に反対するのか。では、そのまま見過ごせと言うのじゃな」

 

直信は、一乃を睨み付ける。

彼には、どうしても今回の介入を実行させたかったのには理由がある。

理由はあるが、そのことを口にせず遠回しに実行に移すよう脅しているのは誰も気付いていない。

返答に詰まり、若干顔を下に向けた。

 

「私も反対します」

 

そう言ったのは、一乃と所属が同じ予備マイスターである幸村麗奈。

彼女もこの作戦は、実行すべきでないと判断した上で反対したのだ。

 

「しかし、これは絶好のチャンスとは思わんかね、君は?」

 

直信は、どうしてか彼女らを冷たく見据えている。

 

「そうかもしれません……ですが!」

 

反論を始めた麗奈だが、彼の表情を見てから言葉を詰まらせる。

どうして反対するのだという、表情に表れていたからだ。

 

「そこまで心配するというなら、バックアップに回ればよいではないかね?」

 

彼の提案に戸惑いを隠せぬが、ここで従わないと自分の身がどうなってしまうか。

麗奈は渋々、彼の提案を承諾した。

そして作戦の説明を一通りを終えたところで、マイスターたちは準備に取りかかったのだ。

 

 

「緊張するよな」

 

ISを身に纏った翼が気楽なコメントをする。しかも、ライフルや照準の微調整を行いながらだ。

彼といったらこれから一番の大仕事をやるというのに、どうして気楽でいられるのか不思議だ。

倭はまったく表情1つ変えずに、ただじっと待機している。

いつでも任務を遂行できるといった状態であった。

 

「大丈夫なの?」

 

遥は吉良倭を見ているだけで不安に思ってしまう。

今回は、本当に規模の違うミッションを遂行し、大きなリスクが待ち構えている。

 

「……俺は任務を遂行する。ただそれだけだ」

 

彼女へ淡々と答える。

 

「それができるのかどうかが――」

 

「……問題ない」

 

「でも……今回は介入後、連合軍は確実に攻撃を仕掛けてくるのよ。それに規模が違うと思う。下手したら死ぬかもしれないんだよ」

 

「俺は死なない。……目的を達するまでは」

 

「倭の馬鹿っ!」

 

遥は怒鳴ると格納庫から出て行く。

後を追うように倭が彼女に声を掛ける。

 

「遥……」

 

声を掛けられ立ち止まるが、背を向けたまま何も話さない。

彼女は分かっているつもりだ。

彼の過去に起きた例の任務。本当に変わってしまったのは、パリ襲撃事件などではない。

彼にとって、大切で身近な存在。

彼女もその子を知っていた。まさか自らの手で、命を奪うだなんて思いもしなかったはずだ。

力を求めていた彼にとって残酷な運命が突きつけられ、心の傷を深く抉り、穴がぽっかり空いてしまった。埋めても埋めても、埋まりきらない。

正直自分は、彼にどう接すればよいのか、分からないのだ。

 

悲しげな表情の彼女に、なんて言葉をかけてやればよかったのか。俯いたまま行く彼女を、ただ目で追うだけであった。

 

中国ゴビ砂漠にて、私設武装組織ブルーコスモスは武力介入を開始した。

翼と遥はテロ組織を捕捉すると、すぐさま先制攻撃を仕掛ける。

大型トラックの後部座席には、弾薬や銃を構えたテロリストたちが待機していたのだろう。派手な爆発が起きた。

IS相手に歯が立つ訳では無い。どれほどの兵器を用意しようと、ISの装甲を前にしては通用もしない。圧倒的な差により、テロリストたちは一瞬にして片付いた。

 

「介入は終了した。引き上げるぞ……遥」

 

「分かったわ」

 

その直後である。合同軍事演習はやはり表向きだけであって、BCのISが介入した途端に〝暁Ⅱ式〟と〝零〟に向かって砲撃が始まる。

前方より大量のミサイルが2機のISを襲い、地上に降りざるを得ない状況へと追い込まれる。

〝零〟は外套状の〝PSフルシールド〟で攻撃から身を守り、〝暁Ⅱ式〟は〝零〟と背中合わせで〝PSシールド〟の展開を行い激しい猛攻を耐え続ける。

 

「くそっ……これじゃ反撃すらできないじゃねーか」

 

翼は、軽く舌打ちをしながら文句を吐き捨てた。

 

「いつまで続くのよ」

 

いつ攻撃が止むのかは分からない。しかし、よくこの短期間でこれだけのミサイルをつくれるとは敵ながら天晴れだ。

油断はできない。ミサイルの雨は降り続け、いつしか空は煙によって灰色へと変わり果ててしまった。

同時刻、〝暁〟は上空から6つの砲門から光を放ち〝零〟、〝暁Ⅱ式〟を襲うミサイルを払い落とした。

今度は〝暁〟に照準が絞られると大量のミサイルが放たれる。

〝ニーダー・ブレンネン〟の重装備だと機動性を殺してしまい、ミサイルを全てかわせることができない。

倭は焦りの表情を1つも見せない。この機体には球体状のフィールド〝PSフィールド〟が搭載され、ありとあらゆる攻撃から身を守ることができる。

それが今展開され衝撃が走る

。が、気にもとめず両肩と両膝の〝PSキャノンⅡ〟を解き放ちミサイルを撃ち落とす。

しかし、ミサイルの雨は降り止まず今度は〝暁〟の動きが封じられる。

 

「……動けない」

 




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